2011年08月24日公開|スバル
今回は珍しいお車にご入庫いただきました。
車磨き研究所ではスバルのお車自体も非常に少ないですが、その中でもR1というのは初めてです。
すでに生産は終了してしまった車ですが、現在プレミアが付いて新車販売価格を超える値段で取引されているようです。
この話を聞いたときには、
「何でたかが軽自動車が?」
と思わず思ってしまいましたが、現車を拝見してみてその様な市場動向になるのも納得いたしました。
まずは思わず感銘を受けてしまった内容の一部をご紹介します。
まずは目に飛び込んでくるのがこのかわいらしいリアのデザインです!
とても国産車の軽自動車のデザインとは思えないセンスです。
エンブレムがなければイタ車と思える遊び心満載です。
まったくR1に対しては知識がないのでたまたまかもしれませんが、テールレンズにボデイと同色の色が付いており、それだけで高級感を醸し出しています。
とても軽自動車とは思えません!
このデザインのこだわりはすばらしい!
サイドプロテクターのラインにあわせドアハンドルがありますが、統一されたラインの中で配置されていますので、非常にスポーティーに見えます。
ドアカップの形状も絶妙です!
なんとおしゃれなメーターでしょうか!
特に特別の素材やパーツが使用されているわけではありませんが、高級感とセンスはすばらしいつくりです。
国産車でもやればできるじゃないですか!
涙が出てくるくらい素敵です!
純正オーディオから社外に変えようとはまったく思えない完成度の高いデザインです。
それ以外のデザインも本当にまとまったコンセプトで作られ言うことがありません。
このクラスでありながらサイドブレーキとステアリングに革が使用されています。
しかもホワイトステッチまでおごられています!
ここまでやってくれれば、素材が人工革だとしてもまったく気になりません。
シートもおしゃれです!
国産車で、ましてや軽自動車でここまでこだわった作りはたいしたものです。
このような車が無くなって、フィットやビッツ・プリウスなどが売れていく市場には其の理由が理解できません。
これでは日本の車文化は更につまらないものとなっていってしまうでしょう。
さすがにこのボデイスタイルですから、リアのスペースはないに等しいくらいの状態ですが、ポルシェのようにエマージェンシーシートと割り切れば、これだけ統一されたデザインであれば問題ありません。
メリット・デメリットがはっきりしているから許されることです。
中途半端が一番いけません。
このトランクも非常に工夫されています!
もっと大きく全体を下げてしまうことも可能だったと思いますが、そうすると荷物の乗降性は悪くなります。
限られたスペースでこのように作られていることが味噌のように思います。
このてのサイズの車では、スマートが一番いいかなと思っていましたが、俄然R1に軍配が上がります。
しかし問題は同年式であれば圧倒的にR1が高価格ということです。
いいものは高い、当たり前のことですね!
ヘッドライトを横から見たところですが、だいぶくすんでいます。
幾らボデイを磨いてきれいになっても、この部分がやつれていると全体の車の印象もやつれた印象になってしまいます。
透明感がまったく違っています!
これだけでまったく車を見たときの印象が違ってきています。
劣化した部分を磨いて取り除くことで、再度劣化が始まるスピードを抑制します。
更にコーティングにより保護膜を作ってあげることできれいになったヘッドライトの寿命を延ばしてあげることが出来ます。
但しコーティング自体の耐久性は1年程度となりますので、定期的にコーティングを行う必要があります。
ご予算に余裕があれば、コーティングよりプロテクションフィルムの施工のほうがお勧めです。
プロテクションフィルムでしたら約5年程度の耐久性がありますので、ランニングコストを考えれば同じ位の価格とはなります。
但しライト形状によっては施行できないものが国産車では多いので、ご確認ください。
ボデイ全体の塗装のダメージはかなり重症です!
傷自体は多いのですがほとんどは洗車傷で、それほど深いものは多くないので磨きによりほとんど気にならない部分まで回復すると思いますが、問題は雨染みの進行によって成長してしまったイオンデポジットと、鳥糞などによるクリアーの酸化劣化してしまっている滲みの部分です。
写真には有りませんが側面部にもくまなく雨染みが出来てしまっていました。
なぜここまで雨染みができてしまったのか?
あくまで予測ですが、おそらく有機性ポリマーかフッ素コーティングが原因だと考えられます。
本来コーティング(WAX)は再施行する際古いコーティング層を剥離して新たな皮膜を作る必要がありますが、ほとんどの場合艶が落ちてきたり撥水しなくなるとそのまま上掛けしてしまっていると思います。
GSなどでの洗車機による撥水コーティングなどは良い例です。
劣化したものの上に幾ら新たな膜を作っても一時的に艶や撥水は戻っても連鎖劣化を早めていることにしかなりません。
それが水に含まれる不純物のハンガーのような役目をすることになり、どんどん染みが進行していくこととなります。
こうなってしまうとクリアーにクレーター状に食い込みを起すか、クリアーの成分を酸化させて白く染みとなってしまいます。
ここまでの状態になってしまうと02コースの通常の磨きでは回復することはできません。
03もしくは04コースのペーパーによる磨きが必要となってしまいます。
今回はご予算の関係で02コースの磨きですがどこまで回復できるかご覧ください。
磨き前膜厚は、軽自動車としてはかなり厚く138μもありました。
この膜厚は同じ軽自動車で比較した場合スズキなどでしたら約1.5倍の膜厚です。
普通車で考えてもクラウンクラスの膜厚が有ります。
これは驚きです!
傷はほぼ完璧に取り去ることが出来ました!
しかし問題のイオンデポジットと、酸化して白くなってしまったクリアーの部分はかなり残ってしまっています。
やはりトップ部分ボンネットやルーフなど水が流れにくい部分に其の症状は顕著です。
鳥糞による酸化劣化と思われる部分は、クリアー層全体が酸化していると思われるほどダメージは深い部分がありこれは塗装する以外対処法はありません。
磨き後膜厚は135μ、研磨膜厚は3μとなります。
02コースでもこれ以上の研磨は可能では有りますが、鉄板自体が軽自動車なので薄い為、あまりハードな研磨を繰り返すと鉄板と塗装が熱を持ちすぎ鉄板の歪みや塗料変質を起こす可能性が出てきますので02コースではこれが限界研磨です。
SUBARU スバル R1 コーティング終了
施行前と比べるとまったく色が違っているのがわかります。
艶も光沢もまったく意義現の輝きを放っています!
艶を失わせていた傷と、古い劣化したコーティングを磨き取ることで色を塗り替えたほどの変化が出ました。
更に今回使用したコーティング剤は、エクセレントライトフィニッシュというシリカとフッ素による2層構造のコーティング剤ですが、シリカがクリアーの深みを増しフッ素が強い反射をする光沢に特化した撥水コーティングですので其の変化は更に顕著に現れています。
ここまできれいになれば5年経過車で150万円出して購入された甲斐もあるというものです!
軽自動車とはいえ割とレアなR1ですので、
ここまでピカピカならば町で目立つこと請け合いです。
思わず振り返ってみてしまいそうです!
車両クラス:クラスSS
施行コース:エクセレントライトフィニッシュ ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+ヘッドライトコーティング(ライトポリッシュ)
施工料金:72.660円税込み(濃色車割り増し磨き+10% 適応)
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