2013年11月03日公開|アウディ
関東よりわざわざ、ご新規でご依頼いただきました!
しかも2台も!!!
まずは、奥様のこちらのアウディから施工させて頂くこととなりました。
然し、奥様のお車がS4とはまさにセレブ!
4代目S4 B6・7だけが、
V8 4.2Lの自然吸気NAエンジンです。
344psにクワトロシステムがドッキングすることで、おとなしめの外見とは裏腹に、本気モードで走ればBMW M3程度ではまずかなわないでしょうねー
LSDを組み込んだECUチューニング135iでも、サーキットならドライバーの腕次第では勝算もありますが、
こと公道ワインディングでは全く勝負にはならないでしょう・・・
ね、Mさん!
ホイルも軽量高剛性で世界的高性能ホイルBBSに換装されていますし、タイヤもポテンザになっています。
このような高性能モデルでは、足回りもそれなりの品質のもので固めないと、
逆に危険な車となりかねませんので、重要なポイントです!
世間には、チューニングされ車は非常にハイパワーになっているにも拘らず、
ランニングコスト優先で格安アジアンタイヤなどを装着している車などがありますが、これでは何のためのチューニングなのかが意味をなさないだけでなく、
危険度を引き上げているだけとなってしまいます・・・
公道での危険度の増大は、自身の事故率が上がるだけでなく、
結果として一般車に対してのリスク増大にもなりますので、タイヤの管理・選択は自己責任の範疇ではなく、高性能車に乗るのであれば社会的責任と言えるでしょう。
ちょっと意外だったのはブレーキです。
ローターはスリットローターが装着されていますが、ブレーキはブレンボなどではないタイプの自社製のものが装着されています、
車両価格800万円超ということを考えるとちょっと物足りない・・・
特別モデルであるだけに、内装トリムはリアルカーボンが装着され、高級感とスポーティー感が強調されています!
ドイツ車の中でも内装はシンプルな作りなのがアウディの特徴ですが、
逆にその無機質感とカーボンのシンプルさがベストマッチしています。
雰囲気は大人の車という感じ!
然し、シートは800万円超の車両価格に見合ったレカロ社製のレザーバケットシートがおごられています!
レザーの質感も高く、サイドサポートの形状も良く、高級車にふさわしいバケットシートです。
個人的には、レカロのシートはボテッとしたイメージが強く、包み込み感が薄くあまりいいシートと感じたことはありませんが、
このシートは今まで見てきたレカロとはだいぶ違い気に入ってしまいました。
8年経過車ですので、その時間経過とともに車庫保管車ではありますがかなりのダメージを受けてしまっています。
傷も相当の量付いていますが、
水染みも進行してイオンデポジットとなりクレーターとなってしまっています・・・
それよりも深刻なのは、花粉や黄砂などによるイオンデポジットクレーターです。
水染みタイプとは違い、大きなクレーターにはなりませんが、
ピンポイントで深いクレーターになってしまいます・・・
この手のクレーターは、このようなレベルまで進行してしまうと、
すでに磨きランク云々のレベルでは処理不能です。
部分傷取り磨きコースのインジェクション磨きで一つ一つのクレーターを処理していけば、20~30μ研磨していく覚悟で磨くのであれば完全処理も可能かもしれませんが、かかる費用は再塗装の数倍に達するでしょうから、現実的ではありません・・・
更には、20~30μの研磨をするためには、初期膜厚が150μ以上は必至ですから、現状このお車の膜厚は厚いところでも109μしかありませんし、薄い部分では100μを切ってしまっているところもありますので、どちらにしても施工不能です。
それと、アウディのパール塗装の特徴として、なぜかクリアー部分の膜厚は非常に薄い傾向があり、通常この程度の膜厚であればクリアーは30~40μくらいが妥当ですが、おそらく20μ程度しかないと思われます・・・
なおかつ、このお車は過去に数回の施工がされてるため、
クリアーはかなり減少している可能性が高いので、無理な磨きは非常に危険率が増してしまいます。
この過去施工が、現状の劣悪な塗装表面状態を誘導してしまった要因でもあります。
というのも、直近で施工されているコーティングはヤナセオリジナルのパールフィニッシュというフッ素撥水のコーティングですが、このコーティング非常に強い撥水はいたしますが、
フッ素自体の耐久性能は低く、ベースとなるシリカ層も薄く柔らかいために、
一度ダメージを受け始めると一気にダメージは進行拡大していってしまいます。
車庫保管車であっても、このようなファントムブラックパールエフェクトのような濃色車には、優秀なコーティングではありますが、施工は避けるべきコーティングと言えるでしょう・・・
ともあれ、この現状を改善するための磨きのコースの選択が必要ですが、当然御予算との兼ね合いもありますので、検討の末コーティングはスタンダードクラスに抑え、磨きを優先することで“新03スタンダード磨きコース”となりました。
とはいえ、相当深い線傷もかなり混在していますので、傷をすべて取り切るには至らないでしょう?
本来であれば、03スタンダード磨きコースでは最大10μまでの研磨が可能ではありますが、前述したように現在の最大膜厚でも109μですので、
最大研磨を行ってしまえば100μを切ってしまいますので、
そこまでの研磨とならない調整も必要です。
結構難易度高い・・・
側面も傷だらけ・・・
多くの車に見られる現象ですが、トップよりも側面のほうが傷が深い。
水染みもありますが、これは問題なく処理可能でしょう!
このような側面の傷のほうがダメージが深いお車は、
今までの例からすると洗車をGSなどに手洗いで依頼している場合が多いようです。
弊社関東圏のお客様の多くの感想として、
ここの所躍進目覚ましいキーパープロ系が雑との評価をお聞きします。
「直営店なら丁寧で上手ではないですか?」
とお聞きしてみても、
「イヤー、ひどいもんですよ・・・」
「FC店ならなおのこと、とても依頼はできないですよ。」
と、かなり厳しいご意見を耳にします。
幾ら企業理念が素晴らしく、技術指導も徹底されていたとしても、所詮作業を行うのは個人ですから、
作業者自身の意識レベルが高くなければ徹底した高度な施工は無理でしょうねー
この一例として、こんな話があります。
ある、高級車専門の板金工場の経営者との会話で、
「いくら丁寧に扱え、と言っても施工レベルの低さや扱いの雑さによるクレームが無くならない・・・」
「どうしたら、このような意識改革ができるのか?」
と、悩まれていらっしゃいました。
これは、作業者自身がどこまでお客様のお車に対して慎重になれるか?
という問題なのですが、自身がボロボロの車に乗っていたり、お客様のお車に賭けるこだわりに近い意識が自身の車に無い場合、いくら指導しても無理でしょう。
つまりそこからの意識改革というか、環境改善が必要でしょう。
ある改善策として、商品として扱うお客様のお車と同等レベルの車を購入させることで、どう扱わなければいけないかを身をもって知らしめることでしょう!
外車ディーラーなどでは、販売担当車輛を営業マンに強制的に購入させている会社が存在しますが、これはある意味お客様の意識に近づけるためではないでしょうか?
簡単な例としては、ブティックを考えてみてください。
取り扱っているブランドとはかけ離れた安物を着ていたり、お客様の求めるセンスとはかけ離れたセンスのマヌカンに服選び、安心して任せられないでしょう?
目線が違いすぎるのですから・・・
洗車も同じで、
お客様と同じ意識レベルに無いものにきちんとした作業を求めても無理・・・
ひどいGSなどは、車すら所有していない免許すらないようなアルバイトにお客様のお車を作業させていますが、技術・知識云々の前に意識がなければ何の意味も持ちません。
側面にこのような縦に目立つダメージがついてしまっています。
一見ドアにぶつけられた傷のように見えたのですが、傷ではありませんでした!
然し、傷よりもたちが悪い・・・
何か液体が流れた痕跡ですが、このように線上にクリアーが溶かされてしまっています。
しかも深い・・・
オリジナル塗装パネル部分で、膜厚は100μチョイ。
極端に膜厚を失わない範囲でできる限りの意匠性回復を試みましたが、
1/4位の範囲は残ってしまいました・・・
磨き前の傷の状態からすれば、劇的に傷の処理はできましたが、残存膜厚を気にしての磨きとなってしまいましたので、100%とまではいきませんでした・・・
そうはいっても、50cm離れればほとんど傷は見えませんし、
パネルへの映り込みもはっきりするまでに回復しましたので、
十分な意匠性回復はできたと思います!
トップ部分もかなりの改善は果たせました。
とはいえ、研磨膜厚制限がある中での磨きですので、
一部の深い線傷は残ってはおりますが、ボンネットに関しては水染みは完全に処理されました!
↑4枚の写真はボンネットですが、白い細かな点状のものが無数に存在してしまっておりますが、これがピンスポットと呼ばれる直径1~2mm程度の深い浸食されてしまった凹です。
結果ボンネット部分は研磨後膜厚102μですから、7μの研磨では処理は不能です・・・
↓←の写真はトランク部分中央部の一番水が残りやすい部分ですが、
さすがに水染みが深いイオンデポジットクレーターに成長されてしまっておりましたので、ここも一部痕跡は残ってしまいました。
以前施工されているコーティングが、フッ素撥水のパールフィニッシュでなければ、ここまでダメージは深刻にならなかったと思われますが、
コーティング機能の好みを優先された代償として受けてしまったダメージです・・・
奥様が主にご使用とのことで、女性のお車に多い爪によるひっかき傷かなりついてしまっています・・・
手磨きしかできない部分とはいえ、頑張ってめだたないレベル程度には改善できました!
やはりこの部分はプロテクションフィルムは必需品です。
既存傷も消えますし、今後の予防のためにも!
錆が広範囲に広がりひどい状態には至っておりませんが、黒く排気ガスが付着している部分は、NOX・SOXの影響でしょう?
かなりステンレスの腐食が見られます・・・
放置しておけば、被害は確実に拡大します・・・
手磨きだけでいけるかな?
と思いましたが、リング部分はダメでした・・・
結局、リューターを使用して腐食を削り落としましたが、すっきりしました!
Audi アウディ S4 コーティング終了
施工前と比べれば、大幅な意匠性改善は果たせましたが、うけていたダメージ内容が傷に限ったことではなかったために、新車比較で形容するなら50%改善といったところでしょうか?
然し、艶感だけは新車を遥かに凌駕しているでしょう!
当然、オーラ傷は皆無。
の、はず。
今回ご予算の組み立ては磨きメインで調整させていただきましたので、コーティング剤はスタンダードクラスの“エクセレントフィニッシュ・スパーク”です。
以前の施工で、
撥水コーティング ヤナセオリジナル パールフィニッシュにより手痛いダメージを受けておりますが、今回も選択されたのは撥水コーティング・・・
なぜ?
やはり、水玉撥水がお好きとのことです。
然し、
このスパーク以前施工されたパールフィニッシュとは違いフッ素撥水ではありませんので、水染みなどの原因となる、
アルカリ金属イオンによるコーティング浸食は簡単には起こりませんし、スポットリムーバーを使用した水染み除去メインテナンスも、コーティング機能を損なわずに可能となります!
とはいえ、車庫保管という環境でもありますが、
日常使用をされますので少しでもリスクを減少させるためにと、
“レジントップコート・コクーン”のご依頼もいただき施工いたしました。
ほとんどのガラスコーティング(シリカ系)は、
完全製膜いわゆる安定製膜状態になるには1か月を要します。
この間は、外的要因によるダメージに対して非常に脆弱な状態となります・・・
つまり、この間の管理状態いかんにより、コーティングの意匠性のみならず、
耐久性にも大きな影響を与えることとなりますので、神経質にならずにこの間を安心して乗り切るためには非常に有効なトップコートとなります!
1か月間で完全に役目を果たし、自然剥離いたします。
これでご依頼いただきました、まずは1台目は終了いたしました。
2台目の施工車両エキシージ入れ代りにて、引き続き頑張って施工させて頂きます。
遠方より何度も御足労願いましてありがとうございます。
会員クラス:準会員登録
車輛クラス:クラスM
施工コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・スパーク ガラスコーティング
磨きコース=新03スタンダード磨きコース(傷取り鏡面仕上げ・旧02プラススタンダード相当)
オプション施工=レジントップコート・コクーン
施工料金:155.350円税込(輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨きランク1+20% 適応・高速代キャッシュバック別途)
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