2013年11月19日公開|ジャガー
私の大好きなジャガーのご入庫です!
オーナー様は法人で、今年すでに役員用のプジョーも1台施工いただいておりますが、今回は社長様のお車を施工させていただくこととなりました。
こちらの会社のある役員様、弊社ツーリングメンバーでロータスチームの常連参加者の方もいらっしゃる影響か、最近社長様もロータス エボーラを新車購入されました!
どうせなら新型エキシージSという選択もあられたのに、なぜかエボーラ?
確かにエボーラは売れ残りが国内山積みとなっていますので、
100~200万円引きという買い得感はありますが、それはイコール不人気ということになりますから、売却される際には得した感の倍くらい損を覚悟しなければなりません・・・
なぜエボーラは人気がないのか?
2代目ヨーロッパもそうでしたが、コンセプトが中途半端なことと、価格に内容が付いて行っていない・・・
と、いうことと思われます。
特にエボーラの場合は、対向車種はどんぴしゃポルシェのケイマンでしょう、もしくは911のスタンダードモデルも対象となってしまいます。
その際、ロータスの最大の武器であるライトウエイトという利点もさほどなく、
作り込みのちゃちさや装備グレードの低さが際立ってきてしまいます。
当然このクラスでは求められる、快適性となると全く次元が違います・・・
これらが不人気の大きな理由でしょう。
それと同じように、X350系ジャガーも微妙な車と言えます。
進化する他メーカーには完全に置いてきぼり状態だった2000年ごろのジャガー・・・
伝統的なXJスタイルは残しつつ、
他メーカーを凌駕する進化・ハイテクを与えようとしたのがこのX350系です。
オールアルミボデイにより大幅な軽量化により、旧型より引き継いでいるエンジもかかわらず大幅な動力性能のアップを実現しました!
それに伴い、足回りもエアーサスペンションの採用により動力性能を支ええる足回りと進化を遂げました。
更には昔から室内環境の狭さが指摘されていた部分も、ルーフ高を高くしCピラーを立てることでかなりのスペースを創り出しました。
単純に評価すれば、現代的な良い車に進化した!
となりますが、問題はこの車はジャガーXJというメルセデスのSやBMWの7とは全く違う感性のオーナーたちに支持されてきた車ということです。
つまり、英国紳士と同じように伝統を重んじ、
非常に保守的な考え方の方々により支えられてきた車なのです!
サー・ウイリアム・ライオンが貴族のために作り出したジャガーというメーカーですから。
前記した改良点、これがすべてジャガーオーナーたちから批判されることとなってしまいました。
アルミボデイやエアーサスペンションはジャガーXJ伝統の猫足を失ってしまい、広くなった車内スペースは流れるような上品で華麗なボデイデザインを失い優雅さは消失してしまいました・・・
実際、私の知り合いたちもX308系を最後とし、X350系への乗り換えをしたオーナー様は1名もいません!
ただ、これらのこだわりは初代や2代目にこだわられる方にとってであり、それ以外のサルーンにお乗りだった方からすれば、
ジャガーも選択肢に加わることができるようになった初めての車ということになるでしょう。
その意味では、このXJ-Rなどは、
AMGとガチンコ勝負できる素晴らしい進化を遂げたジャガーともいえるでしょう!
当時のS55と比較しても価格的に300万円ほど安いということも魅力の一つです。
しかし面白いもので、ジャガーとメルセデスとの比較の中、グレードに関係なくジャガーのほうがすべてかなり低価格ですが、一般の方からするとジャガーのほうが高級車という概念をお持ちの方が多いようです。
これは目立つオーナーの違いも大きな要因でしょう。
ベンツはやくざイメージ・・・
ジャガーは医者・弁護士イメージ!
この違いは大きいでしょうねー
実際アメリカ ニューヨークでは、成功者の証しはメルセデスではなくジャガーだそうですから!
階級社会の国イギリスを本拠地とし、創設者はサー・ウイリアム・ライオンということもそのようなイメージを定着させたのでしょうねー
なんとこの時代で20インチの大径ホイールを純正装着されています!
更には、おそらくオプションと思われますが、特殊なポリッシュ仕上げとなっています。
これも308系までは定番であったおとなしいアロエホイルから大きく変貌をしています。
ブレーキも大型のR専用キャリパーに強化はされています。
が・・・
モノブロックキャリパーではない。
AMGならブレンボ!
此処が価格を安くしている一つの要因でしょう。
フロントフェインダーに設けられたエアーダクト、安物プラスチックではなくアルミの無垢材が使用されているのはさすがです。
然し・・・
これらのパフォーマンスチューニングも他メーカーなら○ですが、やはりジャガーXJのようにジェントルを売りにしている車には私は似つかわしくないと思うのですが?
406ps・56.4kg/mものパワーを絞り出すスパーチャージャー4.2L V8エンジンです。
確かにメチャ速い!
基本的にはX308系エンジンのボアアップバージョンですが、X300系まで継承されてきている伝統のダブルシックスV12エンジンのほうが似合っているような?
金属音を鳴り響かせ、ぶっ飛んでいくジャガーより、ちょっと長めのクランキングで目覚めシルキーなエンジン音で目覚めるジャガーのほうが優雅でしょう!
基本的にはほとんどX308系と同じメーターです。
メカニカル・マテリアル的には大幅な進歩を遂げてはいますが、このような部分まで手を入れることを躊躇したのか?
開発予算の問題か?
は分かりませんが、個人的にはこれでOK!
シンプルですがスポーティー、かつクラシカルですが高級感にあふれています。
いかにもジャガーです。
やはりほかの部分もほぼX308系と同じ内装となっています。
このウッドとレザーをふんだんに使い、ポイントでメッキをあしらう内装の作りは、
英国車ジャガーならではの落ち着きがあります!
この高級家具のような仕上がり感はドイツ車では味わえません。
このお車のウッドは、今までのジャガーのフィニッシュとは違い、生木的雰囲気がありより木目が強調されていますが、色・木目・重圧感ともにさすがジャガーとうならせてくれます。
レクサスごときにはとてもまねはできない、伝統の技の結晶ですね!
やはりセンターコンソールも基本的にはX308系と同じです。
目立った変更点は、ビルトインナビが装備され、パーキングブレーキが機械式から電気式になった程度でしょう。
ATのJゲートもそのまま残されています!
シーケンシャル機構のATマニュアル方式に比べると、使いにくさはありますが、本来そんな走り方をする車ではありませんから使いやすさより見た目が大事でしょうー
ジャガーだからJゲート、こんなこだわりがジャガーらしさです。
追加で”スプラッシュビュウー フロント基本セット”のご依頼もいただきましたが、さてさてフロントガラスは全面的にワイパーの引きずり傷に覆われてしまっています・・・
追加注文はTELで頂きましたが、あいにく私は不在だったため、下処理の磨きの打ち合わせができていないのですがオーナー様は当分ドイツ出張・・・
完璧を期すならヘビーポリッシュが必要ですが、それでも爪に引っかかりのある傷が多く存在するので100%傷は無くならないでしょう。
価格も最低63.000円もかかってしまいますので、
ここまでお金をかけて傷残りでは申し訳ないので、
ある程度の傷残りが前提のミディアムポリッシュで施工することと勝手に決めさせていただきました。
すみません・・・
さて、ヘビーポリッシュとミディアムポリッシュの違いですが、
これだけ違うので、全く種類の異なる磨きと言っていいでしょう。
写真では写らないくらいまでは傷は除去できましたが、
肉眼で見るとうっすらまだ傷は残ってしまっております・・・
勝手に決めさせていただいたポリッシングコースですので、本来の規定回数の2倍は磨かせていただきましたが、これが流石に限界。
車内に傷の確認を行うものを配置し、細かく傷を負いながら磨いていきますが、フロントウインドウの磨きは体勢的に非常にきつい作業です。
特にこのように大きなサイズでRのきつい場合はなおさらです。
聞くところによると、駐車場所は大きな立ち木に囲まれた立地とのことですので、おそらく枯れ枝や葉っぱなどを噛みこんだ状態でワイパーを可動させてしまっていたのでしょう・・・
これからは面倒かもしれませんが、ワイパー可動前には一度ごみを取り除いてからにしてください!
でないと、せっかくのスプラッシュビューもすぐに削れてしまいますから!
大きなマフラーエンドだけに汚れや錆が目立ちます・・・
かなりひどい。
然し、ジャガーのステンレスやメッキは質の良さでは定評がありますので、見た目ほど深いダメージには至ってはおりませんでしたが、さすがに手磨きでは歯が立たず、
全面リューター研磨をいたしました。
圧縮ウールバフ1本消費となりましたが、これ特殊なものなので結構高いんですよねー
ピッカピカに大変身!
これだけでも全然見た目の印象変わります。
せっかくの高級車ジャガーもこうなるとかなり悲しい状態です・・・
ジャガーオーナーは他車種に比べ管理程度が2極化している傾向が強いようです。
申し訳ないですが、このお車悪いほうの代表ですね・・・
傷、
とりあえず全面的に入っています、くまなくといったほうがいいかも・・・
水染み、
これもトップ部分はほぼ全面的と言っていいでしょうが、
1部クレーター状にイオンデポジット化してはいますが、ダメージはさほどひどくないかも?
さて磨きのコースですが、
ここまで来ると当然ダメージの強い使用過程車用磨きコース“新03スタンダード”となります。
色的には欲を言えばパーフェクトコースが理想ですが、法人車両の宿命として経費の落せる上限金額に限りがあるため、スタンダードに留めます。
ん?
膜厚厚すぎる・・・
そうです、ボンネットは再塗装されているようです。
その他のパネルは150μ以下ですから。
注意してボンネットを観察してみると、微妙に歪みが残っています・・・
アルミは板金成型が非常に困難ですから、ここまで修復されているだけでも凄腕でしょう!
特にXJのボンネットは複雑なR形状で構成されていますからねー
03スタンダード磨きの1回目の磨きは特殊ウールバフでの傷取りの荒削りですが、ここでウールバフにより更なる研磨傷をいかに入れずに傷をとるかが、
弊社ならではのウールバフ研磨です!
磨き前に有った線傷は大方処理されていますが、
ウールバフによるポリッシャー傷は微細傷もしくはオーロラ傷程度に収まっています。
この磨きの注意点は、いかに傷を取りつつも新たな傷を入れないようにするか!
技術も必要なのは当然ですが、
ポリッシャー・バフ・コンパウンドの組み合わせがベストマッチしてこないと不可能です。
特にポリッシャーの回転速度とコンパウンドの選択は、各々塗装により相性が違いますので、その都度ベストマッチを探し出し磨きシステムを組み立てる必要があります。
国産軽自動車から欧州セラミッククリアーまで対応する最適の組み合わせが可能です!
磨きって削れればいいんじゃないですよー
側面も傷だらけだった状態から、上記工程を経てさらに3段階のスポンジバフの段階的磨き込によりここまで意匠性回復いたしました!
このような濃色車での磨きの難しさはやはりオーロラ傷の残りですが、一切そのようなものは残っていません。
ボンネット部分で約9μの研磨を行いましたので、オリジナル塗装部分は残存膜厚140μくらいでしょう。
多めの研磨厚ではありますが、施工前の状態からのリセットとなるとこの程度の研磨厚は必要となります。
ただし、これが可能なのも施工前膜厚が確保できていればこそですので、最近の新車のように生産段階から膜厚の薄いお車の場合はここまでの研磨を行うことができませんから、新車時に高硬度コーティングを施工するなどの傷入れに対する防御措置は必要です。
上記したように、
これだけのハードな研磨からの仕上げでも一切オーロラ傷は残っておりません!
オーロラ傷が微細でも存在する場合は、デジカメ写真の場合は水銀灯より光の矢ができます。
無いでしょうー
中央→の写真の丸部分はイオンデポジットの深いクレーターです。
ここまでのクレーターとなると深さは後20~30μは楽にあると思われますので、これまでを磨きとることはナンセンスです・・・
このようなダメージの大きなイオンデポジットクレーターは、コーティングを施工することでできにくくはなりますが、完全に防ぐことは残念ながらできません・・・
ダメージが大きくなる前、
できれば初期の水染みの段階でこまめにメインテナンスすることが必要です!
具体的方法は、施工いただいているお客様にはお伝えいたしております。
弊社既存のお客様以外でのこのようなメインテナンス方法のお問い合わせには、お答えしかねますのでご了承ください。
この部分オーナー様がどこかの施工店で施工された際に磨き過ぎにより、クリアーを削り取ってしまい、なおかつメタリック層まで削り取ってしまってあります。
何らかのダメージを除去しようとしたのでしょうが、膜厚確認すら行わなかったのでしょう、はっきり言ってでたらめな行為です・・・
もっとも最近の若手の磨きは研磨をすること自体ができないレベルですので、キーパーなど簡易施工店でこのようなことはされないでしょうが・・・
JAGUAR ジャガー XJ-R コーティング終了
はっきり言ってジャガーの品格すら失われているほどみすぼらしくなってしまっていた状態でしたが、
「新車か?」
と思ってしまう、いやそれ以上の意匠性に仕上がりました!
最近の傑作ですね。
先日のロータスもそうですが、自身が所有するメーカーの車ですとなおさら力が入ります。
特にジャガーに関しては、私の最も好きな車ですのでなおさらです。
良く施工店の方は、
「ジャガーですか、塗装も磨きにくく形状も磨きが難しいんですよねー」
「できれば施工したくない車の筆頭ですね・・・」
などという言葉を耳にしますが、私にとっては輸入車ではベンツよりも磨きやすい、また磨きがいのある車です!
ジャガーオーナーの方ぜひ私に磨かせてください。
今回お選びいただいたコーティングは、“ブリリアントフィニッシュ・プレミアム”です。
本年8月より新登場した疎水・滑水機能の中間グレードのコーティング剤となります。
かなり革新的コーティングで軽度の擦り傷に対しての防御性能を、
コーティング表面にフレキシビリティーを持たせることにより実現しています。
ダメージの強い傷に対しては、コーティングの下層部分が8Hの硬度となっているために、塗装に対して傷が入ることを防いでいます。
ただし、バリアーではありませんから全く傷が入らないわけではありません、
あくまで犠牲被膜と認識してください!
また、昨今中国の大気汚染の影響か?
雨も強酸性雨になったり、アルカリ性雨への変化も起きてきており、PM2.5を含むことによりより水染みの固着を引き起こしやすくなってきておりますが、これらの原因物質であるアルカリ金属イオンの付着を阻害する機能も備えています!
降った雨や洗車の際の水残りが、滑水機能によりしにくいことも大きな要因です。
然し、日ごろの管理を怠っていれば、当然それなりのダメージはこうむりますので、
屋根なし駐車車両は特に定期的お手入れは行ってください。
先日は娘がお世話になりありがとうございました。
エボーラも購入されたことですし、来春のツーリング参加もご検討ください。
この度はレアなお車施工させていただきありがとうございました。
会員クラス:法人準会員登録
車輛クラス:クラスX-1
施工コース:
コーティングコース=ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング
磨きコース=新03スタンダード磨きコース(ダメージの大きい使用過程車向け・傷取り鏡面磨き)
オプション施工=スプラッシュビュー・ウインドウ フッ素コーティング(フロント基本セット×ミディアムポリッシュ)
施工料金:268.029円税込(ご紹介割引-10%・濃色車割増磨きランク1+20%・輸入車割増磨き+10%・ボデイ材質割増磨き+20% 適応・高速代キャッシュバック別途)
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