2013年02月03日公開|マツダ
でました巷で噂の新型アテンザ!
当然のように“SKYACTIV ーD2.2”もちろんディーゼルエンジンです。
このエンジンン、 2ステージターボチャージャーにより過給され42.8kgf・mものトルクを生み出します。
ガソリンエンジンとしてラインナップされている2.5Lの2倍近いトルクです!
弊社ツーリングメンバーのBMWにやはりターボチャージャーの助けと、
サブコンによる卑劣なチューニングにより40kgf・mを軽く超えるガソリンエンジン車がいらっしゃいますが、どノーマルしかもディーゼルエンジンに勝てるのか?
いやLSDがついているから勝てるかも?
本人曰く、
「それは関係ねーだろー」
と、言うのでしょう。
余談でした・・・
オーナー様以前はMTにお乗りだったので本当はMTにしたかったところらしいですが、さすがにこの車格・・・
クラウンを超えるサイズで、装備もクラウン並なのにMT?
となりATを選択なさったそうですが、当然でしょうね!
またこのお車の塗装色ソウルレッドプレミアムメタリックという、マツダの最新塗装です!
かなり特殊な複層塗装となっていますが、この構造が今までにはない赤色の発色を可能としました。
派手な色ですが、かといって安っぽいどころか反対に非常に高級感のある珍しい赤色です。
お預かり期間中たまたま弊社の協力塗装工場の責任者の方がいらしてこのお車を見るなり、「すごい色ですねー」
「これは修理にでも入られたら苦労しそうですねー」
と言いつつかなり興味深そうにじっくり観察されていました。
しかしこの特殊さが、この後の施工でいくつかの問題点を露出することになるとは・・・
これジャガーのXFですが、スタイリング非常にアテンザと似ています。
ちょっと見比べてみてください。
どうですか、すごく似ていないですか?
サイドウインドウの形状特にリア部分や、メッキなど素材。
トランクハッチの形状やメッキ、それとテールレンズ。
フロントに関してはほとんど一緒と言っていいほど似ています。
エンブレムをジャガーに付け替えたら、マイナーチェンジの新型XFと言っても信じてしまうかも?
逆を言えば国産車としてはここまで欧州のセンスに近いのは珍しいかも?
私の今までの国産車の印象としては、日産はかなり輸入車のデザインのパクリと思われる車が目につきましたが、あくまでパクリにとどまり本物と比べると大分しょぼかった印象がありますが、アテンザに関してはまるで欧州車!
ヨーロッパ市場をかなり意識した車なのでしょう。
内装のセンスも国産車離れしています!
国産車独特のとってつけた様なレザーシートではありません。
特徴的なのがシートでは二点。
非常に着座位置が低くシートが設計されています。
これは国産車では珍しい!
ニッサンの言うところのスパーカーGT-Rでさえ、
着座位置の高いことがモータージャーナリストから酷評されていますからねー
更にこの着座位置実際に座る前からその印象を強く受けます。
それは上左の写真のように、シート側面部分をショルダー上部から色違いにすることでシートが非常にスリムに見えます。
シート自体の形状・革の素材・鞣しどれをとっても文句のつけようはないですねー
メーターレイアウトも文句なし!
シンプルです。
ドア内張りのデザインも非常にハイセンスなのですが、残念なのはアルミ調トリム・・・
価格からいって本物のアルミを使うことまでは要求しませんが、
あまりにも質感が安っぽくプラスチック感がもろだしなのが残念。
オーナー様は革シートの車は今回が初めて。
ましてやオフホワイトのシートです。
すでに運転席ドア側の座面・背もたれ共に黒ずみ汚れができ始めています・・・
そこで弊社が販売店を務めるイタリア製のユニタス・カーインテリオキットをご購入いただきました。
このメインテナンスキット、
此のお車のようにセミアニリンレザー専用のほとんどプロ仕様の商品です。
私が知る限り、安心性・使用利便性などでこのメーカーの商品を超えるものは無いでしょう。
特質すべきは革の保湿も兼ねたプロテクションクリームです。
革の素材の品質を維持するだけでなく、
肌触りがマッドになるため革シート独特の滑り感が無くなりますので、スポーツドライビング時も体がしっかりとホールドされます。
また通常のオイルタイプの保湿剤と違い、べたつき感もないため使用後の不快感は全くありません。
日本人の多くはあまり日常生活で革に接する機会が少ない為でしょうが、
こと車の革製品の御手入れをする方はまれです・・・
革シートにあこがれ購入したはいいが、数年でボロボロ・・・
少なくはありません。
実際中古車でまともな革の状態保っている物は国産・輸入車ともほとんど御目にかかったことはありませんね。
この大きな原因は、お手入れをしないことのほかにも大きな理由があります。
こちらのオーナー様もそうでしたが、ジーンズです!
ジーンズは革にとってはやすりをかけられているような様なものです。
ジーンズ履きたいなら革シートには乗るな!
革シートをきれいに保ちたいならジーンズ履くな!
です。
特にこのようなオフホワイト系の色の場合、ジーンズのインディコの染料が汗などで染み込んでしまえば、直後であればまだ専用クリナーでメンテ可能ですが、
時間が経過してしまえばまず打つ手なし・・・
シートの再塗装が必要になってしまいます。
弊社のお客様の中に、デートで女の子がジーンズ履いてきたら、
「乗る前にジーンズ脱いでから乗れ!」
と言って、下着姿で乗車させてる方もいらっしゃいます。
これ別の意味では良いかもー
納車から約2か月洗車はスチームのみ、しかも拭きあげはせずに走り飛ばし。
なのにかなりの傷・・・
といことは納車時から在った傷ということになってしまいます。
今まで見てきたマツダの新車としては初めてのことです。
ま、トヨタなら当たり前!
驚くべきことではありませんが、マツダ車としてはなぜ?
水染みの付着もかなりありますが、
これは流石にまだ塗装に対してのダメージはありません。
しかしかなりの量の付着を起しているのは、地域性です。
オーナー様のお住まいのエリアは、非常に水道水の資質が悪い、かなりアルカリ性水質です。
しかも雨水の酸性雨が強い地域です。
オーナー様は水染みに関してはご存知でしたが、
傷に関しては全くこのような状態であることは認識されていなかったそうです。
意外と傷に関しては皆さん意識はしていないようです。
しかし驚いたのは膜厚ですね。
マツダ車の膜厚は今まで90μ以下、しかしこのお車は104μもあります!
しかしよくよく考えてみると、3コートの塗装ですから、通常の2コートと比較して考えた場合に決してクリアー層の膜厚が厚い訳ではないのでは?
さあここからが問題・・・
細かな傷が全体についています。
これポリッシャー傷です!
ということは磨かれているということになりますが、ディーラーで磨くわけはない!
そうなるとあとはメーカーラインで磨かれているということになりますが、なぜ?
此処を見て大体の想像はつきました。
傷もすごいですが、柚子肌の状態半端なくひどい・・・
恐らくこのソウルレッドプレミアムメタリックという最新塗装まだ技術的に完璧ではないのでしょう。
ライン塗装上での吹きっぱなしでは仕上がらないため、補修塗装をしているのか?
もしくは磨きで相当直しているか?
どちらにしてもまだこのお車は3ケタ台の初期ロッドですので、可能性は大です!
このように磨きを行うことで、かなり柚子肌も改善され、かつ傷もなくなりますが、問題はこの塗装の膜硬度。
めちゃくちゃやわらかい・・・
恐らく1.5Hくらいの硬さくらいしかないでしょう。
というのは、磨きの第一段階ファーストポリッシュは傷や柚子肌を改善するために最大3回までポリッシングを行います。
通常3回此のファーストポリッシュを行ってもいいとこ2~3μの研磨が限界ですし、国産車通常塗装用コンパウンドではポリッシャー傷は目に見えるレベルでは入りません。
しかしこの塗装、1回のポリッシングで2~3μが研磨されていってしまいます・・・
しかもポリッシャー傷もバリバリついてしまいます・・・
つまりかなり柔かい!
見た目にはかなりこだわった塗装ですが、
塗装耐久性特に傷などにはほとんど防御性はないのでは?
更にはこの部分、Bピラーの練プラのところの傷半端ではありません!
何か月も海を渡ってきている輸入車ならその間の傷入れもしょうがないというか必然と思えますが、こと国産車に至っては、生産完了→陸送→ディーラー→納車までの期間ごく短時間、この間にここまで傷が入ることはあまり考えにくい。
考えられるのはやはり生産工程でかなりの補修を繰り返していて、その間に付いた傷?
としか思えないのですよねー
かなりきれいにはなりましたが、このような練プラの部分は、深い傷が入ってしまうと完全には処理はできません。
無理をすればパーツ溶けちゃいますから・・・
これが限界です!
磨き前と比較すればかなりの意匠性アップと改善ができました!
が、やはり問題なのが塗装の軟らかさ・・・
4μの研磨にあっという間になってしまいました。
塗装が柔らかいということは、ちょっとした摩擦でも深い傷が入りやすい。
しかし塗装が柔らかいので磨きとることは容易ではありますが、
結果其れだけ深い研磨厚が必要となります。
が・・・
其れには既存膜厚がそれなりに厚いことが必要ですが、初期膜厚104μしかも3コート塗装では大目に見てもクリアー厚は50μこの段階ですでに10%の膜厚消費をしてしまっていますので、
これ以上は新車の段階ではハイリスク要因を今後に残すこととなってしまうため、
今回の磨きは此の位が限界でしょうね。
幸いなことに今回のコーティングのご依頼は、
エクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュです。
何が幸いかと言いますと、とにかく膜硬度が硬いしかも厚い!
通常のコーティング剤の膜硬度測定条件は鉄板上成膜条件での測定ですが、このコーティングは国産塗料の平均塗装硬度2.5Hでの測定で6Hを実現しています。
つまり下地である塗装の2倍以上の成膜硬度が可能ということです。
ですのでこちらのお車の膜硬度が予想硬度のように1.5Hくらいしかなかったとしても、
4H程度の防御膜としてコーティング剤が製膜できることになります。
これ、一般的コーティング剤だったとしたら、おそらくこの塗装に対しては3Hすら怪しいかも知れません・・・
全然違う話ですが、このマフラーエンドもちょっとびっくり!
わずか2か月でここまで錆びてしまいます・・・
もっとも今年は雪が多くエンカルの撒かれた量も多いですが、これだけエンカルのアルカリ成分によるダメージは大きいい。
つまり塗装に関しても同じようにエンカルによるダメージを相当受けていることとなります。
このようなダメージに対しても、
エクセレントフィニッシュ・プレミアムヴァンキッシュは耐候性を発揮します!
シリカ純度95%ですので、ほとんど不純物を含まないため、
エンカルなど強アルカリ性の物に対しても相当の防御力を発揮するはずです。
MAZDA マツダ アテンザ XD Lパッケージ コーティング終了
イヤーすごい色です!
よりいっそいうこの特殊塗装ソウルレッドプレミアムメタリックが光り輝いています。
この塗装の特徴であるシェード部とハイライト部での反射光沢を、厚い膜厚のコーティング剤がさらに深みを加えあり得ないような艶まで作り出しています。
アルミフレークの強い反射も純度の高いコーティング被膜であるために、
さらに強調している効果が出ているようです。
今回の塗装の問題点及びリスキーな部分をオーナー様にお伝えしたときはちょっと涙目にすら見えるくらいショックを受けられてしまわれたようですが、実際その状態が現段階でオーナー様に目では確認はできません。
納車時好天にも恵まれ、強い太陽光の下で見てみると、
「すごい艶!」
「此れでも傷は全くわからないですよ!」
と先ほどのショックはふきとばれたようです。
正直に現状と感想をお伝えしすぎてしまったかと心配だったのですが、一安心です。
ただし、塗装被膜が柔らかい=コーティング被膜も一般的な硬度より柔らかいので、
洗車の際の傷入れは注意が必要です。
ただし今回は、オプションであるレジントップコート・コクーンの施工もしてありますので、傷入れリスクである拭き上げ等をしないで走り飛ばしで洗車を終了しても、
コーティング直後のリスクである水染みの発生は防げるでしょう。
完全成膜さえしてしまえば、コーティング表面は非常に滑面になっていますので、コクーンが剥離してしまった後も水染みの心配はさほどないのもこのコーティングの特徴です。
とにもかくにも、ホワイトシートの御手入れと、洗車の傷入れには細心の注意をはらながら車両管理を行い、きれいな状態を保つよう頑張ってください。
くどいようですが、ジーンズは厳禁ですよ!
このたびも施工させていただきありがとうございました。
社長様にもよろしくお伝えください。
車輛クラス:クラスL
施工コース:
磨きコース=02スタンダード磨きコース(標準的軽度の磨き)
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ
オプション施行=レジントップコート・コクーン
オプション購入=カーインテリオキット
施工料金:140.234円税込(リピーター割引-20%・濃色車割増ランク2磨き+10% 適応)
メーカー別
月別バックナンバー