2012年11月09日公開|日産
今はすでに絶版車となったセドリックですが、その最終型となったY34系です。
45年間もの間クラウンと並ぶ日本を代表する高級車として親しまれてきましたが、フーガにその座を明け渡すこととなってしまいました。
これは国産車ではよくあることですが、基本路線自体は同じなのになぜネーミングを変える必要があるのか?
これ理解できないですよねー
なぜせっかく積み上げてきたヒストリーを自ら捨てるのか・・・
確かに常にクラウンの後塵を浴びてきたかもしれません。
しかしだからと言って名前を変えることでクラウンより売れるわけではないでしょうし、クラウンより高級というイメージに転嫁できるのか?
無理でしょう・・・
クラウンにはマジェスタがありますからねー
私の認識では、セドリック・グロリアファンは決してクラウンとは相いれない根強いファンがいたはずですが、このように絶版させてフーガにバトンタッチさせたからと言って、オーナーはバトンタッチしなかったと思います。
完全な失敗戦略だったと感じますが・・・
これは個人的見解で、セドリック・グロリアファンの方からは怒られるかもしれませんが、Y32系あたりから輸入車のパクリ的デザインが目につくような?
ジャガーぽかったりベンツぽかったり・・・
このY34系もフロント・リアともにかなりベンツが意識されているように見えるのですが如何?
このようなデザインが結局クラウンを超えることが出来なかった最大の理由、
ステイタスの独自性の欠如だと思います。
ベースグレードであるだけにその作りの良し悪しがはっきり出ていると思います。
このモケットのシート生地非常にいいですね!
やはり国産高級車はモケットでしょう。
欧州高級車の猿真似的に本革を使用しても、所詮はかないません・・・
ただし最近のレクサスのセミアニリンレザーなどはかなりいいですが、これはコストを無視いていますから当然のことです。
そもそも日本は高温多湿な気候、欧州とは全く違いますから、
本革シートのように汗をかきやすい素材自体が風土に合わないはずです。
まあベンチレーション機能が付いていれば別ですが!
個人的にはもし国産高級車買うとしたら絶対シートはモケットを選びます、私は!
モケットの質感は絶対輸入車より上だと思います。
このウッドの質感・色・木目とても良いですね!
また周りの素材の質感や色とのマッチングも絶妙です。
やればできるじゃないですか、日産さん。
操作パネルもすっきりしていて、扱いやすくシンプルです。
このような部分はクラウンを超えていると思います。
乗っていて安心感があり、落ち着きます!
ドアもいいですね。
色使い素材の配置・デザインともに王道、基本に忠実に作られています。
最近の国産車のように、気をてらった部分が無いことが好印象です。
しかし、ドアにかけられたドリンクホルダーはいけません・・・
コーヒーでもこぼれたひには、せっかくのモケットに染みが付いてしまいます。
クリーニング大変ですよ。
此のお車もやはりナビゲーションのスイッチには日本語が記載されています。
これでいいでしょう!
別に英語がかっこいい訳ではないですから。
最近はタッチパネルのものが多いですが、このように操作スイッチがあるほうが使いやすいと思うのですが?
ここの所ご入庫頂いているお車は、非常に程度が悪い・・・
此のお車は10年たっていますので、ある程度傷んでいるのはしょうがないとしても、ここまでとなるとさすがにどこまでリセット可能なのか?
御客様が選択される磨きコース次第です!
ただしそれも現在の膜厚次第ですが・・・
其れともっと重要なのはご予算でした。
磨きを優先するか?
コーティングにお金をかけるか?
迷いに迷った結果“磨き優先”としました。
いくらいいコーティング剤を使用しても、ガラスコーティングは傷を隠してはくれませんし、基本的には独自に艶を作ってくれるわけではありません。
あくまで下地の状態を忠実に見せれるか!
つまり磨きの状態がおざなりなら、いくらいいコーティング剤を使用してもそれ以上にはならないのです・・・
だから磨き優先!
此のお車ボデイすべてが人工的につけられた傷に覆われています!
通常の洗車で付いたものではなく、
オーナー様がきれいにしようと使用したケミカルによってつけてしまった傷なのです・・・
濃色車に研磨剤入りのWAXを使用してしまい、それを直そうとさらにまた状況転落・・・
“蟻地獄”
こうなるとDIYではなすすべはありません・・・
そのため、施工のご依頼にお越しいただきました。
完璧を期すなら03コース、最低でも02プラススタンダード磨きコースが必要な状態ではありますが、まずは膜厚が問題・・・
104μしかありません!
10μを超える傷も相当あります。
此れをすべて処理するには膜厚が足りません・・・
予算も足りません・・・
そこで出た結論が、できるだけ膜厚を残しつつ、できるだけ傷を処理して、
なおかつ予算内に収める。
因って磨きコースは“02プラス・ライト磨きコース”に決定!
この状態が、ファーストポリッシュの1回目が終わった状態です。
大分傷はなくなりました。
この後さらに2回同じ場所を同じコンパウンドとバフを使用して、残った傷をすこしでも処理するため傷を探しながら磨きます。
基本的には此のファーストポリッシュで、既存傷をできるだけ処理していき、セカンドポリッシュではその際付いたポリッシャー傷を処理していきます。
この際もポリッシャー傷を処理しつつ、磨き残しの傷を探しながら最大同じ場所を3回磨きます。
この状態で、目視ではポリッシャー傷はありません!
しかしオーロラは残っています。
オーロラとはポリッシャー傷の目に見えない傷の集合体がゆらゆらとして見える状態を言います。
更に仕上げ磨き、サードポリッシュを経て目には見えない微細傷(オーロラ)を処理していきます。
この段階では0.3μ以下のほとんど研磨力の無いコンパウンドを使用して、新たなオーロラが入らずかつ今あるオーロラを完全に消すように磨き上げます。
この際使用するポリッシャーはボデイ色や塗料の種類・状態におおじて、シングルポリッシャー・ギヤアクションポリッシャー・ダブルアクションポリッシャーを使い分けます。
その選択によって、使用する最終仕上げ用バフや、最終仕上げ用コンパウンドを数種類の中から選択していくのですが、その組み合わせは恐ろしい数になります。
なぜこのような面倒なシステムを必要とするか?
それは色や状態・塗料の種類などにより仕上がりに差が出ないようにするために必要だからです!
選択肢の無い磨きシステムでは、車により仕上がりの状態が均一にならないからです。
これはラインアウト直後の新車でない限り、同じ条件の車は存在せず、すべては異条件だからなのです。
此のお車、当初の予想ではここまで傷がとりきれるとは予想はしていませんでしたが、
予想以上の仕上がりになりました!
ただしその代償として、6.4μの研磨量を必要とはしましたが・・・
あと一回くらいは同じレベルの研磨は可能ですが、やらないことに越したことはありません!
そのため、この状態を守る(犠牲被膜)ためにガラスコーティングを施工します。
あとはオーナー様の管理次第・・・
NISSAN ニッサン セドリック 250L コーティング終了
ほとんど“瀕死の重傷状態”、大事に乗っているとか、高級車だとかとは程遠い状態から、
「きれいにお乗りですね!」
「どうやって管理されているのですか?」
と必ず言われるような素晴らしい回復をいたしました!
今回の施工は、限られたご予算の中での施工内容の選択として磨きを優先しましたので、コーティングはマーベラスフィニッシュ・スノーガード弊社ではスタンダードクラスのコーティングといたしました。
コーティングの耐久性能や耐擦り傷性能などは単純には価格スライドして性能アップしていきます。
そのため今回お選びいただいたマーベラスフィニッシュ・スノーガードは弊社ラインナップの中では特別高性能という訳ではありません・・・
ただし他店の一般的なコーティング剤と比較した場合には決してスタンダードクラスではなく、トップクラスのコーティングに匹敵する性能は有していると思います。
御客様としては、
「せっかく磨きでリセットできたのだから、その状態を保護するためにできるだけ良いコーティングを施工したい!」
という御希望がございましたが、残念ながらご希望のコーティング剤は予算オーバー・・・
そこで何とか予算範囲に収まる方法として、レジントップコート・コクーンをオプション施行することにいたしました。
このレジントップコート・コクーンは、
これ自体がコーティングの基本性能を上げるものではありません。
ではなぜ?
と思われるでしょう。
ガラスコーティングは施工した直後の状態ではまだ膜硬度などが安定状態とはなっておりません。
コーティング剤にもよりますが、1~2か月かけて徐々に加水分解反応をしながらコーティング剤に含まれる不純物を揮発しながら圧縮硬化をしていきます。
この期間をいかに良い状態で管理できるかによって、かなりその後のコーティングの効果や耐久性と意匠性に影響を及ぼします。
つまりこの期間をリスクを少しでも減らし、最良の完全成膜へと守る役割を果たすのが、レジントップコートコクーンです。
コーティング成膜途中の水染み付着を犠牲被膜となり阻害し、軽度の傷も防ぐ役割を担います。
コーティングが完全硬化したときには、自然剥離をして本来のコーティング被膜が自然に露出するようになっています。
ここまできれいになった愛車、奥さんを説得して行った今回の施工、それを生かすも殺すもあとはお客様の今後の管理の仕方次第です!
今までのように、量販店などでやみくもにケミカル剤を買ってきてDIY施工、これだけはやめましょう。
量販店などで売っている簡易施工用ケミカルは、ほとんどその場しのぎのごまかしのための商品です。
中にはそれを使うことにより素材自体を劣化させ、継続使用を促すように作ってあるものすらあります。
このような商品意外と多いですよ!
ポリマー・WAXなどや、目につくのはライトカバーや樹脂用コーティング剤・・・
これ等実際に使ってみないとわからないのが困りものです。
今後何らかのトラブルが起きたときは、お気軽にご相談ください!
DIYで対処可能であれば、できるだけ確実な方法お教えしますから。
車輛クラス:クラスL
施行コース:マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング+02プラス・ライト磨きコース(傷取り磨き)+レジントップコート・コクーン
施工料金:129.560円税込(代車使用なし割引-10%・濃色車割増クラス1磨き+15%
適応)
メーカー別
月別バックナンバー