2011年04月14日公開|BMW
車磨き研究所でははじめてのZ4となります。
今まで施工メイン車種がベンツであったためか、販売台数ではBMWのほうが圧倒的に多いのにも関わらず意外と施工台数は少なかったです。
これはベンツとBMWとでは顧客層が違うということよりも、互いにオーナーがライバル視いていることが原因のように感じます。
お互いそれぞれに車に対して違う価値観を持っていることが理由のようです。
Z3の頃はどちらかというと丸いイメージが強くアールが強調されたデザインでしたが、Z4になりかなりウエッジシェイプが強調されたデザインに変わりました。
個人的にはZ4のほうがロングノーズが強調されクラッシックスタイルと現代的なセンスがミックスされ、より洗練されたデザインになったと思います。
過去に1台だけBMWに乗っていたことが短期間ですがありますが、内外装ともあまり好みでないことと、どうしてもグリルの形が好きになれず、型が代わって行っても再度購入する気になれませんでしたが、Z4に関しては常に気になっていました。
クーペモデルの発展系としてではなく、はじめからオープンモデル専用として作られただけあってオープンにしたときのスタイリングはさすが決まっています。
世の中にオープンカーはたくさんありますが、ほとんどのものはクーペからの発展形となってしまっているためにいまひとつ潔さにかけるような気がします。
ユーノスロードスターやジャガーEタイプなどはじめからオープンカーとして発売された車のオープンスタイルは非常にバランスがとれ見とれるようなスタイリングをもっいます。
逆にこの手の車にクーペを設定すると、どこかアンバランスな印象を受けるスタイルになってしまいます。
側面から見ると一目瞭然ですが、着座位置がリアホイルのすぐ前にあり非常にスポーティーな印象とクラシカルな正統派オープンカーの印象を強調します。
ここまで極端な着座位置は、最近の車ではSLS
くらいなものでしょう。
このようなレイアウトは、ワインディングなどではノーズの切れ込みも非常にダイレクトに感じるでしょうし、リアのグリップの状態も非常にリニアにつかめ、テールスライドなどしながら攻めていけば非常にスリリングな感触を楽しめることと思います。
決してパワーは大きな車ではありませんが、M/TでLSDなどが入っていればかなり楽しめる車だと思います。
2.5LのBMW伝統のフラット6エンジンです。
このお車は初期モデルのため192PSとなりますが、高回転でよく回るエンジンなので非力感はほとんど感じることは無いと思います。
欲を言えば3.0Lのモデルを選択すれば初期型ではNAエンジンで231PS在りますからかなりのスリルが味わえたかもしれません。
非常にシンプルな内装ですが、とてもきれいにまとまりのあるレイアウトです。
素材もコストダウン感の無い素材がうまく使われています。
但しメーターのカバーリングのプラスチックだけはちょっと安っぽく感じさせてしまいます。
シートはコンビになっていますが、サイド部分に使用している素材はパット見には革なのかなとも思いますが、化学繊維のかなり面白い素材を使用しています。
非常に薄い素材ですが触った感じからも判りますが、強度はかなりのもののようです。
オープンカーはオープンにして走行するとかなり車内は汚れてしまいますが、掃除の際にも拭き取りが容易そうでオープンカーには適した素材です。
今回はホイルのガラスコーティングもフルコーティングでご注文いただきました。
ホイル専用のクリーナーを掛けるとこのように紫の汚れが表も裏もすごい量で染み出してきます。
これはホイルに付着していたり食い込んでいた鉄粉です。
この鉄粉はブレーキパッドのかすや、ブレーキローターのかすなどですが欧州車特にドイツ車は非常にこのダストが多く出ます。
このホイルは汚れた状態でそれほど長期間放置されていなかったようなので、クリーナーと鉄粉取り粘土でほとんどきれいにすることができましたが、長期間放置されて食い込んだ鉄粉がさびてきてしまうと、黒い点々となって何をしても落とすことができなくなってしまいます。
あれだけ付着していた鉄粉やダストもきれいになり、新品のようなきれいさになりました。
そこに耐熱温度1300℃硬度9Hのガラスコーティングを施工しましたので、これからはダストの付着があっても簡単にスチームだけで洗い流すことができるようになります。
鉄粉に関してもこれだけの硬度ですと鉄粉の食い込みはまず心配はありません。
カラーキャリパー装着車等はホイルとキャリパーを一緒に施工すれば、ドレスアップの要となる足元がいつもきれいな状態が維持できるようになります。
新車の場合はできるだけ納車された段階での早い時点での施工がお勧めです。
Z4初期型ですので年数は結構経ってはいますが、走行距離は非常に少ないのですが傷の量と深さはかなりのものです。
今回中古車でご購入されたお車ですが、車自体の程度は価格からすると悪くは無いのですが、外装については凹みなどは無いですが傷の量からすると、
5段階でレベル2くらいになるかと思います。
しかしこれだけ傷があるにもかかわらず、イオンデポジットはまったくできていなかったことは幸いです。
今回の施工は04コースでの施工となりましたが、いくら04コースといえども深いイオンデポジットの場合には残存膜厚との相談とはなりますが、10μを超える食い込みを起こしてしまっていると最近の水性塗料車は膜厚が薄いために完全に磨き取ることができなくなってしまうこともあります。
04コースの#1000のペーパー施工後ですが、見事に真っ白になってしまいました!
たまにこの状態をご覧になられるオーナー様がいらっしゃいますが、皆さん口をそろえて、
「エー、この状態から直るんですか?」
とお聞きになられるのですが、それが直るのです!
今回は前後バンパーはペーパーでの施工はしません。
国産車の場合は年式車種に関わらず樹脂パーツへのペーパー施工は膜厚や密着性の問題から施工できませんが、
輸入車の場合はたいていの車種でオリジナル塗装であれば施工可能ですが、
輸入車でも再塗装されていてその塗装方法などがわかっていない場合や、パテ補修などがされている場合などは施工することができません。
このお車の場合フロントバンパーにはクリアーの暈かし痕のような物が見られるため塗装の補修レベルが低い可能性があり、リアバンパーは今回再塗装を一緒にご依頼いただきましたが、塗装を剥離してみると過去に補修された痕跡が在りかなり雑な施工状態でしたのでいくら今回再塗装したといっても安全性には疑問が残るためペーパーでの施工は取り止めました。
磨き前膜厚は108μ、#1000ペーパー施工後の膜厚は106μでした。
#1000での研磨膜厚は2μとなります。
傷の程度からするとここで4μ程度の研磨をしたいところですが、磨き前膜厚が150μ位はないとそこまで深く研磨をかけることは残存膜厚を考えるとできません。
このままの施工の流れ的には大体10μ程度の研磨となる予想になりますが、
一部傷が残る可能性があるかもしれません。
濃色車の場合には#1000の施工後に#2000のペーパー施工も必要となります。
ここまでのペーパー施工は、塗装の凹凸つまり柚子肌の凸部分を研磨して柚子肌をなくしてあげるための作業です。
この段階で凸部分にある傷は浅いものはほとんどペーパー傷に置き換えられています。
しかし凹部分にはほとんどまだペーパーはかかっていないためその部分は次の段階での処理となります。
#2000での施工後膜厚は104μとなり、研磨膜厚は2μでした。
#3000での施工により凹部分にもペーパーがかかり、全体がペーパー傷に置き換えられました。
但しこの段階で初めからある傷のレベルまでペーパー傷を入れてしまうと研磨膜厚が多くなりすぎるために、はじめに傷の深さを予想してそのちょっと手前で研磨をとどめる必要があります。
この判断は経験でしか判断つきませんので、これが04コースと03コースの難しさです!
最後のペーパー工程での膜厚は103μ、研磨膜厚は1μです。
ペーパー施工全体での研磨膜厚は5μとなりました。
この後の施工はほぼ同じ研磨膜厚を想定して研磨していきます。
あれだけ真っ白になってしまっていた塗装もウールバフを施工することで、塗装の色が復活してきました。
この段階で使用するウールバフは、02プラスなどの傷取り磨きで使用するウールバフとは違い、
ペーパー傷を処理するための特殊なウールバフを使用していきます。
線傷であるペーパー傷をポリッシャーに因る回転傷に置き換えていきますが、ここでウールにより深い傷が入らないように注意しないと、以後の研磨でさらに研磨厚が多くなってしまうのでここも非常に注意と経験が必要となります。
ウールバフでの研磨後膜厚は100μ、研磨膜厚は3μとなります。
蜘蛛の巣の密度の10倍以上あったような傷もすっかり跡形なく消え去りました!
と言い切りたいところですが、かなり深い傷がまだ多少は残っています。
04コースの磨きですので、下地まで到達していない傷なら取りきろうと思えばできないわけではありませんが、先にも触れたように100μ程度の膜厚の場合そこまで磨きこむことで、
クリアーの残存膜厚が限界に達してしまい塗装自体の耐久性をなくしてしまってはもともこうもありません。
又あまりにもクリアーが薄くなると艶自体も低下してしまうことになります。
この様な理由から深い傷を無理に磨き取るより残存膜厚をできるだけ残すことを選択したので、ある程度の傷残りは妥協しました。
部分的に攻めることも可能ですが、それはそれで周囲との肌感の違いが出てしまうのであまり良い方法とはいえません。
とわゆえここまで磨き前の状態から回復すれば御の字ではないでしょうか!
磨き前には傷で塗装の艶もかなりなくなっていましたし、それによりせっかくのブラックサファイアの色もほとんどぼけてしまっていましたが、
本来のブラックサファイアの艶と重みのある色が甦ってきました。
今度はここまできれいになってしまうと運転して汚れたり、傷つくことが嫌になり乗ることがストレスになったりします。
施工終了後も6月まで事情がありお預かりしていることになっていますが、施工完了状態をオーナー様が確認にいらしたとき非常に天気がよかったので、
「オープンにして乗ってきてください」
といいますと、
「乗ると汚れたり傷が付くかもしれないと思うと、ここまできれいになると乗れないですよ!」
とおっしゃって、井戸端会議の雑談をされただけでお帰りになってしまいました。
この気持ち痛いほど解かります!
私もジャガーには乗りたいと思いますが、汚れと傷の恐怖で乗ることができません。
ウールバフの後3回のスポンジバフで仕上げていき磨き終了後の膜厚は97.7μ、
総研磨膜厚は10.3μでした。
この膜厚クラスでは限界研磨膜厚です。
ここまで研磨して傷が残ってしまうのはしょうがないと思います!
BMWの塗装はかなり硬いほうですが、それでもここまで傷が量深さとも入ってしまっていたのは、前オーナーの管理の仕方に問題があります。
傷のほとんどは洗車に因るものと思われますが、
手洗い洗車の場合洗い方によってはかなり深い傷を入れている場合が見受けられます。
多くの場合洗車機に因る傷よりも手洗いに因る傷のほうがダメージは大きく、致命的な傷を入れていることが多いと思います。
傷のほとんどは洗車によるものということを認識しておく必要があります!
04コースの磨きの特徴はこの移りこみの鮮やかさです!
最近の水性塗料の特徴として柚子肌が昔に比べて強くなってきてしまっています。
これは塗料の特性と塗装方法により避けられないことではありますが、どうしても写りこみの仕方には輪郭にボケができたり色がきちんと写りこめなかったりします。
しかし#1000からのペーパーで研磨することで柚子肌を切り取ってあげると、この様にシルバーのエリーゼでもきちんと色も輪郭も写りこむようになります。
又光の反射率も変わるため、
コーティングを施工しない段階でもつるっとした硬い光沢を放ちます。
これにはどんな種類のコーティング剤やWAXを使用しても艶感で勝つことはできません!
“これぞ04コースの磨きの妙です”
BMW ビーエムダブリュー Z4 2.5i コーティング終了
04コースで磨き上げられ磨きの艶だけでも別物の光沢を放っている所に、今回は艶ではハイレベルにあるマーベラスフィニッシュ・スーパーをコーティングしましたので、更なる光沢を放っています。
このコーティング剤の特徴として、多くの親水系のコーティング剤は高純度のものほど軟らかい艶になりやすいのですが、無機ポリマー構造とすることと通常のガラスコーティングの約1.5倍の厚いコーティング膜で、
撥水系コーティング剤のような硬い冷たい感じのする強い反射感を伴った艶を作り出しています。
後はオーナー様が洗車の際にきちんとした洗車方法で管理されることで、長くこの艶を保っていただくことができます。
どんなにすばらしい磨きでもコーティングでも、その後の管理が悪ければその性能や艶を保つことはできません。
つまり“オーナー様次第”ということになります!
この様な別次元の艶をお求めになられる方は、04コースの磨きをお試しください!
但し価格は相当のものとなってしまうことはご覚悟ください!
車両クラス:クラスM
施工コース:マーベラスフィニッシュ・スーパー ガラスコーティング+04磨きコース(超鏡面磨き)+ホイールガラスコーティング(フルコーティング)
施工料金:127.575円税込み(お持込お引取り割引+リピーター割引+長期お預かり割引 最大割引40%・輸入車割り増し磨き10%。濃色車割り増し磨き10% 適応)
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