2010年08月01日公開|マセラティ
マセラティ クワトロポルテの中でもひときわ豪華な内装を誇るエクゼクティブGTです。
なんとこのお車は現オーナー様の前は、ある有名モデルさんが特注オーダーで仕立てられた超レアものです。
現在のラインナップからは消えてしまったモデルですが、内装の妖艶さは現行モデルとは比較にならないすばらしい作り込みです。
同価格帯にあるセダンのAMGやジャガー・BMW750Lとは格が違う豪華さです。
スタイリングもセダンとしては独特な、いかにもイタリア的なデザインです。
サスペンションにも手が入っており、クライスジーグのローダウンサスが装着されています。
かなり車高は落ちてタイヤがかぶるほどなのでその迫力はベンツのローダウンとは又違うオーラを醸し出しています。
どうですか?
この豪華な妖艶なデザインは!
ビトゥルボの時代からマセラティといったら高級レザーとアルカンタラそしてウッドの組み合わせの巧みさが際立っておりましたが、特にこの内装色での組み合わせはもっともマセラティらしいセンスだと思います。
このデザインをほかの車に使用するとただの派手なセンスのない車になってしまう可能性が大きいですが、ことマセラティに関してはこのくらいがちょうどいいと感じてしまうのは不思議です。
先日も都内某高級ホテルのテニスコートの駐車場にクワトロポルテが駐車されておりましたが、其処を通り過ぎる若者たちの何組かは、記念写真を取ったりしていました。
スーパーカーならいざ知らずセダンで人目を引くオーラを持つのはマセラティとロールスロイス・ファンタムくらいなものでしょう。
メインのフロアカーペットと色を変えたフットカーペットのバランスは見事です。
今ではインポーターがマセラティジャパンとなりましたが、このお車はコーンズ物ですがさすがは超高級車だけを扱ってきただけのことはあるすばらしいセンスのフットカーペットの見立てです。
名前のとおりエグゼクティブ用に後部座席は至れり尽くせりです。
きちんとテーブルも装備されています。
フェラーリF430と同じエンジンをディチューンしたものが搭載されています。
パワーからすればAMGには及びませんが、エンジンから発する吸気音やエキゾーストサウンドは全く別次元のサウンドを発します。
車体を確認できなければ音だけ聞いていればまさにスポーツカーです。
今回の施行にはエクセペルフィルムのボデイプロテクションフィルムもご注文いただきました。
関東中京地区では何店舗か取扱店もありますが、甲信越地区では初の代理店として車磨き研究所がサービスを開始いたしました。
取り扱いフィルムは、エクセペルフィルムでボデイ用で3種類・ライト用で5色のほか、ルーマーボデイプロテクションフィルムも取り扱っています。
そもそもプロテクションフィルムとは何ぞやと思われる方もいらっしゃるかと思いますので簡単に解説いたします。
一番大きなメリットは飛び石からボデイを守ることです、次に紫外線等の劣化から塗装を守ることになります。
アメリカではすでに誰もが知るほどオーソドックスなカーケアになっていて、日本でもほとんどのレーシングカーに採用されています。
日本ではまだ一部の方にしかなじみが無い為又価格も高いので普及率は低いですが、ドアステップなどやインパクトエリアに限定した部分的な施行であればそれほど高額な料金にはなりませんのでぜひお試しください。
サービス開始キャンペーンとしてお得な限定サービスも行っておりますので、詳しくは新着情報を御覧ください。
施行箇所はフロントバンパーとドアカップ・サイドミラー・リアインパクトエリア・サイドシル部分です。
飛び石にダメージを受けやすいところを重点的に施行しました。
フィルム自体の厚さは150μという厚さですので塗装の厚さと同じくらいのものですが、非常に透明感の高いものですので塗装の色がくすんだりぼけたりすることはほとんどありません。
国産車でも一部の車種では部分的に施工されているものもありますが、それらと比べたときに意匠性には大きな違いがあります。
施行1台目で大きな事件が起こってしまいました!
フィルムのチリを直す為張りなおそうとしたところ、なんと塗装が剥離してしまいました。
今回の施行は本部のチーフインストラクターにお願いして施行いたしましたが、こんなことは初めてだそうです。
剥離したところをよく見たください、鉄板の地が出ています?
つまり補修塗装がされていてしかもサフェーサーがはいっていません、これではフィルムの粘着力でも塗装が剥離するわけです。
新車塗装やきちんとした塗装がされていればこのようなことはおきませんのでご安心ください!
この補修塗装には続きがありますので後でご説明いたします。
如何に高級車といえども使用していれば傷が入ることは完全には防ぐことは通常は出来ません。
さすがにこのクラスですから当然手洗い洗車のみで管理されてきてはいてもこのようになってしまいます。
これには大きな原因が2つほどあります。
これを解決するにはコーティング施行時にきちんとコーティング剤の性能を確かめ、耐スリ傷製や防汚性能などを確認し、使用目的や使用環境に合わせたものを選択することです。
磨き前膜厚は192μでした。
傷の問題よりも大きな問題がイオンデポジットでした。
ソリッドの黒ということもありイオンの焼き付が激しく当初は3000#からの施工の予定でしたが急遽1000#からのペーパーの施行にトップ部分のみ切り替えることとなりました。
1000#ペーパー施工後の膜厚は189μでした。
研磨膜厚は3μです。
2000#・3000#とペーパーがけを行いここからこのしろくなった塗装面を超鏡面へと仕上げていきます。
3000#ペーパー施工後の膜厚は186μでしたが、残念ながらこの段階ではイオンデポジットのクレーターは処理し切れませんでしたので、オーナー様にご連絡をし現状をお伝えし完全にクレーターが処理しきるところまで研磨するかをご相談したところ、
「自分の後に乗る方のためにあまり塗装を薄くしてまできれいにすることもどうかと思うので、この段階から出来るところまで仕上げてください。」
とのことでしたので次の工程のウールバフに入ることとしました。
白い丸の中に刷毛で引いたような筋が有るのがお分かりになると思いますが、これも以前に行われた補修塗装の傷跡です。
ウールバフによりペーパー傷が処理され塗装の光沢が戻ることにより出現してきました。
なぜこのようなものが出来ているかといいますと、下地塗装を吹いた後中研ぎといって吹いた下地塗装にポリッシャーをかけ肌を整える作業がありますが、この際ポリッシャーでつけてしまった傷が残ったままクリアーを吹いてしまったことからこのような模様が塗装に残ってしまうことになっています。
確かに入り墨になっていて磨くことは難しいところでは有りますがリアフェインダーの同じ部分に2箇所あったので仕事としてはかなり雑なことは間違いないと思います。
フィルムのところでも塗装剥離がありましたが、同じパネルでのことですので同じ塗装屋さんの仕事と思われますが、職人としてのモラルはかなり低いと思います。
人の振り見て我が身を正す!
教訓にいたします。
表面のクリアーも当然下地について不陸が有りますので、この不陸を均し鏡面にしてあげることでほとんど確認は出来なくすることはできました。
これにはクリアーの下地の状態までもを変化させる必殺の磨きの技がありますが、これは門外不出の極秘テクニックですので解説は出来ません。
ウールバフ後更に3回のスポンジバフをかけ磨き終了後の膜厚は181μでした。
総研磨厚は11μとなります。
残念ながらイオンデポジットのクレーターは更に20μ近く深いためここで終了となりました。
しかしクレーターは残っていても超鏡面にはなっているため映り込みの輪郭ラインはバッチと出すことが出来ました。
磨き屋としては、完全なところまで研磨して仕上りを見たかった気持ちも有りますが、1番優先すべきはオーナー様のお気持ちですので、これでご満足いただけることを願うしかありません。
ブレーキキャリパーもホイル用ガラスコーティング剤でコーティングをいたしました。
このコーティング剤は耐熱温度が1000度以上のためかなりの高温になるブレーキキャリパーに施行できる数少ないコーティング剤です。
カラーキャリパーの場合汚れが目立ちやすく、なおかつ掃除をすることは大変で悩みの種とおっしゃる方も多いと思いますが、”これで問題解決です。”
未塗装樹脂部分もガラスコーティングを施工してあげることでここまで黒光りするようになります。
ワイパー下の部分やドアステップは標準施行に含まれます。
ただしボンネットフード内部はオプション施行となりますが、今回は大変高額のご依頼を頂いたのでトランク内部やドアステップの塗装部分につきましてもサービスで施行させていただきました。
お客様へのささやかなプレゼントになればという気持ちです。
MASERATI マセラティ クアトロポルテ エクゼクティブGT コーティング終了
今回のコーティングはお客様を説得しての半ば押し売り的進め方で施行を了承していただきました。
お客様のお望みはボデイダメージを少しでも避けることの出来るコーティング剤で、なおかつしっとりとした艶で、このお車のソリッドブラックを引き立たせるものをお望みでした。
はじめはハイモースコートでとの方向もありましたが、あえてそれをやめ今回お客さまでは初めての施行となる”新たなWコーティング”に挑戦していただきました。
車磨き研究所のデモ車のマセラティで何度か試験を繰り返した結果、目の肥えた業界関係者も、
「ナンダこの艶は!」
とたまげた新コーティングです。
ベースとなるコーティングは傷を防ぐ為に硬いガラスコーティング、マーベラスフィニッシュ・プレミアムを使用します。
これはトップコートとの相性の良さから選択をいたしました。
そしてトップコートには”ザイモールWAX”を使用します。
使用銘柄使用の具体的方法は残念ながらオーナー様以外にお教えすることは出来ません。
何をいまさらWAXなんだと思われるかもしれませんが、どんなすごいコーティング剤でも純度の高いカルナバロウが発する妖艶な艶にかなうものはありません。
親水性のマーベラスフィニッシュ・プレミアムを使用することでWAXの弾きを防ぎ、逆に光沢の深みを作り出すことが出来ました。
ご納車の際オーナー様とご友人お二人とでおいでになられお車をご確認いただきましたが、皆様磨きの超鏡面の作り出す映り込みの強烈さとガラスコーティングが作り出す深みと極め付けにザイモールWAXの妖艶や艶に感嘆され御満足いただけたご様子でした。
お預かり期間1ヶ月を要した施行もお客様のご満足を頂き磨きや冥利に尽きる限りです。
施行させていただきまして本当にありがとうございました。
施工コース:マーベラスフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング×ザイモールWAX+03・04磨き(超鏡面磨き)+ホイルガラスコーティング+ブレーキキャリパーガラスコーティング+スプラッシュビューコーティング+ボデイプロテクションフィルム
施行料金:516.498円税込み(輸入車割り増し磨き10%・ソリッド割り増し磨き10%・濃色車割り増し磨き10%・お持込お引取り割引10% 適応)
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