2013年03月08日公開|ホンダ
またもや常連の御客様のお車です。
昨年の12月にご自身でキャリアカーを運転されてお持込いただきました。
「レンタカーわざわざ借りてきたの?」
とお聞きすると、
「親戚がレンタカー屋なので、拝借してきました。」
とのことでしたが、バリバリの新車!
やはり新しいものは、車と女性は良いものですねー
それに比べ、弊社のキャリアカーはすでに10万キロオーバー・・・
どこか具合が悪いわけではありませんが、新車のハイパワー・フルフラット欲しいですねー
出来れば車と女房は5年ごとに新車入れ替えしたいものですが、どちらも元手がかかりますので、我慢我慢ですね!
今回のご入庫は長期お預かりでのご入庫です。
4月に入ってのお引き取りですが、約5か月間お預かりすることとなります。
注)長期お預かりに関しましては、新規の御客様と準会員様にはご対応しておりません。
あくまで正会員様以上の御客様もしくは、プレミア会員様からのご紹介いただいたお客様に限ります。
実はお住まいの地域は県内でも有数の豪雪地帯、この車高短具合ですからスタッドレス云々の前に雪道では走行不能・・・
つまりどうせ冬は乗れないのです。
「だからその間にやっておいてー」
という訳です。
しかしちょっと見ない間に、そこらじゅうがモデファイされています。
まずは目についたのは前述した車高短!
車高調で落とされていますが、ちょっと低すぎ・・・
しかもリアのほうが低くなってしまっている?
「此れどこで組んだの?」
「オートバックスです。」
ダメダメですねー
オートバックスは手軽かも知れませんが、所詮素人集団・・・
ケツ下がりの車高調整なんてありえません。
これでアライメント取れているのか?
当然コーナーウエイトなんて考えてもいないでしょうねー
上の写真のポジショニングライトや、サイドシルLEDライト、さらにはテールレンズなどもすべてオートバックスで改造したようですが、本当に大丈夫?
配線過抵抗で燃えちゃった・・・
なんてことないでしょうねー
今のところ車は燃えてはいませんが、
テールレンズ関連の脱着作業でいたるところ傷だらけにされてしまっています・・・
「傷入れられたくないので、脱着作業はマスキングをして行ってください。」
と、言ったそうですが、
「うちは傷なんて入れませんよ!」
「どうしてもマスキングしてほしいとなると、追加で5.000円かかりますが?」
と言われたそうですが、やはり不安なので追加を払いマスキングしての作業を依頼されたそうですが・・・
作業途中で見に行ってみると、マスキングされていません・・・
しかもいたるところ傷だらけ・・・
此れ本来なら“ぶち切れ”でしょう!
しかしオーナー様多少文句を言った程度で引き下がったようです。
気が弱いというより、“いい人過ぎる”のです。
結果この部分、今回の施工で自費による部分傷取り磨きを行うとか?
あまりに人が良すぎます・・・
私だったら完全ブチ切れ、大暴れ間違いなしですね!
量販店の作業はできればやめたほうが無難。
意外と価格も専門店より安い訳ではないですよ!
しかし知識や技術ははっきり言って素人・・・
以前の施工で、フロントガラス及びフロントサイドガラスは、スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティングが施工されていますが、
「2年たったので再施工します。」
とのことで、ライトポリッシングを行ってみると、このようにコンパウンドがまだバリバリはじかれます。
まだまだコーティングはしっかり残っています。
なんかもったいない気もしますが・・・
かなりコンパウンドで研磨をしてやっとフッ素が取れたようで、弾きが無くなりました。
工場用フッ素としては最高ランクのフッ素というだけあって、2年使用後にも拘らず、かなりの研磨を必要としました。
流石ワイパー耐久試験40万回クリアーだけのことはあります!
スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティングが未施工だったリアクオーターのサイドガラス、しっかり“水染みの餌食”になってしまっています・・・
当然リアガラスも・・・
そしてリアドアサイドガラスも水染みの餌食です・・・
スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティングを施工してあると、洗車の際の水や雨水などは自然に弾かれ流れ落ちてしまうために、水染みはできにくいのですが、未施工の部分はガラスの汚れなどが原因で水の流れ落ちを妨げますので、
このように水染みが出来てしまいます。
たかが水染みでしょう!
などとなめていると、水染みの成分であるアルキル基は、ガラスまで溶かしていきますよ・・・
こうなるとヘビーポリッシュが必要となりますが、弊社の場合は5μが研磨限界!
水染みによるクレーターの深さが此れを超えれば、あとは“ガラス交換”となってしまいます。
フロント基本セット(フロントガラス・フロントサイドガラス×2)はライトポリッシュで、それ以外の全ウインドウは鱗落し剤にて下処理を行いました。
ほぼ完全に鱗がなくなったのをコンパウンドや鱗落し剤の弾きが無くなったことや、車内からの確認でチェックしたのですが・・・
この様にほんの一部ですが水染み痕が残っています。
磨き落し?
かなと思い再度部分的にライトポリッシュを行ってみても、状況は変わらず・・・
一つ一つの水染み痕をよーく観察してみると、
ガラスにクレーター状に食い込まれてしまっています!
つまりガラスに付着していた水染みに含まれるアルキル基が、
ガラスを溶かしてクレーターを作ってしまっているのです・・・
わずか2年でこのような事になっているとは?
考えられるのは、洗車の際の水の成分が相当ミネラルが強くアルカリPH・・・
お住まいの周りは一面耕作地なので、雨水に相当量の肥料などから飛散したリンや窒素などが含まれているのか・・・
この状態を完全にするにはヘビーポリッシュでガラスを研磨して、クレーターの底面まで削るしか方法はありません。
2年後にメインテナンスするとしたら、その時はヘビーポリッシュが必要かもしれません。
もっともパッと見にはほとんど気になるレベルではありませんから、気にしなければ左程問題ではないのですが・・・
オーナー様相当神経質ですからねー
ガラスがあの状態ですから、当然ボデイも水染みで覆われてしまっています。
水染みの上にまた水染みができを繰り返していったのでしょう、
一般的水染み痕とは違い水垢が溜まった様な壮途にハードな付着を起こしています。
この様にパーツ付近はポリッシャーのバフがまともに当たらないために、ここまでハードな水染み痕は付着だけならある程度削り落とすことはできますが、イオンデポジットクレータに進化してしまっている部分は、たとえ初期症状でもある程度痕跡は残ってしまうでしょう・・・
完璧を期すのであればパーツの脱着を行っての作業となりますが、そうなるとかなりの金額となりますので、趣味車(スーパーカーやクラッシックカー)ではありませんから、あと数年で車両入替となるでしょうから、そこまでして完璧さを追い求める必要もないでしょう。
こだわり始めたら限ないですからね!
磨き前膜厚は116μ、2回目の施工ではありますが、これだけ膜厚残っていれば今回ある程度ガツンと磨いても大丈夫です!
上記したようにボデイ全面(側面部分も)水染みに覆われてしまっていますが、写真矢印の先に白い滲み状のものがあり点在していますが、
これイオンデポジットクレーターです。
すでに塗装に食い込み凹んでしまっています・・・
新車施工時に、オーナー様は撥水を希望され、
それでもフッ素撥水ではなく耐水染み対策用撥水コーティングを選ばれたのですが、このような状態に・・・
ましてや車庫保管とのことでしたのに?
ブログ書いていて今思い出しました!
しばらく嫁がれた妹さんに此のお車お貸ししていた期間が結構あったことを。
恐らくこの時初期症状を作ってしまったのでしょう。
とはいえ、やはり濃色車の撥水コーティングは避けるべきでしたねー
テールレンズに隣接した深い線傷、部分傷取り磨きで処理終了!
きれいに痕跡はなくなりました。
この部分の傷は、線傷ではなく何かを叩きつけた様な圧縮傷・・・
これは線傷と違い非常に深さがありますので、完全になくすることは樹脂部分で膜厚計も使えませんし、無理をして塗装ペロンは避けたいので、
傷のエッジを丸めて見えにくくするレベルにとどめました。
それでもほとんど判らないでしょー
この見るからに深そうな線傷、どう見ても下地到達・・・
と見えますが、部分傷取り磨きで傷完璧になくなりました!
しかし塗装が曇って見えるのは、ここから02スタンダード磨きコースを始めるからです。
此の曇はいわゆるポリッシャー傷、オーロラのかなりひどい状態です。
しかし、この後3段階の磨き工程を経て艶艶な肌に再生されますのでご安心を!
ほぼ02スタンダード磨き限界研磨厚に近い4μの研磨となりました。
付着している水染みはきれいになりましたが、前記したように一部(主にトップ部分)にイオンデポジットクレーター化してしまっている物は残ってしまいました。
それでもあれだけ多量に付着していた水染みがなくなると、まったく意匠性は変わります。
長期ご入庫だっただけに、常連のお客様は変わりゆく姿を何回か見られ、
「あれだけ酷かったのに、磨きが進行するにつけ変わるものだねー」
「ここまで水染みがなくなると艶が戻るのかー」
と結構感心というか、驚いていらっしゃいました。
ファーストポリッシュ終了時ですでに完成と思われた御客様もいらっしゃいましたが、これでおわれれば私も楽で儲かるのですがねー
残念ながらそうはいかないのですよー
HONDA ホンダ オデッセイ アブソルート コーティング終了
コーティングまで終了して、まじまじと眺めてみると、まじきれいです!
この手の1BOX嫌いの私でも、“格好いいなー”と感じてしまうほどの出来栄えです。
ちょっと手前味噌でした・・・
今回の使用コーティング剤は、前回の撥水コーティングでの選択ミスを踏まえて、
エクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティングといたしました。
が・・・
エクセレントということは、車磨き研究所では撥水を意味するのでは?
と疑問をお感じのかた、鋭い!
そうですメニューカテゴリー上は撥水です・・・
しかしこの撥水とは、初期小量水量での弱撥水が起こりやすいため、メーカーの意向として撥水としていますが、
一定量の水量になると親水性に切り替わるので本当の機能判断では親水性なのです。
本来はこのエクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティングの上に、
レジントップコート・コクーンを施工するのが、
コーティング耐久性と意匠性を守る為には理想的なのですが、今回は施工いたしません。
だって無駄ですから・・・・
御客様はレジントップコート・コクーンの施工を希望されましたが、やめてもらいました!
何故?
実はこのお車すでに施工は終了していますが、お引き取りに見えられるのは4月上旬まだほぼ1か月先のことです。
その間施工終了をしているオデ君は、車庫の中でぬくぬく安眠しているので、この間にエクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティングは初期硬化期間を終了し、
完全硬化してしまうためです。
車庫の中で温度・湿度を管理され、外気にもあたることが無い状態ですので、
初期硬化の不安定期間を守る必要が無いからです。
商売上はお受けしたほうが儲かるのですが、性分的に無駄な受注はできないですね!
「だからお前はいつまでたっても商売人になれない・・・」
と怒られることもしばしばですが、商売人のストレスには耐えられませんから、このままでいいですわー
オーナー様にはまずはこのブログで施行の内容をご確認いただくこととなり、1か月後のお引き取りとなりますが、さてその際のご感想はいかに?
初めてのパターンですのでちょっと不安・・・
と言っても出来栄えに自信が無いわけではないですよ!
楽しみにしていてくださいね。
毎度毎度施行ご依頼いただきまして感謝の気持ちでいっぱいです。
車輛クラス:クラスLL
施工コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティング
磨きコース=02スタンダード磨きコース(標準的軽度の磨き)
オプション施行1=部分傷取り磨き(4ヵ所)
オプション施行2=スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティング(フロント基本セット×ライトポリッシュ・リア基本セット×鱗落し・リアドアサイド2枚×鱗落し)
施工料金:148.139円税込(長期お預かり割引-20%・リピーター割引-20%・濃色車割増磨きランク1+15% 適応)
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