2013年09月08日公開|プジョー
今回のご入庫はちょっと変わった理由でのご入庫です。
今年は春の黄砂のひどかった時の黄砂による塗装ダメージの、保険修理です!
ビックリするでしょうー
黄砂被害が車両保険の修理対象になるとは?
実はこれ、飛来物扱いで修理が可能な場合があるそうです。
私も全く知りませんでした・・・
弊社の加入する保険会社に問い合わせたところ、
「それは無理です!」
と言い切られましたが、保険会社によっては認める会社もあるようです。
ちなみにこちらのお客様のご加入の保険は、三井住友海上です。
こちらのお車の打ち合わせで、アジャスターと何回も会話する中、
「このような理由でなぜ保険が適応可能なのか?」
をお聞きしてみると、
「過去の保険加入状況や、保険使用実績等が考慮されますので、
すべての方が対象になるわけではありません。」
とのことでした。
理屈として通るような、通らないような?
同じ内容の保険に加入していて、確かに各々保険料は違いますが、それは保険加入状況や使用実績が反映されてのことのはず!
なのに、使える人と、使えない人が存在するのは不公平の様な気がします。
納得できるような、できないような、ちょっと複雑・・・
こちらのお車は約2年前に新車ご購入され、ディーラーにて外注業者でコーティングが施工されています。
当然、オーナー様はディーラーに赴き施工した業者に状態を確認していただいたそうですが、その際、
「磨きによる補修は無理、全塗装以外方法はない・・・」
と言われ、できれば全塗装は避けたいとのことで弊社にご相談に見えられました。
この際、現車を確認させていただきましたが、
正直なぜこの程度で磨きでは無理と言われたかが分からない程度のダメージです。
確かに全体にコーティングもしくは塗装にシミにはなっていますが、クレーターには程遠い状態です・・・
考えるに、プロショップはディーラーからの外注での施工ですので、この補修磨きもその経路となる可能性があります。
そうなると仕切り単価的に合わない可能性がありますし、
ことによるとクレーム扱いでただ仕事の可能性も否定できません。
そうなると、確かに施工店としては、
「関わりたくない!」
という、心理も働くのかもしれません・・・
さて作業に取り掛かろうと、後方より眺めていると、トランク後部パネルにユガミが数箇所もあります・・・
側面より透かし見してみても明らかに凹んでいる!
さっそくオーナー様にご連絡して、状態をお伝えしましたが気づいていらっしゃいませんでした。
施工前にデント修理をしてしまうか?
をお聞きしたところ、知り合いのデント屋にするべきか迷われましたが、弊社外注のデント屋の価格が安かったため、施工前に弊社で修理することとなりました。
しかし念のためもう一度確認をしてみると、なんと素材が樹脂のパネルでした!
完全な確認ミスです・・・
お騒がせいたしまして申し訳ございませんでした。
結局はパネル成型のものか?
取り付け時の引っ張りによる歪みか?
ということで、施工後ディーラーにてご確認頂くこととなりました。
ダッシュボードトリムは、さすがフランス車他国車両とは違いおしゃれです!
一味違った色使いや模様は、さすがデザインの国フランスといったところでしょう。
508は比較的地味な外装ですが、うまいマッチングです。
最近本当にフランス車いいですねー
しかしメーターは古典的は失礼かもしれませんが、オーソドックスなつくりも渋い!
やはり見慣れたアナログメーターが落ち着きます。
視認性も良いですし、素材感も悪くありません。
同価格帯の国産セダンと比べると、
派手さはありませんが重厚感は明らかに上ですね。
それはセンターコンソールにおいてはさらに顕著です。
黒の練プラとメッキの合わせ方、
当然デザインも大人感とスポーティーさをうまく両立させてあります。
ただし、傷は非常につきやすいかつ目立つ素材ですから、
乱雑な扱いは厳禁です。
好みの問題はあるでしょうが、トヨタのセダンと比べた場合すべてにおいて1枚どころか2~3枚は上のセンスです。
トランクハッチの作りが通常のデザインとは異なるために、一般的な車のようにトランクパネル自体には、オープナースイッチはありません・・・
どこで開けるのか?
右サイドのエンブレムの508の真ん中0の中がスイッチとなっています。
これもおしゃれですねー
問題になった黄砂によるシミですが、5mm程度の小さなシミが全面に付着しています。
見る限りでは、さほどダメージは強くなく、新車時施工されているコーティング内で収まっているような感じです。
恐らく旧磨きコース02スタンダード磨きコース(新03ライト)で処理可能と思われます。
もし、コーティングが溶かされ塗装もダメージを受けているとすると、磨きのランクを上げ旧02プラススタンダード(新03スタンダード)が必要となってしまいますが、今回は保険会社支払いのため、心配はありません。
「追加で必要な作業があれば追加料金はOKです!」
との、太っ腹なご返事いただいておりますから。
膜厚も137μもありますから、仮にがっつり磨く必要が出ても大丈夫です!
しかし、施工前にお車の点検をしていて驚いたのは、新車から2年経過しているにもかかわらず、ほとんどトップ部分に傷がありません!
0というわけにはさすがにいきませんが、明らかに下手な新車よりも少ないでしょう。
トヨタの新車でしたら、このレベルは納車段階でも見たことがありません・・・
ほんと、洗車名人級!!!
側面に至っても、目立つ傷はこのパネル 右リアクオーターパネルのみ!
恐らく給油口がありますので、給油の際のホースの接触によるものでしょう。
いわゆる洗車による線傷のようなものは側面全体、どのパネルでも1~2本軽度のものがあるくらいです。
恐らく、2年経過車でしかも足車としては、今まで見てきた車の中でも一番傷は少ないでしょう!
弊社常連様の洗車道を極めたと自負されている方々でも、
このお車には到底太刀打ちはできません・・・
更なる鍛錬が必要ですねー
予想通り、黄砂によるシミはほぼコーティング範囲内に止まったダメージでした!
全塗装が必要とはばかげた話です・・・
由って5μの研磨厚で完全回復できました。
仕上げ磨きもパーフェクトコースを保険会社が認めてくださいましたので、
艶も最高のエロさを醸し出しています!
しかし、三井住友海上素晴らしい太っ腹さです。
他社なら、
「必要最低限の施工内容で・・・」
とか、
「で、いくらまで負けられますか?」
など、支払いを抑えることばかり要求するだけで、お客様のためにという部分は皆無ですからねー
PEUGEOT プジョー 508 アリュール コーティング終了
新車時施工されていたコーティングは、スーパーモノコックという滑水系5年耐久のガラスコーティング剤ですが、弊社では取り扱いはしていないため、弊社ラインナップからお選びいただくこととなりますが、お客様がお選びになられたコーティング剤は、
“マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ”です。
しかし、ここは保険会社とは一揉めありました。
スパーモノコックは5年耐久、ヴァンキッシュは7年耐久、要するに、
「保険賠償は原状復帰が原則ですので、
より高性能なものへの変更はオーナー様負担での差額が必要!」
と、言い出します。
これ確かに理にはかなっています・・・
しかし、保険会社担当者は非常に誠意的な方で、全国のスパーモノコックの取扱店を調べ弊社ヴァンキッシュよりも高額施工しているところを探し出し、上司の許可を取り付けてくれました!
しかし、このときの新車時の施工店の対応のひどさには驚かされます。
保険会社がその施工店に価格確認をしようと何度TELをしても居留守・・・
保険会社のTEL番号とわかっているので電話に出ないそうです。
何かオーナー様との確執があったのだとしても、せめて保険会社には対応はするべきでしょうねー
ディーラーもそのくらいは釘を刺してやればいいと思いますが・・・
ともあれ施工も終了し、お引き取りにみえられたオーナー様は、当然黄砂ダメージの状態を確認されましたが、
「完全に無くなっていますねー」
と、ご満足のご様子。
しかし、ルーフ前方ウインドウとの際の部分に筋状の斑を発見されました!
実はこれ、この場所以外にも3か所あります。
これは、磨きの段階でもすでに確認されておりますが、おそらく新車時のコーティング施工時の塗りこみ・拭き上げ時の施工ミスによりできた塗装への吸い込み斑と思われます。
磨き段階で、何とか解消しようとはいたしましたが、磨きコース範囲内では除去は無理でした・・・
部分傷取り磨きのスポット磨きを行えば除去は可能かもしれませんが、どれだけの深さの吸い込みを起こしているかはわからないため、極端に膜厚を失う可能性があります。
ただし、今までオーナー様も気がついてはいらっしゃらないレベルですので、
自然光下では気にならないレベルということです。
このようなご説明を行い、オーナー様にはご納得いただきました!
会話は洗車傷の少なさになり、どのような洗車を行われていたのかをお聞きしてみると、
「手洗いで、1パネルずつ拭き上げまでを行いながら全体を洗っていきます。」
とのこと。
これなら確かに傷を入れるリスクは極端に減ることでしょう!
ただし、消費する時間もすごいでしょう。
今回のダメージ補修は大事とはならずに済みましたが、いかにせよ黄砂飛来は人為的ものではありませんので、また来年どのようなことになるかは予想できません。
保険会社は、
「また来年同じことが起こってしまってもご対応はします。」
とは言っておりますが、極端な繰り返し施工はあまりいいことではありませんので、天気予報等で黄砂飛来の情報を気にされて、早めの洗車を心がけてください。
車両クラス:クラスLL
施工コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティング(レジントップコート含む)
磨きコース=旧02パーフェクト磨きコース(軽度の究極鏡面磨き)
施工料金:保険会社支払いのため非公開
メーカー別
月別バックナンバー