2011年01月06日公開|ホンダ
施工車ギャラリーH23年度一番乗りのお車です。
年末の予想通り暮れから正月にかけて年越し施工の一台です。
登録から約1年しか経過していないお車ですので、遠目にはまだ新車のようにバリッとした印象ですが、近くで見ると洗車傷がくまなく入っています。
さらに水銀灯を当てて見ると傷は蜘蛛の巣のようにびっしりと深いものから浅いものまでオンパレードです。
傷だけの状況で見ると、かなり程度の悪い10年くらいの経過車と同等のレベルですが、お客様に色々お聞きして見ると新車購入時にディーラーのガラスコーティングを施工してあるとのことでした。
普通に考えると、いくらディーラーコーティングのレベルが低いとはいえガラスコーティングが施工してあればここまで傷はつかないはずと思い、ことによるとお客様がポリマーコーティングと勘違いされているのではと施工証明書を確認させていただきました。
確認して見てさらに驚きです。
“膜硬度9H 高純度ポリシザランガラスコーティング”
と謳われています。
膜硬度9Hの硬さがあればつめで引っかく程度ではまず傷が入るようなことはありません、なのになぜこんなにも傷が入っているのかおかしな話です。
ちなみに9Hの硬さはフロントガラスの硬さとほぼ同じくらいの硬さです。
ではなぜここまで派手に傷が入ったかを考えようとお客様に洗車方法をお聞きしました。
洗車はいつもご自身で手洗い洗車ということでしたが、細かくお聞きすると確かに洗車方法に問題はありました。
スチームで大きな汚れを落とした後、ぬれた状態でスポンジでシャンプーによる洗車をされていたそうですが、流水は使用していないため汚れをスポンジが引きずり傷を入れていった可能性は大きいです。
また場所によりスポンジを使い分けてはいないようなので、下回りなど砂などをかんでいるところを洗った後上の部分を洗うことで傷を入れていったと思われます。
確かにこの洗車方法ですと傷はかなり入れると思われます、たぶん洗車機で洗うほうが傷は少なかったと思われますが、膜硬度9Hのコーティングが本当だとしたらここまでの傷は絶対に入ることはありえません。
後は磨きの工程で理由を検証するしかありません!
写真では目で見る傷に比べるとはるかに少なくしか写りませんが、それでもこれだけ傷がくまなく入っています。
上面部に比べ側面部のほうが深い傷や長い傷が多かったのですが、これは側面下部を洗いながらその状態で上まで洗っていたことで下でかんだ砂などの汚れを上で傷として残して行ったと思われます。
何か大きなものでこすったような傷ですが、これも膜硬度9Hのコーティングであれば入らない種類の傷です。
磨き前膜厚は116μでした。
磨きは02コースなので深い傷までは取りきれないですが、できるだけのことはして見ます。
磨き前に比べれば1/1000くらいまで傷は消すことができましたがやはり深い傷は残ってしまいました。
全体の傷の量が少なければ深い傷の部分だけ集中的に攻めることもできますが,いかにせよ傷が多すぎここが限界でした。
ご予算に余裕があり02プラスの傷取り磨きで仕上げれことができれば、丸の中にあるような傷は処理できましたがスポンジバフではこれが限界です。
磨き始めてこれだけ傷が入ってしまった理由は簡単に判明しました。
“ガラスコーティングはまったく存在していません”
ということです。
クォーツコートに代表されるようなポリシザラン系の固いコーティングは、膜が残っていれば02コースのスポンジバフでは容易にコーティングを剥離することはできませんので、かなり磨いても傷はなかなか減っては行きませんが今回はいとも簡単に傷が処理されていきます。
コーティングを剥離してから傷を磨いているのではなく明らかに初めから傷が磨けています、これは明らかにコーティングがすでに存在していないことになります。
だとするとここまで傷がバリバリと入ったこともうなずけます。
これ以外にもコーティングが存在していない証明がありました。
ルーフの中央部分にかなり深いイオンデポジットがかなりできてしまっていましたが、高純度のポリシザランコーティングであればいくら酸性雨が強いとしても1年足らずでポリシザランを侵食して塗装にまでイオンデポジットが到達することは考えられません。
これらを総合的に判断すると、新車購入時に施工されたディーラーコーティングは2~3ヶ月くらいですでに剥離していたと考えられます。
ではなぜこんなに簡単に剥離してしまったのかということになりますが、考えられることはいくつか上げられます。
考えられるのはこの3点が有力だと思います。
一番二番のことはディーラーや簡易施工店ではよくあることで、商品・施工知識がほとんど無いものが作業することで起こりえることです。
3番もよくあることですが、今回の場合は商品説明書を読んでいておかしいと感じた部分があります。
施工されていたコーティングは親水性の高純度ポリシザランガラスコーティングということなので、親水はポリシザランのシリカ膜がもつ親水性能で起こしています。
これは無機シリカの親水性なので膜が存在する限り親水性能の変化は起こりえないはずです。
それなのに親水メインテナンスの必要が表記されています。
これは高純度ポリシザランではありえないことで必要もありませんし、仮に親水性能を上げるためのメンテナンスをするとすると親水促進剤などを使用して行わなければいけないので、DIYでメインテナンスキットを使いできるようなことでは有りません。
今回の場合はおそらく1~3全てが各当しているものと思われます。
多くのお客様が高くても一番安心だと思い施工しているディーラーコーティングが一番でたらめな証拠の一つです。
はっきり言ってお客様でディーラーコーティングを施工されたお車を見てきた中で価格なりにこれはきちんと施工されていると思えた車は今まで見たことがありません。
磨き後膜厚は112ミクロンでしたので、4μの研磨となりました。
スポンジでの研磨ではこれがほぼ限界研磨厚です。
素材感は別としてデザインや操作性は非常にいいと思います。
これは国産前メーカーに共通するところですが、シルバーのプラスチック部分の質感と色は改善していただきたいと思います。
ブルーの色がとてもきれいで初めはなかなかおしゃれだなと思いましたが、やはりメーターパネル自体の質感が不足しているために見慣れると飽きがきやすいかも知れません。
しかし前のホンダのメーターからすると非常に改善されてきていると思います。
ホンダさんの今一歩の努力を期待します。
アブソルート専用スポーツペダルだそうですが、AMGのペダルのようでおしゃれです。
フロアマットも質感もセンスもなかなかのものです。
最近ではこのような出来上がったサブウーファーが存在していることを知りませんでした。
しかも価格も5万円ちょっとと意外と安いことにびっくりしました。
私も若いころは車を変えるたびに新製品のオーディオを物色していましたが、現在では純正で満足できるまで落ち着きました。
これも年をとった証拠なのでしょう。
HONDA ホンダ オデッセィ アブソルート コーティング終了
ガツンと入ってしまっていた傷以外は処理できました。
明らかに塗装の発色がはっきりし艶が上がっています!
コーティングはマーベラスフィニッシュ・スノーガードを施工いただきましたが、膜硬度は最低硬度で5Hですがおそらく硬い部分では7Hは出ているはずなので施工前のような傷だらけにはそう簡単にはならないと思います.
ただ施工前にお聞きしていた洗車方法は改善する必要はあると思いますが、洗車場所がコイン洗車場ということでしたので完璧な洗車をすることはできないため、逆に洗車機で洗われた方が深い傷が付くことは防げると思います。
手洗いの場合は細かいスクラッチ傷は入りにくいのですが、どうしてもスポンジやクロスに咬み込んだ鋭利なごみや埃により深い傷が入るリスクがあります。
逆に洗車機の場合は深い鋭利な傷は入りにくいのですが細かいスクラッチ傷が入る可能性が高くなります。
ただ今回施工いただいたコーティング剤の硬度になると、よっぽど洗車機の状態が悪くない限りそう短期間で目立つスクラッチ傷が入る可能性は低いので洗車機で洗われる方が好いかもしれません。
施工コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)
施工料金:90.909円税込み(お持込お引取り割引10%・濃色車割り増し磨き10% 適応)
メーカー別
月別バックナンバー