2012年08月14日公開|レクサス
焦っていたため施工前の写真を撮り忘れてしまっていましたが、こんな感じで“血液のシミ”ができてしまっていました。
御客様は2店舗ほど訪れ、しみ抜きをご依頼されたそうですが、素材がアルカンターラしかも色がこのような淡色となるとなかなかうまくはいきません。
下手をすると、シミを広げてしまい弁償・・・
となる可能性も高くなります。
おそらくこのシート弁償となると30~50万円くらいはするでしょうからねー
お電話で御問い合わせをいただき、内容をお聞きしてから弊社が使用するケミカルメーカーの技術担当者と相談。
結果現在弊社が使用するクリーナーだけでは多少のシミ残りが起こる可能性があるとのことで、新商品のさらに強力なシミ抜きキットを大急ぎで発送していただきました。
何せお客様はお盆前に発送されるとのことで、お盆中の施工です。
メーカーが休みになってしまえば万事休す・・・
ぎりぎり休み前に発送していただけてセーフ!
宅急便でシートが届き、梱包を開けてみるとこのようにシミの範囲は大したことはありませんが、染み込んでいる血液の量はかなりしかも時間もだいぶ経過してしまっているようです。
見た瞬間自身が失せました・・・
今回使用するのは2種類のしみ抜きセット、当然一般的なものではなく、
アルカンターラの様なマイクロファイバークロス素材専用の商品です。
天然素材のヌバックやスエードに比べ本来は汚れやシミの付着がしにくい素材ですが、逆にそれでもシミを作ってしまうと非常にシミを抜き取ることは困難です。
というのもマイクロファイバーという繊維の特性上染み込んだ汚れは浸透しやすく、かつ抜けにくいという特性を持っています。
また化学繊維ですので、
あまり強いアルコール系の洗剤を使用すると素材自体を痛めてしまう可能性も高くなります。
まずは一発目のしみ抜き剤を使用してみると吸水ペーパーにこのように血液がシートから抜けてきます。
この作業を数回繰り返しますが、微妙にうっすらシミは残っています。
この段階でこのしみ抜き剤の役目は終了!
次のしみ抜き剤を残ったシミに浸透させ数十分放置・・・
染み込んだしみ抜き剤を洗い流します。
するとうっすら残っていたシミはきれいになくなっています!
“大成功”
しかし本来シミがあった周囲には輪染みができてしまっています・・・
ここで最後のしみ抜き剤を使用して、アルカンターラ部分全体を洗います。
するとどうでしょう、輪染みもきれいさっぱりなくなりました!
まったくシミの痕跡はありません!
当然周囲にもシミ移りもありません。
アルカンターラ専用洗剤ですから、素材自体もまったく傷んだり色抜けしている痕跡もありません!
最後に専用のガード剤を塗り込んで終了です。
当初は1クリナーで処理するつもりが3工程となってしまったために、ご案内の金額では収まらず、予算オーバーしてしまったために、
お詫びとして周囲の本革部分のクリーニングを行い専用の保湿剤を塗り込みしておきました。
この本革部分も、パッと見はさほど汚れていないように見えましたが、クリーナーをかけてみるとかなり黒々した汚れが浮き出してきました・・・
本革は汚れにくくかつ清掃も簡単、と思われている方が多いと思いますが、意外と汚れは染み込んでいます。
特に革の特性として油脂を取り込もうとしますので、
汗と一緒に体指を取り込んで汚れているのです。
これが本革のひび割れなどの原因の一因にもなってきますので、
“本革部分は定期的なメインテナンスが必要”です。
弊社では、本革はもとよりフェイク素材に対しての本格的クリーニングやメインテナンスも行っております。
また、ひび割れや色抜けなどの再生も承ります。
こんなに汚れてしまったら・・・
こんなに傷んでしまったら・・・
などとあきらめられている方、ぜひご相談ください。
施行コース:アルカンターラシミ抜き(ステップ3)
施工料金:16.380円税込
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