2012年05月31日公開|メルセデスベンツ
ここの所ご入庫が少なかったベンツのご入庫です。
他のお客様のドタキャン(連絡なし)があったために急遽繰り上げ施工となりました。
ご予約いただいていてご都合が悪くなられるのは仕方がないことですが、せめて断りの連絡はするのがマナーですが、これすらできない方がたまにいらっしゃるのは悲しいことです・・・
年に数人いるんですよねー
当然このような方の以降の施工の受け付けは致しません!
というわけで、こちらのお客様のお車はディーラーの了解をいただき納車前に施工する事となりました。
ディーラーは儲けものです!
納車磨きも、室内清掃もしなくて済みましたから!
7年間に渡り販売されてきた2台目Aクラスもついにモデルチェンジの時が来ました。
秋より新型が発売されるそうですので、このお車は最後の在庫車両の1台ということでしょう。
ということは長期在庫車の可能性大・・・
ということは・・・・
程度悪いかも?
いかに品質を誇るメルセデスベンツといえども、輸入され保管されるモータープールは野ざらしですから、当然長期在庫車はそれなりに傷みが出てきてしまいます。
在庫期間中はトップ部分には保護シートが張られていて、3か月ごとにこのシートを貼り直します。
この作業が繰り返されることで傷が入ってしまうのです・・・
水染みだらけになるよりはましでしょうが。
しかしたまにシートの貼りが甘く、隙間から雨水が入り込みそれが水染みとなってしまうことがあるようです。
はたしてこのお車はいかに?
さすがにこのクラスでは本革シートとはいきません・・・
しかし、“フェイクであってもフェイクに見えない”だけの作り込がなされています。
此処が国産車のフェイクとは大違いです!
ただ高級に見せかけようとするだけではなく、きちんとした素材感を作り出しています。
さすがベンツ!
もっとも300万円以上すのですから当たり前?
しかしさすがベンツ!
トリムにはフェイクではなくメープル系のマートルウッドの本物が使用されています。
此処がプリントなどを使うようになってしまってはベンツとは言えなくなってしまいますからねー
Aクラスといえどもベンツはベンツですから!
シンプルではありますが、モニター両側のスイッチ類の質感はあまりに低い・・・
私自身大のメルセデス好きではありますが、A・Bクラスだけは買う気になれない大きなポイントがここです。
しかしシフトノブの本革のなめし感は、触っても見ても非常に高級感に溢れています!
たぶんC・Eクラスと素材は同じでしょう。
やはり長期在庫車であるらしく傷はそれなりにはありますが、数か月かけて海を渡り、さらに数か月間保管されていたことを考えると非常に程度は保たれているといえるでしょう。
どこかのメーカーのように生産されてすぐにディーラーに配送されているにも拘らず、
傷に覆われている様な車とは大違いです!
車を扱うすべての人のスキルや気持ちの全くレベルが違うのでしょうね!
プライドだけではただのマスターベーションですね・・・
そうはいってもさすがに今までご入庫いただいた新車のベンツと比べると傷は多いのは否めません。
ボンネットと右クオーターパネルにはかなり深い傷が入ってしまっています・・・
これは残るかも?
しかし心配していた水染み(イオンデポジットクレーター)はなかったのは幸いです。
これがあると、とても02磨きコースでは対応できませんからねー
かといってご覧のように膜厚はベンツといえどもこのクラスとなると100μを切り、95.5μしかありませんので、
ご予算の問題も当然ありますが膜厚的にも02プラス磨きコースを行うことは新車では問題があります。
というのは、いくら新車時にガラスコーティングを施工したとしても、使用段階で傷やイオンデポジットがついていくことは避けられません。
それらを数年後にリセットしようとしてもその時に研磨に必要な膜厚がすでにないのでは大きな意匠性の回復は不可能になってしまいます。
新車時の100%の意匠性も大事ですが、
使用過程での化粧直しのことも考慮して考えることが大事なことです。
購入されたお車にどのくらいの期間乗られるかなどがその判断材料でしょうね!
やはり当初傷残りすると思われたボンネットと右クオーターパネルの傷は1本ずつ残ってしまいました・・・
平均研磨膜厚は2μですが、当然このように傷のある部分は多めに研磨していますのでプラス3μ位は研磨しているでしょう。
たしかにもっと研磨をすれば傷はなくなりますが、
このように初期膜厚が薄い場合はそこまでしないほうが賢明です!
傷が残っているといっても、ソリッドホワイトということもありまず使用状態で傷に気が付くことはないですから!
Mercedes-Benz メルセデスベンツ A180 エレガンス
コーティング終了
カルサイトホワイトのソリッド塗装も磨き上げられることで、いっそう色の清潔感が増して見えます!
ソリッド塗装のホワイトは今ではかなり少なくなり主なものは商用バンなどくらいしか見かけなくなりましたが、その主な理由は塗装の白華現象による痛みだと思われます。
これは着色原料である酸化チタンが塗装内部を紫外線により破壊することから起こるのですが、ベンツに限っては30年前の車でもほとんどこのようなことは起こっていません。
おそらく酸化チタン以外の着色原料が使用されているためだと思います。
なぜ酸化チタンが着色原料として使用されるかはコストの安さですが、
メルセデスはコストではなく耐久品質を優先しているために酸化チタンは使わないのでしょう。
そのようなところがさすがベンツです!
気を付けないといけないのは補修塗装を行う場合、国産塗料を使用すればおそらく酸化チタンを多く含んだ塗料となってしまいますので、
オリジナル塗装との経年劣化の度合いが大幅に違いが出てくる事となるでしょう。
これを避けるためには、やはり外国メーカーの塗料、
できればメルセデスベンツ指定のスタンドックスを使用することが重要です。
ただしかなりの高額な塗料ですが・・・
再塗装を嫌いオリジナルにあくまでこだわられる方がいらっしゃいますが、確かにオリジナル塗装を超える塗装は町の塗装工場ではできませんが、傷んだ塗料と新しい塗料との比較で言えば、
オリジナルでなくても再塗装のほうが意匠性・品質共に上回ることも可能です。
要はどれだけきちんとした仕事をしたうえで、いい材料を使用するかではないでしょうか?
これは我々の仕事にも通じるところです。
この完成車両をご覧になるオーナー様はどのような評価をしていただけるでしょうか?
ご感想をお聞かせください。
車輛クラス:クラスM
施行コース:マーベラスフィニッシュ ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+ホイル・ガラスコーティング(前面のみ)
施工料金:93.450円税込(新車割引磨き-10%・輸入車割増磨き+10%・ソリッド塗装割増磨き+10% 適応)
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