2013年09月15日公開|メルセデスベンツ
でましたねー
W211前期モデルの55AMG正真正銘の本物です!
私も一時このモデルのツーリングワゴンがほしく物色したこともありますが、車両価格もそうですが、それよりも維持費・修理代の高さにあきらめることとなりました。
何せ専用部品はノーマルベンツの約2倍・・・
壊れ始めたらいったいいくらかかるかが想像もつきません。
このW211AMGからは相当のハイテク化をしておりますのでヤナセ曰く、
「メインコンピューター関係が壊れれば最低200万円はかかります!」
「AMGのコンピューターは10年が使用限界ですから、そのころには必ず壊れ始めます。」
自信をもってこんなこと言われたら買えません・・・
事実こちらのお客様も、先日大阪の専門店での修理で80万円ほどかかったそうです・・・
興味本位や見栄だけでは買えないお車です。
しかし、それにも代えがたい存在感は流石AMGです。
私の娘曰く、
「今工場にある車の中で、ダントツこの車がカッコイイ!」
と、言わせるほどですからねー
V8スーパーチャージャー5438cc・476ps・71.4kg/mという途方もないパワーのエンジンが搭載されています!
この手のハイパワーセダンなぜここまでのパワーが必要なのかは、現代スーパーカーの600~700ps台のパワー競争と同じで理解不能ですが、実際乗ってみれば感動ものであることは確実です。
AMGはエンジンを組み立てた責任者の名前が、ネームプレートとしてエンジン上部に張り込まれていますが、これは作る側にも購入する側にもステイタス感を掻き立てられますね。
かつては、ブラバスやロリンザーなどと同じチューナーでありましたが、現在はメルセデスベンツに吸収され1部門となり、メルセデスのハイエンドモデルとなることでかなり敷居は下がりましたが、一時はかなりおとなしい雰囲気になり特別モデル感も同じように下がってしまいました。
しかしここ数年またもやかなりの過激モデルを連発することで、
富裕層にはかなりの人気を取り戻しているようです。
このお車には、カーボンエアロ リアスポイラーとデュフェーサーが装着されていますが、それほどけばけばしい作りではなく、どちらかといえば控えめな位なのですが、このお車に装着されるとなぜかど迫力にみえてくるので不思議です。
かなり印象も悪い感が強まり、近づきたくない・近づくな感ぷんぷんしています!
10年が経過し、10万キロ越えしていますから、このようにドアカップは傷だらけ・・・
この手の車は、神経質に扱うより、
結構乱暴に扱っていたほうが様になりますが、このようにパッと見傷が目立つレベルとなると、モノ悲しさを感じます。
ペイントプロテクションフィルムでガードというのも一般的には当然ありなのですが、AMGにはそのような神経質さは似合わない!
積年の排気ガスによる蓄積したマフラーエンドの汚れはすごいことになっています・・・
約1時間磨きに磨きましたが、これが限界です。
しかしすごいのは、ここまで汚れが蓄積されていても、極端な錆はできていません。
普通の輸入車であれば、ここまで汚れてしまったマフラーエンドのメッキはズタボロになっているものですが、やはりAMG品質なのでしょう傷みは非常に少ないです!
こんなところが、メルセデスの1.400万円近い値段の合理性に納得させられてしまう部分でもあります。
塗装の傷の状態は、これでもかと言わんばかりのひどさ・・・
幾ら高級車であっても、ハイパフォーマンスであってもこれでは価値はなくなってしまいます。
ここまでの傷の状態ですと、傷の主体が磨き傷なのか?
洗車傷なのか?
全く分かりませんが、どちらにしても管理状態が非常に劣悪であることは確かです・・・
オーナー様は、
「洗車はGSで手洗いで行っているし、かなり丁寧・親切にしてくれている!」
と仰っていましたが、この状態を見る限り、洗車機で洗っていたほうがまだましであることは確かな位洗車は雑です・・・
都会の一部洗車専門店いわゆる洗車屋を除いて、
GSでまともな手洗い洗車しているところはお目にかかったことは私はほとんど皆無です。
昔、東京出身の高級輸入車ディーラーの営業マンととあるGSに赴き、手洗い洗車をお願いすると、そこの責任者は他店GSの洗車を、
「洗車専門GSなどと謳っているくせに、洗車の仕方も知らないの?という程度の洗車しかできていない。」
と、けちょんけちょんに罵倒して我々の車の洗車を行いました。
結果は、洗い残しはそこらじゅう、拭き上げも荒く水跡だらけ、当然ブロアーもかけず、インステップは拭き上げもしない・・・
これで自分のGSが洗車がうまいとか丁寧とか思っているレベルですから、車を大事にしたければ、自身でコツコツ洗車したほうがいいでしょう。
今回の磨きのご依頼内容は傷取りよりも艶!
価格構成帯の主点はコーティングとのことで、
磨きのコースは“旧02スタンダード磨きコース”でしたが、磨き屋としては正直この選択は?
幾ら良いコーティングを施工してもその下地が傷残りしていたのではせっかくの大金がもったいない・・・
と、感じてしまいます。
本来ならば現システムであれば最低でも03ライト、
欲を言えば03スタンダードは必要な車両状態です。
しかし、ご予算の問題もあられますから、ご依頼の内容で最善は尽しました。
が、やはり磨きコースの限界研磨厚5μでは傷残りは結構あります・・・
とはいえ、施工前の状態が悲惨でしたので、傷量的には1/100以下には確実になってはいます!
最近一度コーティングを他店で施工されていたそうですが、
心配していたポリッシャー傷はさほどダメージの深いものはありませんでしたので、5μの研磨でも処理できたのは不幸中の幸いでした。
磨き壊された塗装ほど回復が困難ですからねー
最近は使用するポリッシャーが、施工者のレベル低下に合わせて機種が変わってきていますが、これが実は大問題・・・
素人でも艶出し磨き位は簡単にできる簡易ポリッシャーは、実は的確な磨き技術を持たないと逆に致命的塗装ダメージを与えてしまうリスクもあります。
このようなことを知らずに、むやみやたらと磨きまくられたものは、磨きでは完全回復不能というレベルのものが目につきます・・・
もっとも、素人目にはわからないかもしれませんが、プロが見れば一目瞭然です!
こちらのお車ではありませんが、そのようなお車現に今1台入庫中です。
これ、オーナー様のショックを考えるとお伝えもできませんし、ブログにも書けません・・・
Mercedes-Benz メルセデスベンツ E55AMG
コーティング終了
ご入庫時のやつれ感はなくなりました!
流石メルセデスのオブシディアンブラック、
あれだけ傷んでいた塗装も磨き上げれば艶は新車時の様な意匠性を取り戻します。
しかし磨き屋としては不満・・・
5μの研磨では、ライティングしなくても確認可能の傷が残っているのは残念の限りです。
オーナー様としては、限られた御予算の中でコーティング性能を優先させたいご希望は理解できますが、やはり意匠性回復が中途半端になってしまうよりは、多少のご予算のご無理をしていただくか?
コーティング剤をグレードダウンさせ、コーティングが傷んだら再施工する?
などの、志向転換をされたほうがよいような気が私個人としてはしてしまいます。
ただし、このようなことは施工価格の上昇、もしくはランニングコストの上昇を伴いますので、基本的には私からは意見は控えさせていただいています。
お引き取りにみえられたオーナー様も、仕上がりにはご満足のご様子でしたが、きれいになればなるほど傷残りが目立つことに気づかれ、
「磨きのコースもう一寸上げれば、この傷取れましたかねー?」
と、ちょっと後悔?
そうは言ってもこの年式で、割と乗りっぱなしで手入れがされないお車が多いベンツにあって、これだけバリッとしたお車は早々お目にかかれないので、目立つことは請け合いです!
今回コーティング選びの選考基準は、
「使用過程における傷入れを避けたい!」
が、最大のポイントでした。
多い週にはGSで4回位洗車してもらっているそうですので、
洗車傷が入ることは避けられません・・・
弊社ラインナップでは、これに一番適しているのは“グラスコート・アルティメット”ですが、これは完全にご予算オーバー。
そうなると残る選択肢は、
“エクセレントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ”か、
“マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ”となりますが、エクセレント系(ヴァンキッシュ)撥水コーティングは、
車体色がオブシディアンブラックですので水染みのリスクがありますから、いくら洗車機使用が可能・適しているといっても避けるほうが無難!
となり、
“マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ”で決定いたしました。
今まで、GSでの手洗い洗車が車を傷めないであろう?
という仮定の下で行われてきましたが、
実際には深い線傷はこの行為で入れてしまっています・・・
深い傷入れを防ぐのであれば、高性能で手入れの良い洗車機であれば、
洗車機のほうが深いダメージは確実に少なくて済みます!
ただし、微細な洗車スクラッチは当然入ります。
しかしこれは、弊社コーティングメインテナンス剤の“スクラッチリムーバー”を使用してDIYメインテナンスが可能であれば、
長期的に微細スクラッチを隠ぺいすることが可能です!
このスクラッチリムーバーは、特殊なシリカを配合することで、ポリマーやWAXなどとは違いコーティングと一体化することで長期的に傷を埋めてくれます。
これを使用しながら洗車機洗車を併用すれば、
洗車コストも下がりなおかつ深いダメージも避けることが可能となります!
これからは、できる限りご自身で手洗いも行うとのことでしたが、洗車機とスクラッチリムーバーも併用して、良い状態を長持ちさせてください。
施工ありがとうございました。
車両クラス:クラスX-1
施工コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティング
磨きコース=旧02スタンダード磨きコース(軽度の鏡面磨き)
施工料金:160.055円税込(輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨きランク1+15% 旧料金適応)
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