2012年05月03日公開|ホンダ
初代シビックタイプRです!
この当時のタイプRが一番ホットなモデルなのではないでしょうか?
代を重ねるごとに馬力は増していきますが、車重も100kg単位で増えていってしまっていますので、本来のタイプRの軽量という最大の武器が色褪せていってしまっているように感じます。
スポーツモデルのホットハッチに求めるものはなんなのか?
走りの機敏さではないでしょうか!
GTカーの様な無駄な装備は必要ではないでしょう・・・
それはほかの車種やグレードに求めればいいのでは?
“二兎を追うもの一兎を得ず”
でしょう。
このタイプR専用レカロシートはすわり心地最高!
ホールド性も下手なフルバケットを超えています。
色合いもチャンピオンホワイトのボディカラーとよくマッチングしています。
今までレカロのシートはあまり好きではなかったですが、このシートは私の体にはベストフィット上半身・下半身とも非常にいい感じで収まります。
今のスポーツタイプと違い非常にシンプルなデザインですが、逆にそれが新鮮に感じさせスポーティー感も感じさせられます。
高級車ではないので、あえて高そうに見せようとしない潔さが逆にすっきり見せます。
このようなホットモデルは変に輸入車と対抗しようとして飾るよりは、このように割り切ったつくりのほうが差別化できるのでは?
メーターも無駄なこっったつくりはしていません。
必要な機能だけが集約されていますが、これで十分でしょう!
見やすい=スポーティー 基本ですね!
しいて言うならスピードとタコが逆だったらさらによかったのに。
当然スポーツペダルが装着されています。
が、ちょっとペダル間隔には不満を感じます。
おそらくレイアウト自体は通常モデルと同じだからでしょうが、アクセルペダルとブレーキペダルの間隔がちょっと広いような気がします。
ヒール&トゥがやりにくそう・・・
日本の小型スポーツエンジンとしては傑作と言えるVTECエンジンです!
1.6LNAでありながら185PSを絞り出します!
1.000kgをちょっと超える車重ですからこれで十分すぎるほどの加速感を味わえます。
このようなエンジンは作り続けてほしいですね!
今回の施工依頼の一つ、
ライトカバーの磨き&コーティングです。
向かって左が磨き施工終了、
右が施工前ですがその差は歴然としています。
ヘッドライトカバーの曇を取る施工方法には磨いて取る方法と、薬剤で溶かしてとる方法がありますが、薬剤で溶かす方法はクリアーだけでなくカバー自体の樹脂までも溶かしてしまうので、
樹脂を傷めてしまい曇りの発生するサイクルを早めることになってしまいます。
ただしこの方法は施工料金は安いようです。
弊社では薬剤を使用する方法は行わず、磨きにより傷んだクリアーもしくは樹脂を取り除きます。
今回はヘビーポリッシュですから、#1.500番のペーパーから6段階の磨きを経て曇りのないヘッドライトカバーに生まれ変わらせます。
其の後ヘッドライト専用のガラスコーティング剤を使用して保護コーティング膜を形成させます。
ただしこのコーティングは残念ながら耐久性は1年程度となってしまいます・・・
これはコーティング剤の性能上の問題ではなく、素材に起因することなのです。
ガラスコーティングが強い密着を生むのはスパイク効果と官能基というものの存在が重要ですが、樹脂の場合はこの2つが金属上に塗装されたボデイと比較すると非常に少ないため、
強い密着をすることができないのです。
一度劣化してしまったヘッドライトカバーは定期的メインテナンスが必要となります。
更なる耐久性を望まれる場合は、プロテクションフィルムという選択肢もありますが、価格的にはコーティングの4~7倍程度の負担となってしまいます。
耐久性的には約5倍程度です。
ただしフィルムの場合は傷つきや飛び石から守ってくれるメリットがありますからその分がお得かも?
今回はさらにスプラッシュビュー・ウインドウコーティングのご依頼もいただきましたが、さすがに12年経過車ですので傷が多くフロント基本セットはヘビーポリッシュでの施工となりました。
フロントガラスはワイパーにより傷が入り、フロントサイドガラスはウインドウの開け閉めで傷が入ってしまいます。
これは可動部分ですので傷を防ぐ手立てはありませんので仕方がないことです。
まずは鱗落し剤で付着している鱗を落し、隠れている傷をはっきり視認できるようにします。
傷は自然に付着しているシリコンオイルなどにより大半は隠されていますが、
この隠された傷が夜間や雨天の視界を悪化させています。
鱗落しが終了するとこの通りワイパー可動部分は白く傷が浮き出てきます。
普段は気づいていないだけで、ここまで傷が入っているのです!
これでは視界は良い訳がありません・・・
ヘビーポリッシュによりあれだけ鮮明に見えていた白くワイパーの可動範囲にあった傷がなくなっています。
ただし爪が入り込めるような深い傷は一部残ってはいます。
このレベルの傷までも処理しようとすると、研磨厚が多くなり過ぎガラスの歪みを生じる可能性があるため深追いは禁物なのです。
リアガラスは多少の傷は視界の妨げとなるわけではないので、ライトポリッシュで施工します。
ガラスのサイド部分や下部にはかなり頑固な水染みができてしまっていますが、これをライトポリッシュで削り落としていきます。
ただし付着しているだけの水染みならば処理できますが、長期間放置されたものは付着した水染みがガラスを溶かし食い込みを起こしている場合がありますので、これに関してはヘビーポリッシュでも対処は無理な場合もあります。
後はガラス交換ということになってしまいます。
そうならないためには水染みの付着を防ぐためフッ素によるスプラッシュビューコーティングの様なものをするか、水染みの初期段階で早め早めに処置するか、車庫保管にするなどの処置が必要となります。
やはりすでにガラスに食い込みを起こしてしまっている部分がありクレーター状に食い込みをされてしまっています・・・
ほとんどの水染みは除去できましたが、1/100くらいは残ってしまいました。
放置管理をしてしまった代償です・・・
まめに管理をされてこなかった代償はボデイにも顕著に表れています・・・
ボデイ全体にすごい量の鉄粉が食い込んでいます!
すでに食い込んだ鉄粉が錆びその周りの塗装を酸化させ始め穴が開いてしまっているところさえあります。
こうなると下地の鉄板までもが錆び始めていきます・・・
オーナー様には申し訳ない言い方になりますが、あまりに管理がずさんです!
これはフロントバンパーを補修塗装された際のクリアーのボカシ跡が剥離し始めています・・・
価格を押さえて塗装を行うと数年以内で必ずこのようなことが起きてきます。
補修塗装される際はきちんとパネル全体にクリアーを再塗装するように指示することが肝心です!
安物買いの何とやらにならない注意が必要です!
ポリッシャーをかけていくといとも簡単にサフェーサーが透けて見えるようになりました・・・
膜厚全くありません!
補修塗装の際に足付けなどで何回か磨かれ、膜厚が全くなかったようです。
残念ながら樹脂部分などは膜厚計は計測ができないため、事前に防ぐ手立てがありません・・・
このようなことにならないためには、補修塗装はケチらずにきちんと施工方法を指示して、きちんとした仕事をする塗装屋さんに依頼することです。
ディーラーに任せきりも安心はできませんよ!
いたるところWAXの拭き残しだらけ・・・
かなり雑な管理が8年間積み重ねられていたようです。
其れと水染みが一緒になり頑固なこびりつきになっています。
当然このような淵・溝の部分はポリッシャーなど使えませんから手磨きなのですが、こびりついたWAXかすが塗装と同化していてこびりつきを手磨きすると塗装まで剥がれてきてしまいます・・・
これ以上の作業は無理!
WAX掛けはきちんと細部に入り込んだWAXをその都度きれいにふき取りしていかないとこのようなことになってしまいます・・・
この当時の塗料は油性塗料、WAXも油性、長期放置してしまうと成分同士が同化してしまいます。
DIYメンテナンスはきちんとやらなければ逆に車を傷めたり余計汚してしまうことになりかねません。
きちんとやるか、プロに依頼するかどちらかでしょう!
あれだけ塗装面に鉄粉が刺さっているのですから、傷の状態もすごいことになっています。
お客様の磨きのコースのご希望は03磨きコース・・・
しかし現状の状態にそこまでお金をかける価値は正直無いのが現実です。
WAXのこびりつき、補修塗装の色違い、補修塗装のクリアーボカシ痕の出現、モール類の劣化など磨きでは回復不能な部分が多すぎます。
この状態からの意匠性の大幅な改善は全面塗装後、劣化したパーツなどを交換した後でなければ意味がありません。
ホンダの塗装ですから塗料自体も品質は良くありません。
しかもソリッドですから紫外線劣化による退色・白華も起きてきています。
このようにご説明したのですが、納車の際にお客様から、
「ホンダの塗装はぼろい、とか言うのでなんて失礼な人だろうと思いました。」
とその時の心境をお聞きしましたが、
事実を事実通りお伝えするには本音で話さなければただのごますりに終わってしまいます。
提示している膜厚はルーフ中央の膜厚ですが、111μあります。
しかし何か所か膜厚を測っていくと、凸部のエッジ部分は60~80μしかありません・・・
理由は過去の磨きでエッジを削りまくられていることと、ソリッドホワイトの専用WAXは研磨剤を含みますからWAX作業でも塗装を削って行っていたのでしょう。
どちらにしても03磨きコースはやらなくて正解でした!
もし行っていたら、エッジ部分はほとんど下地が出る羽目になっていたでしょう・・・
塗装表面の劣化した部分、くすみの原因の一部を磨き落とすことでここまで艶が回復し、
チャンピオンホワイトのきれいな色が復元されました!
しかしあれだけ悲惨な状態からの回復ですから磨き工程だけで5日も消費してしまい大赤字となってしまいました・・・
施工前と施工後の意匠性の変化は顕著ですので磨いていて面白いのは面白いのですが、なにぶんにも趣味だけで行っている作業ではないので、毎回この手のお車では商売としては成り立たなくなってしまいます。
これはもうちょっと磨きのコース自体を改善して、車両の程度に合わせた料金設定が必要だと認識させられました。
近日中に磨きコースの細分化と料金設定の見直しをすることとなりました!
磨き後膜厚は102μ、平面部分はまだ数回の02コースの磨きなら可能ですが、前でもふれたようにエッジ部分はすでに限界膜厚を通り越していますから、磨きはこれが最後でしょう!
お客様のご希望された032磨きコースから02プラス磨きコースに変更していただいて、研磨膜厚は9μ。
これがもし03磨きコースで施工していたら残存膜厚は100μを切ってしまっていたので変更のご案内は正解だったでしょう!
せっかくのスポーツマフラーも素材がなにかも解らないほど汚れていました・・・
本当に手入れがされていません!
通常は手磨きで対処する部分ですが、その程度では全く状況は変わらないため、リューターを使用してのマフラーエンド磨きを行いました。
機械の届く範囲に限界があるためにマフラーエンドの3/5までが限界となってしまいましたが、通常の目線的にはこれできれいに見えます!
どんなものでも普段の管理クリーニングをこまめに丁寧に行うことが物をきれいに長く使用することの基本です。
雑な扱いや放置された後いくらメインテナンスしてみてもおのずと限界はあります。
大事なものはきちんと管理を!
HONDA ホンダ シビック タイプR コーテイング終了
どこまで意匠性の回復ができるかの予想がつかない中での作業でしたが思ったよりもきれいになりました!
ただし細部に至ってはすでに手遅れの部分が多くありますので、至近距離からまじまじ観察すると問題点はたくさんありますが、1m位の距離から普通に見れば恐ろしくきれいな車に見えます!
作業週番に遊びにいらした常連のお客様もご覧になり、
「この年式にして恐ろしくきれいに管理された車だな!」
「オーナーはきちんと管理してきていたんだな!」
と感嘆されていましたが、
「何言っているの磨きに磨いてやっとここまでにしたの・・・」
というと、
「そーだよな、ここまできれいな初期型タイプRあるわけないよね!」
とのことでした。
お引き取りに見えたお客様も完成車両をご覧になり、
「予想していた仕上がりよりもすごくきれいになり、艶もすごい!」
とご満足いただけて様です。
今回はタイミングよく春のツーリング前の施工でしたのでお誘いしてみると、ご参加いただけるとのことで、弊社恒例のバトルツーリングにご参加いただきました。
今までで最高の走行距離でしたのでさぞやお疲れだったとは思いますが、いかがでしたでしょうか?
スポーツカーの性能を引き出して走る楽しさを再認識していただけたでしょうか?
もし今回で懲りられていないようでしたら、秋のツーリングfrom京都是非ご参加を!
くれぐれも車両管理はこまめに行ってください!
車輛クラス:クラスM
施行コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+02プラス磨きコース(傷取り磨き)+スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティング(フロント基本セット×ヘビーポリッシュ+リア×ライトポリッシュ)+ヘッドライトカバー・ガラスコーティング(ヘビーポリッシュ)
施工料金:149.310円税込(お持込お引き取り割引-10%・ソリッド割増磨き+10% 適応)
メーカー別
月別バックナンバー