2010年04月11日公開|BMW
この135というBMWは存在を知りませんでした。
たぶん町では見かけてはいたのでしょうが3シリーズと思い込んでいたと思います。
先日静岡に行ってきたのですが、気にして見ていると往復で3台もすれ違いました。
オーナー様にいろいろと教えていただきながら観察するとなかなか面白そうなお車でした。
このショートホイルベースに直6 3.0Lの306PS 40.6kgmのトルクとやる気満々の走り屋車です、なおかつM/T6速なので更に楽しそうです。
車体も小さいので峠ではなかなかの走りをしそうですが、トラコンオフで限界まで攻めるとショートホイルベース・ワイドトレッド・フロントミッドシップなので一気にクルット行きそうです。
そのリスキーさが又楽しそうです。
M3を買うより楽しめるような気がします。
全体的なデザインは割りと落ち着いた感じです、BMWらしいデザインです。
1シリーズといえども手を抜いておらず、ちゃんと高級感も醸し出しています。
以外なのはメーターデザインはシンプルだったことです。
ダッシュボードのデザインもシンプルで落ち着いた感じです。
シフトレバーの周りは当然レザーですがその縁にウッドを使うところはなかなかいい質感を作っていると思います。
シフトレバーの上にあるのはドリンクホルダーですがこれは気に入りました、モダンなつくりで以外と丈夫そうです。
リヤシートが以外と広のには驚きました、大人4人でも無理なく乗れるほどのスペースがあります。
座りごごちも悪くありません。
結構世間には形だけの4シーターが多いですが、この車はきちんと実用レベルにありたいしたものです。
使えない4シーターならはじめから2シーターにすればいいのにと思いませんか?
今ではほとんどなくなってしまったストレートシックスのスポーツエンジンです。
高回転での伸びやアクセルのつきのよさはたまらないものがあります。
ここまで過激に作ったのですから、ブレーキディスクはドリルドかスリッドにしてほしかったです。
ご依頼いただいたのはセカンドオーナー様ですが、ファーストオーナー様のご友人で破格のお値段で譲り受けられたそうですが、このホイルはファーストオーナー様が鍛造ホイルではBBSと並ぶニーズで特注されたホイルだそうです。
ノーマルでは215/245ですが235/265にタイヤサイズも大幅に広くなっていますが、標準のランフラッドからネホバにタイヤが変更されていますのでそれほどバネ下重量は変わっていないと思います。
磨き前膜厚は143μでした。
登録からちょうど2年が経過したところですがかなりのダメージを受けています。
ファーストオーナー様も知り合いなので書きにくいのですが、かなりお手入れがずさんで乗りっぱなしだったと思われます。
傷もさることながらイオンデポジットで屋根とトランクは重症で、約20ミクロンくらいは食い込んでいると思われます。
20μですとほぼクリアーの研磨限界に近いのでこれを取りきるとなると博打になってしまいますので、今回は傷の研磨だけにとどめました。
磨き2工程が終了した状態です。
だいぶ傷が無くなり艶も戻ってきました。
細かく見える傷はファーストカットでのウールバフによるスクラッチです、これを残りの2工程で落とし仕上げていきます。
太く見える傷は磨き前の状態であった傷の取りきれなかった傷ですが、これはウールバフでは取りきれなかった為残りの工程では取りきることは難しく2~3割程度は残ってしまいます。
ただし傷が目立つのは傷のエッジがあるから光が屈折して目立ちますが、ここまで磨くと傷のエッジが丸くなり光の屈折が弱くなるため自然光ではほとんど確認は出来なくはなります。
このお車の場合残った傷を取りきるには03~04コースの磨きを行えば9割がたの傷は取りきれますが、今回はコーティングに主点を置き現状維持をすることになりました。
磨き後膜厚は136μでした。
研磨膜厚は7μと最近の施行のなかでは非常に多い研磨厚でした。
02プラスの研磨厚としてはこれが限界のレベルです、それでも取りきれない傷が残るほど当初のダメージが深かったということです。
左の写真が磨き前の状態です。
右の写真は磨き後の状態ですが明らかに別物といっていいほど傷も無くなり、艶も出ています。
多少の傷が残っていても傷のエッジを丸く処理すればこれくらい目立たなくきれいになります。
左の写真はウインドウ枠にカルキやイオンが付着してできた鱗です。
このお車の場合この部分はボデイとは塗装が違うために磨いて落とすことはリスクが大きい為、鱗を落とす特殊な溶剤を使用して鱗を除去しました。
ぜんぜんきれいになりました、このような部分がくすんでいるとほかが如何にきれいでも車全部がやつれて見えてしまいます。
BMW ビーエムダブリュー 135i コーティング終了
長期預かりでお預かりして1ヶ月がたちました、やっとこ仕上りました。
正直今回は苦労もトラブルもありかなり神経をすり減らしながらの施行となりました。
その間オーナー様も2回も足を運んでくださりご苦労をおかけして済みませんでした。
トラブルの原因は磨いていく中で第二工程で発覚しました。
1:バンパー部分の塗装剥離。
2:ボデイ上面部分のダブルアクションによるマジックテープによるたたき傷とポリッシャーによる深い鉤傷。
バンパーの塗装剥離は2番のことが原因で塗装がサフェーサーから浮き上がりをおこしていたものと考えられます。
どちらにしてもファーストオーナー様がお乗りになっているときに行った磨きやコーティングが原因と考えられるのでオーナー様に状況を説明し、前の状況をお聞きしましたところ新車納入時にディーラーでコーティングを施行されて以来磨きやコーティングはされていないとのことでした。
新車時の磨きは特にドイツ車の場合傷が少ない為シングルアクションポリッシャーを使用せず、ダブルアクションポリッシャーを使用することが多く、この場合研磨厚が少ないので比較的経験の浅いものにも施行をさせることがディーラーの場合や依頼を受けた施行店には多いようです。
ダブルアクションポリッシャーに起こる危険は、普通に使用している分には問題はほとんど起こりませんが、プレス圧が強すぎたりコンパウンドの伸びに偏りがあり楕円回転が止まりそうになると叩き運動を起こしやすくなります。
叩きを起こした場合パット見はメタリックのように見える細かい穴が開いていきます、よく見ると形が釣り針のようになっていますのですぐに傷だとわかります。
これが非常にたちの悪い傷で、ほとんどの場合10μ以上の深い穴の様になってしまいます、ウールバフ程度では取りきることは困難で完全に取りきるには少なくとも3000番のペーパーを掛ける必要があります。
ウレタンやFRPの植えの塗装はサフェーサーと素材・塗装の密着が弱いため、回転運動により熱が上がったところに叩く力が働くと軽い浮きをおこしやすくなります。
又コンパウンドの伸びに偏りがあり無理なプレス角度で研磨をすると、バフにコンパウンドを咬みこみ一気にコンパウンド粒子径の何十倍という深さの回転傷をつけてしまうことがあります。
新車や手ごろな価格の磨きコーティングでは比較的経験の浅いものが施行することが多々あると思われますが、場合によってはそれが塗装の命取りになる危険もありますので、価格が安いからとかディーラーだからとか安易に施行店を選ばないようにすることが重要です。
後からこのようなことが発覚しても磨きに関してはほとんどクレームとして認めてもらうことは不可能です。
これを身銭で完全な状態に戻そうとすれば易い全塗装に近い金額もかかりますし、施行できるお店も一県に一店舗在るか無いかと思います。
ちなみにこのディーラーさんは長野県のお店ではないので県内のBMWオーナー様はご安心ください。
このようなトラブルはありましたがかなりのレベルに仕上げることが出来、オーナー様にもご満足頂ほっと胸をなでおろしました。
傷は完全に取りきることはできませんでしたが、ご注文いただいたハイモースコートはそれを補うほどの艶を放っておりました。
なにせ9H硬さを誇るコーティング剤ですので、オーナー様が気にされていたお手入れもあまり神経を使わず簡単に行えるようになり現状維持が可能になると思います。
施工中足をお運びいただいた際にホームページのお気に入りで使用できるブランドマークまでおつくり頂いて、本当にありがとうございました。
毎回楽しい会話もさせていただきとても楽しかったです。
ブログを介してですがお礼申し上げます。
施工コース:ハイモースコート+04磨きコース(超鏡面磨き)+ホイルガラスコーティング
施行料金:181.913円税込み(長期お預かり割引・持ち込み引き取り割引き・輸入車割り増し 適応)
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