2012年10月03日公開|BMW
今ではだいぶ見かけることも少なくなった先代の3シリーズE46です。
通の方ならお判りかも知れませんが、このボデイ色実はM3の限定色なのですが、最終モデルのこちらのお車には特別に設定されていたそうです。
しかし傷に覆われた磨き前の状態では、
「なぜこの色がM3だけに許された限定色なの?」
「ただの紺メタにしか見えないし・・・」
「正直地味?」
と、言うのが正直な印象。
しかし磨きが進行して、傷がなくなり艶が復活してくると、さすがM3限定色と思わせる意匠性が表れてきました。
これは後で説明していきます。
この当時のBMW3シリーズはきちんと作り込まれています。
派手さはありませんが、デザイン・質感・素材ともにクラスを超えた作り込に感心させられます。
もっともこちらのお車は希少な最終限定車ということもあるかもしれませんが、それにしても良い作りです。
しかも走行距離20.000kmと非常に走行距離も少ないこともあり、痛みや汚れが目立ちやすいレザーカラーにも拘らず程度は最高と言えるでしょう。
前オーナーよっぽど大事に乗られていたようです。
ドアの内張りもBMWらしい落ち着いたデザインで、いかにもドイツ車的です。
色使いとしてはちょっと微妙な部分もありますが、質感やデザインがそれを補っています。
BMWの場合メーカーとしての代表モデルが3シリーズであり、そこが総てのグレードのスタートラインとして作られているというのが頷けます。
やはりメーターもシンプル!
視認性の良さは昔から変わりがありません。
ステアリングは使いやすさは○ですがデザイン的にはあまり好きにはなれません。
が、今主流のステアリングスイッチは当然ついていますが、ゴテゴテ感はほとんどないのは○です。
センターコンソールのデザイン質感とも非常に落ち着いた良い納まりで仕上げられています。
現行ですとマルチコントローラーがつくなどちょっとゴテゴテ感がありますが、この時代までのBMWはすっきりきれいに収まっています。
個人的にはシフトノブと、サイドブレレーキの仕上げがとても質感高く感じます。
Mスポーツであってもブレンボのモノブロックキャリパーなどは使われておらず、一般的なキャリパーが使用されています。
これはMなどでも同じで、なぜかBMWはあまりブレンボを使用したがりません。
つまり必要性が無いということなのでしょうか?
たしかにBMWにおいて制動力不足を感じたことはほとんどないのは事実です。
自社開発ブレーキにそうとうの自信ががあるのでしょう!
内装程度は非常によかったのですが、外装傷の状態はかなり深刻です・・・
走行距離約20.000kmとしてはかなり悲惨な状態と言えるでしょう。
しかし、イオンデポジットやその初期症状である水染みに関してはほとんどダメージを受けていないのは以外です。
東京の専門店で購入されたそうですから、おそらく前オーナーはマンションの地下駐車場などでの保管だったのでしょうね。
但し傷に関しては、場所柄ご自身で洗車していたのではなく、GSなどで手洗いもしくは洗車機などで洗われていたのでしょうが、はっきり言って“下手”です。
221μはボンネットの磨き前膜厚。
この膜厚は明らかに再塗装されている膜厚です。
しかし磨く側にしてみると、この膜厚はクリアーが50μ近くあることを示していますので安心して磨くことができます。
トランクの膜厚を見てみると、116μです。
これがオリジナルの膜厚です。
02コースとしては限界研磨厚の6μを研磨することで、
完全とはいきませんがかなりの意匠性の改善はできました。
本来であればこのくらいの程度となれば、
傷をきっちり処理するためには最低でも02プラス磨きコースが必要ですが、イオンデポジットもほとんどないことと、車格年式などを考慮するとただでさえご予算いっぱいのようですから無理をすることもないとのことで、02スタンダードコースにとどめました。
しかし磨き始めて一皮むけていくと、前述しています
“特別色なのにただの紺色にしか見えない”
という印象はがらりと変わりました。
光の当たり方により、紫がかったり緑ぽく見えたりと、かなり多彩な表情をする塗装です。
磨き前これに気づかなかったのは、あまりにも傷が多くそれが曇りとなって塗装本来の表現力を失っていたのでしょう。
此れなら“M3の特別色”と言っても、見られた方は、
「確かにいい色だねー」
と言ってくれるでしょう。
BMW ビーエムダブリュー 320i リミテッドエディション Mスポーツ
コーティング終了
コーティングを施工終了してみると、磨き終了時点でも感じた塗装の多彩な顔つきがさらに際立って見えます!
ものすごくきれいです。
お引き取りにみえられたオーナー様もこれにはちょっとびっくりされていました。
今回使用したコーティング剤は、エクセレントフィニッシュ・スパークです!
正直弊社のコーティングラインナップの中ではマイナーな部類に属しあまり今まで人気がありませんでしたが、久々に施工してみると非常に良いコーティング剤です。
但し今回はコーティング中に大トラブルに見舞われてしまいました・・・
コーティング塗り込みが終了して、拭き上げを1/3ほど行っていた時に、取引先商社の営業マンが来社して、ここの所問題となっていることに付いて長話となってしまいました。
時間として30分くらいなのですが、既に初期硬化が始まってしまっていて拭き取りができません。
こうなると時間との勝負です!
再度コーティング剤を塗り込み初期硬化を起こした被膜を溶かしながら拭きあげていきます。
数時間かけて何とか終了!
翌日から弊社ツーリングで留守となったため、
2日後に確認してみるとコーテイングの補修を行った部分が斑になっています・・・
厚塗りになりすぎたため、加水分解反応中に余剰成分がはじかれたようです。
これではとてもお客様に納車するわけにはいきませんので、曇ってしまった部分を補修しなければなりません。
このようなときのためのリペア剤があるので気楽に考えていましたが、まったくリペア剤では歯が立ちません・・・
こうなると再度磨いて剥離するしか方法がないのですが、なんとスポンジバフでは研磨できず、ウールバフを使用する羽目になりました。
コーティングを行ってまだわずか数日完全硬化硬度には程遠いはずなのに、
すでにこの硬さです!
今までこのコーティング剤ではあまり意識したことがなかったですが、
非常に成膜厚も厚くなおかつ成膜硬度も非常に硬い素晴らしいコーティング剤です!
皮肉なことにこのようなトラブルがあり再認識できました。
丸二日の補修を経て完成することができました。
やはりコーティング施工中はだれであれ出入り禁止ですね!
今回は良い勉強と教訓となりました。
車輛クラス:クラスM
施行コース:エクセレントフィニッシュ・スパーク ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)
施工料金:87.885円税込(お持込お引き取り割引-10%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨き+10% 適応)
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