2010年12月15日公開|トヨタ
中古車でご購入されたのですが、もう少しきれいにして乗りたいとのことでポリマーコーティングとヘッドライトの磨きコーティングの施工のご注文をいただきました。
パット見はそれほど程度も悪く見えませんが、過去に何回も磨きをかけられた痕跡がありそれにより逆に塗装に磨き傷が満遍なくしかも深く入ってしまっていました。
これを完全に磨いて処理するとなると04コースの磨きが必要になってしまい非常にコストがかさんでしまうため、今回はポリマーコーティングにより傷を隠し艶でごまかす程度にとどめることとしました。
これも考えようで、ランニングコストは多少かかりますし耐久性もありませんが、リーズナブルな価格でDIYでもメインテナンスは比較的簡単にできますので、普段使いのお車や短期的に買い換えていくような場合は十分かもしれません。
たまに見かける黄ばんでしまっているようなレベルまではまだ行っていませんが、曇りはかなり進行しています。
このくらいですとかなりライトも暗く感じると思います。
最近ディーラーやGSなどで数千円でヘッドライトの磨きとコーティングを施工する広告を見受けますが、この価格ではまずきちんとした磨きを行うことは期待できません。
古い劣化したクリアーを完全に剥離せずに艶だけ出してコーティングをしても数ヶ月で元の状態に近いことになってしまいます。
これは艶を出している成分が有機質のため紫外線で劣化しその上のコーティングと共に剥離してしまうからです、さらにクリアーやヘッドライトのプラスチックが磨きにより傷つけられていますから逆に劣化のスピードを上げることになる可能性が高まります。
ペーハーから4段階の磨きをかけ完全に古いクリアーを剥離し傷も取り去ります。
ただしクリアーがさほど劣化していない場合にはすべて取り去る必要な無い場合もありますのでそれは現車確認のうえでどのような磨きを行うかを決定いたします。
コーティング剤も今非常に多くのものが出回っておりますが、正直ぴんきりです。
あまり硬いものを使用すると亀の甲羅のようにひび割れが起こったりすることが多いので注意が必要です。
新車の状態のコーティングとは違いますのでどんなコーティング剤を使用しても10年間はもつことはありませんので数年でコーティングは再施工の必要はあります。
恐ろしい量の鉄粉が食い込んでいます。
紫色に見えるのが鉄粉クリーナーでとかされた鉄粉です、これを取りきってから磨かないと鉄粉を引きずってさらにボデイは傷だらけとなってしまいます。
また鉄粉がこのように食い込んでしまっているのを長期間放置すると鉄なので当然さびていきます。
錆というのは酸化することで起きる現象ですから錆びていくことにより周りの塗料も酸化させ劣化させていってしまいます、特にメタリックの場合は塗料に金属を含んでいるのでその劣化スピードは速まります。
特に雪国での場合、冬季には大量のエンカルが撒かれますがこれは塩ですから鉄粉を一気に酸化させていく事になりますので、ガラスコーティングなどを施工されていないお車は年に一回春か冬前に鉄粉取りを行うことがお勧めです。
ガラスコーティング施工車の場合はコーティングの硬度にもよりますが、かなり鉄粉の食い込みは防ぐ効果があります。
鉄粉取りの方法は大体二通りになります。
どちらの方法もリスクを伴います。
1の場合はクリーナーが酸ですので塗料と合わないものや使用方法をきちんと把握して作業しない場合は塗料をいためてしまう場合があります。
DIYでの作業はまずやめたほうが無難です、またGSや車屋さんなどでも行っているところもありますがきちんとした知識や商品を使用しているかを確認する必要があります。
2の場合には粘土がとった鉄粉を粘土の中に含みながら作業が進行していくのでそのとった鉄粉が塗装に傷を入れていくことは防ぎようがありません。
大量の粘土を使用していくら洗いながら施工したとしても必ず傷は入ります。
このようにどちらを選択したとしてもリスクは発生してしまいますが、鉄粉クリーナーの場合には塗料に合わせてクリーナーを選択し正しい施工方法をとることにより塗装が酸により痛まずに作業をすることが可能です。
車磨き研究所では鉄粉クリーナーによる作業を行っています。
ただしガラスコーティングで撥水のものを施工されている場合、トップコートにフッ素を使用しているコーティング剤は鉄粉クリーナーによりフッ素は溶かされてしまいますので再コーティングが必要となってしまいます。
ガラスコーティングのシリカの膜は酸で溶かされることは本来ならありえないのですが、コーティング剤によっては有機物を含有しているものも多くありますのでその場合は有機物は溶かされてしまいますから本来のシリカの膜強度はなくなってしまうために、コーティングの耐久性能は一気に下がってしまいます。
車磨き研究所が使用するガラスコーティング剤ではマーベラスフィニッシュ以外のコーティング剤は有機物は含まれておりませんのでシリカ膜に影響が出ることはありません。
TOYOTA トヨタ ハリアー3.0 コーティング終了
水垢取りが目的の超微粒子コンパウンドを使用しての磨きですので、根本的に傷を取ることはできませんがそれでもかなり艶が変わってはきます。
浅いスクラッチ傷や水垢は除去されていますので塗装の反射が良くなることで、施工前と比べれば明らかに塗料の発色が良くなっています。
今回使用したポリマーコーティング剤はポリエチレン配合フッ素撥水焼付けポリマーなので、手塗りや水性ポリマーと違いポリマーとしてはかなり強い膜を作りますので耐久性も高く撥水もかなり細かい水玉を作ります。
またポリエチレンの効果として傷を隠す効果もありますのでかなりシャキッとした仕上がり感になります。
GSなどのポリマー施工に比べれば価格は高いのですが、施工方法と使用するコーティング剤がまったく違いますのでその効果は見た目でも機能でも耐久性でも価格以上のご満足をいただけると思います。
ガラスコーティングはちょっと価格が高いからとお感じの方にはお勧めです。
施工コース:ポリエチレン配合焼付けポリマーコーティング+鉄粉クリーン+水垢取り+ヘッドライト磨きコーティング
施工料金:44.625円税込み
メーカー別
月別バックナンバー