2012年03月11日公開|BMW
現行X5の初期モデルですが、初代X5と比べるとかなり大型化しています。
見た瞬間にでかい!
というのが印象的です。
車格的にはカイエンよりちょっと小さいくらいですかね。
しかし初代とほぼ同じ重量にとどめるためにかなりの軽量化がされています。
ボンネットのアルミ化やフロントフェインダーとバンパーの一体化をし、かつ素材をFRPとしています。
しかし質感はスチールボデイとなんら見劣りしないところは、さすが品質にこだわるBMWですね!
今回のご入庫の目的は、左フロントフェインダー・左フロントドア・左リアドアにいたずらで傷を入れられてしまったために、その再塗装とコーティングの補修のためが主目的となりますが、
弊社保険修理の規定はコーテイングは再塗装パネルの隣接パネルまでの補修となりますから、今回の場合はさらにボンネット・リアクオーターパネルも対象となり5パネルの補修となります。
フロントバンパーも本来は補修範囲に入るのですが、このお車の場合はフロントフェインダーと一体化されているうえに、バンパー部分が中央で樹脂により縁切られているためにバンパーは対象外となります。
通常4ドアのお車は13パネルとして考えますが、このお車はフロントバンパーとリアバンパーは樹脂のため11パネルとなってきます。
そうなると今回の補修対象パネル5パネルはほぼ半分を占めますので、
「どうせなら新車時のコーティングから4年経過しているし、半分は保険で賄えるからいっそのこと再施工をします。」
とのことで、再塗装と再磨き&コーティングをすることとなりました。
この部分に手を入れてくるとはなかなかの通です!
リアの強化スタビライザーです。
下手にサスペンションを交換するよりも確実にロールは抑えられ、かつ乗り心地にはさほど影響は表れませんから確実なチューニングです。
人の目に余り触れないところですから意外とスタビライザーはノーマルという方が多いでしょうが、効果は絶大です!
サスペンション交換の数分の1の価格で、確実に性能アップをすることができますからおすすめアイテムです。
弊社のデモカーエキシージS1は、調整式スタビライザーが装備されていますが、一番硬い設定にしてあげるだけでも、コーナリングでの限界速度は確実に上がる上に安定感も増します。
マフラーも交換されていますが、テールエンドはチタンとなっています。
見た目もブルーに焼が入りかっこいいですが、これだけでも排気音は乾いたサウンドになりかなり雰囲気は高まります。
お引き取りの際に加速していくときのサウンドはBMWとしてはかなりいい音でした!
非常にシンプルなコントロールパネルです。
ドイツ車はほとんどの車がゴテゴテした作りはしませんが、特に最近のBMWは無機質と感じるほどさっぱりとしています。
此処がドイツ人の国民性で、光物やスイッチ大好きの日本人との違いですね!
ちなみにドイツ車でも日本仕様は日本人の好みに合わせて光物を多くつけているそうです。
いい例がワゴン車などのルーフレールで、欧州仕様ではメッキやアルミはほとんど存在しないようです。
これは良いのか悪いのか・・・
内装のシンプルさの最大の理由はシフトノブ左にあるⅰDryveコントロールによるものです。
このコントローラによりほとんどの操作をここで集中管理しています。
便利ではありますが、かなり慣れも必要ですので結構賛否両論のところはありますが・・・
BMWのこのシフトノブは非常に使いやすくいいシフトです!
パーキングブレーキも電磁ロック式ですので、サイドブレーキをかけたけど甘かった!
というようなヒヤリはありませんから安心です。
ついでにとのことで、フロント基本セットのスプラッシュビュー・ライトポリッシュコーティングもご依頼いただきました。
ワイパーの可動部分はきれいな状態でしたが、それ以外の部分は左の写真のようにかなり水染みが発生していてすでに鱗化の初期段階です。
まだこの程度の水染みであればライトポリッシュ磨きにより削り取ることは可能ですが、このままさらに放置してしまえば鱗落しの薬剤を使い溶かして落とすか、
最悪ヘビーポリッシュでガラス表面を削りながら除去しなければならなくなります。
たかが水染みだからなどとなめていると意外と大事になってしまいます!
今の環境、水道水・地下水・雨水ともにかなり水質は過酷なものとなってきています。
ミネラル分の多い硬水や酸性雨などは、車にとってはかなりダメージを及ぼします。
これは地域格差もかなりあるようで,
近隣地区で言うと諏訪地域の水に関しては水道水・地下水・雨水ともにかなり劣悪なようです。
このような地域の方は、車庫保管であっても洗車の際の拭き取りなどを手早く行うように注意しないと、乾燥した水がすぐに水染みを作ってしまいます。
右の写真は磨き前のガラスの撥水状態ですが、これは撥水剤による撥水ではなく自然に付着した大気や雨水に含まれるシリコンオイルによるものです。
これがまた水染みを発生させる手助けとなってしまいますので、注意が必要です!
ということは、一般的に売られている油脂系のウインドウ撥水剤を使用すると、人工的に油膜を作ることとなりますから水染みの発生を促進してしまうことにもなりかねません。
これを防ぐためには古い油脂系の撥水剤を研磨剤できれいに落し、新しい撥水被膜を乗せる作業をこまめに行う必要があります。
DIYでこまめにこのような作業を行うか、専門店で長期メインテナンスフリーの施工を行うかとなってきます。
この場合のコストは、
弊社のお客様の計算によると2年の期間で計算してみるとほとんど同じだそうです。
どちらを選ばれますか?
此れもよくある事例です。
DIY施工による失敗です!
未塗装樹脂やモールなどに量販店で買ってきたコーティング剤を塗り込んだ結果です・・・
Bピラー部分は吸い込みにより斑ができてしまっています。
ドアモール部分は既存の塗装を溶かしてしまっています。
ゴムパッキンは解けて塗り込みの際の刷毛目が出てしまっていますし色がまだらになっています。
これは本来使用不可の部分に使用してしまったことと、
コーティング剤が素材自体に合わなかったことから起こっていることです。
樹脂用コーティング剤はシリカ系油脂系ともにアルコールが入っています。
これが塗料やゴムを溶かすこととなってしまったようです・・・
吸い込み斑は素材自体の密度とコーティング剤の密度が合わないことからこのようになっています・・・
特に輸入車の場合このような箇所の素材や塗料は国産車とは全く違う品質のものが使用されていますので、量販店やGSなどで使用している物を塗り込むとこのようなことが起こる可能性が非常に高くなります。
どうしてもDIYで施工されたい場合は、目立たないところで一度試し塗を行って異常がないか確認するか、専門店やディーラーなどで専用のコーティング剤を購入されたほうがいいでしょう!
ただし施工方法や注意書きは必ず読むようにしてください!
フロントガラス前方の樹脂の部分は、
多くの車がこのようにまだ新しい車でも艶がなくなりみすぼらしくなっています。
弊社が使用する樹脂コーティング剤は、シリカ繊維系のコーティング剤ですが、
このように斑にならずに且つべたつきもなく艶もきちんと出る優れものです!
ただし樹脂に完璧に乗るコーティング剤は存在しないため、耐久性は約6か月ほどなのがたまに傷です・・・
これは素材密度が粗いため時間とともに素材に吸い込まれて行ってしまうからです。
しかし!
5月くらいからは、オプション施行になりますがこのような素材にも吸い込まれないアンダーコートを施工して、ボディのガラスコーティングと同じように5年以上の耐久性を持つ施工方法を導入します。
しかもこの施工方法素材は問わず塗装でもメッキでもレンズカバーでもゴムにさえもせこ可能となります。
ご期待を!
ただしお値段は結構高くなりますが・・・
傷のダメージは相当のものです!
しかもトップ部分は水染みがイオンデポジットに進行してしまっています。
クレーターだけでなくピンホールまでできてしまっています・・・
基本洗車専門店での手洗い洗車での管理だそうですが、それでここまで程度が悪くなってしまうのでは手の打ちようがありません。
洗車サイクルが空き過ぎか、よほど洗車がへたくそか?
としてもここまでひどい洗車傷が此れだけの量付くとは・・・
しかも膜厚も111μしかありません!
BMWのこのクラス少なくとも130μ程度はあるはずですが?
このお車新車購入時に弊社で一度施工していますが、その後板金修理でディーラーに入庫されていて、
その際かなりの部分をディーラーの外注店で磨き&コーティングの再施工を受けているそうです。
どうもその際磨き倒されて、膜厚を削りまくられたようです・・・
しかも施工前に洗車してみると全くコーティングが残っていない部分があり、
“おかしいな”と感じていたのですが、これで納得です!
ディーラーで再施工した部分のコーティングは跡形なく剥離してしまっています・・・
どおりでここまで傷だらけな訳だ!
左側が磨き後の水染みの状態ですが、
ほとんど確認できないレベルに改善されました。
しかしクリアーに食い込んでしまったイオンデポジットやピンホールまでは磨きとることはできません。
今回の磨きのコースは補修部分以外は02プラス磨きコースですが、これ以上の改善をするためには04磨きコースが必要となります。
だだしそのためにはすでに膜厚がなさすぎます・・・
磨いていくと不思議な現象が起きてきます?
ディーラーで補修を受けた部分、磨き前は洗車傷のように見えていたのですが、その傷を磨き上げるとその下からポリッシャー傷が出現してきます。
なぜ?
どうやら補修磨きの際に回復不能の傷を入れてしまい、樹脂を埋め込んで隠していたようです・・・
写真では判りずらいですが、この傷コンパウンドの代わりに砂を使ったの?
というほどの深さがあります。
この時点で5μの研磨を行っていますが、まだ傷の深さは目測ですが20μ位はあると思われます。
すでにディーラーにより膜厚は111μまで下げられていますから、ここまで深い傷を入れてしまったらもう研磨するクリアーの余裕はないために完全に直すことはできません・・・
どこまで傷を目立たなくできるかが勝負です!
更に最悪なものを発見!
ディーラーでの補修磨きの際のコンパウンドの焼き付き痕です!
クリアーと有色部分の塗料が溶けてミミズのようになってしまっています。
これは再塗装しか直しようがありません・・・
ただこれにより磨きは砂ではなくコンパウンドが使用されていたことだけは証明されました。
しかしこのようになるコンパウンドなんていったいどんなコンパウンド使っているの?
しかもこれだけ目立つのだから出庫検査で気が付かないの?
外車ディーラーとして普段は鼻高々、お客よりも偉そうな態度の割にはやることはこのレベルですか?
日増しにディーラーレベルは低下しているような・・・
しかも全国的に!
今回はかなり苦労しました・・・
ディーラーに磨き壊された致命傷とも思われる磨き傷!
さすがにここまで深い傷を入れられた上に、膜厚までごっそり磨き落とされていては磨けるものも磨けなくなってしまいます。
本来02プラスのコースであれば10ミクロン程度は簡単に磨き落とすことはできますが、ここまで膜厚がないと其れも無理!
結局は残存膜厚優先で5μの研磨にとどめました。
結果丸の中にある様なポリッシャー傷はまだかなり部分的には残ってしまうことにはなりましたが、これが見えるのはあくまで磨き用の光源を当てているからですので、
通常の光ではほとんど気にならないレベルにはなっています。
しかしまだ4年しかたっていない車をここまで傷めてしまうとは、ディーラー恐るべし!
BMW ビーエムダブリュ X5 3.0si コーティング終了
今回もご入庫いただいて発覚したトラブルがありましたが、何とかご納得いくクオリティーに仕上がったことは幸いでした!
今回もこのようなご感想メールまでいただきありがたい限りです。
御帰り際の御言葉で、
「こうやってどんどん車が傷んでいくと、車に対しての愛着がなくなっていき、どうでもよくなっていってしまうんですよねー」
「悲しいですね・・・」
とのお言葉がありましたが、せっかくここまで回復したのですから、愛着も回復させてやってください!
お二人の人なっこいかわいいお子さんと、超美人の奥さんと家族の思い出づくりのパートナーとして、まだまだかわいがって行ってください。
お時間がかかりお待たせしてすみませんでした。
車輛クラス:クラスX-1
施行コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+02プラス磨きコース(保険補修部分以外)+03磨きコース(保険補修部分)+スプラッシュビュー・ウインドウコーティング(フロント基本セット+ライトポリッシュ)
施工料金:保険会社負担部分があるため未公開
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