2011年03月29日公開|日産
懐かしいお車です!
25年ほど前のお車ですが2オーナー完全車庫保管で走行距離もまだ3万キロしか走っていないため程度は非常に良い状態でした。
内外装とも完全オリジナルです!
この当時のこの車格のお車はたいてい乗り潰されてしまっている為めったにこれだけの程度の初期型シーマにお目にかかれることはありません。
今回旧車雑誌の取材がおありとのことで施行のご依頼を頂きました。
新車販売当時日本はバブルに沸き立ち爆発的売れ行きを誇り、クラウンさえ抜いてしまったほどの人気でした。
スタイリングも非常にシンプルで当時のジャガー40系と良く似た国産車としては非常に洗練されたスタイリングで、動力性能的にも輸入高級車に引けを取らないレベルにありました。
通常車は初期モデルより後期型や最終型が熟成も進み後にも人気が出るのですが、ことシーマに限っては初期型が一番バランスが取れたデザインで車の作りも惜しみなく開発費が使われコストダウンのかけらも見当たりません。
そのため人気も初期モデルが一番あるようです。
デザインのモチーフは鎌倉の大仏だそうですがそのつながりは良くわかりません。
エンブレムはアカンサスの葉をモチーフにしているそうです。
鋳物の非常にお金のかかったエンブレムです。
ここまでのエンブレムは国産車では初めてで、質感的にはジャガーベンツよりは確実に上を行っています。
アンテナの台座ですらここまで凝ったものが使われています。
ここまでのこだわりは国産・輸入車問わずほとんど見かけることはありません。
ニッサンがいかにシーマに力を注いでいたかが伺えます。
しかしバブルがはじけた後のシーマⅡにおいてはこのころの質感はまったく垣間見ることができない駄作となってしまいました。
高級車だからといって革シートが一番とは限りません。
非常に高級なモケットを使用してあり、この色が非常にセンス良く車体の白を引立たせています。
当時としては国産車でこのような内装色は非常に珍しく奇抜なものでしたので、新車当時は非常に目立ったことでしょう!
今となっては高級車では当たり前の後部座席の空調コントロールパネルやステアリングスイッチですが、当時ではシーマがはじめて採用したものだと思います。
但しメーターのデザインは時代の古さを感じさせます。
もっともほとんどの国産車は現行モデルではデザイン的には新しさはありますが、質感の低さはあまりこの当時と変わりが無い様に思います。
この時代の国産車の特徴としてとにかく操作スイッチがてんこ盛りで装備されています。
日本人の好みとしてスイッチが多いと高級感を感じる傾向が強いようです。
それは今でも変わらないようで、輸入高級車はなるべくシンプルなスイッチの少ない内装になってきていますが、レグサスなど見てもいまだにこのようなゴテゴテ内装から抜け出せていません。
とにかく至れり尽くせりです!
ドアミラーにまでワイパーが装備されています。
必要かどうかは別としても、収まりもきれいに作られ当時のニッサンのシーマへの力の入れようが伺えます。
V6のNAエンジンです。
ソアラへの対抗するためにターボモデルもありましたが主流はこちらのNAエンジンだったそうです。
200PSですが当時の国産車としてはかなりのハイパワー車としてクラウンを動力性能的には完全にリードしていました。
今回は車内丸洗いクリーニングもご注文いただきました。
車内本体の汚れはそれほどでもないのですが、トランクには何箇所かかなりハードな染みができてしまっていました。
又スピーカーコアにも汚れが一部内部まで付着してしまっていました。
これだけ濃い滲みですから普通のクリーニングではなかなか汚れを取り去ることは難しいことです。
無理をしてあまり強い洗剤やつよく擦り過ぎると
素材自体を傷めてしまいます。
車磨き研究所で使用する洗剤は、特殊なイオン
洗剤ですので自然に汚れの成分が分解しますのでそれを軽く拭き取るだけですので、
素材自体はまったく傷めることはありません。
それでもここまできれいにすることができます!
さらに匂い残りも一切ありませんし、洗剤成分の残留の心配もまったくありません。
パット見はかなり塗装の程度も良く見えましたが、水銀灯の下に入れてみるとこの通り一面に傷が入っています。
傷といってもスクラッチのレベルではなく窪みになったような深くそして幅の広い線傷がくまなく入っています。
普通ここまで傷があればかなり塗装の艶もなく見えるのですが、この当時のシーマは当時としては最高級のフッ素塗装がされているため艶を保てているようです。
また塗装の質感も柚子肌がほとんど無い仕上がりとなっているため光の屈折が少ないことも大きな艶が失われていない理由だと思います。
通常の塗装ですとここまでの傷のレベルであれば04コースの#1000ペーパーの施工が必要となりますが、塗装自体の状態が柚子肌も無く劣化もしていないため02プラスの磨きで傷を落とすことに専念した磨きとしました。
磨き前膜厚は171μです。
この当時の塗装は膜厚もしっかりあるため安心してガッツリ磨くことができます!
特殊な天然ウールを使用したバフで磨き上げます。
一般的に使用されているウールバフとは違い磨きで入れる傷が浅いため無駄な研磨をしないですむため研磨厚はそれほど深くする必要がありません。
塗装にやさしい磨きです!
とはいっても傷はかなり深いため一気にウールバフで3μの研磨となりました。
研磨後の膜厚は171μです。
その後さらにスポンジバフで3回の段階的研磨を繰り返しできるだけ傷を追い込んで行きます。
磨き終了後の膜厚は165μでしたので、総研磨膜厚は6μとなりました。
色が白のため写真では移らないですが、これでもまだ傷は多少残っています。
しかし通常の環境ではまず傷があることには気づかないところまでは仕上がりました。
ウールバフでこれ以上研磨を深くすることも可能でしたが、あえて傷が残ってもこれ以上の追い込みは止めることとしました。
オーナー様は一生このお車を維持するとのことでしたので、きれいにすることが一番ではなくオリジナルの塗装をなるべく長く保つことを優先しあえて傷が残っても残存膜厚をなるべく残すことを優先いたしました。
NISSAN ニッサン シーマ Ⅰ コーティング終了
傷が多少まだ残っているとは故ここまで光沢は復活いたしました。
とても25年前の車とは思えない艶を放っています!
今回長期お預かりで施行させていただいたため、施工中に何回かオーナー様がお見えになられそのつど艶が復元されていくさまを見てかなり感動をされたようです。
1ヶ月あまりお預かりしておりましたので、その間色々な方も見えられて施行の段階をご覧頂いた方々は皆さん口をそろえて、
「この古い車がここまで艶々になるの?」
「まるで新車のようじゃないの!」
と感動しきりでした。
これは磨きやコーティングによる我々の力によることだけでは決してありません。
むしろオーナー様が25年間車庫保管できちんと管理された賜物といえます。
メッキやゴムモールなど古いお車にありがちな劣化の痕跡がほとんど無かったためにボデイが復活することで本当に新車のようなオーラを放つようになりました。
これはたぶんこの時代の車だからここまで質感を保っていたのだと思います。
塗装膜厚もしっかりとした厚みがあり、メッキも非常に厚いメッキが施行されていて、ゴム類もリサイクル品は使用されていないため劣化も非常に少なかったのだと思います。
旧車をお持ちのオーナー様、車庫で眠っている大事なお車をもう一度リフレッシュして若返らして見ませんか?
できれば全塗装などではなくオリジナルの塗装を磨き上げ新車のころの輝きを取り戻して見ませんか?
一度お車を拝見させてください!
最適なご提案をさせていただきます。
車両クラス:クラスL
施行コース:エクセレントライトフィニッシュ ガラスコーティング+02プラス磨きコース(傷取り磨き)+車内丸洗いクリーニング
施行料金:84.105円税込み(長期お預かり割引20%・リピーター割引20% 適応)
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