2013年10月27日公開|トヨタ
ご新規のまだお若いお客様のご入庫です!
年齢からすると、かなり背伸びをした車種ですが、
やはり日本を代表する高級車クラウンには憧れるのですねー
とはいえ、お若い方ですと大体アスリート系を選ばれるのですが、ロイヤルサルーンGをご選択されていることも珍しいです。
確かに、私が若いころ遠い昔の20代のころにも、ハイソーカー所謂セド・クロ・クラウンを好み、その手の車以外興味がないという仲間も数人はいました。
数十年たった今でも、その仲間たちはその手の車に乗っていますから、
免許を取ってから高級車以外乗ったことがない!
と、いうことになりますねー
それはそれですごい!
信念が貫かれているとも言えますかねー
ただねー
私のような気の多い浮気性の人間からするとちょっと?
なのですよー
車は大別すれば、軽自動車・軽1BOX・普通車・高級車・ミニバン・SUV・オフロード4駆・スポーツカーなどあるかと思いますが、
年齢や家庭状況などによりなかなか乗れない車があると思うのです。
オフロード4駆やスポーツカーなどは、結婚してお子さんができてしまうと、成人して手が離れるまではなかなか購入は家族の同意が困難でしょう。
ですので、私はその年齢や家庭状況の中で、今しか乗れない車を選択することを優先します。
この内装は、いかにもクラウン!
ウッドの色・模様と樹脂やファブリックとのバランスはまさに匠。
個人的には、レクサスよりも好きですし落ち着きも感じます。
このような作りが、ロングセラーの高級車として衰えない人気を支えているのでしょうねー
メープルイメージのウッド調パネル!
日本的というか、日本の木工工芸を連想させる意匠性です。
欧州輸入車にはない雰囲気を創り出しています。
ただし、本物のウッドではないのが残念・・・
もっともクラウンの価格では、
ここまで大量の本物のウッドはとても無理ですから仕方ないですねー
とはいえ、ほとんどの方は本物と思っているでしょうから、それはそれで良いでしょう。
然し、なんといってもクラウンの良さはこのファブリックにあります!
恐らくジャガード織物と思われますが、この網目の繊細さ、
そこから生まれる肌触りのやさしさはさすがです。
私の推測では、このようなファブリックの技術は、旧関東自動車工業の開発した技術ではないかと?
クラウンを購入するなら、絶対ファブリックシートでしょう!
トヨタの合皮か本革か区別の難しいようなレザーシートは、高級のようで高級ではない。
表面的高級感ではなく、本質の高級を見極めましょう。
パートのおばさんがルイ・ヴィトンの財布自慢げに持ち歩く日本の軽薄な文化で育つと、このような見極めや、TPOの判断はなかなか育たないでしょうねー
この後部ドアの開口角度の広さは素晴らしい!
まさに、おもてなし。
このようなショーファードリブソン的作りは、欧州高級車でも特別なランクの車にしかないですが、長らく社長社用車として君臨してきた、
クラウンだからこその気遣いなのでしょうねー
高齢化社会の日本には、必要装備?
隅々まで本当にきれいに管理されているお車です!
ただし、マフラーエンドは×・・・
カッター部分の上部はきれいになっていましたが、下部はそれなりに軽い錆がはびこり始めておりました。
手磨き程度でも、こんなに錆がクロスに取れてきます・・・
幸いまだ初期症状でしたので、ステンレス内部にまで腐食は進んでいませんでしたので、これで当分は大丈夫でしょう!
ホワイトパールクリスタルシャイン、トヨタを代表するホワイトパールですが、
遠目に見ると非常に程度がよく見えますが、
照明で照らしてみると年式なりのかなりの傷の量です・・・
お客様にも、照明で浮かび上がった傷をご確認いただきましたが、
「アー、本当だー」
どうやら、かなり程度には自信がおありだったようですが、これを見てガックリ・・・
そこで問題なのは、磨きのコースをどうするか?
このホワイトパールクリスタルシャインは、
オーナー様が気が付かれないくらいに傷の隠ぺい性が高い!
つまり、気にしなければ傷はさほど目立たない。
パッと見の意匠性、艶感だけでいうならば、
旧02スタンダード(新02スタンダード)でも十分と言えます。
然し、新車を超える艶や質感を望まれるのならば、見える見えないは別として、できるだけの傷の処理をすることが望ましいので、
旧02プラススタンダード(新03スタンダード)が最低でも必要となります。
然し、ご予算には限界というものがあります・・・
こうなると、磨きを優先して本質的意匠性改善を行うか?
現状を許容してコーティングに重きを置くか?
結果は、磨き優先となり、
“旧02プラススタンダード(新03スタンダード同等)磨きコース”となりました。
膜厚も198μと非常に贅沢な塗装が施されています!
現行クラウンと比較すれば、おそらく50μくらいは厚いのでは?
これならウールバフで安心して磨きこむことができますねー
塗料進化や鋼板の精度アップなどにより、年々膜厚は薄くなってきてしまっておりますが、水性クリアーだろうが所詮は有機塗料ですから、
膜厚を薄くしてしまえば塗料寿命はおのずと短くなりますし、このように塗装をリセットするためにも塗装膜厚は厚いに越したことはありません。
紛体セラミッククリアー以外は、やはり膜厚は塗装のかなめでしょう!
トップ部分もあれだけ傷がありますが、傷量的にはさらに側面のほうが多いようです。
更に深い線傷もかなり入ってしまっています・・・
現オーナー様はかなり管理には神経をお使いの方のようですので、
おそらくこの傷の大半は前オーナーが付けてしまったものでしょう。
もっとも、7年経過車としてみればこの程度ということは、かなり程度は良いと思います。
走行距離も20.000未満ですし、おそらく車庫保管車であったのでしょう!
だだし、購入された販売店からは、
「板金補修歴なし!」
とのことで購入されたそうですが、そこはちょっと?
な、感じは否めません・・・
恐らく残存傷は1/1000以下までは改善できたと思いますが、赤丸にあるような深い残存傷はご勘弁ください・・・
このような深い傷は、打撃傷または切断傷という種類のもので、相当の硬度をしても防ぎきれるものではありません。
トヨタや日産が誇る耐擦り塗料などでは、到底このような傷は防ぎきれないどころか、逆に通常塗装よりもこの手に傷は深くはいりやすいでしょう。
ちなみにこのお車は耐擦り塗装ではありません!
今回は7μの研磨を平均的にはいたしておりますが、
このような深い傷の部分は集中的に強いポリッシングをしていますので、傷を中心とした0.0225㎡はさらに3μ程度は研磨厚が多くなっているでしょう。
↑2個の赤丸内の傷はかすれも出てきていませんので、傷の深さは後10μ近くあるでしょう・・・
↓の赤丸内の傷は、大分端部にかすれがありますので、あと5μくらいでしょうか?
どちらにしても、ご依頼の磨きコース内では処理不能な深い傷です。
もっともマクロカメラで接写で撮ってこのレベルですので、
日常使用段階で気になられることはないでしょう!
ただし、暗闇でLEDライトなど使い舐めるように見ていけば発見は可能でしょうが、そこまでして自身のお車の粗を探しても、結局はご自身がストレスになるだけですのでやめておきましょう。
これIさんのことですよ!
然し、このようにほとんどの傷が取れてしまうと、ほとんどないに等しい傷も気になられるのはわかります。
私も同種類のタイプですので・・・
TOYOTA トヨタ クラウン ロイヤルサルーンG コーティング終了
程度も良く、ホワイトパールという一般的には意匠性変化が分り難いといわれる塗装ではありますが、まったく別物になりました!
間違いなく新車よりもきれいでしょう。
お引き取りにみえられたお客様も、
「何このツルツル艶々感は?」
「全然施工前と違う!」
と、大変なご満足のご様子。
そうでしょうねー
施工者である私ですら、ビックリするほどの変化ですから、毎日目にされていたオーナー様からご覧になれば、余計にその変化はお解りになられるでしょう。
オーナー様から、
「何か施工段階で気が付いた点や、問題点はありませんでしたか?」
とのご質問から、ちょっと長話に発展してしまいました。
2時間近く話し込んでいたでしょうか・・・
オーナー様からすれば、知りたくない部分であることでも、
施工上気が付いてしまったことはお伝えするようにしています。
知らなければ済むことをわざわざ?
とも言えますが、知っていてあえてお伝えしないのもいかがなものか?
どちらが良いことかは別問題として、可能性の問題としてはお伝えするべきと思っております。
こんな話題から、車両購入の時の特に使用過程車に関しての考え方を、ちょっと参考意見として述べさせていただきました。
そもそも使用過程車は、どんなに程度が良くても新車ではありません・・・
これ当たり前のことですよねー
つまり、何事もないほうが不自然です!
車は走るものですから、走れば走ったなりのダメージはあり、イコールそれは何らかの痛みを伴います。
重箱の隅をつつけば、新車でも100%のものなどまずありません・・・
ということは、使用過程車であれば何らかの修理や補修を受けているもの、という前提で見るべきです。
幾ら車屋さんが、無事故・無補修と言ってもです。
嘘を言っているのではなく、知らない・解らないことが多いのです。
売却した前オーナーが本当のことを言っている保証はありませんから・・・
たとえばトヨタの塗装済みバンパーに前オーナーがディーラには内緒で交換していたら、これ誰にもわかりませんよねー
気にしていてもストレスにしかなりませんから、割り切りが寛容です!
この度は無駄話にもお付き合いいただき、ありがとうございました。
楽しい時間を、楽しませていただきました。
お帰りの際にお話のあられたもう一台のお車も、ご予算・ご都合が合われましたら、是非ご依頼ください。
会員クラス:準会員登録
車輛クラス:クラスL
施工コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング
磨きコース=旧02プラススタンダード(傷取り鏡面磨き・新03スタンダード磨きコース同等)
施工料金:153.957円税込(高速料金バック別途)
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