2011年04月02日公開|日産
ディープブロンズというボデイカラーですが、非常に凝った塗装色です。
光の当たり方で色々な色に見えます!
メタリックやマイカがかなり多めに入っていて、見ただけでも塗膜の厚みがあるのは一目瞭然です。
塗装に対してのお金の掛け方はニッサンとトヨタではまったく方向が違うように感じられます。
トヨタの場合は材料のコストを下げて設備で補っている感じですが、フーガの塗装を見る限りニッサンは材料にお金を掛けて塗装自体の質を上げているように感じます。
但しスクラッチシールドに関しては、お金はかかっているのはわかりますがそれだけの効果を上げているとは思えません。
樹脂の力で傷が入ったときの復元性を高くしている構造ですが、
樹脂自体の劣化により復元性の持続は短期間に限られ、その復元性による弊害のほうが使用過程では問題ではないかと感じます。
トヨタ好きとニッサン好きとは相容れない部分が多いような気がします。
これは個人的偏見ですが、トヨタ好きの方は車の個性やそのものの性能自体を重視しているというよりも、トヨタのブランド力を信仰していたりメインテナンスフリーなことに重きを置いている方が多いような気がします。
ニッサンの場合比較的車作りにあくが強く、国産車としてはメーカーのデザインコンセプトが車種により継承されていると思います。
例としては高級車の場合メッキパーツを多く使用する傾向は数十年変わっていません。
私の知り合いやお客様を見てもニッサン車のオーナーの方はほとんど他社に浮気をされずに日産車を乗り継がれる方が多いようです。
但しニッサンの昔からのボデイデザインはその時代の個性の強い他社のデザインを流用したものが多いと感じます。
たとえばエルグランドなどはアメリカンSUV・昔のシーマ セドリック グロリアはジャガーXJ・このフーガのクォーター部分などはマセラティ クワトロポルテなを非常に意識して作られているように感じます。
車格的に言えば日本ではドライバーズカーとしてはトップクラスの大きさですが、その割にはリアシート開口部分はかなりスペースが狭く余裕を持って乗り込めるだけのスペースはありません。
同じクラスの輸入車を比較すると明らかに後席への乗降性は悪いと感じます。
ドライバーズカーと割り切ってスペース配分をしているとしても、コンセプトと形と大きさの似ているマセラティ クワトロポルテと比較してもかなりその狭さは気になるところです。
これだけでもかなり高級感がスポイルされてしまっています。
16個のスピーカーが贅沢に配置されたオプションのBOSEサラウンドシステムが装着されています。
シートにまでスピーカーが埋め込まれていますので臨場感はかなりのものです。
ここら辺の装備はとても輸入車ではかないません!
写真では革シートの色が良く判らないと思いますが、ダークブラウンの非常に品のある良い色使いで、ボデイカラーとのマッチングも非常に良いセンスです。
国産車の場合革シートといってもとりあえず革を使いました程度の質感の低いものが目立ちますが、このフーガに使用されている革は、
イギリスやイタリアの高級車のような質感を持たせ非常に良い仕上がりです。
ニッサン自慢の銀粉本木目という新しい技術です。
但し製造しているのはヤマハだそうです。
ピアノを磨き上げる技術を駆使して作り上げられているそうですが、確かにお金と手間をかけているのでしょうが、派手なギミックによりウッドをせっかく本物を使用しているにもかかわらずプリントのように見える薄っぺらい質感になってしまっています。
一見高級そうに見えるのですが、銀粉を使い派手になることで落ち着きが無くなり重圧感にかけた軽い印象になってしまっています。
日本人の傾向として見た目の派手さに惹かれる傾向がありますが、このようなセンスは欧州ではまったく受け入れられないと思います。
革新的技術は大事では有りますが、本当の高級感は伝統的工法で作られたものの方が飽きが来ず長く愛されるものになるとおもいます。
メーターリングの配置の仕方から、中央のインフォメーションモニターまでマセラティにそっくりなデザインです。
価格がまったく違うのでしょうがないことではありますが、素材感や質感は遠く足元にも及びません。
アナログの時計もまさにそっくりです。
内装外装共にかなりクアトロポルテを意識して作られたことは明白です。
ここが私には理解がなかなかできないところなのですが、雰囲気だけ似たようなものにしてもまねはまねでしかありません、本物にはかなわないのですからなぜまねをせずに自分たちのオリジナルなものを作り出そうとしないのか?
大きな疑問です。
中国のようにセンスや独自の技術が無いのならしょうがないですが、
ニッサンにはそれだけの車作りの蓄積があるはずです。
ニッサンにしか作れない独自のコンセプトの高級車の開発を期待します!
見た目の予想どうり膜厚はいまどきの車としてはかなり厚めの168μです。
この厚みが塗装の高級感と重圧感につながっていると思います。
ベンツのEクラス程度でしたらこちらの塗装のほうが質感は上だと思います。
かなり広範囲にわたり雨染みができてきてしまっています!
イオンデポジットに進行する一歩手前の状態です。
このまま後半年放置すればイオンデポジットになり塗装にクレーターができ始めていたと思います。
“危機一髪”です。
新車から1年経過したお車ですが、傷は全面についてしまっていました。
スクラッチシールドは傷を防ぐはずなのになぜこんなにも傷がついてしまったのかと思うくらいのスクラッチの量です。
但し見た目にはそれほどの深さは無かったので02コースの磨きで対処することとしました。
しかし磨き始めてみると、磨けど磨けど傷は一向に減っていきません!
特殊なLEDライトを使い傷を見ていってみると浅く感じていた傷は意外と深さがあり、02コースの磨きでは取りきれないことが判り、急遽お客様にご相談をして02磨きプラスの磨きに切り替えることといたしました。
不思議なことが起こり始めました?
傷が深いためにウールバフをかけていくと、
“傷の量が増えていく”
不思議な現象が起きてきました。
ウールバフによるポリッシャー傷ではなく、線傷のスクラッチがどんどんと出現してきます!
これはスクラッチシールドという塗装の特徴と思われます。
表面の傷の部分だけ樹脂により傷が埋められ中の部分は傷が残った状態になったものと思われます。
なぜなかの部分は傷が残っているのか?
想像ですが、傷の復元は瞬間的に行われるのではなくある程度の時間が必要となりますが、その間に傷の中に汚れが入り込むことで傷の内部は傷がくっつくことができずにそのまま残ったと思われます。
しかし表面だけは傷は復元しているので光が当たるとクリアーで光が反射されてしまうために、内部に残った傷は見えなくなっていたものと思います。
ウールバフにより3μの研磨を行いました。
隠されていた傷を出しそれを研磨してかなりの量は減らすことができましたが、理由はわかりませんが傷はルーフとボンネットに限りかなりの深さで傷の幅も広く後はスポンジバフでどこまで処理できるかというところです。
3回のスポンジバフをかけ仕上げていって磨き終了後の膜厚は161μとなりました。
総研磨膜厚は7μと1年経過車としてはかなり多い研磨膜厚となりました。
水染みができイオンデポジットになりそうな部分もきれいになりました!
残念ながらボンネットとルーフの部分は傷が深すぎ完全にとりきることはできませんでしたが、通常の日光の当たる状態では確認できない程度には傷は処理できました。
お車をお引取りにお客様が見えられて際に、
「どうしてこんなに傷が多いのですか?」
とお聞きしたところ、
「おそらく雪を落とすときだと思います」
とのお答えでした。
降ったばかりの新雪ならば傷はそれほど入りませんが、一度溶けて氷になっている雪を落とす場合はかなり気をつけて雪を落とさないと深い傷を入れてしまいます。
車磨き研究所の過去の施工車でも、よくスキーに行かれる方のお車は確かに同じような傷の状況になっていることを思い出しました。
しかしこれでガラスコーティングを施工することで同じような状況でもかなり傷の入ることを防ぐことができると思います。
NISSAN ニッサン フーガ 250GT コーティング終了
プレスラインとRをうまく組み合わせたグラマラスなボデイスタイルも、コーティングを施工することでさらにそのスタイルが引立つようになりました!
又独特の塗装の色合いもさらに怪しい光沢を放っています!
お客様の光沢感のお好みは、飴っぽいとろりとした濡れたような艶がお好みとのことで、仕上がりの光沢感には非常にご満足いただけました。
今市場ではパッキとした艶のコーティング剤が多く出回っていますが、塗装自体が持つ艶や色をよりきれいに見せてあげるには、
このようなやさしい光沢のほうが下地の状態をよりリアルに見せてくれます。
最後にスクラッチシールドという塗装については、イメージが先行しすぎていると思います。
あくまでスクラッチシールドが防ぐことができる傷は非常に軽度な傷で深さや幅が無いものに限られます。
砂や大きな誇りなどを咬み込んだ状態でクロスやスポンジなどでこすれば普通に傷は入ってしまいます。
又スクラッチシールドの効果自体も、塗装に含まれる樹脂が半年ほどで劣化し始めるため1年くらいで急速に傷の復元能力は失われていきます。
耐傷能力はスクラッチシールドもトヨタの耐擦り塗料もそれ程違いは無く、ドイツ車に代表されるような硬さで傷を防ぐ塗料のほうが効果的なように感じます。
最近のお問い合わせに多いのが、どうもディーラーで案内されているようですが、スクラッチシールドにはコーティングができないといううわさが流れているようですがまったく根拠の無い話です。
塗料に含まれる樹脂はコーティング剤で溶かされてしまうようなことはありませんので塗料を傷めることはありません。
又耐擦り能力もガラスコーティングにより耐擦り能力は肩代わりされますのでスクラッチシールドの表面が露出していなくても問題はありません。
スクラッチシールドにコーティングを!
とお考えの方はぜひ一度お問い合わせください。
車両クラス:クラスLL
施工コース:マーベラスフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング+02プラス磨きコース(傷取り磨き)+エクセペル・ヘッドライトプロテクションフィルム(クリアー)
施工料金:188.132円税込み(お持込お引取り割引10% 適応)
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