2011年10月08日公開|ポルシェ
新車ご購入時はディーラーでサービスのコーティングがされていたため、ボディコーティングは施工しておりませんが、その他の作業のご依頼を頂納車時からこちらのお車は管理させていただいてきました。
ここで1年も過ぎたので、再度コーティングをやり直したいとのことでご入庫いただきました。
納車時せめてフロント部分はペイントプロテクションフィルムの施工をお勧めしたのですが、いままでお乗りだったレグサスと同じ感覚で考えられていたことと、BBSの20インチセットをご購入したことなどから結局ペイントプロテクションフィルムの施工はいたしませんでした。
が、1年経過してフロント部分を見てみると見るも無残な飛び石痕がざっと見ただけでも100箇所は付いてしまっています!
レグサスとパナメーラでは高速道路での速度域がまったく違います!
レグサスで150km/hでの速度感覚はパナメーラですと200km/hで同じ感覚となってしまう為、自然と意識しなければ速度は異常な高速域となってしまっております。
こちらのオーナー様はもともとかなり飛ばされる方なので、私にはこうなることは火を見るより明らかでした・・・
しかしすでに後の祭りです!
いまさらペイントプロテクションフィルムを施工しても意味はありません。
オーナー様はすでに新型のパナメーラターボSか冬に発売になる991のターボモデルが出たところでの買い替えを考えられているそうですが、下取りに出したときには恐ろしい言葉をディーラーから聴くこととなってしまうでしょう。
「本来ならば○○○百万円でお引取りできるのですが、これだけ飛び石痕を食らってしまっていると、この状態では販売は出来ないので再塗装が必要となります!」
「実施再塗装をフロント部分にした場合掛かる費用は50万円程度ですが、再塗装車と言う事で販売価格は最低でも更に50万円は低くする必要があります。」
「したがって下取り価格は無傷なものと比較して100万円はお安くなってしまいます!」
このような言葉を聴くこととなってしまいます。
仮にフロント部分フルラップをされたとしても50万円でおつりがきます。
ということは飛び石痕で値引きされることを考えれば50万円は得をすることになります。
更に飛び石痕で日々痛んでいく愛車に苦痛を感じることもありませんし、ストレスなくアクセルを踏むことも出来ます!
確かに2000万円近い出費の後、更に50万円の出費は大きいことですが、最終的には車が良い状態で残ることは其の方が重要なことではないでしょうか?
次の入れ替えは最後の道楽だといわれていますので、長くお乗りになることも考えられているようですので、今度はきちんと納車時点でペイントプロテクションフィルムを施工しましょう!
1年しか経過していない割にはかなり程度は悪化しています!
もっともこのての車で26.000kmも乗ればしょうがないかもしれません・・・
コーティング自体の膜残存や機能はまだまだ残ってはいましたが、傷と水染みはかなり悲惨な状態です。
傷に関しては手洗い洗車をGSにて毎回行なっていたそうですが、傷の入り方から見てかなり雑な洗車方法のようです。
一般的に手洗い洗車をGSに依頼すれば“プロの手洗い”などの広告を信じて、とても丁寧な洗車がされていると思われているようですが、それはほとんどの場合ありえないことと認識された方がいいことです。
数十分の時間の中で手洗いで洗い・拭き上げ・車内清掃をすることは丁寧なことをやっていればとても時間が足りません。
実際弊社でこの作業を行う場合1時間半~2時間は時間が必要です。
泡ムートン手洗いなどを聞くと、いかにも傷が入らないように感じるかもしれませんが、これは傷が入る入らないにはまったく関係はありません。
しかしすべてのGSがこのような洗車をしているわけではありません。
ただきちんとした洗車ができているところが少ないのは事実です。
いいGSを見極めるのは自分自身の眼しかありません!
水染みに関してはかなり目立つ状態ではありますが、コーティングや塗装にダメージを与えるようなレベルではなかったのは幸いです。
保管状態がカーポートの為多少の吹き込みもありますし、お乗りになられるのが週末だけですので、その間放置状態になるのでこのくらいはしょうがないレベルでしょう。
磨き前膜厚は100μとポルシェとしては恐ろしく薄い膜厚だったことは驚きです。
ちょっと前のポルシェなどは250μを軽く越える膜厚がありここまで塗装が厚い必要性はあるのか?
等と感じるほどでしたが、塗料の進化とコストダウンの両方が関係してのこととは思いますが、ここまで薄くなっているのにはびっくりしました。
傷に関しては残念ながらすべてを取り去ることは出来ませんでした!
もっとも研磨膜厚が0.6μしかありませんので当然といえば当然です。
これは既存のコーティングがまだきちんと残存している為に、02コースではコーティング剥離が精一杯で傷を取りきる深さまでは研磨はできませんでした。
しかしガラスコーティングを施工してあったこそこの程度で済んだことは非常に重要なことです。
きちんと犠牲皮膜としての役割を果たしています!
水染みに関しては前記したようにコーティング及び塗装に対してのダメージはありませんでしたので、コーティングを研磨により剥離することで完全に取りきることができました。
PORSCHE ポルシェ パナメーラS コーティング終了
すっかりリフレッシュされきれいな迫力満点のパナメーラが帰ってきました!
今回パナメーラに関しては初めてのボディコーティングの施工ですが、過去のお車レグサスなどはハイエンドコーティングを施工してきましたが、今回はいままでとは違い考え方を180度転換され、レギュラータイプのコーティングをお選びいただきました。
これはいままでのコーティング剤に不満をお持ちだったわけではなく、今回のように管理上の問題で傷や水染みが入ることを前提とした場合、完全に犠牲皮膜と割り切って1年後との再施行を前提とすれば、あえて高機能のものを選ぶ必要は無いとの考え方からの決定です。
確かにこれは常にきれいな状態でお乗りいただくことを前提とした場合、これに勝る判断はないと思います。
実際磨いてみても1μの研磨にさえいたりませんので、膜厚云々を心配する必要もありません。
但しランニングコスト的にはかなりのコストがかかりますので、
費用対効果に対しての考え方は微妙かもしれません。
車両クラス:クラスX
施工コース:エクセレントフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)
施工料金:123.016円税込み(リピーター割引-20%・輸入車割り増し磨き+10%・濃色車割り増し磨き+10%・材質割り増し磨き+20% 適応)
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