2011年07月19日公開|メルセデスベンツ
八ヶ月ぶりの久々のSクラスのご入庫です。
今回は展示車両をご購入とのことで、かなりの値引きがあったようです。
他のメーカーとは違い展示車といえども傷だらけというわけでは有りませんが、室内展示だけでなく屋外にも置かれていたとのことですから、問題は傷よりも色が黒ということもあり雨染みやイオンデポジットが心配です。
お客さまもそこらへんは判られてのご購入だったそうですが、そうはいっても安い買い物ではないのでできる限りの努力をして見ます。
Sクラスの内装で非常に好感をもてるのが、このシンプルなスイッチ類の配置です。
シンプルなのに高級感があるのは、当然センスもありますがきちんとした素材をきちんと使いこなしている所にあると思います。
さすが何百年にも亘って馬車などを作ってきた伝統があるからこそ、又最古参の自動車メーカーである歴史が作り出す経験のすばらしさは、まだまだ歴史の浅い国産メーカーではいかにレグサスといえども太刀打ちできはしません。
今後もこの溝を埋めることは不可能でしょう!
但し関東自動車が作るセンチュリー・ロイヤルだけは例外です。
コスト・採算・時間を無視して作られるほとんどワンオフの日本の自動車技術と工芸技術の粋を集めた車ですからこの車だけは別格です。
しかし同じように各国にもこの様な特別のロイヤルカーがあるでしょうから、これらと比較したときにはセンチュリー・ロイヤルの評価がどうなのかは見たことがないので分かりませんが?
やはりメーターもいたってシンプルです。
基本的にはS350はドライバーズカーの設定ですから、ライバルはジャガーXJやBMW750などになるでしょうが、一番落ち着いたデザインです。
運転することにファンを求めるのではなくいかに道具として完成度が高いかを追求したスタイルだと思います。
EクラスとSクラスではこの様にシフトレバーがコラムシフトのようにハンドルにつくようになっている為、A/Tのマニュアルモードがなくなったため、パドルシフトがその代わりについています。
基本的にA/Tのパドルシフトに対しては無意味と考えますが、この様にシフトをステアリングに集中する為の方法としてであれば納得できます。
さすがに2tを超える車ですから、かなり大きな4ポッドキャリパーが装備されています。
これなら安心してこの巨大な重量車を走らせることが出来ます。
大事なことはどれだけ動力性能がいいかではなく、どれだけきちんと止まる事ができるかということなのを忘れてはいけません。
ブレーキだけはオーバースペックであるほうが安心できます!
やはり心配していた通り水染みとイオンデポジットはある程度の塗装ダメージも伴って出来てしまっています。
傷はおそらく洗車の際に付いたものと思われますが、クリアーが非常に硬いので傷自体の深さがないのであまり問題ではありません。
但しこのレベルでも、国産車メインで磨かれている磨き屋さんではかなり手こずるでしょう!
車磨き研究所は施工車両の約三分の一がベンツですので、ベンツの硬い塗装専用のコンパウンドがありますから、この程度の傷は朝飯前です!
問題はイオンデポジットですが、部分的にはかなりクリアーに食い込んでしまっています。
白く丸に見える部分は目立たなくすることは出来ても完全になくなるように磨くには、03コースの磨きが必要となってしまいます。
今回オーナー様はそこまではお求めになられないとのことでしたので、02コースの磨きでできるだけのことをしてみます。
磨き前膜厚は110μです。
傷は予想通り専用コンパウンドのおかげで、いかに硬いSクラスの塗装といえども完全に磨き取ることができました。
しかしイオンデポジットに関しては自然光では確認はできないレベルまで処理できましたが、専用の照明下ではよくよく見れば残っているのが確認できてしまいます。
磨き屋の性で残っているものは全て取り除きたくなってしまいますが、取り除く=塗装を削るということになってしまうので、今回はほどほどにしておきます。
磨き終了後膜厚は107μでした。
研磨膜厚は3μとなります。
この研磨膜厚が、車磨き研究所の新車の02コースの磨きによる研磨限界膜厚です。
これ以上研磨を02コースですることも出来ますが、繰り返し研磨し続けることは塗装に必要以上に熱を掛け続ける事になりますので磨けばいいという訳ではありません。
そのどこまでが磨き続けていいレベルなのかの判断もプロとしての技術の一つです!
MerceDES-Benz メルセデスベンツ S350 コーティング終了
メタリック塗装でありながらこの様な重厚な黒の艶を作り出します!
逆にメタリック塗装であるが為にこの様な高級感を作り出せているともいえるでしょう。
やはりSクラスの塗装はEクラスよりもより高級な塗料を使用しているので、磨き上げコーティングを施行したときの仕上がり感は格別のものがあります。
やはりいいものはいいですねー!
車両クラス:クラスX-Ⅰ
施行コース:マーベラスフィニッシュ ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+ホイルガラスコーティング
施工料金:128.415円税込み(新車割引磨き10%・濃色車割り増し磨き10%・輸入車割り増し磨き10% 適応)
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