2013年07月14日公開|メルセデスベンツ
常連中の常連、超VIPの御客様です!
この後もすでに2台の施行ご予約を頂いております。
先日私が購入したレンジローバーもこちらのお客様から、格安で譲っていただいたお車です。
いろいろの意味で、ありがたい限りです!
此のお車は、お父様が新車でご購入されずーっとお乗りだったのですが、残念ながらご逝去されお形見としてこれからも大事に乗り続けられたいとのことで今回ご入庫いただきました。
しかし、さすがに23年物歳月が流れておりますので、いたるところが板金再塗装されており、残念ながらその補修クオリティーもかなりひどい・・・
ペーパー目が残っていたり、パテ跡が出てきてしまっていたり、色があっていなかったり、そもそもまともに塗装されていなところまであります。
正直かなり程度は最悪・・・
と、いえるでしょう。
御客様は、
「全塗装してからにしたほうが良いかなー」
「特にひどいところだけ補修しましょうか?」
と、おっしゃいますがそうは言っても此れをおこなえばかなりの金額は覚悟しなければなりません。
そこで、私からの提案として、
「取りあえずはこの状態で、あまりお金をかけないような磨きで施行してみましょう。」
「幸い錆が出てきていたり、鉄板が腐り始めているわけではありませんから、これ以上時間経過とともにひどくなるわけではありませんから。」
「出来上がりの状態が満足いかなかったとしてもしばらくはそのままお乗りになって、頃合いを見て全塗装するようにしませんか?」
「もしかしたら、それなりに妥協できるレベルになる可能性もありますし!」
とお話しさせていただき、補修はせずにできる範囲でなるべくご予算は抑えた中での施工とすることとなりました。
実は私もW124を所有している中で、磨きコーティングによるリセットをしてきている経験上、この時代のベンツの作りのクオリティーは非常に高いので、かなり程度が悪かったとしてもそれなりのクオリティーには持って行けるのでは?
という予想があったからです。
此れが他メーカーの車で、同じような現在の外見程度では、
「ここまで傷んでいれば、塗り直してからやったほうが良いでしょうねー」
となりますが、本当にこの時代のベンツは使用している鉄板・塗料も素晴らしく、生産工程も手間をかけまくっている車ですので十分にチャレンジしてみる価値はあります。
新車時に購入されているフロアーマットですが、いまだ新品の様な状態です!
御客様に、
「まだ新品売っているのですね?」
とお聞きすると、
「新車の時の装着品ですよ!」
とのことビックリです!
車体のみならず、この当時のフロアーマットはやはり金がかかっています。
ヤナセエンブレムも金色です!
バブルな時代を感じさせますねー
この当時のEクラス300グレードでは、本革ではなくファブリックシートのほうが主流でした。
一見ベンツなのに本革ではないのー
と、思割れる方もいらっしゃるかもしれませんが、このファブリックは素晴らしいですよー
23年たってもまったく傷んでいない!
此のお車が特別な訳ではなく、私が所有するW124もまったく同じシートですが、
走行距離22万キロ超にしてまったく痛みはありません。
シート自体のスプリングやスポンジさえもへたりはありませんから、
いかにこの頃のベンツの作りは素晴らしかったかが窺えます!
欧州車の金属メッキは本当によく錆びる・・・
この当時のEクラスのメッキは最終的には黒ずんでいきます。
今回は金属メッキ部分すべてメタルクリーンを行いリフレッシュします。
この部分に艶が戻ると全体の印象は全く違ってきます。
ただしこの部分がメッキになっているのは正規日本仕様のみ。
私の所有車輛はドイツ本国使用の並行車のため、メッキは使われておりません。
どちらが良いかは好みの問題でしょうね。
悲惨なほど錆びまくっています・・・
もっとも23年経過してこの程度で済んでいるとも言えますが。
しかしこの状態では、
いくらボデイだけきれいになっても全体の印象はやつれ感は取れませんので、きっちり磨き上げますよー
表面の粉の吹いたような錆の部分は#600番相当の特殊ペーパーを使用して除去しました。
この第一工程だけでも全然違って見えます!
この段階ではメッキ内部まで浸透してしまった錆び斑は取りきれませんので、次工程のメッキ専用コンパウンドを使用したリューターによる除去作業を行います。
ただしボデイ形状やモールの形によりリューター使用できない場合もありますので、その場合はオービタルサンダーを使用します。
この場合は、研磨力がリューターより弱いため仕上がりは1ランク低くなってしまいますので、この場合はご勘弁ください!
リューター研磨の後、細かなリュータによるフェルト跡が残りますので、最終的には手磨きを行い仕上げ磨きを行います。
ピッカピカになりました!
ただし、傷に関しては残るものの方が多いです・・・
メッキの厚みは数μしかありませんので、傷を取るところまで研磨をおこなえば、まずメッキは下地が出てしまいます。
傷までの処理をご希望の場合は、再メッキか交換以外ありません・・・
我ながら、この意匠性変化は見ていて、にやついてしまいますねー
磨き作業終了後は、メッキ対応可のコーティングを行います。
ただし、メッキに対しての長期安定定着できるコーティングは存在いたしませんので、この状態を維持するためには、DIYでの3か月ごとの再コーティングの必要があります。
ただし、現在このような材質に対してもコーティング密着が取れる新機材導入を検討中です!
ただし、この作業は追加施工となります・・・
導入決定いたしましたら、新メニューとしてご案内いたします。
フロントガラスも悲惨・・・
23年間のワイパーによるゴミ等の咬み込み傷で白ボケして見えるほどです。
此れはカッコ悪いを通り越して視界性だいぶ悪いでしょう。
西日を受けたときや、雨天夜間の対向車ヘッドライトに照らされれば、かなり気になるレベルと思われます。
はっきり言って、危険なレベル・・・
フロント側面ガラスも、ウインドウの上下稼動頻度が高いため、ゴムとガラスの隙間に咬み込んだゴミ等によりこのように傷が入ります。
あまり視界性には影響はないかも知れませんが、カッコ悪い・・・
フロント基本セット、フロントウインドウと左右フロントサイドガラスをヘビーポリッシュで磨きます。
ただし、爪が入り込めるほどの深さの傷や、飛石痕までは無理です・・・
そこまでの改善を望まれる場合は、交換となります。
ヘビーポリッシュ終了いたしました。
もろ半日かかってしまいました・・・
はっきり言って、ウインドウのヘビーポリッシュとメタルクリーンは大嫌いな作業・・・
しかし、このようにキレににできたときの達成感は苦労しただけあって格別なことも事実!
ただしこの2つの作業は、
どのお車どの御客様でも御依頼いただけば施工するわけではありません。
施行にあたっては条件がございます。
これ等がクリアーされての施工となります。
リスクの高い作業となりますので、勝手な言い分かも知れませんが、ご理解ください。
この後、フッ素コーティングを施工して終了となります。
尚、コーティングはされずウインドウの傷取り作業のみのお引き受けは致しておりません。
ボンネット再塗装が以前されておりますが、
囲われている部分付近ペーパー目がしっかり残ってしまっております・・・
傷はくまなく肉眼で見ると付いてはいますが、いかにせよ一番傷が見えにくいシルバーメタリック、マクロカメラを使用して撮影しても私の技術ではここまでの撮影しかできません。
確認できる傷の100倍は傷があると思ってください。
此れはトランク部分です、やはりここも再塗装されていますが、とにもかくにもひどい塗装の仕方です・・・
有色塗装部分の中研ぎも行われておらず、クリアーも吹きっぱなしでグランド処理もされていません。
しかもクリアーすべてに曇りが起きています。
流石にここは磨きでリセットはできないでしょうねー
多少でも意匠性変化してくれればいいのですが・・・
当然側面部分も傷又傷・・・
ほとんどのお車で共通していますが、
傷に関してはトップ部分より側面の方が傷量的には多いです。
普段は光源と同じ方向から眺めていますからさほど気にされない方が多いようですが、このように水平方向から光を当てると、傷で塗装の艶が失われている事が判りますよね?
後日全塗装するかもしれないということも有り、当座ある程度きれいに乗れればと言う事になり、このたびの磨きは“02スタンダード磨きコース”ですが、ボンネットにあった再塗装時のペーパー目、落ちるかどうかは判りませんでしたが、どっこい無くなりました!
ペーパー目が浅かったことも有りますが、再塗装自体の硬度もやわらかかったと思われます。
通常硬度であればせめてウールバフは必要ですから!
↑↑の側面部分も写真には写らないくらいまでの傷の減少はできましたが、
光源を当てて目視では傷は確認できます。
02スタンダード磨きコースでは上出来です!
→はボンネット中央部、ここは写真の通りに傷はほとんどなくなりました。
やはり塗装が柔らかい・・・
問題のトランク部分、やはり水銀灯がくっきり映り込むまでには至りません・・・
多少輪郭ははっきりした程度でした。
仮に04磨きコースを行ってもここだけはこの状態からほとんど改善は望めないでしょうね・・・
つまり、補修等で再塗装する場合、きちんとした業者を選び、適正な方法で塗装をしてもらう!
値切らず、適正金額で施工依頼!
これ等が重要です。
ただし、それでもこのような塗装をされてしまうことがあるかも?
施工完了時の確認も大事です!
再塗装されているボンネットの膜厚なので375μもあります。
磨き後膜厚は371μ、4μの研磨でした。
この膜厚から想像される補修歴は2回。
新車時膜厚が180μ位とすると、1回の補修塗装膜厚は約100μ位?
あくまで想像ですが・・・
旧車はこのような事を考え予想しながら磨き上げていくことも楽しみの一つ!
Mercedes-Benz メルセデスベンツ E300 コーティング終了
さあ、終了しましたよ!
こりゃー会心の作ですわ!!!
本来の御預かり期間を2週間のオーバーさせていただいて、丹念に仕上げた甲斐がありました。
思い入れがあるお車は、ついつい眺めながら作業してしまうので効率は超悪いですが、
気分は爽快!
此のお車今後内装のパーツ交換や機関修理なので、お客様お気に入りの松本市にあるダックさんにご入庫の予定ですが、たまたま私のレンジローバーの車検のため引き取りに来られこのお車を見てしまった・・・
「マジ、またこんな状態にしてからうちの工場入庫なの、勘弁してよー」
「いつも磨き&コーティング終わってから入庫は神経もたんわー」
と、愚痴こぼし・・・
しかしなぜこのダックの社長そこまで言うのか?
それは、お客様の大事なお車少しでも大切に扱おうという気持ちの表れの、
ちょっとへそ曲がりの表現なのです。
狭い工場でありながら、このようなお車は絶対に外置きは致しません。
松本市内の有名ディーラーや輸入車専門店など、
「絶対外には置かないで!」
とくぎを刺して条件を付けておいても、土砂降りの中平気で外に放置していますから、お客様に対しての誠意は比べ物にはなりません。
いよいよオーナー様お引き取りに見えました。
ご覧になられて、
「鳥肌が立つくらいきれいになりましたねー」
「此れは大事に乗らなければいけないという気持ちになりました!」
と、大喜びしていただけました。
今回の施工コーティングは、“エクセレントフィニッシュ・スパーク”撥水タイプでありながらとろりとした艶が特徴のコーティングです。
弊社ガラスコーティングの中では一番安価、スタンダードクラスに属し、基本耐久は1年というものですが、
「全塗装をするかもしれない?」
という可能性もありましたが、
基本的にこちらの御客様は趣味車は1年ごとに再施工して常にきれいに!
というお考えのための理由で、このコーティングを選ばれているということも有ります。
結果今回の施工で十分ご満足いただけましたので、次回来年の再施工時には、破損しているフロントバンパーとトランクだけ板金塗装修理をすれば、全塗装は必要ないでしょう!
お引き取りのついでに、乗られてこられたお車も施工のために置いて行かれました。
直近で乗り換えのため購入されたお車ですが、お住まいの地区では私が知る限りは初お目見えではないでしょうか?
此方も大物施工となりますので、気合を入れて最高の仕上がりになるよう頑張ります。
いつもいつもご贔屓にしていただきありがとうございます。
車庫での鑑賞楽しんでください。
車輛クラス:クラスM
施行コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・スパーク ガラスコーティング
磨きコース=02スタンダード磨きコース(軽度の標準的磨き)
オプション施行1=スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティング(フロント基本セット×ヘビーポリッシュ)
オプション施行2=メタルクリーン(メッキモール9m×ヘビーポリッシュ)
施工料金:163.300円税込(リピーター割引-20%・輸入車割増磨き+10% 適応)
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