2011年05月02日公開|フォルクスワーゲン
丁度一年ほど前に施工させていただいたお車です。
施工直後に、
「ポリッシャー傷が一部残っている!」
とのことでご連絡を頂お待ちしていたのですが、お客様は全ての傷がなくなるわけはないのだからと思われご入庫なさらずにいたそうですが、春のツーリングのご連絡の際に、
「水染みができて取れないのでメインテナンスをしてほしい!」
とのご注文を頂きましたので、
「前に言われていたポリッシャー傷もそのとき一緒に直させてください、当然ポリッシャー傷の残りはこちらのミスですから補修部分の再コーティングまで無償でさせていただきます」
ということで、足掛け4日間のお預かりでメインテナンスと補修を行うこととなりました。
ご入庫いただいて確認してみると、円の部分にシングルポリッシャーによる傷が確認できました。
1年前のことなので、ご入庫いただいた際にあった傷の磨き残しか、磨きの際のついた傷の磨き残しかは判らなくなってしまいましたが、どっちにしても施工させていただいた後に傷があるのですから我々の確認不足です。
大変申し訳ございませんでした!
フロントバンパーとボンネットとルーフは磨きなおし再コーティングをすることといたしました。
これはルーフの状態ですが、側面も同じように水染みができてきてしまっていますので、酸を使用して水染みを溶かして除去するメインテナンスを行います。
なぜこの様な水染みができるのかといいますと、原因はいくつか考えられますが、大きな原因としては2つ理由が考えられます。
などが主な理由となります。
1番の場合は比較的簡単に処理が可能で、DIYでも熱湯などをかけてあげることで付着した成分を簡単に溶かすことが可能です。
問題は2番のほうです!
黄砂は中国大陸から飛散してくる間にシリコンオイルだけでなく様様な有機性・無機性不純物を含みボデイに付着します。
花粉や樹液などもシリコンオイルを含むことで非常に付着力を増してしまいます。
これらが付着し雨などで成分が溶かされることにより、
酸が溶け出しそれによりより強固な付着をし水染みとなってしまいます。
これは一番とは違い放置しておくと酸の力により堆積するだけではなく、
徐々に塗装やコーティングに食い込み始めてしまいます。
こうなってしまうとDIYでのメインテナンスはまず無理となってしまいます!
この様な水染みは酸を使って溶かさなければいけませんが、強酸を使用するため非常に車にも人体にもリスクを伴うため専門店に依頼するしかありません。
しかし酸を使い不純物を溶かす作業は、施工されているコーティング剤の種類によってはコーティング剤自体を溶かしてしまいメインテナンスを行うことで再コーティングが必要となってしまう場合も出てきてしまいます。
撥水性のフッ素を使用しているコーティング剤は100%機能層であるフッ素は溶かされてなくなってしまいますので、少なくともフッ素を再コーティングする必要が出てきてしまいます。
さらにベースコートとなるシリカ膜に関しても、硬化剤など有機物が多く含まれて結合している場合には分子結合の一部が破壊されることで、メインテナンス後には本来の硬度がなくなりシリカ膜の耐久性が著しく弱くなってしまうことが在ります。
この様なメインテナンスを行う際には、使用されているコーティング剤が特定できないといけませんので、
できればコーティングを施工した施工店に依頼することが一番安全だと思います。
但しポリマーコーティングに関しては、コーティング剤の種類に関わらずこの様なメインテナンスを行えば完全にコーティングとしての機能は喪失してしまいます。
車磨き研究所でラインナップしているガラスコーティング剤の中で、
マーベラスフィニッシュ・プレミアムハイブリッド プレミアム スノーガード チタンコンビネーション、
エクセレント・プレミアムハイブリッド プレミアム スパーク スノーガード、
光触媒などは、
酸によるメインテナンスを行っても機能層及びシリカ膜への影響はありませんので、再コーティングの必要もなく、
当然撥水や親水の機能が低下することもありません。
こちらのお客様に施工いただいているコーティングは、光触媒×マーベラスフィニッシュ・チタンコンビネーションのWコーティングですので、酸による水染み除去のメインテナンスを行ってもコーティング剤に対しての一切の悪影響はありませんので、
メインテナンス後の耐久性や機能には変化はありません。
コーティングの上に付着していた水染みはメインテナンスにより除去できました!
左の写真に多少水染みのようなものが残っているのが確認できますが、これは初回のコーティングの際にすでにできてしまっていたイオンデポジットの痕です。
但しできてしまっているイオンデポジットの上からガラスコーティングを施工することで、それ以上に成長していくことは防ぐことができます。
水染みを長期間放置しておくとこの様な深いダメージのイオンデポジットに成長していってしまいます。
此処まで成長してしまうと通常の磨きでは処理できなくなり、塗装に食い込みをしている深さまでの研磨が必要となるため、
03・04コースでのペーパーによる磨きが必要となってしまいます。
こうなるとかなり高額な費用も必要となりますし、国産車の場合車種によっては塗装の膜厚が非常に薄いためペーパーでの研磨が施工できず再塗装しか方法がなくなってしまう場合もありますので、早目の処置が必要です。
Volkswagen フォルクスワーゲン ゴルフ6 GTI メインテナンス・補修終了
ご迷惑をおかけした磨き残しの部分の補修も無事終了し再コーティングをさせていただきました。
又ご依頼いただいた水染み除去のメインテナンスも終了しました!
今回は早めに水染みの除去のメインテナンスをご依頼いただきましたので、コーティングに食い込みをする前に処置できましたが、
幾ら耐酸性ガラスコーティング剤と言っても、付着した不純物の酸化還元能力がシリカ膜の耐酸性力を超えてしまえばシリカ膜が侵食されていってしまいます。
幾ら優れたコーティング剤も完璧ではありません!
まったく手入れもされずに放置していれば必ずそれなりの劣化は避けられません。
お客様にも色々な方がいらっしゃいますが、こちらのお車は水染みこそできてしまってはおりましたが、磨きコーティングを施工して1年経つにもかかわらず、
“艶も傷も施工後の状態とまったく変わりがありません”
日常でのお手入れが非常にきちんとされていて、プロである我々でも感心してしまうほどの管理状態でした。
一年ご無沙汰の間に色々とモデファイもされていらっしゃいました。
マフラーもファンネルタイプの左右の長さをちょっとずらしたものに交換されていましたが、これがなかなかゴルフのスタイルにマッチしていいセンスのマフラーです。
又足回りもザックスに交換され多少ローダウンされたことでよりスポーティー感が強調され、GTIのイメージがより鮮明になりセンスのいい大人のチューニングカーとなっています。
モデファイもやりすぎは品がなくなりガキっぽくなってしまいます、
特に欧州車の場合はさりげないカスタムにとどめるのがかっこいいモデファイです。
今回はお誘いさせていただいた春のツーリングにはご家庭のご事情でご参加はかないませんでしたが、せっかく此処までモデファイされたGTIですから、
ぜひとも秋のツーリングにはご参加いただいて他のメンバーとも走りを楽しみ車談義を交わしていただければと思います。
車両クラス:クラスM
施工コース:水染み除去メインテナンス
施工料金:21.000円税込み
メーカー別
月別バックナンバー