2012年11月04日公開|トヨタ
群馬県よりわざわざお越しいただきました!
仲間の車屋さんに出張施工には伺いますが、お持込いただくお客様は初めてです。
お隣の県なのにねー
が、・・・・・
今回はかなりのわけありです。
今年の6月にカローラ店より新車購入。
しかしボデイ全体が傷だらけの状態で納車され、
当然クレームとなり2回に渡りディーラー外注業者による補修を受けられたそうですが、ほとんど状況改善は無し・・・
それもそのはず、
「ポリマー掛ければ傷はなくなります!」
みたいな補修をディーラー側は提案を実行していたらしいです。
軽度のスクラッチレベルならポリマーでも消せる、“隠せる”かも知れませんが、いわゆる一般の方から見て傷という認識レベルのものは“隠せるわけはありません”。
というか、そもそも傷のクレームでポリマーでごまかして対応しようとすること自体おかしいでしょう。
此れ抜本的解決ではなくその場しのぎでしかありません。
仮に消えたとしても2~3か月すれば元の状態に戻ってしまうのですから・・・
このようなやり取りがディラーとオーナー様の間で数か月間続く中、オーナー様からのご指名をいただきデイーラーより弊社による補修依頼をいただきました。
しかし弊社は現在お取引のある業者さん以外の業販は受け付けておらず、仮にお受けしたとしても価格表の割引は一切適応されず、
なおかつこのようなディーラークレームの対象になっているお車の場合は20%の割り増しがつくことをお伝えすると、さすがに“ドン引き状態”でした。
これは足元を見ているわけではなく、通常の施工と違いお客様は非常に神経質になられていたり、今後のクレームは弊社が受けることになるリスク分としてのものです。
しかしお車の状態や、この間の過程・補修内容などをお聞きしていると疑問点ばかりが浮かび上がってきます。
一度はご予約をお受けいたしましたが、
弊社内部での協議の結果やはり施行はお受けできないという結論に達しました。
大変失礼なことは重々承知しておりますが、これには様々な事情があります。
このような問題点があったためトヨタディーラーとオーナー様に御断りをお伝えいたしました。
しかし数日後オーナー様よりご連絡いただき、
「どうしても施工をしてもらいたい!」
との再三の施工依頼をいただき、上記のような問題点はありましたが、日程を長く見ていただく、追加料金が発生した場合は必ずお支払いいただくなど、数点のわがままな弊社条件までお飲みいただけるとのことで施工させていただくことといたしました。
お車をお持込いただき拝見してみると、これはひどい・・・
数か月前に同じくプリウス新車で傷だらけの車がありましたが、傷の内容は違いますが程度の悪さではそのお車と同等、今まで見てきた新車としてはワースト1を争います。
とにかく傷が深い!
しかもルーフにまで釘で引っ掻いたのか?
というほどの傷がついています。
此のお車の場合、リアスポイラーは202の塗装ですが、ここも前後方向に付いた傷に覆われています・・・
お客様もこの部分は非常に気にされていて、
「ここ202ですけど磨いて治るものですか?」
とかなり不安げです。
しかしこれでディーラー外注業者が2回も手直しをしたとは?
変わらないどころか、よけいひどくしたのではないかと思われるレベルです。
これは憶測にすぎませんが、このお車の塗装はトヨタ耐スリ、そのため初めはポリッシャーをかけたのでしょうが、逆に磨き傷を入れていってしまい、
「此れはやばい!」
とそれを手磨きで直そうとしたのでは?
だとすると随所にみられる線傷の説明がつきます。
どちらにしてもレベル低すぎ・・・・・
ファーストカットの磨きのトップ部分が終わり側面へ、すると変な状態が見えてきます。
左ドアパネル2枚がやけに曇っている・・・
塗装が焼けている?
傷ではないようだし?
ライティングの角度をちょっとかけてみると・・・
色が違って見えるのは撮影がマクロカメラのためです。
この傷なんだかわかります?
驚くことにペーパー目・・・
しかも#1.000~1.500クラスのペーパー目です。
一体何をしたんだディラーは?
2枚のパネルの約半分にこのようなペーパー目が残っています。
これが事前に危惧していた他店施行の怖さです。
予想が的中してしまいました!
早速ディーラーにこの状態を伝え、何をしたのか問いただすも、初めは知らぬ存ぜぬ・・・
しかし数日後にはわけのわからぬ説明がありました。
はっきり言って本当か嘘かは闇の中ではありますが、トヨタ側の作業により付いたことだけは認めました。
しかしこのブログにおいては施工料金支払者がディーラーのため、理由の詳細については公開は控えさせていただきます。
すみません。
このようなトラブルが起きることが他店施行クレームの補修の怖さです。
基本的には他店施行クレーム・トラブルのある車の施工はお受けいたしておりません!
当然これを直す作業は追加料金が発生しますが、問題はここまでのことをやらかしてしまったものが耐スリ塗料で完全に除去できるのか?
ただでさえ薄いプリウスの膜厚・・・
再度ペーパーを入れ直せば比較的に簡単に直せることは判ってはいますが、それは長期的に見れば膜厚減少が大きく得策とは言えないでしょう。
そのため現在付いているペーパー傷の底部ぎりぎりまでをバフを使用してぎりぎりのラインで磨き、少しでも無駄な研磨厚を出さないように時間をかけて磨きあげました。
何とか最低限の研磨膜厚で仕上がりました!
曇って見えていた部分も完全に解消されました。
“めでたしめでたし”
その他の部分もほぼ満足できるレベルまで回復することが出来ました。
しかし初期膜厚が104μと低かったため、さすがに残存膜厚は100μを切り99.8μとなってしまいました。
しかし毎回国産耐スリ塗料に思うことですが、これに何の意味・効果があるのかが判りません・・・
だって普通に傷が入るのですから!
しかもディーラーもその外注業者の多くもそれを直せないのですから・・・
これは日産のスクラッチシールドやレクサス耐スリ塗料にも共通して言えることです!
輸入車の耐スリ塗料のように硬くすることで耐擦り傷性能を持たせたほうがよくない?
この写真のようにどうしても取りきれなかった傷が10本程度はあります。
残存膜厚さえ気にしなければ、あと10μ以上の研磨をすれば取れる傷ですが、
それでは残存膜厚は80μ台になってしまいます。
そのためこの傷は残すこととしました。
と言っても傷の断面エッジが丸くなったためほとんど見えることはありません!
実際、引き取りにみえられたお客様に傷残りを確認していただきましたが、初めは場所をピンポイントで示してもなかなか見つけられずにいたほどですから。
TOYOTA トヨタ プリウス Sツーリングセレクション コーティング終了
いよいよ引き取りに見えられるときとなりました。
さあ、お客様のご覧になっての感想は?
お客様にとっても、私にとっても期待と不安の入り混じる緊張の一瞬です!
「すごくきれい、傷が無くなってる!」
「色も全然違う?」
「マイカメタリックもこんなにはっきりしたー」
お持込の際もお引き取りの際にも、近々御結婚される彼女を同伴されてのご来店でしたが、特に彼女の反応はとても大きなものでした。
オーナー様は非常におっとりした方なので、あまり感情は言葉としては表現されませんでしたが、
表情は満面の笑みをたたえて愛車をご覧になられていました。
お帰りになられた後、このようなメールもいただくことが出来ました!
一度はお断りしてしまった施工ですが、今はお受けさせていただき本当によかったと思っています。
多くの方は、一大決心をされて新車をご購入されています。
それがひどい状態で我慢しながら乗り続けることは非常につらいことでしょう。
その状態から新たな気持ちで楽しく乗れる車にリセットし直すお手伝いが出来たことは光栄です!
非常に活発で明るい性格、しかもキュートな顔立ちと抜群のスタイルとセンス!
お客様は最高の彼女をGETしました。
間もなくご結婚とのことですが、最高の家庭が築けることと思います。
そのお幸せなご家族の一員としてプリウスが活躍することを楽しみにしております。
プリウスも彼女(奥様)も大切にしてあげてください!
PS:お子さん御誕生の際はぜひ拝見させてくださいね!
車輛クラス:クラスM
施行コース:マーベラスフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング+02スタンダード磨きコース(軽度の磨き)+ペーパー目除去特殊磨き(2パネル)
施工料金:167.036円税込(デイーラークレーム割増+20%・耐スリ塗装割増磨き+30%・濃色車割増クラス1磨き+15% 適応)ディーラー支払い
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