2010年12月18日公開|マツダ
初代ユーノスロードスターです!
今見てもさほど古さを感じさせないデザインは国産車の中では貴重な一台です。
ライトウエイトスポーツカーとしては世界最高販売台数でギネスにも認定されているそうです。
発売開始当時は国産メーカーからは、
「またマツダが馬鹿なことを始めた」
と冷笑を浴びせられたそうですが、それとは裏腹にどんどんと売り上げを上げていきました。
実際私の周りだけでも数人が新車を購入していました。
このような状況を見て元祖ライトウエイトメーカーのロータスにも、
「われわれの考え方は正しかった!」
と言わしめたほどの世界的大成功のスポーツカーです。
個人的好みもあると思いますが、この初代がスタイリング的にも無駄が無く車重も1000kgを切りまさにライトウエイトスポーツカーといえる傑作車だと思います。
最近中古車で購入されたそうですが走行距離も30.000km程度で12年前のお車としては非常に程度はよく貴重な一台です。
ただしさすがに12年の歳月は塗装表面にはそれなりのダメージは受けておりますのでここでしっかりリフレッシュということで、03コースの磨きでご注文いただきました。
メーターレイアウトもシンプルでありながらきちんとスポーティーさも表現されています。
操作パネルのデザインのボデイの丸い雰囲気につながる統一感のある無駄のないデザインです。
わずか130psのエンジンですがライトウエイトが故この馬力でも十分に楽しめます。
型が変わるごとに馬力は上がりますが車重はそれに比例して重くなってしまいますので、ファンなドライビング感覚を一番楽しめるのはやはりこの初期型です。
オープンカーゆえサイドシルは補強のため幅が広いので靴などで傷がつかないようにステンレスプレートで保護されていますが、それがまたおしゃれです。
字体もレトロな感じで良いです!
おそらくノーマルハンドルだと思いますが、ホーンボタンのMOMOのマークがおしゃれです。
ステンレスとアルミのトランクキャリアはいかにもイギリス的で国産車ではユーノスロードスターくらいしか似合わないのではないでしょうか。
ここにピクニックバケットなど積んでアウトドアに行くのはなかなかかっこいい遊び方です。
さすがにこれだけの年月が経っていますからかなりの傷が入っています。
深いものから浅いもの洗車傷から磨き傷、傷のオンパレードです。
ここまで傷が入ってしまうとウールバフによる傷取り磨き程度では太刀打ちできません。
無理にウールで研磨しようとすると塗料自体が劣化してしていて硬くなっていますので、熱が入ることにより熱ボケを起こして変色してしまう可能性もあります。
このような場合はペーパーをかけることで熱をいれずに傷のついたクリアーと劣化しているクリアーの部分を研磨してしまうことで、きれいな劣化していない塗装部分から磨き上げることで新車の時以上の艶を再生することが可能です。
磨き前膜厚は106μでした。
タイミング的には水性塗料への移行の時期ですがおそらくまだ油性塗料だと思われます。
それにしては膜厚が少ないのは過去に何回か磨きがかけられている痕跡がありますので注意して磨く必要がありそうです。
ブルーの車体もペーパー施工によりオモイッキリ傷だらけの真っ白になってしまいました!
ここからこのペーパー傷を消しにかかります。
3000#ペーパー施工後の膜厚は104μでしたので、ペーパーでの研磨は2μです。
ここからいかに膜厚を下げずに磨けるかは、傷の深さとの相談となります。
磨き前膜厚が少なめなのでできるだけ少ない研磨で仕上げられればと思います。
右側がウールバフ研磨後の状態です。
白いペーパー傷からウールのポリッシャー傷に置き換わっています。
塗装の色が戻り始めています。
水銀灯の周りに細かい円を描いた傷がありますが、これはペーパー目を消すためにかけたフールバフにより付いたポリッシャー傷です。
ウールバフ施工後の膜厚は102μで、ウールバフによる研磨厚は2μでした。
スポンジバフ一回目が終了しました。
上の写真の水銀灯の周りにあった傷はほとんどなくなっています。
よく見えませんがこの状態でもスポンジバフにより付いた細かなポリッシャー傷は存在していますので後二回のスポンジバフで鏡面に仕上げていきます。
いよいよ磨きも終了しました。
最終膜厚は99μでしたので、総研磨膜厚は7μとなります。
できれば5μ程度にとどめたかったのですが、深い線傷がウールバフの段階で残ってしまいその処理をスポンジバフでしたために思ったよりも研磨厚が多くなってしまいました。
残ってしまう線傷の量がもっと少なければ多少傷が残っても残存膜厚を優先させたかったのですが、1パネルに数十本の傷が確認できたので膜厚よりも少しでも傷を減らすことを優先しました。
こんな感じでスポンジバフ一回目に施工中に線傷が残っていたために、スポンジバフでの研磨を強めに替える必要が出てきてしまいました。
膜厚を取るか傷を取るかは難しい選択です!
この判断を誤ると大事になるか、お客様がご覧になられたときがっくりされるか、どっちにしてもこの判断が勝負の分かれ道です。
塗装の発色もぜんぜん違っていますが、蛍光灯の移りこみの仕方もかなり違いが出ています。
あれだけあった傷がほぼ完全になくなりました。
100%取りきれたわけではありません、当然研磨厚以上の傷も多少は残ってはいますがほとんど確認はできない様に、傷のエッジ(角)を丸く処理してあげることで場所がわかっていてよくよく見ないと判らないようには処理をしてあります。
MAZDA マツダ ユーノスロードスター コーティング終了
今回はコーティング直前になり残っている傷に納得ができず、スポンジバフを再度掛け直して傷をもう一回処理しなおしましたので予定よりも一日半余計に時間がかかってしまいましたが、仕上がりは自分で言うのも変ですがかなり良いと思います。
やはり磨きは掛けた時間の分だけ仕上がりは良くなります。
どれほど腕の良いポリッシャーマンが磨いたとしても施工日程1~2日で傷を処理してコーティングを施工することはまともなことをしてでは絶対に不可能です。
仮に数人がかりで施工すれば可能かもしれませんが、磨きは個人により癖があり仕上がりも変わってくるので部分部分で仕上がり感が微妙に変わってきてしまうのも避けることはできません。
いい仕上がりや高いクオリティーをお望みになられるのであればそれなりの施工日程とそれに伴う金額は覚悟しなければなりません。
たまに、
「どこどこのお店は何日でできる」
とか、
「いくらといわれた」
などのお話をお聞きしますが、お店ごとに何を売りにしているのかは違いますので、ご自身が求めるものはクオリティーなのか施工日程なのか金額なのかをまず決められてそれにあったお店を探すことが後悔しないお店選びだと思います。
たまに電話でのお問い合わせなどで、
「GSで3万円で磨いてコーティングをしてもらったら傷があったのですが、これはクレームですよね?」
というようなことを言われる方がいらっしゃいますが、内容によってはクレームにあたることもあるかもしれませんが、それは金額的に考えて施工前よりも少しでも状態が改善されているのならば、それをクレームを言うのはGSさんには酷な事だと思います。
シマムラの値段でブランド品は買えないのと同じではないでしょうか?
施工コース:ハイモースコート ガラスコーティング+03磨きコース(鏡面磨き)
施工料金:130.200円税込み
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