2012年05月11日公開|BMW
昨年施工させていただいたお客様の大事にされているお車の1台がご入庫いただきました。
珍しいお車BMW Z8です。
3年間だけ製造され生産台数も5.703台だけです。
有名なところでは、007のワールド イズ ノット イワフにも登場しています。
デザイナーもアストンマーティンの現代の名車DB9やV8ヴァンテージなどをデザインしたデザイナーだそうですので、きれいな曲線とプレスラインの微妙な組み合わせがうなずけます。
しかしあまりに見かけることのないお車ですので、このお車を所有されていることをお聞きするまではZ8という車の存在すら知りませんでした。
当然実車を目にするのも初めてです!
エンジンはM5に搭載されているエンジンと共通で、4.9L 400ps当時としてはトップレベルのパワーを誇るエンジンです。
更にすごいのはトルクは51kgmをNAエンジンで発揮することです。
しかしBMW伝統の直6高回転エンジンから新型V8エンジンに代わることにより、パワーバンドや加速フィーリングは大きく変わり、排気音も全く変わってしまったことは性能を手にすることで伝統を捨ててしまったことになりますから、悲しんだBMWファンも多かったことと思います。
残念なのは樹脂製のエンジンカバー・・・
イタ車のように見せるエンジンにしてほしかったですね!
何ともクラシカルなインパネ周りです!
めっちゃくちゃ高級感が漂っています!
面白いのはメーターパネル。
なぜかセンターにありますが、シェルはアルミでボデイと同色で塗られています。
最新の技術を使いクラシカルに仕上げる、BMWにしては珍しいつくり方です。
内装色が赤ということもあるかもしれませんが、アメリカン的雰囲気が濃いような?
確かに総生産台数は6.000台弱ですが半数以上がアメリカで販売されたそうなので、かなりアメリカを意識して作られたことは確かでしょう。
なんとなくC2などのコルベットとかぶって見えるのもそのせいでしょう。
どこもかしこも手抜きされた作りはなく、
これでもかと言わんばかりにお金と手間がかけられています。
黒い部分も当然プラスチックなどではありません。
1.660万円は妥当、いや安いくらいの作り込です!
ちなみにシフトレバーは社外品ですが、なぜかレザーの色が同色?
もしかして特注ワンオフ?
オーナー様は良いセンスです!
シート後ろの背面パネルまで、アルミと本革で覆われています!
しかも作り込に手抜きはありません。
小量生産の賜物でしょうね!
これを見てしまうとSLですら安っぽく感じてしまいます・・・
みれば見るほど感心してしまいます。
ドア下のポケット部分までアルミ!
プラスチックなどほとんど皆無です。
疑問なのはなぜBMWはここまでお金をかけてZ8を作ったのか?
どう考えてもこの程度の生産台数では赤字でしょう・・・
なぜ?
カップホルダーもしゃれています。
センターコンソールに台座が取り付けられていて、カップホルダー自体は取り外し可能となっています。
ただし気を付けないと、カップホルダー装着時に電動シートを前にスライドさせると、台座ごと破損の可能性が・・・
さすがに破損を防ぐまでのセキュリティーは装備されていません。
基本的に赤レザーの内装は好きではありません。
実際今まで見た車で許容できるものはありませんでした。
しかしこのお車は別!
色合い、鞣し、形、すべてのバランスがGOODです!
トランクの内張りすら高級!
しかもトランクパネル裏側までもが高級カーペットで覆われています。
私のマセラティと比較しても段違いの高級さです・・・
負けました・・・
すでに多少の傷と曇が出てきていますが、これ以上の傷みを防ぐため、ヘッドライトカバーとウインカーレンズにエクセペル・ペイントプロテクションフィルムで予防措置を施します。
ヘッドライトで数十万、ウインカーレンズでさえ数万円する代物ですから、これはフィルムで保護しておくことは大事ですね!
ボデイにもかなりの飛び石痕がありますから、当然これらのパーツにも飛び石は当たっているはずです。
当たる角度や大きさによっては割れることも考えられます。
ヘッドライトカバーは球体曲面ですので、見た目よりは伸びと縮みが計算しにくく多少の縁との誤差は出てしまいましたが、このくらいの距離でみなければフィルムエッジは判りません。
ウインカーレンズに関しては近づいてまじまじ見てもフィルムの存在は全くわかりません。
ついでですので、ヘッドライトウオッシャーカバーにもサービス施工でフィルムの貼り付け!
必要かどうかは?
取りあえず施工いただいた感謝の気持ちです!
しかし外装の塗装の状態はこの通り傷だらけです・・・
しかもかなり深い傷が多い!
走行距離が60.000kmとかなりの過走行ではありますが、日常使用のお車ではありませんので、いくら10年以上経過していたとしてもあまりに傷は多すぎです。
これは洗車管理に問題がありますね!
無造作に洗われていない限りはここまでの傷は付きません。
取りあえず02コースで磨き始めてみましたが、傷の深さにほとんど歯が立たない・・・
しかも過去に磨きや部分補修された際の問題点がいたるところに露見してきます!
取りあえず現在の状況をお客様にお伝えして対処方法をご相談、
「残念ながら02コースでは傷はほとんど残ってしまいます・・・」
「膜厚も新車時は少なく見ても150μ以上はあったはずですが、現在厚いところで127μ薄いところは110μ程度しかありません。」
「傷を処理するため02プラスで磨けばほとんど処理は可能ですが、ただし10μ位は研磨する必要があるでしょう。」
「今後長期にお乗りになることが前提でしたら、傷はある程度目をつぶって、こまめに磨いて塗装表面の艶感の維持にとどめたほうがいいような?」
と私の考えをお伝えすると、
「そうだね、深い傷はしょうがないでしょう!」
「こまめに磨きに出して、その都度艶を維持するためのリセットを行うようにしましょう。」
と結論が出て、02磨きで膜厚残存優先とすることとなりました。
白い点々は飛石痕・・・
こればかりは磨きではどうにもなりません・・・
オリジナル塗装にこだわらなければ、そろそろ全塗装でリセットということもありの様な気がします。
確かにオリジナル塗装を超える塗装は再塗装ではまず無理ですが、意匠性に問題を抱えたオリジナル塗装もどうか?
とも言えます。
私自身は再塗装は色替えをしなければこだわりはありません。
だってきれいなほうがいいじゃないですか!
実際昨年購入したデモ車のエキシージも、納車後すぐに飛石痕が気になって全塗装してしまいましたから・・・
其れなりには傷は処理できましたが、納得のいく磨きには程遠いレベルであることは3μの研磨膜厚ではしょうがありません・・・
しかし傷残りはあっても傷のエッジ部分に丸みをつけてあげることで、
かなり強い反射光でなければ目立たないようにはなりました。
今回のコーティングは、ガラスコーティング+ザイモールWAXですので、ザイモールWAXのカルナバ蝋の艶で更に傷は見え辛くなるでしょう!
BMW ビーエムダブリュー Z8 コーティング&ザイモールWAX終了
何とも言えない深い艶に覆われています!
マーベラスフィニッシュ・スノーガードの持つ独特のとろけるような艶と、
ザイモールWAXの品のある艶がうまくコラボレーションしています。
こんな感じで奥様もザイモールWAXの艶とは知らず、不思議な艶を放つZ8に不信感を持たれたようです。
確かにゴキブリの様な“妖艶”な艶?
しかし表現がちょっと・・・
まだまだ長く乗られるお車ですので、くれぐれも洗車の際の傷入れだけは気を付けてください!
いつもご利用いただきましてありがとうございます。
車輛クラス:クラスX-2
施行コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング×ザイモールWAX(チタニウム)+02磨きコース(軽度の磨き)+エクセペル・ペイントプロテクションフィルム(ヘッドライトカバー+ウインカーレンズ
施工料金:153.237円税込(リピーター割引-20%・お持込お引き取り割引-10%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨き+10%・ソリッド割増磨き+10%・材質割増磨き+20% 適応)
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