2010年12月21日公開|BMW
ただの旧型のBMW3シリーズと思ったら大間違いです。
こちらのオーナー様は日ごろ懇意にさせていただいているあるスーパーカーディーラーの営業さんのお車ですが先日お電話を頂、
「車を買ったから磨いてくれる?
古いBMWで変な色の車だから!」
とのことでした。
彼とはそこそこ長い付き合いなので大体車の趣味は知っていましたので、
“BMWとはまた彼にしては普通の車を買ったものだな”
と思いつつ、予約が立て込んでいたため一ヶ月お待ちいただいて会社に引き取りに伺うと駐車場には数台のBMWが並んでいましたが、すぐにこの車だとわかりました。
一般的にはシャンパンゴールドなどと呼ばれる色の種類に属するのでしょうが、同じシャンパンでもこの色はドンペリに代表されるピンクシャンパン系の珍しい色でした。
それもそのはず、知る人ぞ知るスポーティダイヤモンドという500台限定のシリアルナンバー付の限定車でした。
これでBMWという普通の選択をした理由が腑に落ちました。
このスポーツダイヤモンドという塗装は普通のシャンパンゴールド系の塗装とはまったく違いメタリックやマイカなどを何層にもコートしながら塗装することで、光の反射が変わるといろいろな色に変化して見えるようにされた特殊な塗装です。
おそらく塗装にかかるコストは普通の塗装の3倍くらいはかかっているでしょう!
塗装だけでなく内装もかなりお金を掛けた贅沢なつくりです。
革シートのシボは通常の3シリーズと似ていますが、素材感はまったく別物のようですしステッチも白のステッチが施されています。
一つ前の型のAMGスポーツパッケージのような非常にいい品質です。
このステアリングもスポークの下半分がウッドになっていますが、その質感や雰囲気はまるでアルピナのような高級感溢れる仕上がりです。
大人のこだわりのスポーツセダンといった感じです!
写真でも見てわかるとは思いますが、足回りも変更されていてかなり車高は低くされています。
きちんとストラットごと交換され車高調ストラットになっています。
車高を落とす際にノーマルのストラットやアブソーバーを使用してスプリングだけで車高を落としている車を多く見かけますが、カッコはそれでよくなるかもしれませんが性能的には格段に性能低下してしまいます。
このパターンでさらに多いのは、この状態で限界までインチアップをし面位置までホイル幅を広げ超扁平の安いタイヤを履かせたスタイリング重視のドレスアップですが、見た目はそれなりかもしれませんが性能的にはノーマルと比較して格段にすべての性能が低下してしまっています。
先日もマセラティクワトロポルテでこのような状態にさらにフルエアロを装着した車を見かけましたが、押し出しは確かに強いのですが、
“せっかくのマセラティの品格は台無しです”
たまたまそのとき数人のスーパーカー関係の玄人と一緒でしたが全員が眉をひそめるしかありませんでした。
個人の好みの問題なので一概に批判もできませんが、ドレスアップや改造はノーマルの性能を落とすことなくセンスも本来その車がもつコンセプトを逸脱しないように何気ないドレスアップが玄人をして認められるものです。
なぜかトランクにだけ多くの雨染みができていました。
まだクリアーまで痛めてしまうまでのイオンデポジットには成長する前でしたのできれいに処理することができると思います。
おそらくこの状態で半年くらい放置していればクリアーが犯されるレベルにいたっていたものと思われます。
色が色なので写真ではあまり傷がちゃんと写らないのですが、洗車傷はかなりのものです。
クリアー表面も劣化し始めているので水銀灯の輪郭の写りこみもぼけてしまっています。
白い丸の部分はかなり深い傷で何か鋭利なものをぶつけたような傷です。
このような傷がこれ以外にも3箇所ほどありましたが02コースの磨きのためこのレベルの傷は取りきれません。
一様そのことをTELで連絡を入れると、
「知っているよ!
だからそちらに磨きに出したんでしょ、塗装をしようかとも考えたのだけれど塗装屋さんが同じ色を出すのはまず無理だといっているから何とかしてよー」
とのご返事でした。
“ここまでいわれたらやるしかないでしょー”
実は彼の会社は別会社でコーティングを施工するお店もある中で、車磨き研究所に社長に怒られるかもしれないリスクを犯して依頼いただいていることもありできる限りのことをしてみることとしました。
部分的に肌感を変えずに傷だけを取ることができる特殊なバフとコンパウンドを使用して施工を試みましたが、きれいに傷を処理することができました。
この施工は絶対条件として残存膜厚に余裕があることが必要です。
ボデイ側面もかなりの傷です。
この程度の傷は02コースの磨きでもほとんど処理することができました。
色が違って見えるのは、特殊な塗装のため光の当たり方でまったく違った色のように見えてしまいます。
ぼけて見えていた水銀灯の輪郭も、はっきり見えるようになりました。
トランクにできていた水染みもしっかりすべて取り去ることができました、タイミング的には危機一髪だったかもしれません。
BMW ビーエムダブリュー 320i スポーティダイヤモンド コーティング終了
今回知り合いということでコーティング剤はまだ正式ラインナップになってはいない隠れメニューのコーティング剤を使用させていただきました。
撥水系ですがフッ素は使用せずにまったく違う方法で撥水を起こしているため、ハイモースコートのような強い撥水はしませんが水染みはかなりできにくいコーティング剤で、一層コートでシリカ層全体で撥水をするために経年劣化で撥水が弱まるのもかなり防ぐことができます。
艶に関してはハイモースと同等か色によってはこちらのほうがクリアーな艶を出すかもしれません。
ただしコーティング膜の硬さはハイモースコートほど硬くないので洗車機によるメインテナンスは傷が入る可能性は高くなります。
納車時のお客様の反応は、予想していた反応をはるかに超えた“大満足”のようでした。
塗装まで考えていた3箇所の深い傷もほとんど確認できなくなり其処に居合わせたお客様にも、
「すごいでしょー!
ここまできれいになるんですよ!」
と感激しきりでした。
一ヶ月以上お待ちいただいた上にこのように喜んでいただけたことはうれしい限りです。
特別大サービスで部分傷取りをしたのですから、今まで以上にお客様のご紹介をお願いします!
施工コース:エクセレントフィニッシュ・プレミアムハイブリッド ガラスコーティング(テスト施工)+02磨きコース(軽度の磨き)+部分傷取り磨き(サービス)
施工料金:140.700円税込み(輸入車割り増し磨き10%)
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