2011年02月25日公開|ランドローバー
私の大好きなものが3つ重複したお車のご入庫です。
これはランドローバーの三種の神器ではないでしょうか。
このお車は先代のディスカバリー3となりますが、トップグレードにあたり車体価格で845万円オプションなどを含めれば乗りだし価格約1.000万円という高級車です。
サスペンションはエアーサスペンションで、ダブルウィッシュボーンの独立懸架となっています。
リジットサスペンションに比べ乗り心地はいいのですが、悪路走破性は一概に優れているとも言えません。
一番の問題は腕前ですが!
エアーサスペンションならではのハイテクコントローラーです。
ありとあらゆる状況を想定してモードが設定されています。
ランドクルーザーがいかに優れていてもここまでの装備はありません。
エアーサスペンションをいっぱいに下げたときの車高です。
当然障害物などを乗り越えるときなどは、フェインダーにタイヤが隠れるくらいにまでサスペンションは縮みます。
エアーサスペンションをいっぱいに上げたときの車高です。
一般的な4駆のハイリフト車くらいの車高になります。
独立懸架なのでデフが車体と共に上がりますからこれだけ車高が上がればほとんどの障害物はクリアーできてしまいます。
モーグルのようなところを走るとき、このサスペンションの伸びる長さがものを言います。
恐ろしい長さのストロークです。
オフロードでは必需品の牽引フックです。
許容荷重4.7tですから2.5t有るこの車でも十分な耐荷重です。
メーターはかなりシンプルです。
オフローダーですから最低限のコンディション情報だけ判ればいいのでこれでいいのかもしれません。
一時の国産四駆のように意味の無い傾斜計などは付いていません。
その代わりにコンピューターで制御される姿勢制御のモード等の専用ディスプレイが装備されています。
ただし表示は英語なので、英語の語学力が必要です。
さすがに英国の高級車らしくオフローダーといえども内装は豪華です。
内装のカラーリングもいかにも英国車らしい色合いです。
ウッドもふんだんに使用されています。
ランドクルーザーも高級四駆ですが、やはりランドローバーにはかないません。
ほとんどまだ気にならないレベルでしたが、多少ヘッドライトカバーのクリアーに曇りが出始めているのと、ご自身で施工されたコーティングが剥離し始めていましたので、ライトポリッシュでヘッドライトカバーを磨き古いコーティングと曇り始めていたクリアーを磨き、新たにヘッドライトをコーティングしなおしました。
このように早めにヘッドライトのクリアーに補修をしておけばきれいな状態で長くご使用になれます。
限界まで劣化してしまってからでは料金も高くなりますし、新車の再に施工されているクリアーも全て剥離しなければいけなくなってしまいますので早めに予防施工されることがお勧めです。
コーティングの他にヘッドライトプロテクションフィルムを施工することまできます。
こちらですと飛び石などからヘッドライトの破損を防ぐこともできますし、紫外線劣化もコーティングよりもより効果的に防ぐことができますが、価格は高くなってしまいます。
このお車で多用されているような未塗装樹脂は、欧州車では使用されている材料がリサイクル品の配合比率が非常に高いため劣化が早く非常に色落ちしやすいデメリットがあります。
このようなパーツ部分はランドローバーに限ったことではなく欧州車全般に言えることです。
その点では国産車はリサイクル材料の配合比率が非常に少ないためこのようになることは短期間では起こりません。
このように色あせてしまい染みなどができてしまった場合には、未塗装樹脂専用のコーティング剤で染みも無くなり艶も復活させることができます。
ボデイコーティングをご注文いただいた場合には標準施工として外部未塗装樹脂コーティングを施工いたします。
傷も相当量付いていますが、問題なのはボンネットはイオンデポジットによりクリアークレーターが全体にできてしまっていることです。
一般的な磨きではこのレベルではクレーターは残ってしまうので、03コースの3.000#ペーパーで処理することとなりました。
磨き前膜厚は114μでした。
オフロード四駆でも塗装の厚さは乗用車と変わりが無いようですが、使用状況のハードさから言えばもっと塗装厚が多くてもいいような気がします。
03コースのペーパー施工後の状態です。
グリーンであったはずの塗装が、ペーパー傷で白くなってしまっていますが、
これが普通の磨きでは治せないはずの塗装の状態を復元するための特効薬となります。
ペーパー施工後の膜厚は112μですので、研磨厚は2ミクロンです。
ペーパーをかけたからといって極端な膜厚を削る訳では有りません。
ウールバフ施工後の膜厚は110μでした。
ウールバフでの研磨厚は2μ、ペーパーとあわせて4μの研磨厚です。
ここからは通常の磨きですが、ここまでに消しきれなかったペーパー傷を磨き上げて鏡面を出して行きます。
側面なども傷の状態はかなりハードな状態です。
お客様はシーズン中は毎週スキーに行かれるそうですし、林道などにも出かけられるそうなので側面までもが線傷で埋め尽くされています。
普通の塗装であればここまで傷だらけとなると02プラスの傷取り磨きの必要がありますが、イギリス車は欧州車としては非常に柔らかな塗装ですのでこの程度の傷であれば、02コースの磨きでも傷を処理することは可能です。
但し柔らかな繊細な塗装ですのでポリッシャーによる細かなオーロラ傷が入るのでかなり繊細な磨き方が必要となります。
これがジャガーのようにR部分が多いボデイ形状となるとさらに難易度は高くなります!
磨き終了後の膜厚は105μでした。
03コースの5回のペーパーの研磨をあわせた
総研磨膜厚は7μとなります。
傷の量が多かったことと、クレーターの処理のためこの程度の研磨は必要です。
しかしこの上に硬いガラスコーティングが施工されますから今までのように塗装にダメージを受けることはありませんので、仮に再施工を数年後にするとしてもそのときの研磨は3μ以内ですみますのでまだ膜厚には十分余裕はあります。
完璧に傷の処理ができました!
ボンネットに有ったクレーターもほぼ完全に取りきることができました!
しかしいくつかのクレーターはさらに10μくらいは食い込んでしまっているためにそこまでは取りきれませんでしたが、クレーターの淵のエッジを取り丸く仕上げてあげることで、場所がわかっていてよほど凝視しない限りは発見できないと思います。
LAND ROVER ランドローバー ディスカバリー HSE コーティング終了
今回のコーティング剤はエクセレントフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティングという撥水性のコーティング剤ですが、スキー場に毎週いかれエンカルの洗礼を受け続ける使用環境から考えて、“耐酸性”能力は欠かせないための機能ですのでこのコーティングを選択いたしました。
フッ素撥水のコーティング剤に比べ艶は柔らかな艶となりますが、艶間が変わるだけで、光沢自体が劣るわけではありません。
かえってこのお車の場合英国車独特のゆるい雰囲気が強調されさらに高級感が引き立ちます!
ロールスロイス・ベントレー・アストンマーチン・ジャガーなどランドローバー以外の英国車は、ボデイカラーやR感などが独特のスタイルを持ちますので、ドイツ車のような車に似合うカチッとしたコーティングより、
ポリマーやWAXのような柔らかな濡れた様な艶のほうが車のイメージが引き立ちます。
コーティングはただ艶があればいいというものではなく、
お車のイメージに合わせた艶感を選択することでさらにお車の持つ特徴を引き出します。
あなたのお車はどんなイメージでしょうか?
車両クラス:クラスLL
施工コース:エクセレントフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+03磨きコース(ボンネットのみ)+ヘッドライトカバー・ライトポリッシュ+ヘッドライトコーティング(テールレンズ含む)
施工料金:128.261円税込み(輸入車割り増し磨き10%・濃色車割り増し磨き10%・お持込お引取り割引10% 適応)
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