2011年04月01日公開|ホンダ
昨年新車で施行させて頂いたお車ですが、残念ながら猫のつめの餌食となってしまいました。
会社の駐車場に猫が住み着いているため危険性はわかっていたそうですが“やっぱり”となってしまいました。
このお車はボンネットやルーフが比較的傾斜が強いため猫が駆け上がる際に滑りやすいため、かなりきつくつめを出してずりおちを繰り返しながらルーフまで乗りあがっているようです。
ここで疑問になってくるのは、もしもコーティングを施行していなかったらどうだったのだろう?
ということです。
施行されているコーティングはハイモースコートですのでかなり滑面性は強く、塗装だけの状態に比べるとかなり滑りやすくはなっています。
そのために猫がつめを立てることで傷が入ったのか?
コーティングを施行してなければすべりが多少は鈍くなったのでつめを立てる必要は無く傷は付かなかったのか?
この結論は実験をしてみないと結果は出ませんが、あくまで他のお客様の例などを参考に考えてみると、ハイモースコートのような硬いコーティングを施行してあったおかげで、塗装まで到達する傷は防げたと考えます。
コーティングが施行してあっても傷が入れば同じでしょ!
と感じる方もいらっしゃるかもしれませんがそれは違います。
コーティングが施行してなければ傷は塗装についているため塗装を研磨しなくてはいけません。
これを繰り返せば塗装の膜厚はどんどん無くなっていってしまいます。
しかしハイモースのような非常に硬いコーティングが施工してある場合には、
傷がコーティングの膜厚を越えて入らない為、研磨はコーティングの範囲もしくは剥離してあげることで傷を処理できるので、塗装まで削る必要は無いために傷の処理を仮に繰り返したとしても塗装の膜厚を少なくしてしまい、
塗装寿命を短縮してしまうことを避けることができます。
かなり広範囲にわたり傷を付けられたしまっています。
これだけ滑りながらも苦労して車の上に乗る必要があるかが非常に疑問です?
お客様にお聞きしてみるとこの猫の行動は冬の日中に限られるそうです。
寒さをしのぐため暖かくなった鉄板の上で日向ぼっこをするためのようです。
温まりやすい黒の色の宿命ですが、ホットカーペット代わりにされたのでは悲しすぎます!
この状況はお電話でお聞きしたのですが、まさかこれほど広範囲に数多く入っているとは思いませんでしたのでしばらくは我慢されることをお勧めしたのですが、オーナー様はどうしても補修されたいとのことで現車をお持込いただいた拝見してみると、確かに我慢はできるレベルではありませんでした。
施行されているのがハイモースコートと非常に硬いコーティングですので補修も02コースのスポンジバフに因る磨きだけではまったく傷は処理できないため、02プラスの天然ウールバフを使用した磨きで対処することとなりました。
この作業はかなり難度の高い作業となります!
硬いハイモースコートの膜を一気に研磨してしまうと傷の入っていない塗装にまでウールバフの傷が入ってしまいます。
かといってガラス膜が残っている状態では、ガラス膜にポリッシャー傷が残ってしまい曇りが出て仕上がりません。
ウールバフでガラス膜がなくなるかどうかの瀬戸際ぎりぎりまで研磨をして、後ちょっとだけ残ったガラス膜をスポンジバフで剥離するように施行します。
視覚的にはかなりその段階を判断するのは困難ですので、指触による感覚とバフの抵抗感で判断していきます。
これにはかなりの熟練が必要とされます!
傷がついてしまったパネルのハイモースコートの剥離もうまくいきました。
硬いコーティングのおかげで、塗装までは傷は達していなかったので、塗装面はほとんど研磨せずに仕上げることができました。
コーティングに付いた傷だけを落とさずに、なぜコーティングを全て落とす必要があるのかと疑問に思われた方がいるとすればかなりの達人です。
それにはきちんとした理由があります!
このような理由から古いコーティングを完全剥離して施行する必要があります。
ボデイについてしまった傷の処理と再コーティングは無事終了しましたが、大きな問題が残っています。
又駐車中に猫に乗られれば同じことの繰り返しとなってしまいます!
解決方法はいくつか案として出てきました。
などなど意見が出ましたが、結論はフィルムでカバーすることといたしました。
ボンネットはエクセペルのカーボンフィルム、ルーフはルーマーのペイントプロテクションフィルムを使用することとなりました。
カーボンフィルムはあくまでデザイン的なフィルムですので、飛び石などにはそれほど大きな効果は期待できません。
材質も塩ビのためフィルムの糊の種類もペイントプロテクションフィルムとは違うため基本はドライ施行なのですが、ボンネットですと面積が大きいためエアー残りが出てしまうため今回はジェルを使用して施行いたしました。
しかし落とし穴がありました。
裏側までの淵の巻き込みをするとジェルの水分が、フィルムの糊の密着を阻害して完全に巻き込むことができなくなってしまいました。
今回はこの状態で我慢していただきしばらく乗っていただき、その間に新たな施行方法を考え再施行させていただくことと致しました。
ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
さらにドア内張りのドアポケットの部分にもカーボンフィルムを施行しましたが、素材にシボがあるためもともと糊が弱いこともあり平面はきちんと密着できますが、R部分は時間が経つと剥がれてきてしまうためにやむなくボンドを入れて無理やり密着させましたが、完全にはなりませんでした。
非常に残念です!
これも色々研究を重ねて改善策を考えなければいけません。
グリルの淵のメッキ部分にもカーボンフィルムを施行しました。
形状が複雑なため形状にフィルムを合わせるためにあまり引っ張ってしまうとカーボン目が変わってしまうためかなりの苦労をしましたが、出来上がりを見るとかなり印象がワイルドに変わり良い感じです。
さらにエクセペル・ヘッドライトプロテクションフィルムの施工もご注文いただきました。
施行箇所はドアミラーのウインカー部分とヘッドライトとフォグランプとなります。
お選びいただいたカラーはブルーとなります。
これ以外にもクリアー・イエロー・ライトスモーク・スモークがあります。
但し基本的には車検非対応となりますが、クリアーとブルーはたぶん大丈夫だと思います。
このフィルムを貼ることの効果は、当然飛び石からの防御が一番ですが、
ライトカバーの紫外線による劣化を防止する効果も大きいです。
もちろんデザイン性で目立つことも請け合いです!
カーボンフィルムには大きな課題が残りましたが、傷の補修と再コーティングは非常にうまくいき、リメイクによるオリジナルスタイルはかなりセンスの良い仕上がりになったと思います。
車両クラス:クラスM
施行コース:ハイモースコート(補修5パネル)+02プラス磨きコース(補修7パネル)+エクセペル・カーボンフィルム(ボンネット・グリル・ドア内張り)+エクセペル・ヘッドライトプロテクションフィルム(ドアミラーウインカー・ヘッドライト・フォグランプ)+ルーマー・ペイントプロテクションフィルム(ルーフ)
施工料金:213.610円税込み(補修基本施工料・濃色車割り増し磨き10%・リピーター割引20%・長期お預かり割引20% 適応)
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