最近ベンツのお客様はシルバーや白が比較的多かったのですが、ここに来て連続でオブシディアンブラックが続きます。
ただベンツに限らず欧州車特にドイツ車については、国産車のように黒だからといって極端に磨くことが難しいとまでは行きません。
これは塗装が硬いために磨きの作業でつけてしまうポリッシャー傷が入りずらいためにその傷をまた処理するという二重の作業が起こりにくいことが大きな理由となります。
しかし塗装が硬いということは磨きずらい又は研磨できないということにもつながる矛盾もあります。
単に硬いものを削れば良いだけならばより粒度の粗いコンパウンドとバフを使用すればいいのですが、これでは研磨した際に傷を入れていってしまいます。
今までも何回かご説明してきましたが、磨きは傷の置き換えで傷を徐々に細かい傷に変えていかなければいけませんが、はじめに不必要な傷を多く入れてしまうとその後は粒度の細かいコンパウンドとバフに変えていきながら仕上げていかなければいけませんが、それではつけてしまった傷が処理できずに其処から先に進めなくなってしまいます。
ドイツ車の硬い塗装に慣れていない磨き屋さんは、コンパウンドに酸化アルミナの尖った研削力の強いコンパウンドを使用されることが多いようですが、仮にこれで仕上げることができたとしても目には見えないレベルの細かいスクラッチが残ってしまうので、本来塗装のもつ艶を完全に引き出すレベルに仕上げることは無理です。
磨きは塗装の塗料にあわせた機材や、劣化にあわせた機材を使用しない限り同じ物を使ってどんなものでも同じだけのクオリティーに仕上げることは不可能です。
“適材適所が大切です”
このお車はいかにも新車らしくほとんど傷はありません、しかし膜厚は意外と少なく100μしか有りませんでした。
先日のお車もそうでしたが、ここに来てベンツの塗装に何らかの変化がありより薄い塗膜に変わったのかもしれませんが、しばらく様子を見て対処していかなければいけません。
膜厚の少ない理由がはっきりとしないため傷が無かったのが幸いでしたので、あくまでコーティングを施工するための下地処理のレベルの研磨量にとどめたため、研磨厚は0.4μでした。
Mercedes-Benz メルセデスベンツ E350 アバンギャルド コーティング終了
塗装の程度が非常に良かったため、本当に少ない研磨厚でも最高の仕上がりとなりました。
このように少ない研磨厚でも数ミクロン研磨をしたものと同じだけの仕上がりとするためには、先に書いたようにファーストカットの段階で傷を入れない磨きができないとこのようにはなりません。
傷を入れてしまうと、その傷を取るためにまた傷をいれ、またそれを取るために傷をいれと無駄な研磨を繰り返し無駄に膜厚を下げていってしまうことになります。
仮に最終的に同じ仕上がりとなったとしてもこの過程が非常に重要なことです。
塗装の厚さは重量とコストを別にすれば厚いに越したことは無いので、少しでも膜厚を残せる磨きがいい磨きといえるでしょう。
ただし表面だけをなめるような艶出し磨きでは何の意味も有りません、それはほとんどWAXやポリマーを掛けていることと代わりが無いからです。
ここの見極めが重要です!
施工コース:マーベラスフィニッシュ ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+ホイルガラスコーティング
施工料金:109.935円税込み(輸入車割り増し磨き10%・濃色車割り増し磨き10% 適応)
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