2011年11月07日公開|BMW
前回の車磨き研究所の秋のツーリングよりご参加いただいた元ラリーストのお車ですが、今回磨き&コーティングの施工をご依頼いただきました。
東京よりわざわざご参加いただきましたが、残念ながらターボ関係のトラブルが初日の夕方発生してしまい、2日目は途中リタイヤとなってしまいました。
やはり長野や群馬の峠道は首都高のワインディングに比べるとかなり負荷がかかるようです・・・
というかメンバーが過激すぎるのかも?
まだ完全に原因究明もできておらず修理中ではありますが、ご予約いただいた日程が来てしまったために、修理の途中退場でお預かりさせていただきました。
走り屋定番のタワーバーが装着されています。
性能効果は定かではありませんが、確実にパワーフィルターは吸入音で気分を盛り上げてくれます。
謎なのがこのエンジンです?
3.5iですから普通に考えると3.5Lなのですが、直6 3.0Lです。
ツインターボの分が0.5Lなのでしょうか?
ノーマルでは306psというスペックですが、コンピューターに手が入れられているために400ps近いパワーを持つモンスターZ4です。
このエンジンの恐ろしさは馬力よりもトルクにあります。
このお車は50kgmを超えるトルクを持ち、2.000rpmから最大加速を引き出すことが可能なため、
NAエンジンの500ps超のスパーカーすらアドバンテージはありません。
恐ろしやBMWパワー・・・
このZ4は、ボンネットを上げると、このようにタイヤハウスのインナーフェンダーがむき出しになります。
フェラーリの456GTと同じような感じです。
この感じはレーシーな雰囲気でかっこいいです!
しかーし!
このキャリパーは気分を台無しにさせてくれます・・・
当然性能的にも期待はできませんが、それよりも見た目が悪すぎます!
せめてもうちょっとスポーツカーらしいデザインにしてくださいよー
BMWさん!
しかしオーナーはすでに社外品の6ポッドのキャリパーを物色中とのことで、その6ポッドが装着されれば制動力もパワーに見合ったものとなりますし、見た目もガッツリスポーツカーになります。
春の福島ツーリングでのお披露目が楽しみです!
ブレーキキャリパーはダサかったですが、このウッドパネルはいい感じです!
いままでBMWのウッドパネルはベンツと比較して質感デザインともにあまりいい印象はありませんでしたが、これは非常にかっこいいでーす!
このベージュの革シートとのウッドのコンビネーションは最高です!
ただしBMWで使用される革シートは他社に比べると問題がある部分もあります。
手入れの仕方もありますが、比較的革のなめしが弱く油脂分が抜けると一気に劣化し始めひび割れ等を生じます。
またインディゴなどの染料も非常に染み込みやすいため、運転の際には着用するズボンにも注意が必要です。
てっいうか・・・
そもそも高級外車の革シートにジーンズなどで乗ること自体問題外なのですが・・・
やはりZ4といえばオープンです!
このロングボンネットのクラッシックスタイルにはオープンが似合います。
スタイルはクラッシックですが、ルーフの作動方法はまるでトランスフォーマー並みの動きと速さです。
しかしこの開閉装置の重量が約80㎏ほどあることは、スポーツカーとしては非常に問題点でもありますが、ここまでパワーがあればあまり関係ないか?
今回車内丸洗いクリーニングのご注文もいただきました。
全体的にはさほど汚れが目立ったり、臭いがついているわけではありませんでしたが、やはりこのベージュの革はかなり気を付けて使用していてもこのように傷みや汚れが目立つようになってしまいます。
傷みに関しては背もたれのショルダー部分、特に運転席のドア側がかなりの痛み方をしています。
どうしても乗り降りの際に摩擦が強く発生する場所なので仕方がない部分もありますが、防ぐこともできないわけではありません。
まずはジーンズなど堅い素材の衣類は着ない。
降りる際にシートを後方にずらしステアリングとのクリアランスを広く作るようにする。
半年に一回は革に保湿剤を塗りこむ。
これだけでもかなりに違いが出るはずです。
かなりきれいになりました!
しかしショルダー部分はすでに革にひび割れが発生してしまっているので、その部分のくろずみは革内部に汚れが浸透してしまっているのでこれが限界です。
この状態を完全にきれいにするためには、革専用のパテを使いシボを作り直して塗料を塗るしかありません。
こうなる前に早めのお手入れを!
かなりの傷がついてしまっています!
東京のお客様ですので、洗車はご自身ですることはなく、ほぼ100%がGSでの手洗い洗車での管理だそうですが、このように洗車によるスクラッチ傷が入ってしまっております。
下二枚の写真ではそれ以外にもある程度ダメージの深い傷が入ってしまっています。
これも洗車による傷かもしれませんが、都会の駐車環境は一部のタワー駐車場やホテルなどを除けば、比較的駐車区画が狭いところが多いため、荷物などによる引きずりキズなども入りやすいのでそのようなものかもしれません。
田舎特に雪国では当然のようにある鉄粉の食い込みですが、東京でも幹線道路や工業地帯や鉄道付近に駐車している場合はこのように鉄粉の食い込みが出ることもあります。
意外と大きな鉄粉が刺さっているのは意外でした。
これは都会の空気がいかに汚れているかの証明かもしれません?
今回いただいた磨きのご注文は、03コースの鏡面磨きです。
平日は奥様がご利用なさっているそうですが、奥様が大の鏡面マニアとのことでのご依頼です。
奥さまは化粧品関連のお仕事をなさっているので、化粧と鏡は一対のものですのでそのためでしょうか?
BMWもやはりベンツと同じように水性塗料による3ウエット塗装となっているために昔と比べるとかなり柚子肌がきつくなってしまっています。
幾ら#3000による肌調整をするといってもあくまでクリアーの範囲での鏡面づくりですので、有色部分における柚子肌は改善できませんのでどこまで鏡面にできるかは出たとこ勝負です。
磨き前膜厚は165μと今の車としてはかなり厚い塗装です。
#3000のペーパー施工後の膜厚は163μ、この工程での研磨膜厚は2μでした。
ウールバフにより#3000番で着いたペーパー傷をウールバフの傷に置き換えていきますが、ここでいかにウールバフの傷を入れないように磨き上げるかが重要です。
この工程で深い磨き傷を入れてしまうと、研磨膜厚が一気に多くなってしまいます。
ただし深い傷のダメージはこの段階でのきちんとした処理が重要となります。
つまりこの工程がどこまでの研磨厚で仕上げるかを決定づけてしまう工程となるので一番慎重さが求められます。
結果磨き後膜厚は160μ、この工程での研磨膜厚は3μとなり、ここまでの総研磨膜厚は5μとなります。
ウールバフでの磨き後、さらに3回のスポンジバフでの研磨を行いながら鏡面に仕上げていきます。
やはりクリアー部分の鏡面は作れても、有色塗装部分の柚子肌がきつかったため、
蛍光灯のラインが一本の線になるところまでは改善はされませんでした。
しかしクリアー部分が鏡面になったため、
映り込み自体はくっきりと鮮明に写りこむようになりました。
この柚子肌は塗装の柚子肌というよりも、
鉄板肌の柚子肌が3ウエット塗装の電着のため出てしまうのだと考えられますが、今のドイツの著しい塗装技術の進歩を考えると、
このような肌感も改善されていくと思います。
磨き終了後膜厚は157μで、3回のスポンジバフ工程での研磨圧は3μとなりました。
総研磨膜厚は8μですから、03コースでの最大基準研磨膜厚10μ以下に収まりましたので、初めの塗装の状態はそれほどダメージはなかったことになります。
BMW ビーエムダブリュー Z4 3.5i コーティング終了
初めにあれだけ表面を埋め尽くしていたスクラッチがなくなり、クリアー部分を鏡面にしたことで、
特徴のない紺色にしか見えなかった塗装が、
きれいなダークブルーに見えるようになりました!
ほとんど別の車と思えるほどの変化が一目瞭然です!
又コーテイングの相乗効果も大きかったようです。
ベースコートのマーベラスフィニッシュ・チタンコンビネーション ガラスコーティングにより滑らかな濡れたような深みのある艶を作り出し、トップコートの光触媒ボディコーティングがメタリックの反射をさらに引き立たせています。
このお車Z4にはひったりのコーティングチョイスだったと思います。
これからさらにお仕事でこのお車は活躍することと思いますが、きれいに化粧上がりしたお車で、世の女性がさらに魅力的になるお仕事の手助けができればと思います。
納車後にまだ治っていない故障部分と、春のツーリングに向けたチューニングに入られるとのことですが、あまり過激にしないでくださいね!
今回のコースは中高速が比較的多いコースとなりますから、私はマセが修理できればマセでの参加(参戦)とするつもりです・・・
今回はご依頼いただきましてありがとうございました。
奥さまにもよろしくお伝えください。
車両クラス:クラスM
施工コース:マーベラスフィニッシュ・チタンコンビネーション ガラスコーティング+03磨きコース(鏡面磨き)+車内丸洗いクリーニング
施工料金:209.131円税込(ご紹介割引-10%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨き+10%・200kmオーバー引き取り納車料 適応)
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