2011年09月24日公開|日産
またまたR-32のGT-Rの登場です!
ここのところR-32 GT-Rのお問い合わせが非常に多いです。
先日も仲間のコーティング屋さんに寄ったときやはりR-32の施工をやられていました。
絶対数的にはかなり少ない車ですが、なぜかまとまるときにはまとまるのですね!
表現は悪いかも知れませんが、盛りの時期みたいな感じです?
こちらのお車のオーナー様は、すでに何台か施行いただいている常連のお客様ですが、今回新たにご購入されてご依頼いただきました。
販売価格は150万円くらいだったそうですが、実際には80万円を切ってのご購入が出来たそうですが、
正直これは結構落とし穴のような嫌な予感がします。
車の車歴はワンオーナー法人所有・車庫保管・記録簿あり・補修歴なし・ほぼノーマル・走行距離約10万km この内容ですとかなりの程度のよさが期待されます。
しかしなぜこの内容で嫌な予感がするか?
この内容だから“ヤバイ”のです!
走行距離は国産車の耐久性からするとかなり一線は越えてしまってはいますが、その他の内容からすると販売価格は150万円は妥当な金額です。
ましてや法人所有の委託販売ですからあえて売り急ぐ必要も無いはずですが、それが約半値まで値切れてしまったということは、実は前所有者の方の中でのこの車の正当価値は約半値だったということになるからです。
確かに旧車の中には市場価格からすると非常にお買い得だったということはまれにはありますが、先ずほとんどの場合程度なりなら御の字、高い買い物をしていることの方が多いでしょう。
旧車を少しでも安く購入しようとしてそれが失敗だったことの方が圧倒的に多いと思います。
実際車磨き研究所のお客様を見ても、このパターンはまず失敗をして高い買い物をしていることがほぼ100%です。
かくゆう私も先日デモ車として購入したロータスエキシージはいざ納車になっていろいろ細かく見ていくと、購入時に案内されていた内容とはかなりかけ離れた内容でした。
しかし中古車の購入とはこんなものです!
新車ですら程度の良い物と悪いものがあり当たりはずれが存在します。
それが中古車となればあって当たり前です。
しかも業者等の販売利益などが含まれてくるのですから実質価値よりも価格が高くなり、損する部分が増えてくるのは当然です。
これが中古車購入のリスクです!
中古車購入に過度の期待は危険です!
定番のきのこのエアークリーナーです。
ただ場所的にそれほど吸入効率が上がるかは疑問ですが、取り付けの簡単さと見た目のイメージアップにはなるでしょう。
これも定番の大径マフラーです。
たしかに入りをいじれば抜けもなのですが、触媒がついた状態で抵抗が変るのかが疑問ではあります。
しかし排気音など気持ち的にはかなりパワーアップしますから、走りが楽しくなるので○です。
フロント・リアともにタワーバーが装着されています!
GTRと言えどもボデイ剛性の低い国産車のスポーツカーには必需品です。
当時としてはかなりの高価格であったにも拘らず、やはりここら辺の作りの安っぽさは否めません。
これは当時の国産車ハイスペックスポーツカーNSXなどすべてにいえることです。
根本的に素材の問題が大きいですが、メーター周りのデザイン機能性のオーソドックスさをいじってしまうと、次代が変り流行が過ぎてしまうと古臭さだけが残ってしまいます。
やはりここら辺の考え方が国産メーカーと欧州メーカーとの違いがはっきり出てしまいます。
この3連メーターもスポーツカーらしさはありますが、ハイテクてんこ盛りで作られた車にしては過去のGTRの雰囲気も残しながらと言う部分でしょうが、やはり全体とのデザインのバランスにやや不満が残ります。
質感上の問題も大きいような気がします。
このキーはいいですね!
シンプルでありながら高級感もある。
これ最高!
すべてがこのセンスで統一されていたらすばらしかったのに・・・
さすがに19年の年月を経過すれば幾ら車庫保管車といえどもこのような状態にはなってしまいます。
が、ちょっとそうはいっても傷の量は多いと思います。
おそらく法人名義ですから、個人所有ほどの執着は無いでしょうから洗車は洗車機に“ぶち込み状態”だったと思われます。
車庫保管車だったので、イオンデポジットはほとんど在りませんが塗装の艶のなさが気になります。
傷だけでしたら02プラスの磨きでもいいのですが、艶びけは深いクリアーまで劣化している可能性がありますので、今回は03コースの磨きとなりました。
しかし気になることがあります。
ボデイ全体の膜圧をあたってみても厚いところで、この膜厚計が示すように114μ程度です。
この時代の塗装であれば150μはあるはずです!
ちょっとやばいかも?
薄いところでは80μ代です。
どうやら前オーナーは何回も磨きをかけているとのことでした。
しかし新オーナー様のご希望により、
「極力研磨厚を少なく何とか03コースで!」
とのご希望に沿い注意深く作業を進めていきます。
今回のペーパー掛けで苦労したのは、いかに膜厚を下げずに均一にペーパーを当てるかです。
しかしやはり均一にペーパーをあてるとなると2μの研磨は必要でした。
ここも膜厚に関して重要なポイントです!
ペーパーのかけ方が粗いと必然的にペーパー目を消すこの段階の研磨厚は多くなります。
又研磨力も一番高いので気をつけないと一気に膜厚を下げてしまいます。
しかし非常に作業はうまく行きました。
ウールバフではいるバフ目も最小にとどめ、きちんとペーパー目は処理されて研磨厚は2μです。
しかしウールバフの工程で問題があきらかになってきました。
板金補修がされていて、クリアーに暈しが入っています!
しかも暈かし際はかなり粗い処理がされています。
できるだけ暈かし際が目立たないように磨きでグラデーションを作っていきます。
スポンジバフ施工中に新たな問題が!
ウールバフまでは傷によって隠されていましたが、補修されているパネルの塗装の色が違います・・・
色自体の変化はそれほど大きくありませんが、メタリックの量が10倍ほど違います?
どうやればここまでメタリックの量が違うのか?
お客様に現状とお伝えたところ、前オーナーに連絡を取りことの次第を確認されたそうです。
結果は、
「補修範囲は左右ドア・左右リアクオーターパネル塗装はタクシー会社の板金塗装工場・・・」
これでは当たり前の結果です!
過去にこの板金工場は2回ほど接点がありましたが、
塗装レベルはまさにタクシー!
しかしこれは現オーナーの責任ではないので、少しでも意匠性を高めなくては!
あれだけ派手にあった傷も完全に取りきることができました。
但しボンネットエンブレム付近の傷は下地迄到達している為にこれは例外です。
メタリック量の違いによる意匠性の違いはさすがに磨きでは処理できません!
しかし塗装の艶が格段に上がっているので、太陽光の下ではさほど気になるレベルではありませんが、さすがに夜間のGSなどの水銀灯で照らされれば判るとは思います。
磨き後膜厚は106μ、総研磨厚は8μとなりました。
本当でしたら残存膜厚からいって5μ程度に抑えたかったのですが、傷の多さと補修塗装のクリアー修繕のためこれが限界研磨量でした。
NISSAN ニッサン スカイライン GT-R R-32 コーティング終了
今回写真の撮り方があまり上手く行かなかったので現物に比べると艶がいまいち表現できていませんが、現車はかなりの艶を放っています。
艶だけでいえば新車当時よりは格段に透明感のある艶を放っていると思います。
施工中お客様は海外出張中でしたので、気になるけど進行状況は確認できない。
情報はTELでの会話のみ。
どんどんとマイナス要因の情報は入ってくる。
かなり不安と期待の入り混じった状態でご確認に見えられましたが、現車を見られて、
「これならぜんぜんいいじゃないですか!」
「すごくきれいになって傷もぜんぜん無いですね!」
とご満足いただけました。
我々プロの視点で見てしまうと、少しでも異常と感じる部分があると出来上がりに不満足になってしまいますが、逆にお客様の場合ですと全体のイメージで捉えられる場合が多いようで、施行前と比較するとまったく印象が変わったことでご満足いただけて何よりでした。
今回はかなり施行中は神経をすり減らしました。
しかしお客様にご満足いただけたことは何よりでした。
車両クラス:クラスM
施行コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+03磨きコース(鏡面磨き)+車内丸洗いクリーニング
施工料金:92.240円税込み(リピーター割引-20%・長期お預かり割引-20%・濃色車割り増し磨き+10% 適応)
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