2013年06月09日公開|トヨタ
昨年施工いただいたお車ですが、実は今回のご入庫はクレーム・・・
昨年のご納車直後にすでに意匠性についてお問い合わせがあり、磨き傷のご指摘がありました。
事の経緯をご説明いたします。
昨年の冬に新車で長期お預かりでのご入庫を頂きましたが、ディーラーの不手際やオーナー様からの弊社ご入庫中の別業者での電装作業等で日程が大幅にずれ込み、本来の施行日程予定がくるってきてしまっておりましたが、施工完了は初めの予定のまま。
此処を予定変更をお願いするべきでした・・・
そのため、ほかのご予約車輛の合間を縫っての大忙しの施工となりました。
そうすればこうはなりませんでした!
担当したのは昨年で退店した店長でしたが、コーティング終了し私の担当であるペイントプロテクションフィルムの施工をしている際、磨き残しの傷を発見して店長に再施工の指示をだし、再度磨き&コーティングをやり直しました。
この際、磨き終了時点では傷の磨き残しは無くなっていることは確認しておりましたが、
コーティング終了時点では再度確認はしておりませんでした。
此れが私の最大のミス・・・
この時使用したコーティングはマーベラスフィニッシュ・プレミアム ハイブリッドですが、このコーティング拭き上げ終了後に再度加水分解を促進させるために精製水によるバフ掛けがあったのです。
御客様から傷のご指摘があった際、磨きの再施工をしていたので磨き残しを私が見落としたものと思っていました。
非常に懇意にしていただいていた御客様のため、再施工のタイミングをご相談した結果、
「どうせ再施工してもらえるなら、来年御春以降でいいです。」
とのことで、結局1年後のこのタイミングとなりました。
その間、問題のこのお車の傷は確認していませんでした。
此処が私の第二のミス・・・
いざご入庫いただき、1年ぶりにお車を拝見してみると、すごいことになっています。
水染みはトップ部分は言うに及ばず、側面までくまなく覆ってしまっています。
しかも線傷は、洗車による軽度のスクラッチから、10μ近い重症の線傷も相当量付いてしまっています。
コーティング表面状態が非常に悪い状態ではありますが、
お客様のご指摘されていた磨き傷はこの時点では確認できません。
本当に磨き残し傷あるのだろうか?
コーティング表面状態があまりに悪いため、コーティングを剥離してみないと判らないかもしれないと、とりあえずコーティングだけを剥離するためのポリッシングを行ってみると・・・
トップ・側面とコーティングを剥離するための磨きを行っていってみるも、
どのパネルにも磨き傷は露出してきません!
塗装面上には磨き傷は存在しない・・・
となると、オーナー様がご指摘していた磨き傷とは何ぞや?
となりますが、これ前述した私の第1のミス、コーティング施工終了後の点検をしなかったことにつながってきます。
コーティング施工最終作業精製水によるバフリングで付けたバフ跡です。
バフリングの時間的タイミングが悪かったのか?
プレス圧が強かったのか?
どちらにしてもこの段階で付いた、おそらく傷の深さで言えば0.1μ以下のオーロラスクラッチだったと思われます。
オーナー様から、クレームを頂いた段階ですぐに実車確認をさせていただけば、上記した理由による傷であることは判ったのです。
そうしていれば、このような大がかりなことをせずとも、簡単に補修はできていました。
だから第2のミス・・・
これはコーティング表面にほんのわずかバフリング痕が付いただけのものですので、コーティングを剥離せずとも、0.1μのコンパウンドを使用して、ダブルアクションポリッシャーにより簡単に除去できたはずでした・・・
オーナー様と懇意な為になあなあにしておらず、すぐに確認ご対応をしていれば、ここまで大事の再施工しなくて済んだのですが、私の甘えが招いたことですので仕方がありません。
今回は既存のコーティングを剥離した後、02スーパーライトの磨きを行い、エクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュで再度コーティングを行い、トップコート・コクーンをサービス施工いたしました。
というのも、側面部分ですらこれだけの水染み付着を起こしています・・・
1年間でここまでの水染み付着しているお車は今までに拝見してきた中ではワースト3の中に入ります。
何故?
このワースト3に理由がありました。
それは水道水の水質!
これ等ワースト3のお車総て同じ山の水が水道水の水源になっています。
水道水としては、限界レベルのアルカリPHで、
含有されているアルカリ金属イオン量が非常に高い。
調べていってみるとこれらの山、火山群に属し付近には当然温泉も数多く存在しますが、それら多くの温泉は硫黄泉。
つまり、一般の水道水と違い硫黄成分のが多く含まれている・・・
此れがわずか1年でここまで水染みが出来てしまっている最大の原因です!
こうなると、コーティング自体に何を使おうが、レジンをトップコート使用しようが、多少の改善はできても、根本的解決には程遠い・・・
同じ状態になることを避けるためには洗車の方法を替えるしかありません。
1.引っ越す。
これは無理ですね・・・
2.純水洗車を行う。
此れも近くに純水洗車場ありませんから無理・・・
3.洗車時絶体水が乾く前に拭き上げを終了する。
此れも洗車を行うオーナー様の環境的にほとんど無理・・・
4.拭き上げ終了後に、純水で濡らしたクロスで再度水拭きを行い乾拭きをする。
此れなら手間はかかりますが可能です!
ただし、現段階で洗車による傷これだけつけてしまっていますので、さらに車に触れる回数が増える分傷入れのリスクは高くなるというデメリットは付いてきます。
しかもこれで一般地域に比べ水染みの付着が少なくなるまでの効果は期待できず、今までに比べ水染み付着量を1/2位に抑えることが出来るレベルでしょう・・・
それでも気になられる様でしたら、1年に1回水染み除去のリムーバーメインテナンスを行うしかありません!
このお客様水染みに関しては、不幸(悪条件)が重なっています。
この中で、私からして最大の問題は塗装が202ということと思います。
ただでさえ管理が難しい202の塗装で、このような環境ではとても良い状態での維持は無理というものです。
お持込いただいた際に丁度弊社ツーリングメンバーの半年前施工済みの濃色BMWが遊びにいらしていて、そのお車を見てびっくり、
「まったく水染みがない?」
「どうして?」
しかしこのBMWは露天駐車。
つまり、お住まいの環境が水道水水質が良いからです。
お引き取りにいらした際も、2時間ほど雑談していましたが、今後の結論は、
「洗車拭き上げ後の純水拭き上げを行い、それでも水染みができるようなら、
1年ごとの水染みリムーバー作業をすることにします。」
「モデファイにお金かけるより、きれいな状態維持することにお金使うようにしよう。」
「次車買う際は、絶対淡色車、パールホワイトマイカでしょう!」
これ全て正解ですね。
今回は、私の怠慢・怠惰さから長らく原因究明もできず、長らくお待たせして申し訳ございませんでした。
しかし、初めての症例に私自身はいい勉強をさせていただきました。
今後はさらにこれら事象を踏まえ、より良い施工をするように切磋琢磨いたしていきます。
これからもよろしくお願いいたします。
PS:たまには奥様と御嬢さんの御顔も拝見させてください。
車輛クラス:クラスX
施行コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティング
磨きコース=02スーパーライト磨きコース(ごく軽度の磨き)
オプション施行=レジントップコート・コクーン
施工料金(参考価格):148.526円税込(リピーター割引-20%・ソリッド塗装割増磨き+10%・濃色車割増磨きランク1+15%・耐スリ塗装割増磨き+30% 適応 有料道路代キャッシュバック1200円別途)
メーカー別
月別バックナンバー