2010年06月24日公開|フェラーリ
今から約30年前のデザインとは思えない美しいデザインです。
まだまだ空力というところでは現代の車の足元にも及ばないでしょうが、見た目の美しさでは勝っているように思います。
ボディデザインはピニンファリーナのデザイナー、レオナルド・フィオラヴァンティが担当。歴代フェラーリの中で最もフェラーリらしく優雅で美しいとされるモデルのひとつです。
一般的にフェラーリというと=スーパーカー=超速い というのがイメージだと思いますが、本当に速い車となったのはF355からでこの頃のフェラーリは決して遅くは無いのですが速いとも言える車ではありませんでした。
この頃の本当の意味でのスポーツカーの代表はポルシェだったと思います。
今回オーナー様のご好意により2Kmほど運転をさせていただきましたが、やはり走行性能的にはそれほどの速さはありませんでしたが、スピード感はかなりありました。
それでは矛盾しているように感じるかもしれませんが、これは感覚的な問題です。
この当時のフェラーリはそれほどボデイ剛性も高くなくダウンフォースも低い為100km/hを超えると浮いたような感じと剛性不足からスピード感を強く感じることとなります、簡単に言うと怖いということです。
ただし車、特にスポーツカーは速さだけが価値ではありません。
このフェラーリの魅力はとても沢山あります。
などなど書き出したらきりが無いほど運転することが楽しくなる車です。
思わず旧車のスポーツカーがほしくなってしまいました!
現行フェラーリと比較するとかなりおとなしいデザインですが、当時としては並ぶところの無い先進的なデザインだったと記憶しています。
高回転でまわしたときのスムーズさは、当時の国産車と比較したら大人と赤ん坊以上の差があると思います、レスポンスのよさはとても30年前の車とは思えません。
なんともシンプルなデザインです。
現代の複雑な操作パネルと違い簡単明瞭です。
残念ながら、ドア内張りとメーターとダッシュボードの1部はオリジナルではなくなってしまっています。
まあ30年という歳月を考えれば仕方の無いところだとは思います。
当時としてはスーパーカーご用達のリトラクタブルヘッドライトです。
この時代ですでに4本マフラーです、さすがスーパーカーの祖フェラーリです。
この当時のフェラーリは当然油性塗料を使用し、クリアーも無い1コート塗装ですから当然塗装も柔らかくかなり気をつけて管理していてもこのように傷は容易くついてしまいます。
柔らかいということは研磨はしやすいのですが仕上げることは困難です。
研磨が簡単ということはバフの傷が入りやすいということになりますから、仕上げようとしてもバフの傷が残りやすく最後の仕上げ磨きで如何に傷を入れずに磨き上げられるかが勝負です。
油性1コート塗装の特徴として、肌感が非常にきれいということがあります。
水性塗料のように柚子肌にならずすきっとした映りこみのきれいな肌になります。
油性塗料の特徴として厚い膜厚があります、30年経過する中何回かは磨かれていると思いますがそれでも205μもあります。
今回は2回のスポンジバフで仕上げました。
1回目の磨きで4μの研磨、最終的に総研磨厚は6μとなりました。
先にも触れましたが、塗装が非常に柔らかい為スポンジバフでの研磨でも6μもすぐに研磨されてしまいます。
これだけ艶がはっきりと変わります。
油性塗料で1コートの場合傷もそうですが、紫外線の劣化に対して非常に弱いためこのように艶がなくなってしまいますが、表面の劣化した塗装を研磨して新しい表面を出すことによりここまで艶が復活します。
新車の当時の雰囲気が蘇ってきました。
ガラス系ポリマーコーティングを塗りこんだところです。
後は余剰成分を拭き取り、鏡面になるまで丹念に拭きあげを繰り返します。
Ferrari フェラーリ 328GTS コーティング終了
今回のコーティングはいつものお決まりのガラスコーティングではなくポリマーコーティングにお客様とご相談の結果いたしました。
どうですかこの見事に復活したフェラーリレッドは!
さすがにフェラーリですから日常的にお乗りになることは無く、乗っても月に1回程度でシーズンは約半年ですから1年で6回ほどしかお乗りになられないとのことでした。
そうなると何も硬いガラスコーティングを施工しなくても傷が入る心配は余りありませんので、塗装の保護よりも艶の質感に重点を置くこととしました。
車磨き研究所のガラスコーティングは業界の中でもトップランクの艶を誇るものもありますが、ポリマーコーティングの艶とは本質的に艶の種類が異なります。
このフェラーリのようにソリッドの特に油性塗料の場合にはガラスコーティングの硬い冷たさのある艶よりも、トロリとした柔らかな妖艶な艶のほうがより車の雰囲気を強調することが出来ます。
このポリマーコーティングは一般的なガソリンスタンド等で施工されているものとは全く違うコーティング剤です。
ガラス系繊維のポリマーにカルナバを加え、よりザイモールWAXのような艶に近づけなおかつガラス系なので耐スリ傷性能も併せ持ったポリマーコーティング剤です。
コーティング剤の選択は、値段が高ければ良いとか硬ければ良いとか機能が高いほうが良いとか、選ばれる理由はいろいろですが、ご自分の車のスタイルや雰囲気にあったコーティングを選ばれることも大事なことだと思います。
あと大事なことがあります、今回のようにソリッドカラーの1コート塗装や油性塗装または10年以上経過したお車の場合、ガラスコーティングの性能が高いものほどコーティングトラブルを起こす可能性が高くなります。
このような塗装の場合塗料の粒子が粗く密度が低い為に高性能のガラスコーティングは非常に粒子が細かい為塗料に吸い込まれてしまう可能性が非常に高くなります。
1回塗装に吸い込みを起こしてしまうとコーティング剤がムラになりそれを除去することが出来なくなってしまいます。
補修の方法は再塗装以外なくなったしまいますのでくれぐれもご注意ください!
施工コース:エクセレントフィニッシュ・クアイヤット ポリマーコーティング+02磨きコース
施工料金:119.280円税込み(輸入車割り増し磨き10%・形状割り増し磨き20%・ソリッド割り増し磨き10% 適応)
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