2013年05月21日公開|ダイハツ
私とほぼ同年代の御客様でしょうか?
施工までのお待ちいただいている期間、何回かご来店いただきました。
お子さんもそろそろ自立し始めるお年頃でしょうから、趣味のお車にお金をかける余裕が出始めてきたのでしょう。
私はあと最低でも4年は忍耐の時間が続きます。
もっともその頃には、歳を取り過ぎてよくもなくなっているでしょうが・・・
現在でも、すでに気力は失せていますからねー
子供のころ、ただひたすら働く父親を見て、
「生きていてなにが楽しみなのだろう?」
「毎日の生活に楽しみなんてあるのか?」
などと思ってみていましたが、今の自分が同じ姿になろうとは・・・
これも遺伝なのですかなねー
すでに10年が経過しているお車ですが、この時代でもこのようなホワイトシートの内装が軽自動車にも存在していたのですね!
知りませんでした。
最近は国産車でもこのような色の内装はよく目にする機会も増えましたが、この当時はかなり少なかったことでしょう。
この時代のこのような部分の作り、今見ると現行生産車輛と比較してみると簡素ではありますが、非常にすっきりしていて、かつ車格比較からすると妥当な素材クオリティーだと思います。
変にコテコテしていませんし、安っぽい素材やフェイク的手法も取られていないので、違和感を感じさせません。
デザインの基本は、表面的見せ掛けではなく、機能が大事といういい例でしょう。
当初施行ご予約時には、御依頼内容には無かった施工ですが、お持込時当日に追加施工としてオーダーいただきましたヘッドライトカバーの磨きです。
まだ現時点ではクリアーの剥離等は起こしておらず、クリアーの曇りが進行している程度ですので、この段階での施工であれば、クリアーを残した状態でリメイク可能です。
この程度の状態でお持込いただけば、施工後もまだかなりの時間現状維持が可能でしょう。
車も体も、治療は早目に越したことはありません!
病魔などに完全に侵されての完全治癒は難しいのと同じです。
ガンの症状でたとえるならステージ2とでもいうところなのでしょうか?
ミディアムポリッシュで施行してみましたが、完全にきれいにすることが可能でした!
お引き取りの際ご覧になられた御客様も、ここまで回復可能とは思われてはいなかったそうです。
簡易施工店などで行われているケミカル使用のごまかし的手法ではありませんので、
短期間にまた曇りや黄ばみが発生することはありませんが、今回はこの状態での御引渡しですのでこのままの状態で使用を続けてしまうとまた同じことが起こってしまいます。
ちょっと面倒ですが、DIYで市販のコーティング剤で保護膜を作ってやることが必要となります。
同じように、ポリカーボネイト材質のサンバイザーも傷だらけになっています。
これはヘッドライトと違い、表面にクリアー処理などはされていませんので、劣化による曇りではなく傷による曇りとなります。
多くのお車がこのような状態となっていますねー
この部分もヘッドライトカバーと同じように、ミディアムポリッシュで処理していきます。
→が磨き終了後の写真ですが、100%とは行きませんが、かなり意匠性はよくなりました。
というのは、傷が表面で無く裏側にも相当入っており、そこまでは磨くことはできないため、完全に傷が無くなるまでは至りませんでした。
これは洗車の際に気を付けていただくしかないですね・・・
其れも面倒でしたら、あとは交換でしょうね。
これはすごいことになっています・・・
傷が模様の様なレベルで、くまなくボディを覆い尽くしています。
今まで見てきたお車の中で、間違いなくワースト1!
救われたのは塗装色がブラックMCというメタリックであったこと。
これでソリッドだったら、お断りしていたかも?
しかし、なぜこのような事に?
実はオーナー様が、
ホームセンターで数千円のダブルアクションポリッシャーを購入されご自身で磨いたのだそうです。
夜間に行ったそうですので、その時はコンパウンドのぬめりなどで、
「きれいになったなー」
と思われ、大満足だったそうですが、翌朝自然光に照らされてみてみると、
「なんだー、傷だらけになっている・・・」
なのだそうです。
これ当たり前のことで、ホームセンタ―などで販売されているダブルアクションポリッシャーは我々プロが使用するものと比較するとトルクは1/10くらいしかありません。
つまり抵抗がかかるとランダム回転が止まり、回転運動から叩き運動に変化します。
こうなると、磨くのではなくひたすら傷を入れ始めていきます・・・
このようなポリッシャー特性は取説などには記載されていませんから、それも変ですが、素人が知識もなくこのような事をおこなえば取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。
中にはプロショップ施工済み車輛でもこのような傷に覆われているお車も良く見かけますから・・・
新車でさえ、1/5位の比率で傷の量の問題はありますが見かけます。
ダブルアクションポリッシャーは、一般的に扱いが簡単で、かつ対象物を痛めるリスクが低いと思われていますが、これは全くの勘違いです。
回転運動が止まった状態で、繰り返し同じ場所で動かし続けると、
塗面温度はシングルポリッシャーより短時間で上昇します。
そこに叩き運動をすれば、
温度上昇で軟らかくなった塗装には簡単に叩き傷がはいっていきます・・・
やわらかい状態に入る傷ですから、傷の深さも非常に深くダメージを与えていきます。
ポリッシャー使用の素人磨きは、絶対に行わないでください!
下手すると全塗装しないと回復不能、ということもあり得ます。
膜厚もムーブですと新車時100μ以上はあるはずですが、すでに93.3μ迄無駄な研磨により少なくなってしまっています。
此のお車で一番ひどい部分はここ、右リアドアです。
ナメクジが動き回ったかのごとく、ポリッシャーの叩き運動による傷は幾重にも重なり付いています・・・
これでは苦労するのは目に見えています。
アーア・・・
しかし、意外やこの部分はさほど苦労することなく磨くことが出来ました!
恐らく側面ですので、ポリッシャーのプレス圧がさほどかかっていなかったため、傷の量的には多くても傷の深さはさほどではなかったのでしょう。
お引き取りにみえられた際にも、ご自身でこの場所が一番ひどいとの認識があられたようで、真っ先にこの部分御確認されて、
「あんなにひどかったのにきれいになっている!」
と、驚かれていました。
施工前にお見積もりにみえられた際は、現状の状態から磨きのコースは最低でも02スタンダード、完全をお望みなら02プラススタンダードが必要とご説明の結果、
ご予算の関係上02スタンダードでの施工と決定をしていました。
しかし、ご入庫いただく直前になって、
「それでも予算が厳しくなってしまいました・・・」
「価格下げるため、施工内容変更できますか?」
とのご相談が。
しかしあの状態ですから、予算を抑えるのに磨きのコースは変更したくはありません。
となると、コーティングを1ランク下げるしかありませんが、そうなると弊社取扱いコーティングでは一番下のクラスとなってしまいます。
安い=良くない
ではありませんが、このクラスのコーティングは耐久性能より意匠性に特化しており、
1年ごとの再施工かメインテナンスを必要としてしまいますので、ランニングコストは高くなってしまいます。
ご説明すると、
「それならコーティングは落とせないですねー」
となりましたが、そうなると磨きをランクダウンさせる?
しかし傷はこの状態・・・
02スタンダードでもかなりきつい状態ですから、これから02ライトに変更するとなると、軽度の洗車スクラッチは処理できても、問題のポリッシャー傷はまず磨きとることはできないでしょう。
傷残りはあり、艶だけ上がる!
これ逆に傷目立つこととなります・・・
悩んだ末に、結局はコースは全て据え置きとなりました!
不足しているご予算は、銀行強盗で調達・・・
なわけありませんが、何とかご用意していただけることとなりました。
其のおかげで、私から見てもここまで回復できるのか?
と思えるくらいの意匠性にリセットできました!
しかしその代償は5.5μの膜厚減少。
残存膜厚は、87.8μです・・・
もう同じことをもう1回繰り返すことはできません。
もっとも軽自動車で10年経過車ですから、車自体の寿命がもう訪れ始めていますので、あと数年間この状態をなるべく維持するべく、洗車等に気を付けて管理していただく必要があります。
DAIHATU ダイハツ ムーブ カスタム コーティング終了
まったく艶が失われ、黒の塗装色の弊害だけが目につく状態でしたが、同じ車といは思えないくらいの仕上がりとすることが出来ました!
この状態を引き立たせたもう一つの理由は、
ヘッドライトカバーとサンバイザーも磨いたことは大きな理由でしょう。
この2か所が傷んだままであれば、意匠性に相殺効果が出てここまでのリフレッシュ感は味わえなかったかも?
しれません。
お仕事終了後に1時間かけてお引き取りにいらしてくださいましたが、当然相当お疲れでしょう。
実は私自身も、プライベートで子供のことで大問題発生中で、かなりくたくた精神的にも滅入っていましたが、お引き取りにみえられたオーナー様のお喜びになられるお姿、お言葉でそんなことも吹き飛んでしまいました!
「ここまできれいに回復できるとは・・・」
「予想をはるかに超えています、すごくきれい!」
「此れならまだまだ乗り続けられますね。」
「ここまできれいになると、やはり黒はかっこいいなー、と思てしまいますねー」
と、ご感想は次々と発せられます。
表情も満面の笑みで、メロメロの笑顔です!
オーナー様にとって、お車が新しいとか古いとか、高いとか安いとかではなく、思い入れがあられればそれだけで何物にも代えがたい価値がおありです。
そのお気持ちが、施工者である私にも伝わってくると、私自身も御客様のお気持ちになって施工に集中することが出来ます。
ただし、
「私の宝物!」
みたいないな、異常愛情を露骨に表現されてしまうと、逆にドン引きになってしまうこともたまにありますが・・・
こうなると、気持ちが入るではなく、警戒心が先に立ってしまいますねー
車にも、異性にもこだわり愛情はほどほどであることが肝要かと・・・
車輛クラス:クラスS
施行コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング
磨きコース=02スタンダード磨きコース(軽度の標準的磨き)
オプション施行1=ヘッドライトカバー磨き(ミディアムポリッシュ)
オプション施行2=サンバイザ―磨き(ミディアムポリッシュ×4枚)
施工料金:111.911円税込(代車使用無し割引-10%・濃色車割増磨き+15% 適応)
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