2010年10月30日公開|日産
遠く北関東からわざわざ車磨き研究所をお選び頂きお越しくださった本当にありがたいお客様です。
ずーっとスポーツカーがほしくてほしくて我慢し続け、お子様の手離れを機会にご購入されたそうです。
しかしなかなかほしいと思える車にはめぐり合うことが出来ず、関東中を捜し歩かれたそうです。
やっとてに入れることが出来たお車ですが、お世辞にも塗装の程度がいいとは言えず磨きを決意されたそうです。
拝見させていただくと、確かに傷の量は半端ではない量でボンネットなどは傷で艶さえ失われてしまっているほどでした。
いろいろお客様と検討の末、ご予算の振り分けを磨きメインとし03コースの3000#ペーパー研磨のコースとしました。
写真を御覧になればお解りだとは思いますが、本当にかなりのダメージです!
傷だけではなく、イオンデポジットもかなりの量ができてしまっています!
救われたのはまだクレーターの深さはさほどでもなかったので、03コースで処置が可能なレベルでしたが、これ以上進行してしまうと04コースで10μ以上の研磨をしないといけないことになっていました。
磨きはただ磨いてきれいになればいいということではなく、できるだけオリジナルの塗装を残してあげることも大事なことなので、其処に神経を集中して磨くことが大事なことです。
今磨きの世界では、”磨かずに傷を取り去る”とか”傷を埋めて隠さずに傷が無くなる”とか、物理的に説明の付かないことを売り文句にした磨きが出てきていますが、これはどう考えてもクリアーを溶かすのではなければありえないことです。
確かにそれも1つの方法であると思いますが、塗料の種類や工法はいろいろありオリジナル塗装でないものに関しては、その内容を知るすべはありません。
そのような状況の中絶対安全といえることはありえないと思います。
その場は大丈夫でも、数ヵ月後や数年後どのようなトラブルが出てくるかは全く予想が付くものではありません。
此処にケミカルの怖さがあります!
くまなくペーパーをあて塗装の肌を整えます。
ただしエッジの部分やプレスラインのトップの部分は研磨が強くかかりやすいため此処にはペーパーは当てません。
このお車の様に国産車の場合は、FRPの部分にもペーパーを当てることは出来ません。
なぜかといいますと、国産車の場合FRP自体の素材の厚みが薄く磨きの際のプレス圧が逃げやすく、結果研磨時間が長くなるため熱を持ち塗装剥離を起こす可能性が高まることと、塗料を密着させる為の下地のサフェーサー自体の信頼性が低い為です。
つまり国産車の場合FRP部分にスチール部分と同じように傷を入れてしまうとハードな磨きがおこなえない為に、完全に傷を落としきることができない可能性がでてきますので、洗車の際にはスチール部分以上の注意が必要です。
磨き前膜厚は94.9μでした、3000#ペーパー施工後の膜厚は93.1μでしたので研磨膜厚は1.8μとなります。
各写真左側がペーパーにより白く傷だらけになった塗装をウールバフにより傷を処理しているところです。
塗装の色が再び復活してきています!
この時点でペーパーによりつけたれた傷と元々あった傷を取りきりますが、実はほんのちょっとだけ残しておきます。
それはウールバフにより新たな傷が入るので、新たな傷の深さと残した傷の深さをそろえてやります。
そうすることで次の研磨のスポンジバフによる研磨で傷を完全に取り去るようにすれば、磨くことにより塗装を無駄に削ってしまうことを防ぐことができます。
これがペーパーを使用した磨きの工程の一番難しいところです!
ウールバフ施工後の膜厚は91.2μでした。
此処までの総研磨膜厚は、3.8μとなります。
各写真左側がちょっとだけ残しておいた傷をスポンジバフで取りきっているところです。
しかし見た目は傷がないように見えますが目に見えない細かい傷がコンパウンドにより付いているのでそれを後2回のスポンジバフで整えていきます。
これからの工程は如何にコンパウンドの咬み込みなどにより無駄な傷を入れないように研磨することができるかが勝負です。
つまり腕の見せ所ということです!
スポンジバフ1回目施工後の膜厚は89μでした。
スポンジバフ1回目での研磨膜厚は2.1μとなります。
そこそこ研磨膜厚が多いのは、ウールバフでの研磨が甘かった為残した傷の深さが予想よりも深くスポンジバフでの分担量が多かった為です。
実際そのために通常よりも約1.5倍ほど時間を消費することとなりました。
一番上の写真の施工前と施工後を見比べて蛍光灯の映りこみの輪郭線の違いや塗装肌の違いにお気づきでしょう!
ペーパーをかけることでの大きな効果は深い傷でも処理できることも当然そうですが、更に大きな効果は塗装の肌つまり塗装の波をより小さな波にかえることでよりリアルな映り込みを作り出すことです。
これにより汚れや埃なども引っかかりの抵抗が減るので今までとは汚れの付き方すら大きく変わってきます。
磨き終了後の膜厚は85.4μです。
今回はかなり塗装の状態が悪かった為に9.5μもの研磨厚となってしまいました。
昔のように150μ以上の膜厚があれば数回のハードな研磨でもクリアーの残存膜厚は確保できますが、今のように新車でも100μ程度しかない膜厚ではそう何回もハードな磨きをすることはできません。
塗装が薄くなった代わりに塗装は硬くなり傷は入りにくくなったとは故、所詮は3H程度の硬さでしかありませんから雑な扱いをすれば傷は簡単に入ってしまいます。
又酸性雨や水道水のカルキなどイオンデポジットの原因となる状況も日増しに悪化しています。
これを防ぐことは気をつけているだけでは到底防ぎきることは出来ません。
防ぐ方法は車庫保管と硬い耐酸性能力のあるガラスコーティングを施工することが必要です。
NISSAN 日産 フェアレディZ Version NISMO コーティング終了
ダイヤモンドブラックの本来の艶が蘇りました!
”黒の車はこの艶が命です”
汚れも目立ちやすく傷も目立ちやすい為に神経を使う必要はありますが、このように硬いコーティングを施工することでかなりその管理に費やす労力と神経を軽減することができます。
このお車の場合ほぼ限界膜厚に近い状態ですので、施工前と同じような状態にもう一度してしまうとここまで磨きで再生することは博打となってしまうため残る手段は全塗装となってしまいます。
確かにそれできれいにはなるのですが、新車時のオリジナル塗装と補修塗装では雲泥の差があります。
オリジナル塗装レベルの塗装をしようとしたら少なくとも車種に関係なく200万円は最低でも覚悟しなければいけません。
それだけにオリジナルの塗装を大切にする必要があるのです!
黒の車体にひときわ目立つゴールドのキャリパーです!
出来ればローターもスリッドかドリルドなら更に性能も見た目も引き立つのですが、国産車はなかなか特別モデルでも其処までやってはもらえません。
残念です!
タワーバーはちゃんと装備されています。
オートカーなど外国の雑誌などでは非常に評価の高いエンジンですが、スペック的にはノーマルのZと同じようです。
なぜか国産車はボンネットダンパーがほとんど装備されていません。
此処はケチらずに装備していただきたいベストテンの1つです。
これはなかなか輸入車でもお目にかかれないニーパッドです。
こんなところは日産のこだわりを感じさせます。
心憎い装備です!
革の素材は別としてもなかなか凝ったシートです!
写真では判りづらいですが、アルカンタラの通気用の穴から赤い色が見えてとてもおしゃれです。
赤のステッチも国産車としては珍しいセンスです。
此処までこだわったのならば、Zのマークの素材を変えれば完璧でした。
”惜しい”
欧州では非常に評価の高いフロント部分のレイアウトと立て付けです。
センター部分の3連メーターなどは30からの伝統を感じさせるアナログ的なセンスで好感が持てますが、全体的に素材が高級感にかけるのは国産車の常です。
このようなところにもうちょっとお金をかければプレステージ性も更に上がるのに勿体無い気がしてなりません。
このエンブレムはオーナー様のこだわりにより交換されたエンブレムです。
純正ではNISSANのエンブレムとなりますが確かにあまりパットしません!
このエンブレムは中にLEDが組み込まれているので淡い光を発します、最近流行っているようです。
施工コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+03磨きコース(鏡面磨き)
施工料金:99.120円税込み(濃色車割り増し磨き10%・お持込お引取り割引10%・ネコ雑誌割引10% 適応)
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