2011年12月30日公開|ボルボ
これまたレアなお車の入庫です!
この車の存在自体は知っていましたが、実物を見るのは初めてです。
たった一年の限定で発売されただけなので、国内販売台数も非常に少ないそうです。
ボルボのハイパフォーマンスモデルとしてはT5-Rはある程度知名度がありますが、こちらはそれをさらにパワーアップし内装等もさらに豪華装備となり、
最大のT5-Rとの相違点はAWDシステムが付き4WDとなっていることです。
昔S80T5-Rを買わないかと誘われ雨降りに試乗をした際、FFのシングルどっかんターボの恐ろしい加速ににべもなく、
「こんなどこに飛んでいくかわからん車いるか!」
と100万値引きであるにもかかわらず早々に退散したことがありますが、こちらはAWDですから多分安心して全開できるのではないでしょうか?
この車は知人から
「W210のワゴンがほしいから探してよ!」
という依頼の中、たまたま仲間の車屋さんに入庫してきた1オーナー車でした。
全くメーカーもコンセプトも違う車ですが、Rという特別限定車ということと、価格の安さにつられ薦めてみると奥様が、
「おじん臭いからいやだ・・・」
と言われたそうで話はとん挫。
たしかにこのモデル、この当時のボルボは“カッコ悪い”イメージはその通りです。
しかし、これは特別モデルのR!
モンローのローダウンサスペンション・ブレンボキャリパー・18インチ純正ホイルに300psのどっかんターボ。
”ボルボであってボルボでは無”
ということで友人が奥さんを説得しての購入決定となりました!
が、実は彼これが輸入車初購入・・・
かなりの思いっきりと冒険です!
吉と出るか凶と出るか、それは彼次第・・・・・
5気筒のボルボ独特のエンジンです!
ボルボにしてタワーバーが装着されています!
といってもエンジン本体はポルシェ製のようですが、850の時代からそのようで、ミッションはアイシン製、電装関係は日本電装で、ある意味寄せ集め的になっていますが、そこが欧州車でありながら国産車並みに壊れにくい理由のようです。
このお車の場合は300psものパワーをビックタービンで絞りだし、足回りもチューニングされていますが、これもどこかに依頼しているのかも?
ちなみにGT-Rでさえ足回りのセッテイングはロータスだそうですから!
これ日産の秘密だそうですが、メーカーやジャーナリストでは知らない人はいないくらい公然の秘密だそうです・・・
このマフラーのつくり方、ノーマルとは思えないアグレッシブな作りです!
この車かなりボルボは本気で作っていると思います。
エンジンの外見上のつくり方といい、このマフラーといい、ただの安全な車を作るメーカーではない証拠ですが、
今では会社自体が解体され中国に買い取られてしまいましたから、今後はこのようなホットモデルは出ないでしょうね・・・
ボルボにしては異様に低い車高と、この大径ローターとブレンボの4ポットまで入っています。
当然ホイルも18インチですが、販売台数があまりにも少ないため社外のマッチングホイルは全くないために、純正以外はけません。
ただし輸入車の場合、社外ホイルに変えることはドレスアップになっているのかというと、これはいちがいには言えないですね!
デザイン自体も国産車と違いかなりいいですし、何より強度的作りが違いますから。
しいて言えば重量が重いことが難点かも知れませんが。
メーターのつくりもこっています。
立体感はありませんが、色・素材・質感ともに非常にいいセンスのすくり込みがされています。
しかもメーターバイザーまで本革が使われています!
センターコンソールのつくりにはそれほどの特別感はなく、一般的ボルボといった感じですが、ボルボらしい飽きのこない又古臭さも感じさせない落ち着いたデザインです。
こうゆうところがやはり輸入車はいいなー、と思わせられるところではないでしょうか?
シフトノブカバーも当然“本革”が使用されています!
要所要所は手を抜かず、コストいダウンも全くなく全体の質感を高めています。
このような手の込んだつくりもここ等辺の時代までですねー・・・
さすがツーリングワゴンを得意とするメーカーだけあって、セダンでありながらリアシートはたたむことができ大容量の収納スペースを作り出すことができます。
このようなホットモデルにさえこのような機能を持たせるところはボルボらしいですね!
操作もいたく簡単でさすがという感じです。
内張りに使用されている革のいろも独特の青紫の非常に珍しい色を採用していますが、質感自体もジャガーの様な柔らかな鞣しでお金がかかった非常に高級な革が使われています。
しかもドアハンドルまで本革が使用されています。
写真ではわかりにくいですが、ブルーの鮮やかなステッチまでもが入りめちゃくちゃお金がかかっています!
このお車の内装で一番感心させられたのは矢印の部分にあるドアポケットです。
丸の部分が拡大した写真ですが、ドアポケットの内側まで本革が貼り込まれています!
これはちょっとすごくないですか?
コストダウンに命を懸ける国産車では絶対ありえないこだわり方です!
もっともここまでのことをやってしまうから会社がなくなってしまったとも言えますが・・・
このシートも素晴らしいの一言です!
この形みてくださいセダンでありながら完全なバケットシートです!
ホールド感も最高ですし、肌触りも最高です!
ただし前オーナーの使用程度は悪くかなり傷みが激しいのは悲しい限りですが、保湿剤兼レザーWAXを塗り込んであげたらかなりの回復をしました。
基本的には輸入車のように鞣しの程度のいい革シートはジーンズなどで乗ることはご法度です!
また手入れも定期的に保湿を保つためにクリームなどを塗り込むことが必要です。
高級レザーほど必要なことですよ!
この部分はドリンクホルダーのカバーで、素材はプラスチックだったのですが、やはり前オーナーの使用がかなり雑だったようで傷だらけでした・・・
そこでこのようにカーボンフィルムでドレスアップです!
新オーナー様もこれを見て大満足!
この部分は塗装が剥げひどいタッチアップ補修が施されていたため、再塗装で直さずにカーボンフィルムでリフレッシュです。
一気にスポーティー感が増します!
外装などをゴテゴテのドレスアップではなくワンポイントがセンスです!
ちなみに結構マイブームなのですがどうでしょう?
はっきり言ってまさに“乗りっぱなし”です・・・
おそらく1回もここを洗ったことはないでしょうね!
さすがに幾ら専用の機械を使って磨いてもここまでが限界でしたが、ここまで回復しただけでも全く印象は変わります。
いたるところとにかく酷い・・・
入庫してみてまじまじ見れば見るほど程度は最悪です!
新車購入時は乗りだし価格700万円近い車が、ワンオーナーでありながらここまでひどい状態になるとは?
このような車の乗り方をする人には高級車、
ましてはこのような特別モデルには乗ってもらいたくないですね!
「金持っているから車なんて使い捨てよ!」
と言っているかのようです・・・
時間をかけ、根気でここまでクリーニングしました!
本来ですとここまでひどい汚れのクリーニングは“割増”ですが、紹介して買っていただいたお車なので責任がありますから・・・
とは故、これは貸ですからね!
ご多分に漏れずこの部分も色が褪せ、“ボロさ”を引き立たせてくれてしまっています・・・
たしかにここは手入れをされているオーナー様でも傷んだままの状態が多いところですね!
しかし此処が劣化して見えると、フロント周り全体がやつれて見えてしまいます。
劣化しすぎていて、何度コーティング剤を塗り込んでも吸い込まれていってしまいます・・・
4回ほど塗り込んだでしょうか?
やっと艶が定着してくれました!
しかしここまで劣化しているとしばらくすればまた吸い込まれてしまうでしょうから、
定期的メインテナンスが必要でしょうね?
弊社使用の樹脂専用ガラスコーティング剤を買って定期的メインテナンスをしていってください。
安い量販店のものではだめですよ!
当然ボディも傷だらけ!
よくここまでの状態で乗っていました?
輸入車だろうが、特別モデルであろうが、
このような状態で乗っていれば逆に“カッコ悪いだけ”ですね!
磨き前膜厚は125μ、おそらく膜厚自体は新車時とほとんど変わらいと予想されるため、今回の磨きはガッツリ行きますよ、がっつりと!
さすがにここまでの状態ですと、塗装もかたいこともあり02コースでは艶さえ出ないと思われますので、
02プラスコースの傷取り磨きでチャレンジです。
救われるのはイオンデポジットが少なく、クレーター処理はほとんど必要なかったことです。
シルバーという塗装色の利点ですね!
当然のごとく側面部分も傷だらけ!
しかしトップ部分に比べ、深い傷は少ないようです?
右の写真は特殊なウールバフで磨いた状態ですが、傷だらけです!
これは今ある傷を磨きとりウールバフによるポリッシャー傷に置き換えています。
通常のウールバフですとこの工程でかなり深いバフ傷を入れてしまうため、この後の磨きが無駄な研磨厚を必要としてしまいますが,この特殊なウールバフは非常に研磨力は強いのですが、研磨によって入れてしまう傷の深さが非常に浅いため無駄な研磨厚が発生しません。
ここが弊社の02コースプラス磨きコースの特徴です!
しかも熱も入りにくいため、塗装の劣化を磨き過ぎで起こすこともありません!
塗装が恐ろしく硬いため、かなりがっつり磨いたつも入りでしたが研磨膜厚は6μでした。
残存膜厚は119μです。
さすがにすべての傷は完全になくなるところまでには至っておりませんが、
施工前と比べればニコルのスッピンとメーク後の違いの10倍くらい美人になったでしょう!
磨き前は艶とは無縁の車でしたが、磨きあげるにしたがって別の車と思える艶が徐々にできていく様は、磨き涯があり結構楽しめました!
ただし年末の納車ということで、弊社もいろいろ野暮用もある中でのヘビーな施工でしたので、かなりの夜なべも必要だったので、体力的にはへとへとです!
しかもぎっくり腰まで発症した中での施工は寄る年波にはかなりの負担でした・・・
若返りの薬を求めた過去の権力者の気持ちが痛いほどわかりますねー
VOLVO ボルボ S60R コーティング終了
2011年最後のコーティングとしてまさにふさわしい仕上がりです!
暮れも押し迫りに押し迫った30日にお客さまがお引き取りになられて、
「ここまできれいになるの?」
「全く違う車位違いますね!」
感激しきりでした。
このお車の購入1か月前に1度ご覧になられた依頼ですが、それでもあまりの変わり様に驚かれた様です。
艶だけの問題ではなく、細部まで手を入れることにより車全体のイメージまで変わっていることが驚かれた最大の要因でしょう。
初めてご購入される輸入車としては、価格は別としてもかなりレアなお車をお選びになられました。
正直国産車ではないですからこれから故障などもある程度は覚悟しなければなりません。
しかしその辛さをしても、なお有り余るほどの走りの快感を与えてくれるでしょう。
できるだけ長く大事に乗ってあげてください!
車輛クラス:クラスM
施工コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+02プラス磨きコース(傷取り磨き)+スプラッシュビュー・ウインドウコーティング(脱脂コーティングのみ×フロント基本セット)+エクセペル・カーボンフィルム(フェーエルリッド+ドリンクホルダーカバー)+車内レザーWAX
施工料金:128.750円税込(輸入車割増磨き+10% 適応)
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