2010年09月17日公開|トヨタ
やはりランクルはでかいです。
名前の通り陸の巡洋艦はぴったりです、世界の中でもレンジローバーを越える高級オフローダーとして君臨しています。
国産オフロード4駆のなかではライバルと呼べる車は全く存在しない孤高の存在です。
シグナスに係わらずこの分野では国内ではトヨタの一人勝ちはゆるぎないものとなっています。
80系からランドクルーザーは方向性が大きく換わりクラウンを超える内装を与えられオフローダーのリムジンのようになっていきました。時は4駆ブームで泥んこ遊びのオフローダーやハイリフトが町をブイブイ言わせておりましたが、徐々にローダウンのオフロード4駆が目に付くようになってくると同時に、SUVというジャンルが人気を得始めたタイミングとランドクルーザーの方向性の変化とがうまくマッチしたのだと思います。
このタイミングのトヨタの決断は大当たりでした。
オフローダーとしての無骨さは70系に譲り、ランドローバーとレンジローバーの関係のようなはっきりとした棲み分けをしたことが大きな成功のポイントだったと思います。
4駆でこの豪華な革シートです、セルシオ並のお金のかけ方です。
海外のセレブ達に大人気になったのもうなずけます。
これらの装備と素材も高級セダンであれば特にすごいというわけではありませんが、ランドクルーザーはあくまでもオフローダーですから国産他社と比較すればその差は歴然としています。
いくら高級車になったとわゆえ、基本はオフローダーですからメーターまではVIPカーのようには行きません。
このようなところのデザインは早くから高級4駆を手がけてきていたローバーやベンツのほうが1枚上手です。
いくら高級車になったとは故、ランドクルーザーである以上はオフロード性能をおろそかにすることは出来ません。
日本の市場ではこの性能はもはや無用かもしれませんが、海外では道無き道を行く役目もありますのでこの機能はは外せません。
エンジンも国内最大排気量の4700ccのNAエンジンを搭載しています。
3t近い総重量を物とはせずに高速道路も乗用車並のスピードで巡航可能です。
巡洋艦ですがフットワークは駆逐艦並です。
今回はフロントガラスとフロントサイドガラスの磨きとコーティングもご依頼いただきました。
ボデイの状態は非常に良かったのですが、フロントガラスだけはそれなりに傷が入っておりました。
ガラス磨き専用ポリッシャーを使い30cm四方くらいを熱が入らないように慎重にゆっくりと磨いていきます。
フロントガラスについてしまった傷は、ボデイと違い運転しているときには常に目にはいってしまう為、気になりだすと気になってしょうがないものです。
細かい傷がそれなりに入ってしまうといくら油膜取りできれいにしても、傷の中にシリコンが残ってしまう為に雨のときに視界が妨げられる原因となります。
これを解消する為には傷を埋めるような処置では何も変わりはありません。
傷を磨きとる以外に方法はありません。
ガラス屋さんなどに依頼をすることも可能ですが、同じガラスの傷取りでも使用する機械が非常に高価(150万円位)なものを使用するためにどうしても料金が高くなってしまいます。
もう1つ方法はあることはあります。
強酸の溶剤を使用してガラスを溶かして傷を埋めてしまう方法です。
この方法は1番簡単に施行可能ですが、1番リスクも大きくなります。
酸がガラス面を均一に溶かすとは限らない為傷が取れる代わりのガラスに歪みを作る可能性が非常に高くなります。
又溶けたガラスが再度固まって膜となることもあり、それは曇りになってしまうこともありますので、ガラスの傷取りを依頼されるときは、施行方法の確認をされることをお勧めします。
車磨き研究所のガラス磨きは安全ではありますが、何ミクロンも削ることが可能な磨きではありませんので、傷を爪で触ったときに明らかに爪が傷に引っかかるような深い傷は完全になくなるようにすることは出来ません。
磨き前膜厚は128μでした。
その後三回の磨きを行い磨き終了後の膜厚は122μでした。
研磨膜厚は以外と多く6μとなりました。
すでにガラスコーティングが施工済みではありましたが、コーティングの下にも傷があったため初期研磨で02コースとしてはかなり粗いコンパウンドを使用しての磨きとなったため、2回目3回目共に研磨厚が多めになっていきました。
これは施行済みのガラスコーティングがエシュロンの硬いコーティング剤であったため、このコーティング剤を削り取る為には研磨力の強いコンパウンドとバフを使用するためどうしてもその際に傷が入ってしまうため、その傷を又研磨してという工程になってしまうためにこのようなこととなります。
なかにはガラスコーティングを研磨せずに落とすことも出来ますという専門店もありますが、この場合多くは酸を使ってガラスコーティングを溶かして剥離する場合がほとんどです。
塗装は酸に対して非常に弱いものなのでその後の塗装に対しての影響は必ずあると考えるべきです。
最近は車の塗装が薄くなってきていることに神経質になられて塗装を研磨したくないというお客様が増えていると業界関係者からよき聞くようになりましたが、研磨せずに溶剤に頼った施行は逆に塗装に対しての危険性を高める可能性が高いことが多いのです。
ガラスコーティングが溶けるということは、更に柔らかい塗装などは簡単に溶けているということになります。
程度はいいといっても多少の傷はあります。
古いコーティングを研磨して傷を磨きとります。
黒い斑点のようなものが出来ていて艶もなくざらざらしています。
磨き上げることにより正常な状態に戻すことが出来ました。
艶も完全に戻ってきました。
染みというかコーティング剤の吸い込みのような斑ができていました。
磨き上げることでこの染み斑もきれいに取り去ることができました。
ルーフにも傷はあり、水銀等の輪郭もかなりぼやけています。
前の写真もそうですが、コーティング剤の製膜斑がこれらの原因のようです。
02磨きコースですので塗装肌までを修正する研磨ではないにもかかわらず、これだけ研磨後に輪郭線が変わるとなるとコーティングの斑と考えられます。
ここまでコーティング剤で斑になるということは、かなり無理に膜厚を厚くしきちんとした拭き上げをせずに重ね塗りを繰り返したと思われます。
いくら膜厚が厚くなったとしてもコーティング自体の製膜厚が均等に製膜させなければこのようになってしまい、かえって見た目は悪くなってしまいます。
このようなフェインダー内部の汚れもきちんと磨き上げます。
以外とこの部分の汚れは気になり、DIYではなかなか手が行き届きませんが、当然このような部分もコーティングいたしますので汚れの付着はしにくくなり日常のお手入れはかなり楽になると思います。
ただし走行していれば常にタイヤからごみや砂などが当たる所ですので、ボデイのコーティングほどの膜残存は無理です。
TOYOTA トヨタ ランドクルーザー 100 シグナス コーティング終了
この大きさで程度が悪かったら最悪ですが、幸いにも非常に程度のいい状態でしたので助かりました。
ただしそれは傷の状態のことです。
磨きを重ねていくうちに判ってきたことですが、研磨膜厚が02コースにしてはありえないレベルの研磨厚になっていく過程でよく観察をしていると、研磨している約半分はコーティングの膜厚でした。
施行されていたエシュロンのコーティング剤は通常1μ程度厚くても2μが限界と思われますが、このお車の場合は4μくらいは製膜していたと思われます。
これはきちんとした重ね塗りによる製膜というよりも、本来ならば拭き取らなければいけない余剰成分をそのまま残し重ね塗りをおこなったことにより製膜厚に斑が出ることで起きてしまった現象ではないかと推測されます。
このようにガラスコーティングは厚ければいいというものではなく、本来のコーティング剤の設計製膜厚を基準にした施工をしなければ逆にこのようなことがおきてしまうリスクが発生してきます。
コーティング剤の設計製膜厚はそのコーティング剤が持つ硬度や機能に応じて決められているものですから、その範囲で施行することが1番コーティング剤の艶や機能を発揮できるはずです。
単純に考えればコーティング剤の厚みが増せばそれだけ傷に対しての防御性能が高くなるように思えますが、実際にはコーティング剤の設計製膜厚以上には分子結合をして製膜することはできないので、本来の硬度や密着性を保ったままの製膜ではないため厚ければ厚いほど弊害が起きてくることとなります。
施工コース:マーベラスフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+ホイールガラスコーティング+スプラッシュビュー・ウインドフッ素コーティング(フロント・フロントサイド2枚ヘビー研磨 リアライト研磨)
施行料金:139.465円税込み(お持込お引取り割引10%・長期お預かり割引 適応)
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