2012年07月04日公開|メルセデスベンツ
わざわざ千葉県からご依頼をいただきました!
現行システムでは最後の県外引き取り車輛となります。
といっても千葉県までは200kmを超えてしまいますので、府中ICでの待ち合わせです。
当初のお約束では代車はベンツE430をお出しする予定でしたが、6月月初よりお預かりしていた東京のお客様のお車が、施工途中で全面クリアー再塗装となり工期が大幅にずれ込んでしまい、こちらのお客様にベンツE430が出てしまっていたために急遽代車はイプサムに変更となってしまいました。
これが後々トラブルの一因となってしまいましたが、お約束は守れなかったことは申し訳ないのですが、代車はあくまでサービスで無料でお出しいていることですので、車種変更は都合によりありうることはご了承ください。
引き取りの際にイプサムを積載車に乗せ高速道路を走る際、非常に積載車は不快な跳ねかたをします・・・
車の重量バランスが悪いのです!
イプサムに限らず多くの国産車を積んだ時に起こる前積状態です。
つまりイプサムの重量バランスが非常に悪い、フロントヘビーということです。
引き取りの際は中央道は下りにもかかわらず全くスピードが出ません、にもかかわらず燃料メーターはどんどんと減っていきます。
これが前積状態です。
しかし引き取り後のベンツC180を積んだ状態では、積載車は全く変な跳ねかたをしません!
つまり重量バランスが良いということです。
帰りは登りにもかかわらずスピードも乗り、なおかつ燃費も下りの時より全然良い!
実車に乗った時より積載車に乗せたときほほうが車の良し悪しは判りやすいかも?
当然これらの違いにはサスペンションの違いも顕著に出ています。
ルームミラーで車の動きを確認していても、イプサムは跳ねたときに一回では落ち着かず数回跳ねを繰り返します。
しかしC180は跳ねるというより積載車の動きと同一の動きで収まっています。
これ等の積載状態の違いはイプサムとベンツC180だけの違いではなく、国産車と輸入車全般の違いです。
ベンツだから特別な訳ではなく、商用車であるカングーでもこの違いは出てきます。
国産車のトータルでのバランスはまだまだのようです・・・
こちらのお車はオーダー生産で、在庫車両ではないとのことで、車両程度は最高の状態との事です。
たしかに引き取り時の自然光の状態では軽いスクラッチが多少確認できただけでした。
問題は工場のライティングでどうか?
たしかに工場のライティングでも傷はほとんどありません!
ただし数か月かけて日本に到達しているのですから全くゼロという訳にはいきません。
洗車をして納車時のポリマーを落としてみるとやはり多少は出てきます、傷が・・・
しかしほとんどはヘアースクラッチレベルですから02コースの磨きでほとんど処理できるでしょう!
膜厚もCクラスベンツとしては、ほぼ平均値の数字です。
トップ部分の1回目の磨きが終わり側面へ。
するとどうでしょう、リアバンパーは傷に覆われています・・・
御客様も納車時に相当点検されたようですが、おそらくポリマーで隠れていたのでしょうね!
もっともポリマーで隠れてしまうものを傷というかは微妙です。
もっとも我々磨き屋からするとこれも立派な傷です!
だってこのレベルで施工終了納車なら絶対クレームですからね・・・
ごくごく浅いヘアースクラッチでしたのできれいさっぱりなくなりました!
なぜか新車の場合バンパーなど樹脂部分にはスクラッチ傷が大量に入った車が多いのはなぜ?
疑問です。
ご納車時お車をくまなく点検するお客様!
するとリアバンパー右かドアあたりにうっすら傷が・・・
「磨きとれなかったのですか?」
「浅い傷だと思うのですが?」
と言われてしまいました・・・
たしかにここに傷があることが分かっていれば簡単に磨きとることのできる傷です。
しかしいくら照明を当てて丁寧に確認しながら施工をしても、10㎡以上の面積を限られた時間の中で磨かなければいけませんので、100%傷が発見でき磨きとれるのかというと現実には無理なのです。
ただしだからと言って磨き残しの傷があっていいことではありませんので、
いかに探し出すかの努力は惜しまず行わなければなりません。
まだまだ精進が足りません!
この傷は違いますが、傷が残っていることが分かっていても磨きとるまで施工しないこともあります。
弊社のシステムは、車両の状態に合わせ事前に磨きのコースを設定します。
各コースにより磨きの回数が決まっています。
今回の場合を例にとれば、02コースはスポンジバフで3工程の磨きとなります。
1工程あたり同一部分で3回が最大バフリングです。
つまり最大バフリングで9回同一箇所を磨くことになります。
これで残ってしまう傷に関してはこれ以上は磨き込むことは致しません。
たしかにお客様からすれば、
「そこに傷があることが分かっているのなら磨いてよ!」
という気持ちになられるのは判るのですが、そうなると磨きの時間はエンドレス・・・
決まった料金の中での作業ですから、それを突き詰めてしまうと大赤字になってしまいます。
いくらこだわりの仕事とはいえ、商売であるのも事実です。
出来うる範囲の中でできるだけのことをする!
これが技術として差が出てくる部分でしょう。
より100%を目指して精進しなければなりません!
施工前の洗車の時点で発見してしまった水染み!
白い丸の中にあるのが初期症状の水染みです、これが放置されると鱗に成長していってしまいます。
ちなみに白い細かな点々はコンパウンドダストです。
写真は脱脂前での撮影のためちょっと判りづらくなってしまっています。
しかしこの発見してしまった水染みが今後大きな波紋を呼ぶことに・・・
発生している部分はルーフのパノラミックルーフ、ウインドウガラスにはありません。
ルーフ部分はどうしても傾斜が緩い為に水が残りやすいので、最初に水染みの付着を起こす場所です。
発見直後ちょうどお客様からのTEL。
この状態をご説明したのですが納車時には確認できなかったと疑心案偽・・・
追加施工のご案内は極力しないのが弊社の方針ですが、
この状態今は良いですが数か月後にはかなり目立つ状態になるのは露天駐車とお聞きしているので確信が持てます。
ましてやルーフガラスの下は車内から丸見え!
かなりこだわりが強い方のようですのでこうなってしまえばかなり“がっくり”することは確実でしょう。
ですのであえて追加施工でルーフのみ鱗落しとスプラッシュビューフッ素コーティングをお勧めしました。
どうせならということで、全面ガラスを施工されたいとのお申し込みがありましたが、
鱗落しは新車であってもフロント基本セット部分には施工できないためお断りいたしました。
なぜフロント基本セットは鱗落しができないのか?
此処がまたトラブルの原因!
新車であってもワイパー可動部分やウインドウ開閉される部分は傷がない保障がありません。
目視で傷が見えなくとも、
傷は大気中のシリコンオイルが付着することで埋められてしまっている可能性があります。
もし傷があった場合鱗落し剤によりシリコンオイルは溶かされ傷が露出してしまいます。
そうなると人工的に再度シリコンオイルを傷に埋め込み傷を隠すことはできません。
これをやってしまうと視界不良を起こす可能性大となります。
傷を露出させてしまうと後はヘビーポリッシュで磨き落とすしかありませんので、施工費は大幅に高くなってしまいます。
そのためルーフ以外の施工はお断りしたのですが、説明不足のためかあまりご納得いかなかったようです。
この後見積書をお送りしたのですがこれが大失敗・・・
TELでご案内した金額と見積書が違っていました。
実はパノラミックルーフはフロントガラスの約2倍の面積がありますので本来ならばルーフ料金2枚分をいただいているのでそのように見積書は作成したのですが、
TELでご説明した際には言い落していたようです。
大変失礼をいたしました。
更にお客様は購入ディーラーにこの水染みの件を御問い合わせされたそうですが、
「陸揚げ直後からルーフには保護フィルムが貼られていて、しかも露天保管は一切されていないので水染みなど付くはずがない!」
「とのディーラー回答があったので、水染みがあるはずはない!」
とかなり弊社に不信感をお持ちになられてしまったようです・・・
しかし今までディーラーで数台のパノラミックルーフ車を見てきましたが、ボディに保護フィルムはあってもパノラミックルーフに保護フィルムが貼られた車はみたことがありません。
しかも陸揚げされたベンツが納車まで屋内保管ということも聞いたことがありません。
予想で語っていてもしょうがないので、ヤナセ本社に事の真実を問い合わせしてみると、
「パノラミックルーフに保護フィルムは貼られません、樹脂部分もありますから糊移りもしてしまいますから。」
「納車までの保管状態も作業時以外は基本的には露天保管です。」
「ただしこれはヤナセの場合ですのでぜったいほかのディーラーも同じとは言い切れませんが、基本的には同じでしょう。」
とのことでした。
私の認識はヤナセのおっしゃった認識でしたので、ルーフの水染みはある意味当たり前ととらえていました。
実際お越しいただく多くのお客様の新車は、国産車・輸入車の区別なくすでに多少の水染みはルーフガラスには発生していましたので・・・
問題はさらに水染みやイオンデポジットさらには傷に関しても、どこからのレベルがこれらトラブルとしての認識に当てはまる状態なのか?
ということです。
これ等にはきちんとした基準などあるはずもなく、個々の判断基準となります。
今回の水染みに関して弊社の基準としては、乾燥状態では見えなくとも、
多少湿った状態で水染みの輪郭が白く見えるものは水染みの初期症状と考えています。
ただしこの状態で弊社の使用するガラスクリーナークロスでそぎ落とせる場合は除きます。
乾燥状態で白く見えるレベルであれば鱗と判定します。
おそらくディーラーや一般の方の判断基準は乾燥状態で見えない限りは水染み付着はないと判断されるでしょう。
オーダー車輛ですので程度はかなりいいお車でしたので、メルセデス専用コンパウンド2種類を使用して3工程の磨きで肌感はかなりの艶を生み出しました。
このコンパウンド傷を取るためのものではなく、肌感を整えきれいな滑面を生み出すことが目的のコンパウンドです。
つまり艶感をより引き出すための特性を持ったコンパウンドということになります。
二兎を追うもののことわざ通り傷の処理能力はいまいちですが、
メルセデス特有の肌感を非常にきれいに整えることができます。
傷取りが目的ではないため2μの研磨で仕上がりました。
今回はとんでもない事故も起こってしまいました。
グリル下端部分の樹脂が可塑を起こしてしまいました・・・
当初はコーティング剤の吸い込み斑と思われたのですが、
実はマスキングテープの糊により樹脂の可塑剤が反応をおこし表面劣化してしまったのです。
樹脂やゴムには素材に柔軟性を持たせるためなどに必ず何らかの可塑剤が含まれています。
マスキングテープにも乗りの劣化を防ぐために必ず可塑剤が入っています。
この可塑剤同士が反応してしまいこのような樹脂表面劣化を引き起こしたのです。
このようなことはめったには起こりません。
ましてや新車の新しい樹脂では弊社で初めての事例です。
念のためヤナセ本社にも確認をしましたが、使用過程車ではかなりの頻度で起きているそうですが、新車では全国で今回が初めての症例だそうです。
現段階では回避の方法論は無いそうです。
ただしこのような理由により起こることですのですべての車に起こり得る可能性はあります。
このようなことが起こらないようにマスキングテープは一番粘着性の低いものを使ったり、
可塑剤含有量が少ないゴム糊は糊移りしにくい部分はこれ等を使用したりと、
事故回避の方法は考えて施工していても起きるときは起きてしまいます。
使用過程車の場合でしたらこのようになっても補修の手段はあります。
熱を加えたり、強アルカリ洗剤で洗うなどすることで全体をぼかすことで分からなくすることは可能です。
しかしこの方法は劣化部分を表面全体に広げることで目立たなくしているだけですので、経年劣化していない新車に施工することははばかられます。
本来であればこれらの事象は予想不能で、
これ以上の回避策がないことから瑕疵担保責任除外事項つまり免責となりますが、今回はこれ以外に連絡ミスや説明不足などによりお客様に御不快な思いをさせてしまったことなどがあったために、特例としてグリルを交換させていただくことといたしました。
今後少しでもこのような事故が起きないために、マスキングメーカーに対してパッキン剤の用意やより可塑剤の弱いテープの開発を依頼してあります。
更にマスキング施工前に下地処理として、
コーティング剤を塗り込むことで回避できるかなどを工業試験場に試験依頼をいたします。
Mercedes-Benz メルセデスベンツ C180 BlueEFFICIENCY
クーペ コーティング終了
どうですこの艶!
素晴らしい高級感のある艶です!
使用したコーティング剤はマーベラスフィニッシュ・プレミアムハイブリッド弊社のトップエンドコーティング剤です。
当然このコーティング剤だけでもすごい艶を作り出しますが、今回はそれだけではないのですよー
弊社新着情報ですでにご紹介している、
8月より販売予定の新商品コーティングガード・トップコート(仮称)をトップコートとして施工してあります。
これはシロキサン結合のシリコンでは無くエーテル結合の有機ポリマーシリコンとすることで、
レジン効果を狙ったものです。
これはレジン効果によりコーティング成膜初期に起こりやすい水染み付着や傷がつくことを防ぐためのものです。
ただしあくまでベースコートが完全成膜するまでを守ることが主目的ですので、
長期にわたる耐久性はありません。
紫外線の劣化や摩擦などで1~2か月で自然剥離をいたします。
有機ポリマーシリコンですので艶感はWAXの様な柔らかなテカリを伴った艶となります。
此のトップコートが自然剥離すると、
ベースコートのマーベラスフィニッシュ・プレミアムハイブリッドの柔らかな濡れた様な艶に変身することとなります!
今回は発売前ですが、お客様のたってのご希望によりモニター施工として特別に施工させていただきました。
いろいろ行き違い、トラブルはありましたがご納車時にはご納得いただけたようでほっと一息つけました!
いるいろ御不快な思いもさせてしまった部分がございましたが、悪意・嘘ではなく真実をご案内したことはご理解ください。
これから長いベンツライフが始まられますが、ベンツだからと言って構えてお乗りになられるより、足車のようにさらりと乗りこなすほうがかっこいいかも知れませんよ?
遠方よりのご依頼ありがとうございました。
車輛クラス:クラスM
施行コース:マーベラスフィニッシュ・プレミアムハイブリッド ガラスコーティング×コーティングガード・トップコート+02磨きコース(軽度の磨き)+ホイルガラスコーティング(前面のみ)+スプラッシュビュー・フッ素ウインドウコーティング(ルーフ×鱗落し)
施工料金:174.166円税込(雑誌購読割引-10%・新車割引磨き-10%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨き+10%・200km圏内引き取り納車費用 適応)
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