2013年08月04日公開|トヨタ
18年前のプラドですが、まだまだ健在です!
年式からするとかなり程度が良いですねー
もともとしっかり作られている車ではありますが、そうはいってもたいていこのくらいの年式となるといたるところに錆が目立っているものですが、ほとんどありません!
実はこのお車、お父様が新車でご購入され、18年間乗り続けられたお車で、ここで新車にお乗り替えされたので、廃車か売ってしまおうか?
とお考えだったそうですが、今回ご依頼いただきました息子さんが、
「もったいないから僕が乗るよ!」
とのことで、どうせならピッシとしたいからということで今回の施工となりました。
走行距離も20万kmを超えていますが、とてもそこまで使い込まれているようなやつれ感や古臭さは感じられません。
スタンダードなオフロードスタイルだからこそですね!
しかし、さすがにこの当時のディーゼルエンジンは音はうるさく、黒煙ももくもく・・・
もっともそこも本格的オフローダーぽさではありますが。
スタンダードスタイルといえばレンジローバーですが、
よーく観察してみると実はレンジローバー2にそっくり・・・
まずは完全な箱型。
異常に広いウインドウと取り付け位置の低さ。
角型のヘッドライト。
等々。
パクリ感は否めませんが、
当時のパジェロなどと比較するとその出来のよさはずば抜けています!
その証拠に、同年式のプラド100~150万円でいまだに取引されています。
調べていて気が付きましたが、実は5年前に60VXが邪魔になりブローカーのA君に買取してもらったことがありますが、このとき確か35万位だったような?
しかし、当時の程度を今の相場に当てはめて見てみると、200万円位しています・・・
完全に騙された?
一体お前は幾ら儲けたんだよー
これだからブローカーや買取屋は信用できません・・・
儲かった金でジャパン行きまくっていただろー
それとも裏町か?
水に流してやるから今度連れてけー
味も素っ気もないメーター・・・
などと言わないでください!
これこそが実用車としてのオフローダーとしての真の姿です。
いまどきSUVのようにちゃらけていないのが、
男の車!
という感じでしょう!
この当時の4駆といえばこんな感じでしたねー
今見ると意外とごちゃごちゃしています。
私も結構な4駆好きだったので、FJ40→サファリ→CJ5→J38→デリカ初期型→60VX→レンジローバーと7台の4駆を乗り継できていますが、一番好きだったダッシュボードパネルはFJ40ですかね。
鉄板むき出しのダッシュボードパネルと何もなさ感がよかったー
プラドのこのような雰囲気は、サファリや60VXとも近いものがありますが、かなり乗用車チックになり一般の方にも受け入れられやすくなっています。
この当時の4駆の特徴の一つとして、豪華な内装があります。
特にランドクルーザーシリーズは群を抜いていたようです。
パジェロも上級グレードはそこそこでしたが、素材の良さや作りこみの良さは比較にはならなかったような?
いまどきのクラウンなんかよりよほどしっかり作られていますね!
しかもセンスもいい。
だって18年たっても古臭さやボロさ感は皆無ですからー
流石に塗装は傷だらけ・・・
特にボンネットはクリアーも劣化していて曇ってしまい、水銀灯の輪郭も全くぼけてしまっています。
外観的ダメージ以外にも膜厚が問題です。
この当時の塗装は少なくとも130μ以上はあったはずですが、
実際には現状では99.2μしかありません・・・
お持込の際に前オーナーであるお父様もいらっしゃったので、
「過去に磨き施工されたことおありですか?」
とお聞きしてみると、
「結構前ではありますが、1度PROでポリマー施工したことありますが、全然きれいになっていませんでしたけどねー」
とのことで、一度磨きが入っているようです。
弊社からすると、PROは簡易施工店と考えておりますが、キーパーなどとは違いガッツリ磨くお店はかなりハードな磨き方もしますので、それも膜厚が少ない理由の一つかもしれません?
もう一つ考えられるのは、塗装の経年劣化による樹脂圧縮による縮み?
理由はどうであれ、膜厚が少ないことは事実ですから、無駄な研磨は極力せずに傷んだクリアーと傷を磨きとっていかなければいけません!
これ、結構難易度高い・・・
やはりの側面もこの状態、傷に覆い尽くされています・・・
今回ご依頼の磨きコースは、
“02プラススタンダード磨きコース(旧磨きコース)”ですから最大10μまでは研磨できますが、上記したように膜厚が100μすら切っている状態ですので、少しでも研磨量は少なくして且つ傷を極力取りきるという矛盾した磨きを行いました。
しかしどう見ても深い傷は完全除去しようとすれば膜厚は失われてしまいますので、明らかに深い傷は傷のエッジを丸めることで反射の仕方を変え、見えにくくする方法で磨きます。
磨き終了後写真では傷は見えませんが、実際には残っています・・・
光の種類と角度によっては写真のように見えないのです!
6.9μの研磨で終了です。
ボンネットとルーフに関しては、取り糞・樹液・花粉・虫の死骸・黄砂などの付着放置の痕跡が多く、そのような部分はすでに有色塗装部分にまで酸化が進行してしまっている箇所も多く、そのようなところは特にハードに磨きこめないため、
↓←写真のように深い傷のエッジを丸める磨きすらできません。
そのため深い傷残りははっきり確認できるレベルになってしまいました・・・
ですので、多少水銀灯の輪郭ラインは出てきましたが、
これ以上攻めると酸化劣化した塗装が剥離して来てしまいます。
そろそろ塗装としての耐久性は限界に達してきています。
トップ部分だけは5年後くらいには再塗装を検討したほうがよいでしょう!
今回はお客様のご希望により、未塗装樹脂部分はボデイ用コーティング剤や弊社使用の標準樹脂コーティング剤ではなく特別なコーティング剤を使用した、
オプション扱いの未塗装樹脂コーティングを施工いたしました。
ここまで樹脂が劣化してしまうと、ボデイ用コーティング剤や標準樹脂コーティング剤では、多少黒っぽくはなっても→のようにはなりません。
しかし、オプションの未塗装樹脂クリアーコーティングを使用すると、
ここまで黒色が復活し艶も戻ってきます!
これは、磨きと同じで傷んだ表面部分を除去して、劣化していない表面を出しコーティングすることによりここまでの復活を可能にしています。
ただし、このクリアーコーティング剤はかなり強い溶剤を使用しているために、内装材に使用されているような弱い樹脂にはコーティングすることはできません。
つまり、どんな車種でもどこにでも使用できるわけではありませんのでご注意を!
TOYOTA トヨタ ランドクルーザー プラド 4ドアSX コーティング終了
お引き取りには、オーナー様と小学生の息子さんといらっしゃいました。
工場内に足を踏み入れ、正面にある車を見た瞬間オーナー様は、
「すごい・・・」
しばらく言葉が止まってしまいました。
が、代わりの息子さんが、
「すごくカッコイイ!」
を連発して、お車の周りを満面の笑みでぐるぐるされています。
何が嬉しいって、小学生のお子さんでも感動していただけるほどの変化が作り出せたことです!
お帰りの際には、前オーナーであるお父様のところにお寄りになられて完成車両をお店になられるそうですが、きっとお父様もビックリなされることでしょう?
たかが磨きされど磨き!
たかがコーティングされどコーティング!
でしょう。
あと十年もすれば、こちらのお子さんも免許をおとりになられるでしょうから、それまで大事にしていってください。
親子3代によって引き継がれる足車!
めったにあることではないでしょう。
しかし、今回のようなダメージの大きな旧車は磨いていても楽しいですね!
特にこのお車は、1回の板金再塗装もされていませんので、でたらめな再塗装によるパテ引きやぼかし痕露出の心配もないので、特に側面はガッツリ磨くことができました。
ただし、側面部分の一部には、お父様時代に1回行われたPROによる磨きで、
コンパウンドをクリヤーに焼付かせてしまった痕跡が数か所あったことは残念です。
このような部分はバフ磨きでは改善いたしません・・・
改善するためには、最低でも#3.000のペーパーを使用した、
04磨きコース(現行磨きランク)を行うか、部分傷取り磨きが必要となりますが、当然かなりの出費となってしまいます。
該当箇所はすべてプレスライン入り隅部分でのぞきこまない限りは見えないところでしたので、これは許容レベルと考え施工中にあえてお客様にはお伝えせず、当初の磨きコース範囲での施工に留めました。
気にし始めたら限がない・・・
つまりお金も湯水のように消費してしまうことになりますから、妥協も必要なことです!
しかし、残念なのは、お父様がきれいにしようとおこなった磨きの依頼が、
かえって塗装を痛めていた・・・
実際このようなことは非常に多くのお車で起こっております。
それゃーそうでしょう、数日の講習でいきなり磨きを行ったり、
ほとんど磨きの物理原理を知らずにやみくもに磨くお店がほとんどの現在の業界事情・・・
ほとんどのお車はコーティング剤の光沢で磨きのぼろを隠されています。
新車時何らかのコーティング施工を行われているお車のうち何分の一かは、再施工で磨いてみると、バフにザラザラと目には見えないレベルではありますがポリッシャーのつけた磨きの傷の振動を感じます・・・
これきれいになっていたのではなく、塗装壊されています。
きちんとした磨きは決して低価格では行うことは不可能です・・・
時間をかけ、ゆっくり磨きこむことでしか完璧な磨きはできません!
今回は楽しい磨きが堪能できました。
ありがとうございました。
これからも大事にながーく乗り続けてください。
PS:泥除け部分の板金再塗装ですが、弊社にご依頼いただいても価格は同じで施工可能ですので、よろしければお声掛けください。
車両クラス:クラスLL
施工コース:
磨きコース=02プラススタンダード磨きコース(強度の傷取り磨き・旧磨きコース)
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ(現ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ)
オプション施工=未塗装樹脂クリアーコーティング
施工料金:210.200円税込(濃色車割増磨きランク2+10% 適応 別途高速代キャッシュバック)
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