2011年02月20日公開|アウディ
関東エリアからわざわざご注文を頂きました!
ご指名いただきありがたい限りです。
ご納車当日ディーラーまでお引取りに伺いましたがタイミング悪く東京初の積雪となった日となってしまいました。
心配した積雪状況も思ったほどではなく渋滞などになることもなく無事に工場に着くことができました。
お引取りに伺ったディーラーさんも当然コーティングなどのサービスを行われていますので、磨き屋がお客様からのオーダーでお車を引き取りに伺えば当然嫌な雰囲気になると思いましたが、非常に好意的に接してくださりディーラーさんの教育の高さと営業マンのお人柄には感心させられました。
“見習わなくてはいけません”
ちなみにディーラーは八王子ヤナセです。
後部座席への乗降性はさすがにかなりタイトです。
大人で体の大きい方ですとかなり乗り込みはきつそうですが、座ってしまうとヘッドスペースなどはほとんど気にならないと思います。
但しレッグスペースは前部シートをかなり前に出してもらわないとひざを抱えながらになってしまいます。
しかしクーペとしては後部座席の移住性はかなり快適に造られている印象は受けました。
後部座席に乗り込む際のスイッチですが、上のレバーはシートを前に倒すためのものですが、一般的にはこれでシート自体を手動で前に出すか電動で連動して動くかですが、A5の場合は下のスイッチが前席の電動シートスイッチとなっています。
かなり動きが早いためシートが動くのを待っているイライラ感はなさそうです。
クーペのこの仕組みは非常にいいと思います。
Sラインですから当然シートはレザーですが、ドイツ車は比較的固めの革を使用していますが、特にアウディはシボも大きくしっかりとした厚い皮が使われています。
国産車の場合はこの手の革を使用すると合成ぽく見えてしまいますが、さすが革の文化の深さがある国の技術でしょうか、ちゃんと本皮に見えますし質感も非常に感じさせます(もちろん本皮です)。
またシート先端のひざ下の部分は手動ではありますが長さが調整できるようになっていますので、長距離ドライブでの座り疲れも少なくいい装備です。
シンプルなデザインですが非常にスポーティーな印象を与えてくれます。
このようなデザインはドイツ車ならではの合理性から生まれるデザインでしょうが、そこに見る楽しさもきちんと併せ持ってしまうのはさすがです。
“質感の高さもたいしたものです”
センターコンソールのデザインも非常に落ち着きがありまとまったデザインで、アウディらしく整然とスイッチ類が配置されています。
アウディらしい素材の使い方と色使いは、見方に因ると無機的にも感じてしまうところもあるので好みは分かれるところですが、スタイルとのマッチングやメーカーイメージとのバランスは、メーカーとしての個性を主張する欧州車ならではの車作りのスタンスです。
国産車にもこのようにメーカーとしての統一されたコンセプトを持った車を作ってもらいたいものです。
ベンツでいえばアバンギャルドのようなグレードということになりますが、それよりもアウディのSラインは標準モデルよりも特別感があるように感じます。
価格差にして40万円ですがそれ以上の特別装備となっています。
ただ車高はアバンギャルドのように変えられていないのは残念です。
今回はウインドウのフィルムのご注文も頂きました。
フロントガラスとフロントサイドには熱線遮断のクリアーフィルムを施工しましたが、フロントガラスだけはガラスの曲面の影響でどうしても微妙に視覚にゆがみが出てしまうために施工は取りやめといたしました。
アウディのガラスは標準でかなり透過率が低いガラスを使用しているため、一番透過率の高いフィルムを使用しても車検適応ぎりぎりの透過率となりました。
アウディに熱線遮断フィルムを施工する際には注意してください。
透過率測定器を持たない施工店での施工は車検時にはねられてしまう危険性がありますのでやめたほうが無難です。
リアガラス3面はスモークタイプのフィルムを使用しましたが、個人的にはブルーハーフミラーのフィルムを貼ったらどのような雰囲気になったかが興味があります。
さらにホイルガラスコーティングも施工いたしました。
今回はフルコーティングということでホイルの内側のリムからスポークの内側まで全面コーティングいたしました。
欧州車特にドイツ車のブレーキダストは非常に多いので、数百キロ走ればホイルは真っ黒になってしまいます。
すぐに掃除することができればいいのですが、長期間放置してしまえばそのダストがホイルに食い込み洗っても取れなくなってしまいます。
ホイルコーティングのメリットは、固い皮膜のガードによりダストの食い込みを防ぎホイルの塗装の痛みを長期間守ることができます。
また親水性のコーティングですので水を流すことで付着したダストを簡単に洗い流すことができるようになります。
車磨き研究所で使用するホイルガラスコーティングは、硬度9Hと非常に硬い皮膜ですのでブレーキローターから出る鉄粉さえも跳ね返してしまいますので鉄粉の食い込みも防ぐことが可能です。
下処理から非常に丁寧な施工を行い、コーティングはWコートどころか4重にコーティングいたしますので非常に厚い被膜となり、さらにその上に特殊なコーティングを施すことにより超親水性能も付加されます。
ホイルダストにお困りの方はぜひお試しください!
磨き前膜厚は169μと比較的厚めの膜厚です。
おそらく使用されている鋼板が高張力鋼板のためその鋼板波を埋めるために膜厚が厚くなっていると思われます。
なぜそう予想できるかは理由があります。
まずは鋼板の厚さが非常に薄いことです。
それと塗装された状態をほぼ垂直に見た場合は水性塗料独特の柚子肌はありませんが、角度をつけて斜めから見ると非常に大きな凹凸の柚子肌となっています。
これは最近のポルシェにも共通する部分でおそらく同じ種類の高張力鋼板が使用されていると思われます。
これは鋼板の細かい波を塗料で埋めて平滑にしますが、プレスでできた大きな波はそのまま残るため大きな柚子はだができているように見えると思われます。
高張力鋼板に関しては日本の製品のほうが材質は上のようです。
しかしドイツの製鉄技術の高さは世界でもトップレベルにありますからいつまで日本の優位性が保てるかは疑問です。
これは車磨き研究所のお客様で鉄鋼関係の技術者の方からお聞きした話ですが、日本はある程度までの開発力は非常に高いのですが、そこからの応用力や技術転化がスローなためせっかく開発した優れたものも他国にリードされてしまうことが多いそうです。
これは日本企業の内部体質の問題点だとのことでした。
ディーラーでの納車直後のお預かりですので、まったくご使用になられていない状態での傷の状態です。
ヤナセでの販売車両はベンツはかなりの数を見てきましたがアウディは初めてです。
ベンツに比べるとかなり傷は多い状態です。
これはインポーターが違うことからディーラーへの出荷基準に違いが有るためと思われます。
円の中の傷はポリッシャーに因る傷がついてしまっています。
このクラスのお車の場合たいていはPDIとディーラーで共に磨きをかけますのでその際の見落としだと思われますが、この傷に関してはギヤポリッシャーで付いた傷だと思われます。
となると私が知る限りヤナセディーラーでの磨きはほとんどシングルポリッシャーしか使用しませんので、おそらくPDIの時点で付いてしまった傷と思われます。
しかしさすがに塗装波の下地調整はほぼ完璧に近いレベルにありましたので、どこまでこの残っている傷を処理できるかが今回の磨きの目標となります。
正直ここまで肌がきれいになっていると、磨き前と磨き後の違いがどこまで出せるかはかなり厳しいことになると思います。
磨き後膜厚は3段階のスポンジバフでの磨きを経て166μでした。
新車磨きでの車磨き研究所での限界研磨厚としている3μの研磨です。
ポリッシャー傷や深い線傷があったところは部分的にあと2μほど研磨されていると思います。
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写真で判別できるレベルの傷は取りきることができました。
しかしかなり深い傷もあり部分的に攻めては見ましたが水銀灯を当ててよく見ると完全に取りきれていないのがわかる傷も残ってしまいました。
ドイツ車は全般的に塗装は硬いのですが、特にアウディは硬さがぬきんでているためにスポンジバフでは深い傷を攻めるのには限界があります。
また先にも触れた高張力鋼板が使用されているために鋼板が非常に薄いため磨きで50℃程度に熱が入ると鋼板が伸びてしまうため傷が逃げてしまいます。
これ以上傷を攻めるためにはスポンジバフのように熱が入らないメリーウールやペーパーを使用して部分的に傷を追っていかないと100%傷を取りきることは難しいと思います。
しかし納車磨きで残っていた塗装波の目立つところは処理できましたので、全体の塗装の肌の状態はかなり変わり写りこみの仕方もかなり輪郭線がシャープになったと思います。
私としては予想よりもだいぶ施工前と比べると変化が出てくれたと安堵いたしました。
赤い線の上のプレスラインがこのお車のデザインの要だと思いますが、磨きによりさらにプレスラインがはっきりしデザインが強調されるようになったと思います。
今までのアウディは比較的単調なデザインでしたが、このようなプレスラインを入れることでだいぶイメージがスポーティーになりました。
BMWと比較してもボデイの基本的デザインだけで比較してもそのスポーティー感と品のよさは上のような気がします。
AUDI アウディ A5 2.0TFSI quattro S-line コーティング終了
傷の状態はおいておいたとして、塗装肌の状態は非常に良かったので爆発的違いまではいきませんでしたが、かなり落ち着いたシャープな映り込みができるようになりました。
今回施工いただいたコーティング剤は、マーベラスフィニッシュ・プレミアム ハイブリッドという非常に長い名前のコーティング剤です。
ハイモースコートと並び車磨き研究所の親水コーティング剤のトップエンド商品です。
このコーティング剤の特徴は、シランを使用して膜硬度は硬く製膜し親水性無機物を添加することによりシリカ膜の親水性能をさらに強化して、そこに複合ポリマーを加えることにより無機系ガラスコーティングでつきやすい水染みなど無機性の汚れに対して強い防御性とメインテナンス性を付加しています。
シラン純度はかなり高いのですが、フッ素を使用したものに比べると艶感はマイルドな印象になりますが、配合された複合ポリマーの力で非常に深みのあるぬれた感じの高級感のある艶があります。
カチッとした艶もいいのですが、このような高級車にはこのような深みもある光沢感のほうがより車は引き立つと思います。
コーティングは価格は当然ですが、お車にあった艶感のものを選択することも重要です。
車両クラス:クラスM
施工コース:マーベラスフィニッシュ・プレミアムハイブリッド ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+ホイルガラスコーティング(フル)+ペイントプロテクションフィルム(ドアカップ×2)+熱線遮断ウインドウフィルム(フロントサイド×2)+プレミアムスモークウインドウフィルム(リア+リアサイド×2)
施工料金:221.025円税込み(新車割引磨き10%・濃色車割り増し磨き10%・引き取り納車費用 適応)
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