2013年06月14日公開|ホンダ
此方のお車も既存の御客様です。
今回は、奥様のお車を新車ご購入されご依頼いただきました。
最近、ご家族のお車のご依頼をよく頂きありがたい限りです!
実はご納車当日にお車の診断にみえられたのですが、その際傷の確認もさせていただきましたが、この時点で新車割引“非適応”決定です・・・
ボデイ全体傷だらけ。
更には、リアバンパーの一部白く塗装がぼけている?
原因は判りませんが、明らかに何らかの理由で塗装自体に何か問題があります。
御客様その足でディーラーに向かわれ、それを指摘するとろくに確認もせず、
「判りました交換します。」
と、あっさり認めた!
誠意的とも取れますが、なんとなく確信犯的臭いが・・・
嫌な予感。
良い雰囲気のメーターですね!
ブルーのイルミネーションが似合っています。
しかし、ハイブリッドはブルーを使った部分多いですね。
ブルー=ハイブリッドというイメージって何故なんでしょう?
ブルーという色、エコを連想させる色なのでしょうか?
確かにベンツでもブルーエフェンシーと現在のエコ車言いますからねー
この空調インジケーターも私好き!
見やすいのもそうですが、何か潜水艇を連想してしまいます。
私だけかもしれませんが・・・
そして国産車では標準装備のようになった、プラズマクラスターイオン発生エアコンも装備されています。
私の所有車輛には1台も付いていない・・・
だから効果よく知りませんが、これだけ普及しているということはかなり効果があるのかな?
此れも国産車の最近の傾向。
コンビシートですが、合皮(ビニール)を使い豪華の様な表現はいかがなものかと?
185万円という私からするとかなりの高価格・・・
その正当性を付加するための手法でしょうが、このようなフェイク素材使うくらいなら、
同じフェイクでもアルカンターラの様なマイクロファイバークロスのほうが良いと思うのですが?
個人的には、ファブリックでおしゃれに作ってくれるのが1番!
目指したのは、本革のような質感と心地よさ。
それでいて、本革より手入れしやすいこと。
フィット シャトルのシートの
サイド部に採用した※「グランスムース®」は
そんな発想で創りあげたシート素材です。
風合いはあくまで自然に目に優しく、
触れればしっとりと手になじむ。
シワになりにくく、シミに強いところは、
人の手で創りあげた素材ならではの魅力。
もちろん、高い耐久性も実現しています。
人の手と、知恵と工夫で創る、新しい上質。
「グランスムース®」
天然の素材とはまた別の価値、
「質感と機能の両立」を備えた新素材が、
フィット シャトルならではの、心地よい空間を織りなします。
御客様には大変申し訳ないですが、
「此れで新車?」
としか言いようはあり得ません・・・
全体傷だらけ、中古車であってもここまでのレベルの傷は相当程度が悪いと言えるくらいの状態。
新車納車時に拝見させて頂いた時の記憶があいまいですが、その間に傷をつけてしまったのか?
しかし、交換されたリアバンパーはさほど傷は無い!
ということは、やはり納車段階からこの状態に近いものがあった?
弊社の作業システムは、
新車で納車から3か月以内は鉄粉除去作業は基本的には行なわないので、マスキング終了して磨き始めてみると、予想外の事態が起きてきます。
50cm四方くらいで鉄粉の刺さりが100か所くらい・・・
その鉄粉にコンパウンドが絡み磨けない。
結局ボデイすべてをトラップ粘土で鉄粉除去する羽目になりました・・・
あっという間に粘土は鉄粉だらけ。
鉄粉除去も終了しましたのでいざ磨き始めてみると・・・
今回の磨きのご依頼コースは02スタンダード磨きコースですので、ますはシングルポリッシャー・荒目スポンジバフ・研磨力のそこそこ有るコンパウンドを使用します。
覆っていた傷をまずは研磨して消していくと、さらに恐ろしい状態が出現・・・
浅いスクラッチの下にガリガリの傷が所かしこに点在しています。
なにかで何かを落とそうと、強引に擦った跡・・・
深いところは20~30μの深さはあるかも?
更に除去した鉄粉の刺さっていた部分が、ピンホールのようになっていて、そこにコンパウンドが入り込み結局コンパウンド絡みっぱなし。
1回磨いては、ピンホールに入り込んだコンパウンドを除去し、また磨きの繰り返し。
通常の同車格車輛の倍は時間消費していきます。
完璧に赤字・・・
磨き前膜厚は103μありますが、この状態ですから、
新車でありながら02スタンダード磨きコースの限界研磨厚5μは磨く必要があります。
それでもかなりの傷残りの可能性があります・・・
側面もやはりかなりの状態・・・
目に見える傷も相当のものですが、それよりも微細な傷に覆い尽くされているのでしょうか?
艶もなく曇って見えます・・・
→側は、ファーストポリッシュで1回磨きを入れた状態。
此れだけでもかなり曇りは取れ、艶が復活してきています!
更に↑側、此処はファーストポリッシュ3回行った状態。
更に艶が出てきました!
この様に側面傷だらけ・・・
傷取りしながら磨くのも大変ですが、鉄粉食い込み跡のピンホールの食い込みコンパウンド処理しながらのほうが面倒くさい。
更には、ホンダの塗装非常にバフの滑りも悪く、コンパウンドも均一に伸びてくれない。
今回の磨きはハマリまくっています・・・
と、更に最悪な傷。
かなりの深さの傷が7本・・・
そのうち4本は一見下地到達しているようにも見えますが、傷断面のバリが白く見えるだけの様な?
何とか“部分傷取り磨き”をおこなえば、完全になくなるまでは無理としても、ほとんど見えなくはなりそうですので、お客様にTELしてご指示を仰いだところ、
「そんなに目立つ傷ならばお願いします!」
とのことで、さっそくトライしてみます。
○の部分は傷残りました。
いかにせよ、膜厚計は使用できない素材ですので、研磨した膜厚は勘でしかありませんから、あまりむきになって磨くと、ペロリということありますので、ここ等辺が潮時でしょう!
無理はいけません、無理は!
ドアカップも爪傷4か所とも入っています・・・
そうは言っても、納車から3か月程度では普通此処まで傷入らないと思うのですが?
御引取りにみえられた際、御客様に確認してみると、
「そんな扱いをしたとは思えない。」
「子供もいないから、リアドアはほとんど触っていないのにー」
とのこと。
疑いがほぼ確信に・・・
もしかして展示車?
だとすると、ドアカップの傷も合点がいく。
3月納車だったのに、シートベルトの製造年は2012年、発煙筒は2012年9月・・・
どうも怪しい?
シートベルトはタイ製ですので、ことによると在庫品とも考えられますが、正味期限2年の発煙筒が6か月前のものはおかしい・・・
やはり新車であってもあれだけの傷をそれなりのレベルまで磨くとなると、02スタンダード磨きコースの限界研磨厚5μをわずかですが越してしまいました。
結局5.1μの研磨・・・
白い点々が見えますが、
これが鉄粉除去後のピンホール痕です。
此ればかりは磨きでは処理のしようがありません。
完璧を期すのであれば、クリアーの上塗りするしかありません。
ただしコーティング剤で充填はされているはずですので、ピンホールから水が滲みこんだり、塗装を酸化させられてしまうことは防げるとは思います。
HONDA ホンダ フィット ハイブリッド XHセレクション コーティング終了
四苦八苦の末、何とか形になりました!
此れがホンダの塗装でなければもうちょっと何とかして差し上げることが出来たと思うと、お客様には申し訳がありません・・・
今度は、ホンダの塗装でもきっちり磨けるコンパウンド作ってもらうか。
此れだからいつまでたっても貧乏生活終わりません・・・
しかし、お引き取りにみえられた御客様、ご夫婦で見えられましたが、
「こんなにきれいになるのー」
「あれだけあった傷が無い―」
「新車よりもきれいー」
と、感激ををしていただけましたが、そもそも新車なんですけど!
鉄粉の付着に関して駐車環境の問題かも?
と、言う恐れもありましたので2年前に施工したご主人のマークXの状態をお引き取りの際に確認してみると、やはりかなり刺さっています鉄粉が・・・
この時ご主人は、
「再施工してもいい?」
と、奥様にお聞きでしたが私が、
「もったいないからやめましょう!」
と、言ってしまいましたが、よくよく考えてみるとまた一冬鉄粉付着にさらされると、明らかに傷みが加速する恐れはありますので、冬前に鉄粉だけは除去したほうが良いかも知れませんね!
今回施行中に苦労していることをお伝えしてしまったので、お気を使われてお土産をお持ち頂いてしまいましたが、“できる限りのことはする”は仕事として当たり前のことですので、このようなお気遣いは必要ありませんよー
と、言いつつありがたく頂きまーす。
いつもお世話になりありがとうございます。
車輛クラス:クラスS
施行コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング
磨きコース=02スタンダード磨きコース(新車用軽度の標準的鏡面磨き)
オプション施行=部分傷取り磨き(フロントバンパー×1か所)
施工料金:68.667円税込(リピーター割引-20%・代車使用なし割引-10%・濃色車割増磨き+15% 適応)
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