2012年02月05日公開|スズキ
日本の軽自動車の形を変えた代表車ワゴンRの3代目となるお車です。
この頃ワゴンRは累計販売台数200万台を達成していますから、大ヒット作です。
たしかにこの頃には“石を投げればワゴンRにあたる”状態でした。
その中でも上級クラスとして設定されたRRです。
軽自動車でありながら130万円を超える価格でありながらかなりの販売数を記録したことは、内容の充実からくるものなのでしょう。
かなりシンプルで落ち着いたデザインで作られています。
軽自動車であることを考えると、かなりきちんとした作り込がされています。
また軽自動車というカテゴリーじょう、使用されるのが年配や女性の比率が高いこともあり、操作の判り易さや簡単さが必要となりますが、そこもきちんと踏まえたうえでデザインしていかなければいけませんが、そこもきっちり抑えた設計になっていると思います。
車によっては軽自動車のほうが、普通車よりもいろいろな部分で優れていることは多いようです。
当然軽自動車ですから、豪華というところまでは言っていないですが、それでもそれなりにきっちり作り込まれ、
スポーティー感も感じさせる作りとなっています。
コンパクトクラスよりも上質感はあるかも?
ウインドウ全面のスプラッシュビューの施行のご依頼をいただきました。
使用年数の割には水染み等は少なかったのでライトポリッシュでの研磨で施工していきます。
ゴムや樹脂部分にコンパウンドが付着したり傷をつけないようにマスキングを行い、ボディにもコンパウンドの砥水などがかかり不必要に汚さないようにマスカーで養生をして施行していきます。
お預かりしているお客様の大切なお車ですから!
約9年の経年をしておりますので、
さすがに多少のライトカバーのクリアー部分の劣化もしてきています。
ただし年数からすると症状は比較的軽症でしたので、クリアーはできるだけ残した状態で施工したほうがいいので、ライトポリッシュでスポンジバフだけで磨き上げます。
劣化が初期段階でしたので、ライトポリッシュでもここまできれいになりました。
ライトカバーのクリアーのくすみは、黄ばんだり真っ白になってしまう前にきちんと補修(磨き)をおこなえば、新車時に施工されているスーパーハードクリアーを残した状態でメインテナンスが可能なので、できるだけ早めのメインテナンスをお勧めします。
体と同じで、早めの処置治療が何事も肝心ですね!
磨き終えて新品のライトカバーのようになったところに、エクセペル・ペイントプロテクションフィルムでライトカバーの傷つきと紫外線による劣化を防ぐための施工を行います。
写真は型取りしたフィルムをゲルにより張り付けていくところです。
この専用ゲルにより糊斑などが発生せず非常にきれいなフィルム面を作り出します。
ヘッドライトとその下のコンビネーションランプ2か所の施工です。
このように紫外線劣化しやすいライトカバーをフィルムで保護することで、フィルムが犠牲被膜となりライトカバーの劣化を防ぎます。
ただしフィルムは永遠のものではありませんので、5~7年程度でフィルム自体は劣化してきます。
ただしその時点でお車自体もかなりの年数が経過していますので、再度フィルムを施工するか、コーティングだけで妥協するかの選択肢が生まれてきます。
しかしその時点で、ライトカバー自体はフィルムにより劣化から守られていますから、きれいな状態がキープされているはずです。
走行距離は年数の割に伸びていませんが、車体の状態は走行距離から考えるとかなりひどい状態です。
ここまでの傷はそうそうお目にかかるものではありません・・・
しかも猫の引っ掻き傷までおまけで相当付いています!
これは02コースではかなり厳しい状態ですから、“02コースプラスの傷取り磨き”で施工することといたしました。
不思議なのは、オーナー様は拝見する限り雑な性格ではないように感じたにも関わらず、どうしてここまでひどい状態になったのか?
疑問です!
幸いなことに磨き前膜厚は113μと軽自動車としてはかなり厚めの塗装でしたので、鏡面を作り出すためにある程度の研磨厚を切り取りしても大丈夫ですから、
かなりの意匠性まで回復させることが可能だと思います。
とはいっても少しでも膜厚は多く残っているに越したことはありませんから、“慎重に研磨”していきます!
02プラスのかなめ、特殊ウールバフでの施工中です。
ほとんどの傷は研磨されウールバフによるポリッシャー傷に置き換えられています。
しかし中にはそれでも手ごわい深い傷が存在を主張してきます・・・
この様な傷は部分的にさらに特殊な傷取りポリッシャー(仮称)で追い込みます。
完全になくすことは無理かもしれませんが、太陽光程度では確認できないくらいならできるかな?
02プラスのメインとなる特殊ウールバフでの磨きの研磨厚は、3μでした。
この後スポンジバフでウール目をさらに細かなスワール傷に置き換えていきます。
あと3回バフとコンパウンドを最適な磨きができるものにチョイスしながら磨き上げていきます。
ここまでで磨きの工程1/4終了ということです。
まだまだ先は長いです・・・
何とかここまで仕上がりました!
なかなか長い道のりでした・・・
傷に関してはかなりの傷もほとんど磨きとれ、それでも残った傷もエッジを処理することでよっぽど場所が分かっていて凝視しない限りは判らないレベルにまでなりました。
ここまで傷が取れれば上等でしょう!
しかし磨き上げてみると、
意外や水染みはイオンデポジットとなり傷よりも大きなダメージを塗装に残していました。
さすがにこれ以上は02コースプラスの磨きでは厳しい状況です・・・
更なる研磨、もっと多い研磨厚となると塗装を傷めずに行う前提ですと03・04磨きコースという選択肢もありますが、当然コストも上がりますし研磨膜厚も大きくなります。
磨き終了後膜厚は107μ、総研磨厚が6μですから、
軽自動車といことも踏まえここが磨きの限界です。
車輛自体の使用目的等考えればそれ以上は求めないことが賢明な判断です。
やはりこのような未塗装樹脂部分もかなりの劣化をしてしまっています。
国産車の場合は樹脂のリサイクル比率が低いので、あまり極端な劣化はしないのですが、相当放置されていたのでしょう・・・
此処がくすんでいるとかなり車はやつれて見えてしまいます。
樹脂自体の劣化が進んでしまっているために、かなりコーティング剤が吸い込まれてしまい、真っ黒に艶々とまではいきませんでしたが、白ボケはかなりわからなくなり見た目は改善されました。
このような部分の劣化を食い止めるには、定期的にコーティングを塗るか紫外線になるべく当たらないところに駐車するかしかありません。
交換となるとかなりの金額が必要となりますからねー・・・
SUZUKI スズキ ワゴンR RR コーティング終了
ご入庫いただいた時は、
「え、この車を磨くの?」
「軽自動車だし買い換えたほうがいいんじゃないの?」
などと思うほど各所の傷みは相当のものでしたが、施工が進みリフレッシュされていく姿を見ていると、
「やはりきちんと手入れすれば車は生まれ変わるものなんだなー」
と改めて実感しました!
今回は長期入庫でのお預かりでしたから、11月から徐々に施工をしていたため、多くの訪れるお客様の目に留まり、だんだんと変わっていく様をご覧になり、
「あの車がここまできれいになるんだー!」
とびっくりされている方も多くいらっしゃいました。
その中でも印象的な言葉として、
「エコ、エコ言って身の回りの物を最新のものに買いかえるのは、エコに託けた消費でしかない。」
「結局は環境破壊の手助けをしているだけで、大手企業の戦略にまんまとはまっているに過ぎない。」
「それはただの自己顕示欲と、所有欲を満たすための言い訳に利用しているだけでしょう!」
おっしゃる通りだと思います。
使えるものはきちんと修理してでもなるべく大切に使う、いいことだと思います!
このお車は、お客様がバイク(自転車)をご趣味とされていてそのトランスポーターとしての役目があるそうですが、ピカピカのバイクがピカピカの車から登場する、そして気持ちよく高原の道路を走り抜ける。
これから暖かくなりバイクシーズンも始まります。
ワゴンR RRの活躍も忙しくなるでしょう。
しかし今までのように放置管理ではなく、せっかくここまできれいにしたのですから、バイクだけでなくこのお車も大事にしてあげてください。
またレースでのご活躍も願っております!
ありがとうございました。
車輛クラス:クラスS
施行コース:マーベラスフィニッシュ・プレミアム ハイブリッド ガラスコーティング+02プラス磨きコース(傷取り磨き)+ヘッドライトカバー磨き(ライトポリッシュ)+エクセペル・ペイントプロテクションフィルム(ヘッドライトカバー・フロントコンビネーションランプ)+スプラッシュビューウインドウコーティング(フロント基本セット+サイドウインドウ4枚+リア×ライトポリッシュ)
施工料金:162.729円税込(長期お預かり割引-20%・お持込お引き取り割引-10%濃色車割増磨き+10% 適応)
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