2012年08月30日公開|ホンダ
新規のお客さんですが、ご入庫前にボンネットとフロントガラスに飛石を受けられそちらの修理も合わせてご依頼いただきました。
この程度の飛石痕ですが、これでも冬など気温変化や車内・外気温度が大きく変動すれば割れてしまうかもしれませんので交換したほうが無難です。
リペアという方法もなくはないですが、幸いにも車両保険全損担保に入られていますので、実費負担はありません。
ただしそれもこの10月までで、
10月以降はすべての車両保険使用に関して等級変動をするようになってしまいます。
このような車両保険使用に該当するトラブルをお持ちの方は、10月までに受付だけしておけば、修理は10月以降入庫でも大丈夫ですのでご自身のお車をよく観察して修理個所がないかを点検してみてください。
今回はお客さのご希望で、旭化成のクールベールへの交換となりました。
どうせ交換するなら熱線遮断機能があるほうが良いですよね!
しかも価格はノーマルと同じですから。
ただしガラスのひずみ率はノーマル純正に比べ劣るそうですが、視覚的にはほとんどわかるレベルではないそうです。
この内装材微妙です。
シートにも同じ模様のものが使われていますが、暗いところで見ると模様なのか?
斑なのか?
と迷ってしまいます。
せめてもうちょっとはっきりしたコントラストのほうが良いような・・・
このペダル純正なのでしょうか?
5速MTなのでスポーツ仕様かな?
だとするとフットレストがないのは手落ちでしょう・・・
しかし110ps・1040kg意外ときびきび走りそうです、だだしCVTでは期待できないでしょうね!
ご多分に漏れず、ヘッドライトカバーのクリアーがすでに剥離してきてしまっています。
わずか5年でです・・・
樹脂カバーですのでしょうがないことではありますが、あまりに早い劣化です。
樹脂・クリアー共にコストダウンの粗悪品としか言いようがありません。
最近ではさすがにこのようなクレームが相次ぎ、メーカーもガラスレンズへの変更も検討されているとか?
しかしガラスレンズとなるとコストも高いですし、現在の様な奇抜で複雑な形状には作れないでしょうから、おそらくは樹脂のままでしょうね。
劣化ではなく剥離してしまっているので、クリアーは全剥離しなければいけません。
この作業は簡易施工店ではケミカルを使用して残っているクリアーを溶かして剥離するところが多いですが、これ最悪です!
溶かしてしまうのはクリアーにとどまらず、
樹脂自体も溶けるために施工後の劣化は急速に進行していきます。
そうなると同じ作業を数か月ごとに繰り返さなければならなくなります。
だったら、ライトユニットを交換したほうが良いかも?
弊社ではライトカバー磨きにははケミカルは一切使用いたしません、地道に磨いて剥離していきます。
今回は#1200~#3000~スポンジバフ3段階と総計5段階の磨きを行いクリアーを完全に除去していきます。
手間はかかる以上価格もそれなりにしてしまいますが、
ライトカバーの樹脂を痛めない唯一の方法です!
今回はヘッドライトカバー・ガラスコーティングではなくプロテクションフィルムでの施工としました。
クリアー全剥離してしまうと、コーティングではいいとこ6か月程度しか耐久性は期待できません。
これは、コーティング剤の性能は関係なく何を使用したとしてもこの程度しか持ちません。
あとはスパーハードクリアーを吹くという選択肢もありますが、
これも必ずひび割れなどの弊害を起こしてしまいます。
プロテクションフィルムが完璧とも言えませんが、飛石破損防止やキズなどから守れる複利効果もありますので、その分がお得でしょう。
ただしこのように3次曲面が強い形状ですと、無理やりフィルムを伸ばしたり縮めたりしなければならないため、このように部分的に糊ずれ痕が生じてしまいます。
ただしここまで近づけば見えるレベルであり、1m離れてしまえば全くわからないのですが・・・
国産車の場合特にライト形状が複雑ですので、此の位の形状が施工限界です。
ボデイはかなり深刻な状態です。
まずは傷、全体にくまなくついてしまっています・・・
洗車機による傷と思われるものから、手洗いでごみの引きずりで付けたと思われる深い傷まで様々です。
更には、ポリッシャー傷の致命的深さのものまであります。
次はルーフのイオンデポジット!
0.025㎡に一つくらいの割合で付いてしまっていますが、大きさやダメージの具合からしておそらく花粉か樹液だと思われますが、
すでにクリアーが酸化されてしまっていてこれは仮に04コースで磨いたとしてもすでに手遅れです。
駐車環境と洗車頻度が原因ですね・・・
最大の問題は膜厚・・・
磨き前の時点で76.8μしかありません。
ほとんどスズキの軽自動車レベルの膜厚です。
フィットはここまで本来膜厚は薄くないはず?
過去に板金補修をリアクォータパネルに行っているそうですが、ルーフのこの部分でボカシを入れていたため、このようにクリアーのボカシ痕ができてきてしまっています。
車両保険に入られているので、おそらく保険修理をされているはずですが、本来保険修理であればボカシを入れずにAピラーまで塗装可能なはずですが、ここでボカシを入れてしまっています。
これは私からすると手抜きという判断ですね・・・
クリアーボカシは塗装屋さんのうまい下手に係わらず、
必ずこのような状態が起きてきてしまいます。
ひどい場合は1年たたずしてボカシ痕が出現してきます!
これに関しても完全に磨きで痕跡を消すことは不可能です。
どこまで目立たなくできるかにとどまります。
磨き前の状態からすると格段に改善はされましたが、やはり完全にボカシ痕は消えません・・・
といのも、劣化したボカシ痕を処理してもどこかにボカシのラインは残ってしまっていますので、結局はいたちごっことなってしまいます。
板金塗装修理を行われる際には、必ず修理方法の確認と塗装範囲の確認は必要です!
仮に自費修理だとしても、そこで値切った分以上に下取りの際には査定落ちの理由になってしまいます。
つまり“安物買いの銭失い”となってしまうのです!
ルーフに関してもクリアーが酸化してしまったイオンデポジットは磨きとることはできませんでした。
逆にそれ以外の部分が磨かれきれいになることでイオンデポジット痕が目立つようになってしまう結果となりました・・・
少なくとも膜厚があと10μあればもうちょっとは改善の余地はあったのですが・・・
現状の膜厚と、クリアーの酸化状態からして、ある程度まともな状態が維持できる限界は5年くらいだと思われます。
もうちょっと早く処置していれば違ったのですが・・・
それ以外の部分はおおむねきれいにはなりましたが、いかんせん磨き前膜厚が少なすぎるため、これ以上の研磨ができません。
3.5μの研磨厚ですが、本来ならば磨き前の程度からして5μは研磨したいところでしたが、そこまで残存膜厚を落とすのは塗装寿命を縮めてしまうのでこれが現実的限界です。
結果多少の傷残りはありますが、意匠性上は艶も上がり残った傷も太陽光ではさほど目立たなくはなっています。
コンパクトカークラスに関しては、どこのメーカーでもおそらく使用限界は10年以内と設定していますのでしょうがないといえばそこまでなのですが・・・
そうは言ってもやるせなさは残ります。
HONDA ホンダ フィツト 1.5S コーティング終了
ご入庫時と比べると、別もの様な艶を放っています!
此の色磨き上げると非常に見栄えが変わります。
なかなかいい色ですね。
紫色って大昔は公家専用色で、武家や平民は使用禁止だったとか?
たしかに高貴な雰囲気が醸し出されているかも?
ただねー
もうちょっと良い塗料で、膜厚も厚く塗装してくれていればさらに意匠性は上がるのに・・・
きれいになったは良いことですが、問題はこの状態をどこまで維持することができるか?
いくらガラスコーティングが施工されているとはいえ、スノーガードは耐酸性・アルカリ性能力があるとはいえ、施工前のルーフの様な状態、
花粉や樹液が付着したまま放置されてしまえば、滲み出す物質は強酸・・・
さすがに長期付着には耐えられず溶けてしまいます。
いちいちその都度洗い流すことは難しいにしても、
せめて熱湯で付着し強酸を洗い流すくらいしておけばダメージはかなり軽減できるでしょう。
結局は車の程度の維持には、お金を払って何らかの措置を講じただけでは無く、その後のの管理の仕方のほうが影響は大きいのです。
完全なるメインテナンスフリーは車の外装ではあり得ないのです!
車の意匠性のコンディションを維持するには、
乗らない。
車庫保管する。
常に手入れを怠らない。
痛む前に処置を施す。
これ等の様な事が必要ですね・・・
実際には実践は難しいので、時には妥協・現状の諦めも必要かも?
“形あるものはいずれ壊れる”
人も車も同じですねー
車輛クラス:クラスS
施行コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティング(フロント基本セット×ライトポリッシュ)+ヘッドライトカバー磨き(ヘビーポリッシュ)+ルーマー・ペイントプロテクションフィルム(ヘッドライトカバー×クリアー)
施工料金:126.987円税込(お持込お引き取り割引-10%・濃色車割増磨き+10% 適応)
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