2011年05月07日公開|アウディ
1年半ほど前にポリマーコーティングのエクセレントフィニッシュ・スパークを施工していただいたお車ですが、駐車場でリアをぶつけてしまい板金修理をすることから再度施工にご入庫いただきました。
お客様の使用状況は露天駐車で、洗車も2ヶ月に一回程度しかなされない状態だそうなので当然以前施工したポリマーは跡形もなくなくなり、さらにトップ部分はかなりイオンデポジットによるダメージを受けておりました。
やはりお乗りになられているのは女性の方で、ほとんど乗りっぱなしの状態といっていいと思います。
新車で購入されて約3年半で、しかも新車購入後1年目には他社ガラスコーティングを施工し、その一年後には弊社でポリマーコーティングを施工しとそれなりに手は入れられているのですが、
いかにせよ日々の管理状態が悪いため痛みが出てしまうのは必然です。
どうしてそんなに洗車をされないのかをお聞きしたところ、
「手洗い洗車でスタンドに一回5.000円近く取られるのでもったいないのと、給油自体がつきに一回程度しか行かないので、時間に余裕があるときしか洗車はしないのでそうなってしまいます」
とのことでした。
お話をお聞きしていて、
「その様な状態ならば洗車は洗車機に入れるようにして、こまめに洗車したほうがいいのでは?」
「そのほうが塗装は痛まないと思います!」
ということで今回は洗車機にも耐えることができるハイモースコートで施工することとなりました。
メッキ部分もかなり深刻な状態となっています!
欧州車の場合金属メッキの部分は程度の差こそあれ必ずこの様にメッキがさびていってしまいます。
新車購入後2年目にディーラーで磨いてリセットしているにもかかわらず又同じ状態となってしまっています。
本来であればこの様なメッキ部分が輝くことで高級感を演出するのですが、これでは逆にやつれた感じを作り出す原因になってしまっています。
状態はかなり深刻な腐食状況のためヘビーポリッシュで磨いていくこととなりました。
この様な欧州車のメッキの腐食は完全に防ぐ方法は現在はありません。
原因は酸性雨に因るものが一番ですので、予防の方法としては車庫保管が一番ですが、それができない場合にはメッキ用のコーティングを繰り返し施工するしかありません。
現在の市場にあるメッキ用のコーティング剤は、無機膜であるメッキに対しては無機シリカ膜として長期安定製膜できるものは存在しません。
もしコーティングされて、
「これで数年間は大丈夫ですよ!」
などといわれた場合はだまされたと思っていただいたほうがいいと思います。
ヘビーポリッシュでの磨きで錆を落としていきます。
合計5段階の磨きで徐々に鏡面に仕上げていきますが、根気との戦いの施工です。
約2日間をかけて磨き上げました!
磨き終了後ガラスコーティングを施工して作業終了となります。
但しガラスコーティングがメッキの腐食を防いでいる期間は1年ほどですので、
1年毎にコーティングを再施工するか、放置すれば3年ほどで又同じ状態になり磨きから再施工するかということになります。
メーカーもこの様な状態になってしまうことは承知しているのですから何らかの手を打つ必要があると思います。
数年前メーカーとこのことに関して話し合ったことがありますが、その際のメーカー側の回答は、
「欧州仕様ではあまりメッキは使用されていません、日本仕様に限りメッキが多用されています」
「日本人は光物で高級感を感じるため、こうなることはわかっているのですが売りやすいためにこの様な仕様となっています」
「それならそれで、それなりのこの様にならない対処方法はないのですか?」
「欧州でのメッキ処理に関しての法律規制が非常に厳しいため、現状の技術では国産車のように腐食しないメッキはできません」
とのお答えでした。
メーカーが標準仕様として設定されてしまっているので現状ではオーナーサイドでメッキの有無を選択できませんが、できればメーカーオプションとして各車種ごとに仕様を選択できるようにしてほしいものです。
個人的にはメッキがあれば高級という訳ではないと思いますが?
幾ら何回か磨きやコーティングを施工されていても、
乗りっぱなしの使用での代償は高くついています!
傷はつき放題、しかもイオンデポジットクレーター状に食い込みを起こしてしまっています。
症状はかなり深刻です!
完全修復には少なくとも03コースでの磨きが必要となります。
新車から購入後1年で施工したガラスコーティングは、他店有名FCでの施工で広告上は11Hの膜硬度のはずですが、
車磨き研究所に施工後一年でご入庫いただいた際にはすでにコーティングは存在していませんでした。
11H の硬度があれば摩擦等で磨り減るようなことは1年では考えられませんので、剥離してしまったとしか考えられません。
ガラスコーティングが剥離するということは、通常考えられる理由としてはコーティング前の脱脂処理の方法に問題があることがほとんどです。
まれにコーティング施工上のミスにより硬化していないことから剥離してしまうこともあります。
今でも多くの施工店では、シリコンオフなどアルコール系の脱脂剤だけを使用してドライ脱脂をしているようですが、
これではコンパウンドに含まれる油脂は完全に取り去ることは不可能です。
この状態でコーティングを施工すれば、塗装とコーティング剤の中間に油脂が存在することとなりますから、油脂が紫外線等で劣化してしまえば硬化しているシリカ膜は劣化した油脂と共に剥離してしまうこととなります。
その後車磨き研究所で新たにコーティングを施工させていただくこととなりましたが、前回の他店でのコーティングで懲りられたためにあまりお金は掛けたくないとのことで、ポリマーでの施工としました。
「ポリマーでは1年程度しか耐久性はありませんよ!」
とお伝えしたところ、
「今まで手洗いでしたが洗車機で洗うようにしてそこで浮いたお金で又ポリマーを施工するのでそれで良いです」
とのことでしたが、結果はこの様になってしまいました。
AUDI アウディ A4 2.0 アバント アトラクション 磨きコーティング終了
連絡ミスで施工完了の全体写真を撮り忘れてしまいました。
完全リセットをするためには03コース以上の磨きが必要と書きましたが、お客様との話し合いの結果02コースの磨きといたしました。
理由は、
「この車は乗っても後3年なのでとりあえず傷だけ在る程度になれば、後は現状維持ができればそれで良いです」
とのことで、傷だけは処理をしてイオンデポジットのクレーターには目をつぶることとしました。
管理状態ははっきり行ってよくは在りませんでしたが、傷の量の割には傷自体の深さはあまり深くなかったために、
傷のほとんどは処理ができました。
手洗いにしろ洗車機にしろ、プロの洗車屋さんで洗われていたので見た目ほどのダメージはなかったようです。
コーティングは前回の施工のように節約してポリマーにすることはやめて、まったく逆の発想でハイモースコートとすることになりました。
この選択の理由は、
「後3年はもう施工をしたくないので、3年間ノーメンテで持つコーティング剤で洗車機を月1回以上入れても傷が目立たないものにしてください」
とのご要望で、なおかつ撥水系のものがお望みとのことでしたので価格は高くても耐久性と艶を優先して選択いたしました。
当社オリジナルのエクセレントフィニッシュ・プレミアムなども選択肢として考慮しましたが、
お住まいが名古屋の為エンカル等の心配もないのでハイモースコートといたしました。
磨き前膜厚は133μ、磨き後膜厚は131μですので研磨厚はわずか2μで仕上がりました。
傷の量からすると非常に少ない研磨厚で傷の処理と艶出しができてしまいました。
アウディの塗装が非常に硬いことが傷は付いてしまっても深く入らずにすんでいたものと思います。
国産車の耐擦り塗装やスクラッチシールドではとてもこの様なレベルでは済んでいないのは確実です。
やはりドイツ車の塗装は優れています!
これら施工以外にもスプラッシュビュー・ウインドウコーティングとホイルガラスコーティングの施工も頂きました。
ホイルはGSなどの洗車の際に一緒に洗ってもらってはいますが、いかにせよ洗車回数が少ないためにブレーキダストの量が多いドイツ車ですから、この程度のお手入れでは徐々にホイルにダストが食い込みかなりダメージは受けていました。
少しでも管理に手間をかけなくてもきれいに乗れればとのことで施工させていただきました。
ホイル裏側までのフルコーティングですので、月1回程度の洗車しかされなくても、今までのように汚れが積み重なっていくようなことはなくきれいにお乗りいただけると思います。
お車の使用の時間帯が、スーパーの買い物とお子さんの塾の送り迎えが主な使用目的ですので夕方から夜間となります。
そのために雨降りなどは視界不良などでかなり運転に神経をお使いだったとのことで、
その解消の為にウインドウコーティングを施工いたしました。
但しかなりウインドウにはワイパーのこすり傷が入ってしまっていましたので、本来であればヘビーポリッシュの必要がありましたが、先にも触れたように買い替えの時期がそう遠くないため傷はある程度妥協してのライトポリッシュでの施工としました。
傷は残ってはいますが、非常に細かな撥水をするために、一般道の50km/h程度の走行でも十分な撥水をしますので、今までとは比較にならないほど夜間の雨でも運転はらくらくになると思います。
このたびはたくさんの施工のご依頼を頂きましてありがとう御座いました。
車両クラス:クラスL
施工コース:ハイモースコート+02磨きコース(軽度の磨き)+メタルクリーン(ヘビーポリッシュ×24m)+スプラッシュビュー・ウインドウコーティング(フロント基本セット×ライトポリッシュ)+ホイルガラスコーティング(フルコーティング)
施工料金:287.960円税込み(輸入車割り増し磨き10%・濃色車割り増し磨き10% 適応)
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