2012年09月18日公開|マツダ
今回の御客様は弊社では今までで一番西方の三重県よりご依頼いただきました。
しかも女性です!
過去一番遠方よりお越しいただいお客様は山形県ですが、こちらのお客様も女性です。
男性よりも女性のほうが行動力がありますね!
これぞウーマンパワー?
今回は当初三重まで伺う予定でしたが、ご実家が愛知県とのことで、そこでのお引き取りとなりました。
数か月ぶりに県外引き取りにキャリアで走りましたがやっぱりトラックは疲れる・・・
乗り心地も悪く、パワーもないためですね。
もしかして歳?
否定できません・・・
4トンベース・ターボ付き・フルフラット・エアサス夢ですね。
更にはウイングボディなら最高!
ま、軽く1.000万越えでしょうから夢の又夢でしかありませんが・・・
今回たまたまキャンセル枠がありそこに無理やり詰め込んだことが仇に・・・
マツダのソリ黒なめていました。
苦労話は追々に・・・
特にこれと言って特徴的なメーターではありませんが、違和感を感じさせないいいレイアウトとデザインです。
シェルもきちんとしたスポーティーなものが付いているせいでしょうか?
このようなオーソドックスなものが良いですね!
CVTなのにパドルシフトが付いている?
此れってどんな感じになるのか、まったく私には未知の領域なのですが、効果はあるのですかねー
面白いのはステアリング両側に、アップ・ダウンのスイッチが付いていることです。
便利そうですが、これ間違いやすいような気がします。
マツダ独自の発想?
このクラスの国産車はどれも操作スイッチ類はシンプルですが、イコールちゃちな感じは否めませんが、デミオ 意外と質感あります。
変に素材ギミック使ったり、フェイクを使用していないことが理由ですかね!
しかしシフターカバーはご多分に漏れずシルバーのプラスチック・・・
これだけは何とかしてほしいですね。
BRZなど最近のスポーティーモデルの流れと似たデザインのシートですが、こちらのほうが違和感がありません。
なぜ?
変にギミック素材を使って高級感を作ろうという悪あがきがないからでしょう。
価格帯なりの素材感とデザインがしっくりきます。
ここ等辺が欧州市場に強いマツダならではのセンスでしょうね!
今回はエクセペル・ペイントプロテクションフィルムの施工をたくさんいただきました。
但しご依頼内容が、
「貼り付け部分はなるべく広範囲に!」
とのご依頼ですが、これが非常に難しい・・・
今回ご依頼いただいた施工場所では、ヘッドライトカバー以外はプレカットデーターなし。
ということは型紙を使って型取り施工となるのですが、ドアカップ位なら可能ですが、3次曲面の強い部分はそれすらできません。
そのような場合は大切りしたフィルムを張り付け場所に大雑把に貼り付け、あとからカッターで切り取りしていく。
つまりカッター刃の跡が塗装につくリスクが非常に高い・・・
しかもゲル抜けが悪く糊ずれも起こりやすいので、防御範囲は広くなりますが意匠性上はかなり悪くなるデメリットがあります・・・
更には、かなり無理に引き延ばしや縮めを行わなければいけないので、そのような部分の剥がれもかなりしやすくなってしまいます。
これはフィルムの糊の粘着限界を超えるために起こることです。
これはサイドステップ部分の貼り際ですが、通常はこれより5cmは短くRがつく部分の前で止めます。
上下幅も四角く囲った部分にかまぼこ状の突起がありますからこの上の部分で終わりとします。
これは3次曲面を無理やり貼ったり、凹凸にしょわせないためで、
それにより糊ずれ・ゲル残り・剥がれなどを回避するためです。
このように限界近くまでの範囲の施工はやはりいろいろな問題を施工中起こしました。
貼り付け終了後数時間すると、無理やり伸ばしたり縮めたりした部分のフィルムが浮いてきます・・・
つまり粘着限界を超えていることになりますから、その部分はフィルムを切り取りして粘着可能な範囲に収める加工が必要となりますが、
この際塗装の上をカッターでフィルムを切っていかなければなりません。
当然塗装にもある程度カッター刃の痕は入ってしまいます・・・
現物合わせのリスクです・・・
サイドシル部分も端から端まで貼り付けですが、このような場合は後付けエアロのように、パーツ単体で巻き込みで施工することは容易ですが、このように車体装着状態での施工は困難を極めます。
整備工場のようにリフトがないため、下に寝転んでの施工ですので視覚的にも体勢的にも非常に無理が生じます・・・
しかしこの部分は意外とうまく貼れました!
しかし問題はこの部分・・・
「前後ともできるだけタイヤハウス内に巻き込んでほしい!」
とのご依頼でしたが、丸の部分ここだけはフィルムは処理不能なため切込みを入れての貼り合わせとなりますが、スプラッシュを浴びる部分だけにのちの剥がれの原因となる可能性が大です・・・
プロテクションフィルムは、施工範囲が広ければそれだけ傷から守れるのは間違いないですが、形状変化に対応できる限界もあります。
此れを超えての貼り込みは、リスクを伴います・・・
リスクがないようにより広い範囲をカバーするためには、切り貼りつまりパッチワークのような手法をとるしかありませんが、それはそれでフィルムの継ぎ目が目立つため見た目の問題も起こってきてしまいます。
リスクを覚悟で広範囲を1枚貼りするか?
見た目は犠牲にしても貼り合わせをするか?
無難な範囲に収めるか?
これは考え方でいろいろでしょうが、
私としては無難な範囲に収め型取りで済むレベルが良いかと思います。
この部分だけはプレカットデーターがあり、それなりにはスムーズに施工は可能でした。
但し国産車の常としてライト形状の3次曲面が強いため、縮めを大きく行わなれれ場ならない部分は多少の糊ずれを起こしてしまいます・・・
とはいっても1m離れてしまえば分らないレベルではありますが。
此れも意匠性を取るのか、
国産車のヘッドライトカバーに短期間で起こる曇りを防ぐための機能を優先するのかの選択です。
好みの問題はありますが、カラータイプの場合はクリアータイプほど糊ずれは見えません!
お引き取りの際には露天で、しかも日差しもそれほど強くない中でのボディの確認でしたので、傷があることは判りましたがここまであるとは予想外でした・・・
これはデジカメの写真ですので自動補正がかかり傷が見えにくくなっていますが、実際にはこの照明環境下で肉眼で見るとこの10倍くらいの傷に見えます。
つまり傷の程度としてはかなりやばい状態・・・
他社のソリッドブラックよりもさらに傷がみえ易い塗装のような気がします!
さらに追い打ちをかけるかの如く82μしかない塗装膜厚・・・
最近のマツダの塗装膜厚の薄さは承知してはいましたが、
ソリッド塗装でもこれほど薄いとはちょっとと予想外ではありました。
此れから磨き作業を行うに当たっての心配は、鉄板の厚さと塗装の硬度・・・
これによってはかなりの苦労が予想されます。
案の定というかそれ以上にはまりまくり・・・
とにかく磨きの前提は、この薄い膜厚を少しでも少なくしないこと。
つまり傷残りは承知で、どこまで傷を取り、膜厚を減らさないように仕上げるか!
いい感じに仕上がったと思い脱脂をしてコーティングしていってみると、脱脂で抜けきれなかった油分が掻き出され傷がさらに出現・・・
これはおかしいと太陽光の下へ、するとオーラ傷が山のよう・・・
最終仕上げはダブルアクションポリッシャーと超々微粒子コンパウンド使用してなんでこうなるの?
磨き途中でも、シリコンオフを使用して確認した際はなかったのに???
考えていても始まらないので、最終磨きやり直し!
バフをさらに細かなものに変えて再チャレンジ。
結果は×・・・
さっきよりはいいような気がしますが、しかしオーロラはしっかり確認できます・・・
理由がわからん?????
ふと気づく!
弊社の超々微粒子コンパウンドでは、
塗装が柔らかすぎてほとんどないに近い研磨剤でも傷を入れている?
此れしか考え付くところはなし!
弊社オリジナルコンパウンドNシリーズを製作していただいているケミカルメーカーに相談、
「デミオのソリ黒オーロラ傷がどうしても取れない・・・」
というと、
即座に、
「でしょうね、今までのコンパウンドとバフではデミオのソリ黒100%は無理ですよ、必ず多かれ少なかれオーロラは残ります!」
と軽く言われてしまいました。
「ということは無理ということジャン・・・」
「いえいえ、現在開発中の秘密兵器ありますよ!」
「コンパウンドとそれ専用のバフも!」
早く言ってよ~
「すぐ送って、今すぐ!」
しかし来たのは2日後。
言ったはいいが自信がなくなり一度試験していたそうです。
いよいよ3回目の仕上げ磨きスタート!
え、傷入っていくけどこれでオーロラとれるのか?
半信半疑で言われた通りにドライアップまで持っていくとあら不思議、太陽光で照らしても、脱脂をしても、さらにはコーティング剤を塗り込んでも、オーラ傷出現なし!
“成功”
やっと脱出できました!
但し、磨き始めからドライアップまで、
通常のコンパウンドの3倍近く時間がかかります・・・
ここまでくれば時間がかかるくらい辛抱です。
“急がば回れ”
の精神で全周磨き終えました!
ここまで磨き直しをしても総研磨膜厚は3μ、ただし残存膜厚は79μ。
同程度の磨きとしてもあと2回が限界です・・・
深い傷を入れてしまえばあとは再塗装しか方法はありません。
MAZDA マツダ デミオ スポーツ コーティング終了
素晴らしい艶のデミオです!
納車直前にたまたまいらっしゃったお客様もこのお車を見られて、
「なにこれ、すごい艶だね!」
「こんな艶をしたデミオ見たことない、ありえない輝き方ですね・・・」
其れもそのはず、
8月より新規導入の弊社トップコーティングのグラスコート・アルティメットですから!
ダブルコートでありながら、2層が分子結合をして高硬度と高耐久性能を兼ね備え、限りなく純粋シリカ膜に近づけることにより限りなく透明性も併せ持っています。
そのため、クリアーが厚くなったような深みを作り出し、
独特のギラツキの無いしっとりとした深い艶を作り出します!
非常に脆弱なデミオのソリ黒ですが、
このコーティングにより傷にはかなりの防御性能を発揮することでしょう。
これはこのコーティング剤のダブルコートという施工方法から実現しています。
1層目で塗装の隙間にスパイクしながら塗装表面に薄い定着層を作り出します。
2層目がそこにまんべんなく製膜することで、隙間や膜厚斑の無いきちんとした耐擦り傷性能と防汚性能を持ったシリカ膜を形成します。
あえてコーティングの今までの機能優先の考え方を捨て、
純粋シリカ膜による耐久性能や耐擦り傷性能を追求したコーティング剤です。
しかしこのコーティング剤施工する側にとっては非常に困難を極めます・・・
塗り込段階から非常に速いスピードで結晶化していってしまうため、ちょっと気を抜いて作業を行っていると、すでに塗り込みクロス上に結晶ができてしまいそれを塗り込むことで、塗装表面に細かな傷を入れていってしまいます。
白やシルバーなどの塗装色であればこのような傷は見えませんが、いかにせよソリ黒・・・
恐らく202よりもさらに塗装表面表現力は強いと思われる非常にデリケートな塗装です。
コーティングを施工していて、ここまで神経と体力両方を消耗したことはありません。
出来ればソリ黒には2度と施工したくないですね・・・
本音です!
更には一晩のブランクをおいて、オプションのトップコート・コクーンを施工しました。
車庫保管のお車であればほとんど必要ないことですが、こちらのお車は露天駐車・・・
初期成膜時の不安定期間に、
ガラスコーティングの大敵である水染みを発生させてしまうリスクを軽減するために施工いたしました。
これはガラスコーティングの宿命である圧縮硬化期間時にスポンジ状になる特性から、そこにカルシュウムなどの水染みを作り出す成分が入り込まないようにするための、
レジン効果を狙ったものです。
1か月ほどでこのコクーンは役目を終え自然剥離していきます。
まさに究極の犠牲被膜と言えるでしょう!
ここまでやれば、いかに膜厚も薄く柔らかな塗装で、しかも傷が見えやすいといっても、そうとの長期耐久性と意匠性を保つことが可能になったと思います。
とはいってもご入庫時の傷はおそらくオーナー様の手洗い洗車で付けたもの・・・
バリアーではないので、埃やゴミの咬み込みをしないように気を付けて洗車をしなければなりません!
頑張ってこの状態を維持してください。
今回は遠方よりさらには高額施行ありがとうございました。
車輛クラス:クラスM
施行コース:グラスコート・アルティメット ガラスコーティング×レジントップコート・コクーン+02磨きスタンダードコース(軽度の磨き・通常仕上げ)+スプラッシュビュー・ウインドウ フッ素コーティング(フロントガラス+リア基本セット×ライトポリッシュ)+エクセペル・ペイントプロテクションフィルム(ドアカップ×4ヵ所+サイドステップ×4ヵ所+サイドシル×2か所)+エクセペル・ヘッドライトカバープロテクションフィルム(クリアー)
施工料金:372.770円税込(女性割引-10%・新車割引磨き-10%・濃色車割増磨き(黒)+15%・ソリッド塗装割増磨き+10%・納車引き取り料片道108km 適応)
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