2012年05月19日公開|トヨタ
納車後1か月が経過したお車ですが、その間一回も洗車はされずにご入庫になりました。
当然ボデイは汚れまくり、傷の確認どころではありませんでした・・・
これは洗車後の状態ですが、ボデイ・ウインドウともに水染みだらけになってしまっています・・・
しかもすでにイオンデポジット化してきており、
塗装やスカイライトの樹脂ガラスには多少の食い込みが起き始めています。
この段階ですでに“新車割引は対象外”となってしまいます。
なぜ新車をこのような状態にしてしまったのか?
皆さん疑問に思われますよねー
実は今回初めて202をご購入されて、磨きまでの間に洗車で傷を入れてしまうことを恐れて洗車をされずに、水をかけるだけで拭き取りをせずに放置して乾かしていたそうです。
この時期ですとこの選択は最悪です!
というのは、黄砂と花粉の時期ですからこれに大気中のシリコンオイルやアルカリ性無機物などが混じり合い、それが汚れとなり付着します。
そこに水道水をかけることにより水道水に含まれるアルカリ性ミネラル分が、
先についた汚れが堰となりさらに堆積を起こしやすくなります。
お客様曰く、
「自分でやってしまったことなのでしょうがない・・・」
とのことでしたが、問題はここまでなってしまうと202では02磨きコースでは処理できないかも?
お客様としては新車ですしどうせ磨くのだから完全にきれいになさりたいとのことで、
02コースでダメであるならば02プラス磨きコースでとのこととなりました。
取りあえずは洗車を行い汚れを落としてボデイの状態を確認してからの判断を行う必要があります。
本来であれば、お持込の段階で洗車がされていればボデイ確認ができるのですが・・・
どうせ磨き前に洗車をするから!
確かにそうなのですが、問題はお持込時点でお車の状態がお客様御立合いの上で確認でき、それをもとに施工のコースを検討できることが必要です。
お見積もりや、ご入庫時には必ず洗車をされてからお越しください!
お願いいたします。
いざ作業を開始して洗車をしてみると、この状態・・・
これ本当に新車?????
ボデイ全面に傷・・・
しかも浅いものから深いものまで、さらにはギヤアクションポリッシャーで軽く磨いてみるとそれらの傷の下にはシングルポリッシャーによる磨き傷まで入っています。
当初問題と思われた水染みは02コースでもほとんど処理ができることは判ったのですが問題は傷・・・
当初水染みの状態から02プラス磨きコースとの選択を考えていましたが、傷の状態での変更となりましたので、一応お客様に連絡をしてみると、
「洗車は納車から一回もしていないので自分で傷は入れてないはずだから、
納車時からその状態だったことになる。」
「確かに納車時にも傷があるな、とは思ったけれどそんなにひどいの?」
とのことでしたので、お客様からディーラーに連絡を取り両者立ち合いをお勧めしました。
数時間後にはまずお客様そしてデイーラーの営業マンとサービスマネージャーが到着しましたが、デイーラー側の態度の悪さは来店した段階からあり得無い態度・・・
工場入り口は立ち入り禁止の看板があるにもかかわらず、
声掛けもなしにいきなり入ってきます。
そして
「カローラ○○です、車見せてください。」
こんにちわとも言わず、名乗りもしません。
目を吊り上げて、ふてくされた態度で言った言葉は、
「トヨタの新車はみんなこんなもんですよ!」
「このように照明を当てて斜めから透かして見れば傷があるのは当たり前ですよ!」
これ営業マンの発言ですけれど、これを行ったら終わりでしょう・・・
サービスマネージャーはまだましで、
「この車以外の202の新車はどうですか?」
「このくらいの傷はありますよねー」
とのことでした。
何言ってるの,新車なのだからこのような程度の車あるわけなかろうが!
お客様のディーラーへの要求は、
「本来新車なのだから磨きは02コースでよかったものが、傷のおかげで02プラスへの変更をしなければいけなくなったので、その差額を負担しろ!」
とのことでしたが、問題は納車時に傷の指摘をしていないことです。
しかも1か月たってからの傷の指摘では、これはディーラーも認めるはずはありません。
これはこのディーラーに限らずどこでも同じ判断でしょう!
これに限って言えば当たり前のことで、1か月間お客様が傷を入れていない証拠はないからです。
しかし問題は、
営業マン・サービスマネージャーの新車であっても傷があるのは当然の様な発言です。
すべてのお客様は新車である以上傷はないものという前提で車を購入されているのでは?
購入前に車はすべて新車であっても傷がありますと説明しているのですか?
其れでも買う人っているのですか?
結論は会社に帰って検討ということになり両者帰られ作業再開となりました。
とにかく傷は尋常ではありません!
弊社に入庫してきた202の車の中では使用過程車よりも程度は格段に悪い・・・
正直この状態で納車されたとは考えずらいのも事実!
となると考えられるのは実は多少の洗車は行われていたか?
あまりに汚れすぎ多少触っただけでも傷が入って行っていたか?
というお客様自身の責任によるものか?
メーカー出荷時もしくはディーラー納車時にポリマーで傷を隠していて、1か月たつことでポリマーが効果を失い傷が露出してきたのか?
今となっては真相は判りません・・・
ただし、たまたまこのお車のファーストカット作業中に他社のディーラーマンが2名来店したので参考までにこのお車を見てもらい、
「貴社であればどうします?」
と聞いてみると、
2名とも意見は同じで、
「この状態が入庫時の状態だったとしたら、
手を入れて直すとかではなくメーカーに返します。」
「基本的には新車に傷があること前提での納車はしません。」
ごもっとものご意見です!
「ただし1か月経ってしまってからの塗装の傷のクレームは無理です!」
これもごもっとも!
後はお客様とディーラーの話し合いですので、私の仕事はいかにこのお車のクオリテーを作り出すかです!
磨いていくとほとんどの傷は軽いスクラッチですが、その中に隠れた線傷、これが結構深い・・・
しかもその線傷に隠れてシングルポリッシャーの傷がありさらに深い・・・
それらの既存傷と磨きで傷の置き換えをすることで付いていく傷を区別するために、通常はファーストカットはシングルポリッシャーで行いますが、今回はギヤアクションポリッシャーで行うこととしました。
こうすることで既存傷がどの深さまで到達しているのかを、
今回の磨きで入る傷との判別がつけることができるからです。
既存傷のシングルポリッシャーの傷は半円形半径7~8センチくらいの傷、線傷は当然直線状の傷です。
ファーストカットで入れてしまう可能性のあるギヤアクションポリッシャーの傷は~このような形で長さが3~4センチ位。
明らかに傷の形が違うので簡単に判ります。
磨き前膜厚は202としては厚めの127μ。
この後磨き工程でこの膜厚に助けられました。
なんとかここまで回復することができました!
202でここまで程度の悪いものを磨き上げることは至難の業です・・・
しかもプリウスの202の塗装はコストダウンの一環として塗装後の焼が甘く、
簡単に言うと半熟卵のようなものと我々の業界ではよく言われます。
つまり新車時ほど塗装が柔らかく磨きが困難なのです!
今回は本当に苦労しました・・・
なんとか新車と言えるレベルに回復させることには成功しましたが・・・
なぜか左リアドア部分の傷は磨けど磨けどいっこうになくなりません。
結局パネルをうめつくしている傷をなくするところまで磨いたら15μの研磨となってしまいました。
新車としてこの研磨厚は問題ではありますが、ここまで研磨しなくては傷は目立ちまくりでした・・・
それ以外の部分は写真のように121μ、約6μほどの研磨で済みましたが、部分的にはかなり深い傷の部分もあり、傷のエッジを丸めて見えにくくするレベルに抑えている傷も存在します。
これ以上は膜厚を薄くしてしまうので攻めることは良くないでしょう!
ルーフのスカイライトパッケージの大きな樹脂ガラスですが、
ご入庫の際には水染みに覆われていました。
これはオーナー様の放置によりなってしまったことですが、
今回お選びいただいたコーティング マーベラスフィニッシュ・チタンコンビネーション×光触媒ボデイコーティングはこのような樹脂ガラスにもコーティング可能なのですが、この状態でコーティングをしてもすぐに剥離してしまい、さらには水染みの進行も加速させてしまうため、
ライトポリッシュで磨きスプラッシュビュー・ウインドウコーティングを行うこととしました。
しかし磨いてみて感じたことは、軽量化のためであるのでしょうが、このような大きなスペースに簡単に傷の入る樹脂ガラスを使えば、
洗車のたびに傷が入りそれほど期間が無くても傷だらけとなってしまうでしょう・・・
大きなスペースだけにそのような状態は目立つでしょうね・・・
新車販売時のお客の飛びつきだけを考え、以降のメインテナンス性を無視した車作り、
トヨタの姿勢には疑問を感じます!
TOYOTA トヨタ プリウスa Gツーリングセレクション・スカイライトパッケージ
コーティング終了
確かに磨き上げれば202は非常に艶が生まれきれいな塗装ですが、この状態を維持し続けることは至難の業です!
施工前にあそこまで悲惨な状況になっていたことを思い出せば、あのような状態にまたなってしまう可能性があるということになります。
今回ガラスコーティングは施工してありますが、
だからと言って傷が全く入らないわけではありません!
犠牲被膜として塗装に入る傷を受け止めるのがコーティングの仕事です。
そこで入った傷が、ほかの塗装色とは違い202ではよく見えてしまうのです!
“悪魔の塗装202”の特徴です・・・
お車をお引き渡し後、1か月点検をかねてディーラーに今回の傷についての賠償の話し合いに行かれたそうです。
結果は予想付きますが・・・
後日このようなメールをお客様から頂きましたが、この結果についてはやはり予想通りの物でした・・・
納車時点での指摘ではないので、1か月後の状態について認めるわけはありませんし、当然謝罪やお詫びなどするわけはありません。
これに関してはしょうがないでしょう。
ただしこの中に疑問点が?
赤線の部分の「トヨタに確認したら・・・・・」
の件ですが、はたしてメーカーがこのようなあいまいなことをいうのでしょうか?
ましてやこのお車の施工前の傷の状況の写真を撮っているわけでもありませんから、
メーカーは現状を知らない見てもいないのです。
疑問に感じトヨタ本社に問合せしてみました。
「トヨタ自体にデイーラーが納車する時点での傷の基準はあるのですか?」
と聞いてみるときっぱり、
「ありません!」
「あくまで常識的判断でディーラーの考え方に任せていますし、それに対して意見する権利はメーカーにはありません。」
とのことでしたが、これ自体無責任の様な気がしますがね!
続けてこのメールにあるメーカーからの回答は事実なのかを確認すると、
「基準が存在しないのですから、ディーラーからそのような質問があったとしても太陽光で確認できる云々の回答はしません!」
「ですから、ディーラーに対してメーカーが答えることではありません。」
ということは、ディーラーは“嘘”ついているということ?
納車後時間経ってのクレームですから賠償をしないのは当然なのはわかります。
しかしそのために嘘までつくとしたらそれは違うでしょう!
更に3の部分の、「他の新車も変わらない・・・・・」
これもおかしくないですか?
2の部分で納車時点で傷がなかったと主張するのであれば、ほかの新車を引き合いに出すのは変でしょう。
これを言うということは、“すべての新車に傷がある”と言っているようなものです!
もっとも弊社にディーラーマンが確認に来た時に営業マンは、
「トヨタの新車はみんなこんなもんですよ!」
「このように照明を当てて斜めから透かして見れば傷があるのは当たり前ですよ!」
といっていますからそういうことなのでしょうね!
ほとほと呆れかえってしまいます!
すべてのディーラーやディーラーマンがこのような意識ではないでしょうが、
このような低レベルの感覚で新車を販売しているディーラーやディーラーマンがいるのも事実です。
新車をご購入される際にはよくよく人を見て決めたほうがいいですよ!
当然お車の状態はきっちり確認してください!
曇りの日や雨降りの納車時は、水銀灯で照らしてもらうなり、
ペンライト持参で行くなりの慎重さが必要でしょう!
このディーラー友人を介して弊社に文句を言ってきましたが、
弊社は別にディーラーにいちゃもんをつけているわけではありません。
お車の現状を正確にお客様に伝えただけのことで、それが仕事ですから!
またこれが許容範囲化どうかの判断は、お客様に聞かれれば私個人の主観でお答えします。
それだけのことです。
ですからお客様にも1か月過ぎての傷のクレームは無茶であることも伝えていますよ!
ただし弊社のスタンスはディーラーをかばうことではなく、お客様は施工ご依頼をいただいたオーナー様ですから守るべきはお客様であるのは当然でしょう!
意見・文句があるのでしたら直接弊社に連絡するなり来店するなりされてください。
毎回他人を介して嫌がらせをするのはあまりにも姑息ですよ!
喧嘩するなら正面からどうぞ。
もっとのそんな暇があるなら、発言の是非の検証や、納車クオリティーにつて見直されたほうがいいのでは?
お客様は今回のごたごたでさぞや神経を消耗されたでしょうが、いい勉強と思うしかありません。
お金も当初の予定を上回り掛かってはしまいましたが、お望みのクオリティーになったことでよしてして、水に流しましょう!
後はせっかくの新車カーライフを楽しみましょう!
車輛クラス:クラスL
施行コース:マーベラスフィニッシュ・チタンコンビネーション ガラスコーティング×光触媒ボデイコーティング+02プラス磨きコース(傷取り磨き)+スプラッシュビュー・フッ素ウインドウコーティング(ルーフ×ライトポリッシュ)+エクセペル・ペイントプロテクションフィルム(ドアカップ×4か所)
施工料金:161.442円税込(お持込お引き取り割引-10%・耐スリ塗装割増磨き+30%・濃色車割増磨き+10%・ソリッド塗装割増磨き+10% 適応)
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