2011年02月19日公開|メルセデスベンツ
8ヶ月前に施工いただいたお車ですが、残念なことに事故に遭われてしまいリアバンパーと左クォーターパネルを修理されたとのことで、今回コーティングの補修にご入庫いただきました。
現実には2パネルしか塗装はされていませんが、コーティングの現況復帰の保険賠償などの場合は、塗装を行ったパネルに隣接するパネル今回の場合ですと、左リアドアと右クォーターパネルとトランクがその対象となりますので合計5パネルのコーティング補修となります。
なぜ隣接パネルまでコーティング補修に含まれるかといいますと、いくら無機系ガラスコーティングと謳っていても100%無機のコーティング剤は存在しません。
微量でも有機物が含まれていればほんの少しでも経年劣化はすることとなります。
ということは多少であれ施工直後と比較すると多少の艶や塗装色に変化が出てしまうことになりますので、隣接パネルで既存のコーティングと暈かしをいれてあげることで、少しでも意匠製を高めるためです。
もう一つ理由として、板金塗装の工程でマスキングなど隣接パネルに触れることで傷が入っている場合が多いのでその補修の必要のためです。
保険会社側からこのように隣接パネルまで補修する提案はまずしませんから、このような場合にはご自身で保険会社に補修内容をご提示下さい。
車磨き研究所での補修施工の場合には、このような保険会社との交渉はこちらで代行いたします。
何度見てもSクラスの内装は本当に作りがいいと感じます。
同価格帯のライバル車種と比較しても明らかにまとまったデザインで、質感も高く落ち着いた内装となっています。
好みはあるとは思いますが!
個人的にはこのウッドの色と模様、特にダッシュボードからドアにかけてのウッドの流れるラインには非常にセンスを感じます。
スイッチ類なども極力簡素化されさらにそれが露出しないように隠されているところは、ベンツの昔からのスタイルのシンプルオブビューティフルの伝統が守られています。
“高級感のきわみです”
磨き前膜厚は193μです。
さすがにラインでの塗装ではないのでかなり膜厚は厚くなっています。
ラインとそうですと大体130μあれば厚いほうですから約60μほど厚いことになります。
車磨き研究所ではオリジナル塗装にこだわっていますが、その理由はこのようにいくらうまい塗装屋さんやいくら設備が整った塗装屋さんでもライン塗装と同じ塗装はできないからです。
塗装が痛んだら再塗装すればいいとの考え方の方も多いと思います?
磨いて塗装と同じ位の値段がかかるなら塗装したほうがいいのでは?
と考えやすいのですが、オリジナル塗装を超える再塗装は基本的にはありえません、そこまで求めるのなら最低200万円以上は必要となります。
ラインで使用している塗料と補修用と料ではまったく別物の塗料が使われています。
メーカー指定の塗料でも同じカラーナンバーの塗料でも補修用塗料はライン塗装の塗料とはまったく別物の塗料なのです。
これでも磨いて補修するより再塗装がいいと思いますか?
事故の場合はいくらこんなことを言ってみても補修用塗料で塗装するしかありません。
しかしよりオリジナルに近づけたければ、輸入車の場合にはメーカー指定の塗料を使用するべきです。
いくら色が同じでもメーカーが変われば当然成分は違ってきます。
補修直後は判らなくても何年化して塗料が経年劣化してくると、成分の違いから劣化の仕方に差が出てきますから当然塗装の意匠性にも違いが出てきてしまう可能性が非常に高くなります。
磨き後膜厚は189μでしたから、研磨膜厚は4μとなります。
いつもよりは多めの研磨厚ですが、この塗装屋さんは非常にうまい塗装です。
最近入庫された補修塗装車の中では群を抜いています、あえてどこに出されたかはお聞きしませんでしたが、ここまでのレベルの施工をされる塗装屋さんはおそらく山梨のある塗装屋さんだと思います。
塗装自体がうまいのは言うに及ばず、その技術と姿勢に驚かされるのは仕上げの磨きのレベルの高さです。
今回補修されたパネルは2パネルですが、そのパネルに傷は一本も確認できませんでした。
なのになぜ4μも研磨しているの?
と疑問をもたれるかもしれませんが、いくらうまい塗装屋さんでも磨き屋ではありませんから肌調整は必要となります。
先にも触れたように補修塗料はライン塗料と違いますので、仕上がり感は微妙に違ってきますのでそれをきちんとそろえる作業が磨き屋の仕事です。
一般的に塗装屋さんから仕上がってきた塗装の状態はひどいものです!
塗装波の調整もまともにされていることはまれですし、磨き傷が入っていないものは皆無といっていいです。
時には補修を行っていないパネルより傷が多いこともしばしばです。
中には磨きで取れない深さの傷までいれてしまっていることもあります。
自己負担で補修しなくてはいけない場合は予算優先でもしょうがありませんが、保険事故でしたら本当にきちんと仕事をしてくれる塗装屋さんに出されるようにするべきです。
保険会社手配の塗装屋さんだけは避けるべきです。
今までまともな補修がされた車は見たことが有りません!
Mercedes-Benz メルセデスベンツ S350 補修コーティング終了
さすがに塗装屋さんも1年も経っていないSクラスですから緊張して施工されたことと思いますが、それにしても非常にレベルの高い仕事をしていただいたためにコーティングの補修は非常に楽をさせていただきました。
オーナー様の8ヶ月間の管理も非常によく未補修部分にもほとんど傷は入っていませんでした(コーティング剤も高性能ということにもなります)。
施工前に当然洗車をしますが、その際コーティングの機能を確認して見ましたが、8ヶ月前に施工した時とまったく変わらない超撥水を持続しておりました。
ひどい撥水コーティングですとこの位の期間ですでに大きく撥水性能が低下し、水が玉にならない部分があったり撥水の水玉が大きなものになっていたりします。
このようなコーティングは材料自体が低レベルであることもそうですが、施工自体がきちんとされていない場合にもこのようなことがおきます。
お客様にはコーティング剤の良し悪しは判断できないですが、施工の良し悪しは判断できることもあります。
たとえばコーティング施工前の脱脂です。
脱脂はコーティング前の作業としては必須作業ですが、脱脂方法がシリコンオフなどアルコール系のもので拭き上げるだけの方法でしたらコーティング剤は短期間で剥離してしまう可能性は非常に高くなります。
施工依頼される前に脱脂方法の確認をされることで防ぐことができます。
後はコーティングの施工環境です。
野外もしくはクローズドされていないところで行えば,きちんとガラスコーティングが製膜されることはまずありえません。
ガラスコーティングは加水分解反応など化学変化をしながら製膜していきますが、温度や湿度に大きな影響を受けるためにその管理ができない環境ではまともな製膜ができることはありえません。
但し有機物の添加量が多い有機系ガラスコーティングであれば可能です。
但しコーティング自体の耐久性や性能においては無機系コーティング剤と比較した場倍そのレベル差は大人と子供の差以上です。
ほとんどポリマーと変わらないレベルといっていいと思います。
コーティングを施工依頼される際にはこのようなこともお気をつけて依頼なさってください。
車両クラス:クラスX
施工コース:エクセレントフィニッシュ ガラスコーティング(補修4パネル)+02磨きコース(補修4パネル)
施工料金:67.115円税込み(輸入車割増し磨き10%・補修基本工賃 適応)
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